紅魔館 正面玄関前
ルシファー(ここが幸太の拠点か。)
幸太(そうだ。ここが俺の仕事場兼自宅の紅魔館だ。)
ルシファー(ふむ…空間が歪んでるな。)
幸太(ああ。ここの従業員の一人が時間を操れるからな。)
美鈴「…緋劉…さん?」
幸太「ただいま美鈴。」
幸太(紹介しよう。紅美鈴、紅魔館の門番をしてる。)
ルシファー(ほう…こやつ、我の存在に感づいておる。)
美鈴「あの…緋劉さん…身体の中…」
幸太「ルシファーの事か?安心しろ、味方だ。」
美鈴「なら良いですが…」
チルノ「あ、師匠!」
幸太「お、チルノか。数日ぶり。」
幸太(俺の弟子のチルノだ。氷や冷気の力を操る。)
チルノ「本当だよ!何処行ってたんだ!?美鈴に聞いても答えられませんの一点張りで!」
幸太「悪い悪い。ちょっと野暮用でな。」
幸太(ナイス美鈴。チルノを俺らの問題に巻き込めないしな。)
チルノ「もー…師匠が居なくなると困るのはあたいなんだからね!」
幸太「へいへい。」
レミリア「そう言えばゴウキ、家族を殺したって噂を聞いたのだけど?」
幸太「…ああ。その件か。誰からだ?」
レミリア「霊夢から聞いたの。…どうゆうこと?」
幸太「…聞きたいか?只の家族不孝者の話だぜ?」
レミリア「…聞かせてちょうだい。」
幸太「…OK。あれは俺がまだ五歳になったばかりの頃だ。
親父は陸軍でよく家を空けてた。だから基本母ちゃんと兄と暮らしてたんだ。
俺の一家は昔からの傭兵一家らしくて金なら唸る程ある…そこに目を付けられたんだろう。
ある日、強盗がやって来て、言ったんだ。『全財産渡せ。さもないと皆殺しにする。』って。
兄は強盗に包丁で立ち向かって、頭を撃たれた…俺は無我夢中で包丁を拾って強盗に投げつけたよ。その包丁が首元に刺さって強盗は倒れた。だけど死ぬ前に最後の足掻きとして母ちゃんを撃ち殺した…引き金を引いたのは強盗だが、原因を作ったのは俺だ。
葬式が終わったら、親父は俺に謝った後に陸軍を辞めた。海外旅行に連れてってくれたよ。だけどその飛行機がトラブルで墜落…親父と二人で無人島でのサバイバルを余儀なくさせられた。けど、親父は飯を用意する為に海に潜ってそのまま帰って来なかった。
親父が俺にサバイバルを教えてくれたお陰で俺は三ヶ月生き抜き生還したよ。
…自分で言ってて事実は小説より奇なりと思ったよ。俺は三人の命のお陰で今ここに立ってる。これに答える為にも…そう易々とは死ねん。」
レミリア「…」
幸太「どうだ?聞いててつまらんだろ。」
レミリア「いえ…只、貴方も苦労してきたんだなぁ…って思って。」
幸太「…ぶっちゃけ大事なのは過去よりも
レミリア「…そう思えるならそれが正解だと思うわ。」
幸太「…今決めた、お嬢。」
レミリア「?いきなり何?」
幸太「俺は人間だ。あと80年もしたら寿命で死ぬだろう。」
レミリア「…確かにそうね。」
幸太「だが俺の生まれた所では輪廻転生って言葉がある。死んでもまた誰かになってこの世に転生するって意味だ。」
レミリア「…!」
幸太「俺が死んでも、別の誰かになってまたお嬢の執事になる。その時は人間じゃ無いかもだけどな。約束だ。」
レミリア「…良いの?」
幸太「良いんだよ。俺が誓いたいから誓うんだ。それとも迷惑か?」
レミリア「そんな訳無いじゃない。…ありがとう。」
幸太「おう、これからも宜しく。…そう言えばなんだけど小町はどうなった?」
レミリア「永遠亭に送ったわ。そろそろ治療も終わってるでしょう。お見舞い、行くわよね?」
幸太「恩があるからな。行かない理由は無い。」
永遠亭 病室
八意「…あと五分でも遅かったら多分ここには居なかったわよ。何をしたの?」
幸太・レミリア・小町「「「企業秘密。」」」
八意「…そう。絶対安静ですからね。後面会時間を守る事。分かった?」
小町「はいはい。」
幸太「…良かったよ。生きてて。」
小町「そっちも目的を果たせたみたいじゃんか。」
レミリア「ええ。…ありがとうね。」
小町「へへ…ちょっと照れ臭いな。」
幸太「で?これからどうすんの?」
小町「これからって…あの時クビになっちゃったし…取り敢えずこの怪我治してから考えるよ。」
レミリア「仕事が欲しいなら紅魔館で雇う事も出来るけど?」
小町「…君たちの仕事場はサボるとナイフが飛んでくるんでしょ?」
幸太「…確かにな。」
レミリア「…否定出来ないわね…」
小町「人里で仕事でも探すよ。本当にありがとう…」
八意「そろそろ時間よ。」
幸太「へいへい。また来るよ。」
レミリア「またね。小町。」
小町「じゃあね二人とも。」
レミリア「そう言えば貴方が持ってる大剣…ルシファーが使ってたのよね?えらく小さくなってるけど…」
幸太「おう。ルシファーが『使うか?』って聞いてきたから借りてる。魔剣ルシファーと俺は呼んでる。」
レミリア「そのままね…」
幸太「分かりやすいし別に良いだろ。この魔剣を使えるのはどうやらルシファー・俺・お嬢の三人(?)だけらしい。」
レミリア「私も使えるのね。」
幸太「ああ。他の奴が触れようとすると弾かれるらしい。握ってみるか?」
レミリア「ええ。…結構重いわね…」
幸太「元々あのサイズだからな…」
レミリア「でも…扱えない重さじゃ無いわね。」
幸太「魔剣と槍の二刀流(?)か…訓練が必要だな。」
レミリア「割と感覚で何とかなるわよ?ほら。」
幸太「…呑み込みが早いな…」
ルシファー(確かに。)
レミリア「いきなり出てきたわね…」
幸太「あ、お嬢にも聞こえてるのか。」
ルシファー(当たり前だ。我は二人に繋がりを作ったと言っただろう。)
レミリア「…この力があれば…」
幸太「何か言ったか?」
レミリア「いいえ?この魔剣…貴方が使うの?」
幸太「基本はな。頼まれたら貸すけど。」
レミリア「…そう。」
幸太(…?何だろうあの表情は?)
レミリアは何かを覚悟した様な表情をしていた。
レミリア「…そろそろ帰るわよ。」
幸太「了解。」
幸太(…思い過ごしだったらいいが…)
帰って来た後も続く不安感…ゴウキの願いも虚しく思い過ごしにはならなかった。悲しい覚悟を背負ったレミリアは最後にする為の決戦に向かうが…
次回 第十八話 「悪魔の引き金」