ガンプラバトルネクサスオンライン、通称GBN。機動戦士ガンダムシリーズのプラモデル…ガンプラをスキャンしてログインする、フルダイブ式を本格採用した
その名は登場から数年経っても時折世間の話題に上がり、それそのものを知らない人々の耳にも届く超有名タイトルとなっていた。
そんなGBNであるが、サービス開始からこの方常に順風満帆だった訳では無く、これまでに無かったゲームサービスであったが故に幾度と無く、前代未聞のトラブルに見舞われてきた。
ある時はゲームの総元締めたる運営者達をも欺く、恐るべきチートツールの出現、
またある時は世界初の電子生命体の誕生と、それに伴うGBNの容量圧迫によるサーバー崩壊の危機。
そしてまたある時には───世間に公にはされていないものの───遥か彼方の異星との繋がりを発端とする惑星守護AIによる、銀河を越えたGBN侵攻。
etc……
GBNはこれまで様々な苦難と課題に遭遇し、しかしそれ等は時に運営だけの手では無く、GBNをプレイする顧客…ダイバー達の結束、挑戦、そしてそこから成る奇跡によって解決されてきた。
そしてそのGBNに、また新たな危機が芽吹こうとしている事を、未だ誰も知る事は無かった───、
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GBN内荒野ディメンション
フリーバトルエリア───、
そこで1つの激しい戦線が演じられていた。
2つの機影が剣を振るい打ち合う。
1つは、ガンダムエクシア…機動戦士ガンダム00にて主役機を演じた、七つの剣を備える白兵戦型MS。
その改造機───背に同作のフルセイバーユニットを、脚と肩にアヴァランチダッシュユニットを装備し、手には外伝を出典とするザンライザーから取り外したGNバスターソードIII[連結]を携えている。
その名をガンダム
主人公機第一号の超発展をコンセプトとし、近接戦に重きを置く重装甲ガンプラであった。
また1つは、ガンダムダンタリオン…
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ…「月鋼」の名を冠する外伝作品にて正式登場した、異なるゲーム作品を初出典とする異色のガンダムフレーム。
その改造機───全身を黒く染め上げ、脚部を同作のガンダムヴィダールのものに換装、また幾度と無く修復され左右非対称の歪なシルエットを獲得するに至った様子から、この機体がGBNの前身…GPD時代から戦い続けて来た歴戦のガンプラである事が伺える。そのシルエットは正しく
ダンタリオンが黒い大剣…デモリッション・ナイフを振るい、エクシアが跳び避けてGNバスターソードIIIを振り下ろす。それをダンタリオンが大剣で受け止め競り合いに持ち込むと…間も無く状況が動いた。
機体の膂力でダンタリオンが押し勝ちエクシアがバランスを崩す。ダンタリオンはその隙を見逃さず手持ちの大剣で左肩から右腹にかけ笠懸にエクシアを切り裂き、続けてダンタリオンの腰部に収納したバーストサーベルで突き貫いて頭部に大穴を穿つ。
そのままトドメと言わんばかりに強靭な脚でエクシアを蹴り倒すと、両手に持ち直したデモリッション・ナイフを、エクシアの胴に…深々と突き立てた。
耐久力を完全に喪失したエクシアは瞳から光を失い、ボロボロの躯体を電子の海へと還していく…最早誰もが見慣れたGBNにおける敗者の最後だ。
バトルで全損敗北した機体はダイバーごと格納庫へ強制送還され、一定時間再出撃が出来なくなる。
消えゆくエクシアのパイロットは満足そうに通信機を繋ぎ、相手のダイバーへと言葉を投げ掛けた。
「くっそぉ…アンタ強いな、今回は俺の完敗だ。けど、次は負けねぇ、絶対俺が勝つからな。」
『──────。』
相手からの返答は無い。
エクシアのパイロットは呆れるように手を仰ぎ、それでも努めてフレンドリーに言葉を続けた。
「愛想ねぇなぁ…まーいっか。
エクシア乗りの男は最後に満面の笑みを見せると、エクシアと共に爆散して消え、強制送還された。
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GBNセントラル・ディメンション中央広場。
GBNに初めてログインした者、特別なログイン位置固定を行っていない者はまずここに転送される。故にそこはこのGBNにおいて最も人が集まる場所であり、GBNプレイヤーに知らぬ者はまずいない、基礎中の基礎となる場所である。
そんな場所で───、
「きゃっ!?」
