咲夜「お嬢様…そんな…お嬢様が…」
フラン「お姉様…?嘘だよね…?」
パチュリー「起きてよ…レミィ…」
美鈴「私が…弱かったばかりに…」
幸太「…悪い、間に合わなかった。」
…お嬢、悪い。護れなかった。…本来は泣く時なのに、泣けない…何故だ?俺とお嬢の関係はそんな物だったのか?…俺は執事失格だな…また失うのか…俺は…
?(君はこんな事くらいで諦めるのか?)
声が聞こえる…この声は…『女神様』か?
女神様?(君はこんな事くらいで諦めるのかと聞いてるのよ。)
…諦める?俺が?
女神様?(大事な者が死亡した。それは悲しい事だろう。)
そんな事は解ってる。…何が言いたい?
女神様?(貴方はあの時、彼女達と生きていきたい、そう願った。)
そうだ。俺は…この居心地の良い紅魔館で生きる。そう決めた。
女神様?(なら、思い出しなさい。この状況をひっくり返す一手を。ピースは揃ってるはずよ。)
そうだ。諦めるなんて俺らしく無い。
ここは幻想郷だろ?人が忘れた者の楽園。魔術、呪術、何でもアリのぶっ飛んだ世界。
なら、死者復活くらい訳無いはずだろ?…ピースは揃ってると言われた。つまり俺はその方法を知ってるはずだ。思い出せ…!
咲夜「…葬式の準備をしましょうか。」
幸太「待て。」
思い出した…どうして数十分前の事も忘れるかね?
咲夜・フラン・美鈴・パチュリー「「「「どうしたの…?」」」」
幸太「美鈴、俺が渡した治療パックは?」
美鈴「あ、はいここに…」
幸太「返して貰うぞ。」
治療パックから医療用の針と糸を取り出す。
幸太「消毒してっと…胸の傷を縫える者は居るか?最悪俺が縫うが…」
フラン「さっきから何をしてるの?」
幸太「準備。時間が無い、居ないのか?」
咲夜「あっ、私がやるわ。」
幸太「十分、これ以上は掛けられない。終わったら全員会議室に来てくれ。」
紅魔館 会議室
咲夜「縫い終わったけど…何をする気?」
幸太「…この中でお嬢の為に死後天国に逝くのを諦める覚悟の無い者は、この部屋から出てくれ。少なくとも俺はその事については責めない。」
咲夜・フラン・美鈴・パチュリー・こあ「「「「「!?」」」」」
幸太「三分たった後にこの部屋に居る者は全員覚悟アリと見るぞ。」
三分後…
幸太「…残ったのはお前らか。」
咲夜「何をする気なの?答えて?」
幸太「いいか、これから言う事は禁術だ。さっき言った様に使ったら天国は出禁になる。」
フラン「で?ゴウキ?何が言いたいの?」
幸太「死者蘇生。」
咲夜・フラン・美鈴・パチュリー・こあ「「「「「!?」」」」」
パチュリー「それは…魔術師の夢みたいなものよ。成功例は聞いてないわ…ゲホッ。」
幸太「この本を見てくれ。」
シュウから借りた『ネクロノミコン第一巻』を取り出す。
パチュリー「これは…読めないわね…ゲホッ。」
幸太「俺が通訳しよう。見て欲しいのはこのページだ。」
フラン「早く読んでよ。」
幸太「えっと…『死んでしまった者を蘇らせる方法(人外でも可)。』」
咲夜「ちょっと緋劉、これどこで手に入れたの?」
幸太「知り合いから借りた、続き読むぞ。」
咲夜「え、ええ。」
幸太「『死んでから24時間以内にエクスエリクサーを死者の魂に飲ませる。』」
パチュリー「エクスエリクサー?知らない薬ね。」
幸太「作る為の材料を言うぞ。『天界に咲くと言われる優曇華の花の種』『魔界を支える世界樹クリフォトの実』『エクスマンドレイクの根』」
パチュリー「うーん…エクスマンドレイクなら有るけど…他は切らしてるわね…」
幸太「取りに行こう。行き方は…」
こあ「魔界なら私の地元です~。」
幸太「じゃあクリフォトの実はこあさんに取ってきて貰おう。天界は…」
美鈴「妖怪の山の上空に行けば着くわ。」
幸太「そうなのか。じゃあ俺が行こう。他の者は薬造りの手伝いを頼む。」
咲夜「待って、私も付いていくわ。」
幸太「咲夜さん…この行為は世界を揺るがす可能性がある。確実に邪魔が入るだろう。護りきれる自信が無い。ただ、助けを求める時が有るかもだからその時は頼む。」
咲夜「…解ったわ。」
幸太「あと二十三時間三十分か、こあさん、クリフォトの実を取るのにどれくらい掛かる?」
こあ「そうですね~三時間もあれば間に合います~。」
幸太「解った。…絶対にお嬢を救うぞ。」
フラン「当たり前だよ!!お姉様を助けよう!!」
パチュリー「親友のピンチを助けずに、どの口で親友を語るのよ。」
咲夜(…『死ぬまで一緒に居る』と言ったのだから…守らせて下さいよ…)
幸太「ん?何か言ったか?」
咲夜「い、いえ!?何でも無いわ。」
幸太「?そうか…じゃあ、行ってくる。」
フラン「必ず戻って来てね!!」
幸太「ああ、任せろ。」
ブゥン。
美鈴「さて…準備を進めましょうか。」
パチュリー「ええ、一世一代の禁術…成功させて見せるわ…ゲホッ。」
天狗の村
ブゥン。
幸太「よっ、椛。」
椛「緋劉さん…来る時は連絡してと言ったじゃないですか…」
幸太「悪い悪い、この上に行けば天界だよな?」
椛「天界に行きたいのですか?確かにこの上に行けば天界ですが…何の用事ですか?」
幸太「…ちょっと素材を取りにな。」
椛「…そうですか。気を付けて下さいね。」
幸太「おう。」
一応武装してと…さて、行くか。
幸太「美鈴。」
ブゥン。
美鈴「呼びました?」
幸太「ああ。俺を上に向けて思いっきり蹴り上げられるか?」
美鈴「へ?…ああなるほど、分かりました。」
幸太「一二の三!!で飛ばしてくれ。準備はいいか?」
美鈴「いつでもいけますよ!」
幸太「よし、一、二の、三!!」
美鈴「いっけぇぇ!!」
幸太「飛べぇぇ!!」
キーン…!!
美鈴「…さて、帰ってパチュリー様の手伝いをしないと…」
お嬢…少しだけ待っててくれ…必ず助ける…俺の魂に掛けて!!
幸太「!やっぱり歓迎はされないか。」
ここは通さんと言う様に妖怪達の弾幕が降り注ぐ。
幸太「怪我したくなかったら退けよ!!」
レミリアを蘇生させる為、天界に向かうゴウキ。だが幻想郷の安定を護るため、四人の少女が行く手を塞ごうとする。
次回 第十二話 「世界の覚悟と一人の覚悟」
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