プロローグ 紅の彗星   作:龍夢

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とある古い歴史書①

約二億年前
始祖の神【ゼウス】と終焉の神【ヘラ】は
それぞれ、二人の神を生み出し眠りにつく。
生み出した神は

死の調和神【アークヴェルザ】
命の調和神【ゼルクレア】と言う。

約一億五千年前
命の神は五属性【火 水 木 光 闇】を創り出し、それを司る神を生み出す。

火の神 アグニ

水の神 エキューム

木の神 ホウライ

光の神 アマテラス

闇の神 ツクヨミ

死の神は数多ある世界の境界と時空を維持する【賢者】を二人生み出す。


境界の賢者 凛音

時空の賢者 ギャラティック・ノヴァ

その後二柱は役目を終え、眠りにつく。

各属性を司る神は【自然神】と
時空と境界維持する二人の賢者は【螺旋賢者】と呼ばれる。
彼らは人や魔物、龍、妖などに崇められる。
長きの平和と進化が生まれる中、影ながら腐敗の侵食が進んでいた…。


二話 自由の都 モンド

 

 

「なるほど、事情はわかった。」

 

あれから3分弱位話が終わり、現在はモンド城に向かって歩いている。

というのもパイモンが「お腹空いたから、鹿狩りへ向かうぞ!」と言ったからである。

正確には任務が完了したから【冒険者協会】に報告して、【西風騎士団本部】へ行き翔夢のことを相談してからお昼なんだが。

現在は星落としの泉辺り。すると空は

 

「ガイア、【七天神像】に寄っていい?回復したいから。」

「あぁ、いいぞ。」

「…【七天神像】?」

 

翔夢は首を傾げながら、三人について行く。

泉の中央には、大きな像が建っている。

パイモン曰く、この世界の神【七神】を象徴している像。回復などの加護を貰えると言うが、パイモンは小声で「あの吟遊野郎があれってのがなぁ…」とぶつぶつ言っていた。

空が七天神像に近づき触れると、先程の戦闘で出来た傷がみるみる癒えていく。なるほど、こう言うことか。するとパイモンは

 

「そういえばショウム、お前は【神の目】を持っていないな…元素力も感じないし…。」

「神の目?元素?」

 

この世界独特の用語なのかピンと来ない。

するとガイアが説明してくれた。

簡単に言えば、火 水 岩 氷 風 草 岩の七つの属性…それが【元素】。

【神の目】は七つの属性のうち一つを操れる力を持てるガラス玉だと言う。テイワットの各国々は元素の力と【意味】を礎として成り立っているとの事。

実際、ガイアの神の目を見せてくれた。

冷たく、ひんやりと感じる氷元素が宿った神の目。

個人的に感じた事だが、何処か悲しく泣いているような感じがする。

誰でも持てるわけではなく、神の目を持てる人は限られているらしい。

じゃあ何で空くんは像を触れるだけで元素を使えるの?と聞いてみたら、

空とパイモンは言いづらそうな顔をした。

 

(まずいこと言っちゃったかな…)

 

翔夢の考えを察したのかガイアはフォローにまわる。

 

「まぁ、彼は特殊だからな。何故触れるだけで元素共鳴ができるかはわからない。」

「あ、ごめんね。」

「いやいや、大丈夫だぞ!」

「…あれ?ショウム、ポケットからなんか光ってるよ。」

 

空が翔夢のポケットの違和感に気づく。

スマホをしまっているポケットから淡い水色の光が漏れているのだ。

スマホを取り出すと、探査機のライトが「ピコン、ピコン」と七神天像に反応している。

三人は興味津々でスマホを見ている。

 

「ねぇ、何それ?」

「スマホ…スマートフォンって言うんだけど、

 知ってる?」

「「「知らない」」」

「だよねぇ…あ、もしかして…」

 

スマホを七神天像の金装飾の部分に翳すと、薄緑色の淡い光がスマホに集まり…画面に地図と図鑑等が表示される。

 

【幻想大陸 テイワット 登録】

 

【自由の国 モンドのマップ・図鑑…その他の情報が更新されました。】

 

【アプリの機能不具合の修正を完了しました。】

 

