幻想紅英伝   作:最弱神

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今回の戦闘シーンを書くのはかなり苦労しました。分かりにくかったらごめんなさい。


第二十六話 「寝言は寝ていえ」

静かの海(裏)

 

幸太「…あの時から全く成長してねぇな。」

 

霊夢「何ですって…!!」

 

?「あの…」

 

幸太「後で聞いてやるから今は黙ってろ。あのなぁ、お前が俺と戦って負けた理由、分かる?」

 

霊夢「…貴方を見くびっていたからよ。」

 

幸太「残念違う。」

 

霊夢「じゃあ何だって…」

 

紫「こんな奴の話なんて聞く必要無いわよ、霊夢。」

 

そう言って紫はスキマから出てくる。

 

幸太・?「「…また増えた…」」

 

紫「正直、驚いたわよ。人間がここまで来るなんて。」

 

幸太「霊夢もバリバリ人間だろ?」

 

紫「っ!!…揚げ足を取るのはやめて貰いましょうか。」

 

幸太「そうか…い!!」(ルシファー!!)

 

ルシファー(任せろ。)

 

幸太は紫に向けてウィケッドウィーブを放つ。

 

紫「危ないわね…!」

 

幸太「少し黙ってろ。霊夢、お前が俺に負けた理由は色々ある。でもその中で一番大きいのは『お前が博麗の巫女として俺に立ち向かって来た』からだ。」

 

霊夢「…だから何?事実じゃない!!私は13代目の博麗の巫女、博麗霊夢!!それは決して変わらない事実!!幻想郷を護る事が博麗家が受け継いできたやるべき事!!」

 

幸太「だからなんだ!!」

 

霊夢「!?」

 

幸太「確かにお前は博麗の巫女としてこの世に産まれた。それは変えられない。でもそれ以前にお前は人間だ!産まれてから十数年くらいしか生きてない少女だ!!そんな大前提を忘れてる奴に俺が負ける訳ねぇだろ!!」

 

霊夢「でも…私は…護らないと…」

 

幸太「『私が護る』?寝言は寝てから言えよ、てめぇが一番助けて欲しそうな表情してんじゃねーか!!お前の能力は『主に空を飛ぶ程度の能力』!どんなものにも縛られない能力なんだろ!?そんなお前が、あんなもんにガチガチに縛られてるなんてどんな皮肉だよ!!」

 

霊夢「!!」

 

幸太「…魔理沙を仲間にするときあいつから頼まれたんだ。お前は親の顔も知らねぇ。育ての親はあの紫ババアだ。そうだろ?」

 

霊夢「…そうね。」

 

幸太「今の言動的にあの紫ババアはお前の事をあくまで『博麗霊夢』、もしくは『博麗の巫女』として見てる。そんな風に生きてきたお前を見てあいつは俺にこう頼んだ。『霊夢を孤独から救ってやってくれ』ってな。」

 

霊夢「…」

 

幸太「生憎俺には過去を変える力はねぇ。でも伝えることは出来る。」

 

霊夢「…私は…」

 

幸太「確かにお前を『博麗の巫女』として見てる奴も居るだろう。でもな、お前を『博麗の巫女』とも『博麗霊夢』とも見ずに只の『霊夢』として見てる奴も居る。例えば魔理沙や萃香、俺だって居る。あとはお前次第だ。霊夢、お前は一体どうしたい?お前の心は、魂は、何を望んでいる?」

 

霊夢「…私は…殺し合いなんか…したく…ない…私は…ただ…皆と一緒に…居たい…!!」

 

霊夢は涙を流しながら細々と言う。

 

幸太「…分かった!なら俺はお前の友人としてその願いを叶える手伝いをするだけだ!!」

 

霊夢「…ありがと、ゴウキ。お陰でなにか吹っ切れた!」

 

霊夢との確かな絆を感じる…

 

?(…汝…緋劉幸太よ…)

 

尚人(…また来た。今回もスペカかな?)

 

?(汝、契りを血盟の絆へと転生せしめたり…絆は汝の力となりて敵対する者を打ち砕かん…今こそ汝、『皇帝』の究極なる秘奥に目覚めたり…無尽の力を汝に与えん…)

 

カッ!!

 

霊夢「何これ!!いきなり光ってるけど!?」

 

紫「…幸太…貴方…!!」

 

幸太「後で確認するよ…おい紫ババア、こいつはこう望んでるぜ?こいつの両肩はお前が思ってる程広くない。それなのにお前は霊夢の両肩で支えきれない重荷を乗せた。それについてお前はどう思う?」

 

紫「…それは今まで博麗の巫女が背負ってきた義務。しょうがない事よ。」

 

幸太「そうかそうか…もうお前の声は聞きたくねぇ!!…さて、悪いな。待たせて。」

 

豊姫「い、いえ…では改めて…私は綿月豊姫(わたつきのとよひめ)。月の使者のリーダーをしています。」

 

幸太「おう、俺は緋劉幸太。お前らの戦争をやめさせに来た。」

 

豊姫「なるほど…つまり貴方は敵と見て良いのですね?」

 

幸太「まぁそうなるな。」

 

