博麗神社 居間
萃香「あれば確か…千年以上前だったかな…」
幸太「そんな前からやってるのか…」
萃香「あの時はスペルカードルールも無かったから文字通りの殺し合いだったね…千年前の戦いではこちらの負けになってたと思うよ。」
幸太「そうか。」
萃香「当時の博麗の巫女も妖怪もみんな戦争に連れ出されて、殆どが死んじゃった。」
幸太「…」
萃香「当時は本当に死ぬかと思ったよ…河童ですら敵わない技術を向こうは持ってたからね…」
幸太「戦争の理由は?」
萃香「月の民っていうのは穢れを嫌うんだよ。元々月の民も地上に住んでたんだけど、人々や妖怪が地上を穢したと判断して月に移り住んだらしい。」
幸太「んで、地上の穢れに我慢出来なくなって戦争を仕掛けたとでも?」
萃香「そういう事さ。」
幸太「…アホらしい。」
萃香「…は?」
幸太「アホらしいって言ったんだ。そんな下らない理由でこっちを巻き込もうとしたのか?あの紫ババアは。」
萃香「HAHAHA!幻想郷最古の妖怪で賢者と呼ばれる存在をババア呼ばわりするか!」
幸太「事実だからしゃーない。また来るから。」
萃香「ああ。分かった、それじゃあね。」
幸太「あ、そうそう。許可得れたら面白いことしようと思うけど、付き合うか?」
萃香「…内容次第、かねぇ。」
幸太「了解。」
ブゥン。
紅魔館
ブゥン。
レミリア「!」
幸太「ただいまお嬢。」
レミリア「お帰りゴウキ。何か情報は得られた?」
幸太「主に戦争の原因と歴史だな。詳しく話すよ。」
レミリア「皆を集めた方が良いかしら?」
幸太「ああ、そうしてくれ。」
会議室
幸太「…だいたいこんな感じだ。」
咲夜「そんな事があったのね…」
幸太「…一つわがまま言いたいんだが、良いか?」
レミリア「…内容次第ね、何かしら?」
幸太「…正直言って、この戦争、俺にはアホらしい理由で戦ってるようにしか見えねぇ。」
レミリア「…同感ね。穢れがどうとか言ってたけど、光がある所に影は出来るもの。」
幸太「ああ…かと言って幻想郷側に着く気はない…」
レミリア「ええ。」
幸太「だから、第三陣営を作って両方ともぶっ飛ばしこのくだらない戦争に
レミリア「…理由は?」
幸太「もし月の民側が勝って幻想郷に侵攻してきたらこっちも少なからず被害を被る。」
咲夜「…建前ね。それ。」
幸太「…」
美鈴「これまでどれだけ一緒に暮らしてきたと思ってるんですか。それくらい分かりますよ。」
幸太「…本音は、霊夢達が傷ついて欲しくねぇ。俺はもう何も奪われたくない…家族も、友人も。」
レミリア「良いわよ。」
幸太「…良いのか?」
レミリア「家族のちょっとしたわがままくらい聞くわよ。貴女達もそれで良いわね?」
咲夜「勿論です。」
美鈴「幸太さんには大恩がありますしね。」
フラン「フランも!」
幸太「…ありがとう!」
幸太「さて、状況を整理しよう。」
咲夜「月の民の戦力は過去のデータからおよそ30万程と予想出来ますね。」
パチュリー「そして幻想郷の戦力はだいたい20万程。」
幸太「んでこっちはこれから探すとして今のところ7人。」
レミリア「…正直言って絶望的じゃないかしら?」
幸太「大丈夫。月の民側や幻想郷側は勝利条件は相手を完膚なきまでに叩き潰すことだけどこちらは違うんだ。」
フラン「と言うと?」
幸太「こっちの目標はあくまでも戦争を終わらせること。理想は誰も殺さずに。」
美鈴「殺しはダメなのですか?」
幸太「もし殺したらその遺族が復讐に狂う可能性が高い。それは戦争の火種に油を注ぐことを意味するからな。」
レミリア「つまりこちらの勝利条件は誰も殺さずに両方の大将を捕まえて終戦を宣言させるってこと?」