というボイスが流れた。

翔夢は「よし」と頷いたが三人は頭に?マークを浮かぶ様な顔をしている。

すると空は「今の何?」と聞いてくる。というか空とパイモン…目をキラキラと輝きながらスマホを見ている。二人はスマホに興味津々状態。ガイアに関してはなんか怪しんでいる様な…。

 

「えーっと…色々な機能がある【アイテム】なんだ。これ一つで地図や絵が見られるし…図鑑とか本も見れるんだ。あと、双眼鏡の機能とか色々あるし…」

「ねぇ、もっと見たい!見して!」

「オイラも見たいぞ!」

「説明遮られた!というか二人とも、目がギラギラして怖い!!」

 

三人はモンド城に着くまでギャーカーと大騒ぎしながら、双眼鏡機能とカメラ機能とか色々と試したり、いじったりしていた。ガイアは微笑みながら見ていたが、瞳の奥深くで怪しんでいる光を宿していた。

 

☆★☆★☆★☆★

 

色々あったが無事に?モンド城に着いた四人。

因みにスマホはバッテリーが無くなってきたのと、パイモンが壊しそうになったので

 

「もう終わり!また今度!!!」

 

と、いうことで取り上げた。空とパイモンはというともっと弄りたいのか、頬を膨らませていた。

しかも、ガイアはそれを見て大笑いをしていたし。

入り口にいる西風騎士団に警戒されだが、ガイアと空が事情を話してくれたおかげですんなりと入ることができた。

 

「さて、不思議な旅人ショウム、モンドへようこそ。」

「ガイアさん、不思議な旅人って…まぁそうだけど…てか二人ともいつまで頬を膨らませているの?」

「「すまほ、もっと見たい!」」

「また今度って言ったじゃん!」

 

「もー…」と言いながら、ひとまず冒険者協会へ向かい、空は任務完了の報告をする。

すると、受付のキャサリンが翔夢と目が合い

軽く自己紹介と事情をを話したら

 

「…それなら、冒険者協会に入会しませんか?報酬等色々ありますよ!」

 

勧誘されたがとりあえず保留にしておいた。

まだ色々とわからないことだらけなので

「あらかた落ち着いたらまた来る。」

と伝えておいた。

現在は西風騎士団代理団長【ジン】という人に、この事を伝えるために本部へ向かっている。

 

「賑やかな街だね。」

「モンドは自由で平和な国だからな!」

「パイモンが威張る事じゃないでしょ?」

「というか、空くんは有名人だね。みんな君のこと【栄誉騎士】って言ってるし。」

「なんだって彼は、モンドの危機を救った英雄だからな。」

 

ガイアがそう言うと空は「エヘヘ…」と照れていた。(さりげなく凄いことしてるんだ…)と、翔夢は心の中で驚く。

そういえば、あんまり自分の事を話していない。

とりあえず落ち着いたら色々と話そう。

ワンチャンあの事を話せるかもしれない…。

これに関しては話す人を選ばなければならない。一歩間違えたら、変人扱いされる可能性も高いし…それだけは嫌だ。

 

「…ム。おい、ショウム!」

「はえっ?!」

 

考え事をしながら歩いていたのか、パイモンの掛け声にびっくりした。

いつの間にか、大きな石造りの建物前にいた。

空は心配して声をかける。

 

「ショウム、大丈夫?」

「あ、うん…ちょっと疲れたかも。」

「お前さんも色々あったらしいからな…もう少しの辛抱だ。」

 

ガイアは先程の怪しい光は無くなっている。

寧ろ、少し彼のことを心配している様だ。

建物に入り、手前左の部屋に向かう。

空は扉をノックした後、女性の人が返事をして、中に入る。

部屋には金髪の女性と、魔女ぽい女性がいる。

金髪の女性はデスクワークをしていたのか、書斎机には報告書の様な紙が山積み。

 

「やあ、栄誉騎士とガイア、ご苦労様。話は聞いているよ。」

「あら、かわい子ちゃんがもう一人。」

「か、かわい子ちゃん…?」

 

翔夢は少し動揺。

【知り合い】にそう言われることは多々あるが、これでも彼は19歳。そんなこと言われる歳では無い。てかもう一人って誰?!