豊姫「そうなると私は月の使者のリーダーとして貴方を排除しなきゃいけないの。良いですよね?」

 

幸太「良いぜ?俺が勝てば済む話だしな。」

 

紫「待ちなさい…彼は、私が殺す。」

 

豊姫「邪魔をしないで頂きたいですわね。」

 

幸太「…二人まとめて相手しても良いが面倒だな…霊夢、手伝うか?」

 

霊夢「…博麗の巫女としては、貴方を止めなきゃいけない…でも、今回は自由にさせて貰うわ。」

 

幸太「…へっ、やっと良い表情(かお)になったじゃねぇか。遅れるんじゃねぇぞ?」

 

霊夢「そっちこそ。」

 

幸太「無論さ。さて…始めるか!」

 

こうして賢者と月の使者と未来を切り開く者達による三つ巴の戦いが始まった。

 


 

幸太「抉り取れ!!」

 

幸太はドリルのようにきりもり回転をしながら突撃する。

 

紫「甘い。」

 

豊姫「スピードは大したものですね…ですが、効きません!!」

 

二人は最低限の動きで避けると幸太に向けて弾幕を放つ。

 

霊夢「させない!!」

 

霊夢は一瞬で幸太を結界で包み二人の弾幕を阻む。

 

幸太「サンキュー霊夢!!喰らっとけ!!」

 

幸太は銃に炎と風の魔力石をセットして振り払うように撃つ。

 

紫「ちっ…」

 

豊姫「炎の風とは…やりますね。」

 

幸太「そりゃ良かった…」

 

紫「隙あり!!」

 

紫は幸太の背後にワープして斬りかかる。

 

霊夢「ゴウキ!!」

 

幸太「分かってる!!」

 

カン!!ギン!!ヒュン!!

 

幸太と紫は互いに斬り合い、避ける。

 

紫「貴様…!!」

 

ギィン!!

 

幸太「…へっ、トロいんだよ!!」

 

ドゴッ!!ドスッ!!

 

幸太は一瞬の隙を突いて紫にアッパーカットを捩じ込み、更に大剣で突き飛ばす。

 

紫「がっ…!!乙女の身体に何てことをしてるのよ…!!」

 

幸太「生憎俺は性別や年齢や種族で見ることは嫌いなんでね。」

 

紫「ぐっ…!!」

 

豊姫「あらあら、たかが人間一人に吹っ飛ばされてるなんて…笑えるわね。」

 

幸太「そうだな…霊夢、交代だ。少し前衛に立ってくれ。」

 

霊夢「ええ!いくわよ!!」

 

豊姫「穢れた存在でも私は油断しません。」

 

そう言うと豊姫は扇を広げる。

 

幸太「気を付けろ、あの扇にはとんでもない力が宿ってやがる!」

 

霊夢「分かってるわ!!」

 

豊姫「吹き飛びなさい!!」

 

豊姫が扇を振るうと暴風が吹く。

 

霊夢「きゃっ!!」

 

幸太「霊夢!!」

 

幸太は吹き飛びそうになった霊夢を上手く支える。

 

幸太「大丈夫か?」

 

霊夢「ごめん…油断したわ…」

 

幸太「そうか…一瞬で良いから相手に隙を作ってくれ。頼む。」

 

霊夢「分かったわ…霊符『夢想封印』!!」

 

豊姫「甘いわよ!」

 

豊姫は霊夢の夢想封印を避ける。

 

霊夢「まだまだ!神技(しんぎ)八方龍殺陣(はっぽうりゅうさつじん)』!!」

 

豊姫「くっ!!」

 

豊姫は八方龍殺陣を避けきれずのけ反る。

 

幸太「貫け!!」

 

ジュキューン!!

 

豊姫「な!?」

 

幸太は用意しておいた超電磁砲(レールガン。)で加速させた弾丸を扇子に撃ち込み破壊する。

 

幸太「よし!!」

 

霊夢「やったわね!!」

 

紫「…ありがとう、緋劉幸太。貴方のおかげで厄介な相手の戦力を削げたわ。」

 

幸太「あ、起き上がった。」

 

紫「お礼に永遠の安らぎを与えてあげるわ!」

 

幸太「刺激が無いと楽しくないからお断りだな!!」

 

紫「いいえ、受け取って貰うわ。」

 

?「…!!」

 

幸太の背後にスキマが一瞬で現れ、九つの尾を持つ者が音もなく襲ってくる。

 

幸太「!不意討ちかよ!!」

 

幸太は不意討ちに対応する為に背後に意識を向ける。

 

紫「お休みなさい。」

 

紫は幸太を一瞬で結界に包む。

 

幸太(まずっ…避けきれねぇ…!!)

 

幸太の動きが止まる。

 

霊夢「嘘…ゴウキ!?どうしたの!?」

 

紫「ちょっとした悪夢を見てるだけよ。これでおしまいね。」

 

霊夢「そんな…そんな…」




一瞬の隙を突かれてしまい倒れてしまった幸太。まだ負ける訳にはいかないが…はたしてどうなる!?
次回 第二十七話 「人と魔と夢と想い」
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