「っ!?サラ!?」
「っ…だい、じょうぶ…突然、声が聞こえて…」
「声…ガンプラの…?でもここは…」
「うん…でも、何だか、凄く…痛そうで、苦しそうで、辛そうな…悲鳴、みたいな声が……」
「悲鳴…?…今日はELバースセンター…ツカサさんの所に行って、診てもらった方がいいかな。」
「っ……うん…ごめんなさい、リク…」
「大丈夫、サラの体の方がずっと大事だよ。」
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──────、
「う…ッ!?」
「…?メイ?」
「ッ…いや、問題無い。立ちくらみだ…」
「…?そうか。…じゃあ、今日はこの辺で」
「ああ。────。」
(今のは、何だ…?ガンプラの声…だが中央ロビーにガンプラは…それに、今まで聞いた事も無い声だった…まるで傷付き、消えていくような───。)
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某所、ガンダムベースカフェ。
GBN筐体ブースにて、今日も1人のダイバーがログアウトし現実世界へとその精神を帰還させた。
「ふぃー…今日は負けちまったが楽しかったなぁ…明日からは負けねぇように猛特訓、を───、」
ダイバー…AエクシアFDを相棒としていた男が台座に置かれている愛機を見て、絶句する。
ログイン時には万全の状態であり、つい先程まで共に闘った…彼からすれば何処に出しても恥ずかしくない自慢のエクシア。それが……無惨に砕けていた。
右脚は関節からへし折れて倒れ、胴は左肩から右腹にかけて深々と烈断された痕跡が痛ましい。
頭部には見るも無惨な穴が穿たれ、その姿はまさしく「再起不能」とも言うべき惨状であり、
こうなれば最早修理は敵わないと言って過言では無い、凄惨な状態と成り果てていた……
「あ、ああ…なんで…GBNはGPDと違って、負けてもガンプラは傷つかないんだろ…なんで───、」
男は肩を震わせながら愛機の残骸をすくい上げて見つめ、誰に訴えるでもなく一人呟く。
それもその筈、AエクシアFDだった残骸の刻まれた傷はまさしく、先程の戦いで黒いダンタリオンから受けた箇所と寸分違わず完全に合致していたのだ。
「う…あ……ああ────、」
「うあぁぁぁぁぁっっ!!!」
男の叫びを聞き何事かと駆け付けた職員を発端に、騒動は一気に加速する事になった────、
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時と場は変わり、某所───、
薄暗い部屋の中で、無数に置かれたモニターの1つを眺め不気味に笑う、1人の男がいた。
髪は白髪で、痩せこけ、不健康に剥き出された歯茎はただでさえ不気味な顔立ちを更に際立たせる。
その男が見ているのは……無惨に砕けたガンプラを抱きしめ慟哭を洩らす男と、それに駆け寄り状況を理解して、応援を呼ぶスタッフと思しき男性の姿。
男はガンダムベースの防犯カメラをクラッキングして映像を盗み、それを楽しそうに見ていた。
「ヒ、ヒヒ…実証実験はこれで終了ォ…待ってろよGBN…すぐにぶっ壊してやるからなァ…」
男は笑う。
それから自身が腰掛けるキャスター付きチェアを動かして別のモニターを使い十数分操作をして、何やら作業を終えたのか背筋を伸ばし解して、傍らに置かれている写真立てを手に取る。そこに飾られた写真には、黒髪の気弱そうな青年と、紅髪の目つきの悪い青年、そして茶髪の少女と……白髪の、眼の下に浅いクマを湛えた青年の4人が写っていた。
「コーイチぃ…俺はテメェみたいに、みっともなく逃げやしねぇ…ツカサ……俺はテメェと違って途中でしくじりもしなけりゃ絆されて甘ちゃんになるつもりもねぇ…ク、ヒヒ…待ってろよ…もうすぐだ、もうすぐ祭りが始まるからなァ……!」
男は笑う。
この世の全てを憎悪し、ありとあらゆる人の夢を破壊せしめんとする悪意に人々が気付く、運命の日が来るのは、今はまだまだ先の話───、
白い髪の男
ダイバーネーム[削除済み]
ダイバーランク[削除済み]
ダイバールック[削除済み]
登録ガンプラ[ERROR]71[ERROR]
備考[削除済み][ERROR][ERROR]
[ERROR][ERROR][削除済み]
GBNに1日だけ姿を現した謎のダイバー、彼の事を知る者は殆どおらず、目撃者も殆どいない。唯一彼と戦い撃破されたダイバーは、彼の使う機体が「黒いガンダムフレームだった」と語っているようだが───、
続きません(確固たる意思)