そんな事を気にしないパイモンはジンに話しかける。

 

「騎士団の兵士たちもそうだけど、情報が早いな。」

「規模が小さいからな、直ぐに情報は届く。」

「あ、えーっと…」

「すまない、自己紹介だな。私は西風騎士団代理団長【ジン】だ。こちらは【リサ】。西風騎士団の図書館秘書だ。」

「初めまして、かわい子ちゃん。」

「………。」

 

またかわい子ちゃんと言われ、若干顔を引きついたが空にこそっと

「大丈夫、俺もそう言われてるから。」と同情を交えた励まし?をもらった。

 

「初めまして、僕は【翔夢】と言います。」

「ショウムだね。とりあえず、君に関してなんだが…。」

 

暫く、今後どうするか等の話になった。

 

★☆★☆★

 

最終的に翔夢は、空とパイモンに預けてもらう形になった。実力などはガイアが話してくれたのか冒険者協会に入会する事を勧められた。

同時に西風騎士団の寮の部屋を借りる事に。

皆に助けてもらった恩もあるので、できる範囲で西風騎士団を手伝う事を決めた。

 

「皆さん、ありがとうございます…何から何まで。」

「いいんだ、君は色々と混乱しているんだろう。気にしないでくれ。」

「うん、それに困ってる人を放って置けないし。」

「何かあったら、俺たちに聞くといい。」

「図書館の本も自由に読んでいいわよ。借りるときは声をかけてね、かわい子ちゃん。」

 

なんか申し訳ない…でも、ここはお言葉に甘えておこう。

安心したからちょっと疲れたな…と翔夢はそう考えていたら…

 

ぐう〜〜〜〜〜〜っ

 

大きな空腹音が書斎に響いた。

犯人は無論…

 

「だーーもっ!オイラはものすごくお腹が空いたぞ!話は終わったな?早く鹿狩りに行くぞ!」

「ちょ、パイモン?!」

「え、二人とも待って!!あ、失礼しました!」

 

バタンとドアが閉まった後、ドタバタという音が響く。そのあと、階段から落ちた様な音が聞こえた様な気がする。

 

「さらに賑やかになるな。さて、俺も失礼する。」

 

ガイアも出て行き、ジンは「私達も昼食にしよう。」と、リサはに声をかけたが何か考え事をしている。

 

「……」

「…?どうした、リサ。」

 

考え事をしているリサにジンは声をかける。

 

「いえ、何でもないわ。」

(気のせいかしら…?微かにかわい子ちゃんから、元素力を感じたのだけど…。)

 

リサは薄らと翔夢が持つ力を僅かに感じ取っていたのだった…。

 

 

★☆★☆★

 

某所 

 

モンド城が一望できる場所で、少女は青空を見上げている。空と似た風貌の少女、側には遺跡守衛が彼女を守る様にいる。

少女はふと、モンド城を見つめた。

 

「…お兄ちゃん。」

 

すると、少女の傍にぽん!とアビスの魔術師が現れ少女に一礼をする。

 

「姫様、報告します…ファデュイの愚か者たちは【神の心】を手に入れるために動き始めました。

我々の計画に利用できかと…」

 

「そう…。兄さんは?」

 

「彼は現在、【栄誉騎士】となり西風騎士団に色々と協力している様です。そしてこれは私めの予想ですが…次は離月に向かうかと。」

 

「わかった…ご苦労様、今日はもう休んでいいわ。」

 

「有り難きお言葉…。」

 

ぽん!

 

「失礼します、姫様」

 

アビスの魔術師(氷)が去った後、もう一人のアビスの魔術師(水)が現れ一礼をする。

 

「何?」

 

「先程、貴方様の肉親を監視していましたが…ある人間が彼と接触し、共に行動をする様です。

その人間は、要注意した方が良いかと。あの人間は七神の力を遥かに上回る力を持っています。」

 

七神を上回る力…昨日、この幻想大陸に流れてきた紅の彗星も七神よりも遥かに強い力を感じた。…その人間と関係あるのか。

姫様と呼ばれた少女は目を細め…

 

「…名前は?」

 

「…名は【ショウム】と言う様です。」

 

少女の瞳が暗くなったのを境に強風が吹き、蒲公英は空の彼方へ飛んでいった。

 




どうも三話です。
時系列としてはトワリン暴走から収まって数日経ったぐらいです。
次はどうしようかな…闇夜の英雄を書きたいからそれかな。
読んでくれてあざました!
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