幸太「そういうこと。正直言ってこんな事、普通やろうと思う奴は居ないな。」
咲夜「…リスクが大きすぎますからね。こんな事やろうとするのは…かなりの愚者ですね。」
幸太「…嫌なら嫌って言ってくれても良いんだぜ?」
咲夜「嫌って訳ではないわよ。私はお嬢様の命令に従う…それだけよ。」
幸太「そうか、んで俺らが狙う大将は…幻想郷側のは八雲紫、月の民側は、月の使者のリーダーになるのか。話によるとリーダーは二人いて姉妹らしいが…」
美鈴「多分リーダーの二人を同時に相手にするのは厳しいでしょうね…」
幸太「…まぁどちらか片方でも問題はねぇか。」
レミリア「…よし、作戦は決まったわね。咲夜、貴女は戦争の開始がいつなのか調べなさい。」
咲夜「畏まりました。」
レミリア「パチェと小悪魔は物資の確認をしてちょうだい。」
パチュリー「分かったわ。」
レミリア「美鈴とフランは戦闘訓練。特にフラン、貴女は経験が少ないからしっかりやりなさい。」
美鈴「分かりました!」
フラン「分かった、お姉さま。」
レミリア「ゴウキ、貴方は今までのコネとかを使って少しでも戦力を集めなさい。」
幸太「了解!」
レミリア「それじゃ…行動開始!!」
博麗神社
幸太「…と言うわけで、こっちの陣営に入ってくれないか?」
萃香「…面白い!良いよ!私にも暴れさせてちょうだい!!」
幸太「…助かる!」
人里 茶屋ぜんざい
幸太「へぇ、こんなところで仕事してるんだな。」
小町「お陰様でね。住み込みで働かせて貰ってるんだ。」
幸太「それは良かったな。」
小町「そういえば、この前荷物を取りに地獄に戻ったら…四季様、貴方のニュース見て顔色かなり悪くしてたよ…いったい何をしたの?」
幸太「知らない方が良いこともある…今日は頼み事があって来たんだ。」
小町「なんだい?」
幸太「近いうちに月の民と幻想郷で戦争があるって話は知ってるか?」
小町「噂では聞いたね…」
幸太「それで、俺はその戦争を第三陣営として終わらせようと思う。力を貸して欲しい。」
小町「…良いよ、私の力がどこまで通用するかは分からないけど、それでも良いなら手伝うよ。」
幸太「助かるよ。」
魔法の森 霧雨魔法店
コンコン
ゴウキは扉を叩く。
魔理沙「今開けるぜー…って幸太!?」
幸太「よう、霧雨。邪魔するぞ。」
魔理沙「ま、待て待て!何で来た!というか何でここを知ってるんだ!?」
幸太「生憎情報源はあるんでね。頼み事があってな。」
魔理沙「…茶は無いぜ?」
幸太「時間がねぇから無くて良い。」
霧雨魔法店 店内
幸太「散らかってるな…」
魔理沙「気にしないでくれ…で、頼み事ってなんだ?」
幸太「それはな…」
ゴウキは魔理沙にこれから行おうとしてる事を伝えた。
魔理沙「おいおい本気か?月とここの軍勢を同時に相手にして戦争を終わらせる?冗談だろ?」
幸太「悪いがマジだ。それでこっちの陣営に来て欲しくてな。ぶっちゃけ報酬は多分用意出来ねぇが…」
魔理沙「…やっても良いけど条件がある。」
幸太「…何だ?」
魔理沙「霊夢はさ…親の顔を知らないんだ。あいつは、孤独なんだよ。」
幸太「…」
魔理沙「…霊夢を孤独から救うこと。これが私からの条件さ。」
幸太「…友人として、そんな話を聞いたからには黙って居られねぇな。OK。その条件、飲もう。」
魔理沙「ああ、ありがとう。それじゃ、私も準備を進めるぜ。」
幸太「宜しく頼む。…戦力はこんなところか。一旦戻るか。」
各自で着々と進められる戦争への準備…愛する土地を守る為…穢れを消し去り安静を求める為…そのどちらでも無い理由を持つ者が武器を握る。
次回 第二十四話 「宣戦布告」