幻想紅英伝   作:最弱神

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幻想紅英伝を書き始めてから一年が経ちました。ここまで読んでくれてありがとうございます。これからも宜しくお願いします。正月の話を書く予定はありません。


特別編④「チルノとゴウキのメリークリスマス」

12/17 霧の泉近く

 

幸太「…そういえばもうクリスマスの時期か。」

 

チルノ「そうだな。今年は何をくれるかな…サンタさん。」

 

幸太「サンタか…懐かしいな…」

 

チルノ「師匠はサンタさん知ってるの?」

 

幸太「ああ、昔色々あってな。俺の地元じゃサンタクロースは有名人だし。」

 

チルノ「へぇ…」

 

咲夜「修行中すみませんが…」

 

幸太「咲夜さん?何でこんなところに?」

 

咲夜「幸太、貴方に手紙が来てたから渡しに来たのよ。」

 

幸太「そうなのか。何々…」

 

緋劉幸太さんへ

お久しぶりです。3年前のクリスマスではお世話になりました。実はまたお願いがございます。今年も12/24の夜に子供たちへプレゼントを渡すのを手伝ってくれませんか?知り合いを誘って貰っても構いません。

赤い服のおじいさんより

 

幸太「…咲夜さん、悪いけど紅魔館でのクリスマスパーティー手伝えないかもしれん。」

 

咲夜「え?それ何て書いてあったの?」

 

幸太「サンタクロースからプレゼント配ってくれってお願いされちまったんだよ。」

 

咲夜・チルノ「「え!?」」

 

幸太「あ、知らない?サンタ一人で子供が居るところに行ってプレゼント置いてくのを一晩でやるのってぶっちゃけ無理ゲーだろ?だからこうやって協力者を探すことがあるんだよ。俺も三年前地元で手伝った。」

 

チルノ「…会えるの?」

 

幸太「ああ。懐かしいな…」

 

咲夜「…分かりました。お嬢様に伝えておきます。」

 

幸太「助かる。」

 

チルノ「師匠…少しわがまま言って良い?」

 

幸太「なんだ?」

 

チルノ「あたい…サンタさんに会いたい!」

 

幸太「…ほう。」

 

チルノ「…駄目?」

 

幸太「…起きてられるか?」

 

チルノ「…!!うん!」

 

幸太「なら良い。集合時刻は12/24の20:00、ここに来てくれ。遅れたら置いてくぞ?」

 

チルノ「分かった!」

 

幸太「んじゃ…あれ準備しないとだな…」

 

チルノ「あれって?」

 

幸太「秘密。」

 


 

12/23 

 

幸太「よし、今日の修行はここまでだな。」

 

チルノ「ふぅ…お疲れ師匠。」

 

幸太「おう…あ、これを渡しとく。暇見つけて作っといたから、明日着て集合な。」

 

そう言うとゴウキはチルノにサンタクロースの服を渡す。

 

チルノ「良いの!?」

 

幸太「おう。せっかくだし本格的にな。サイズは見た目とかから予想して作ったから…合わなかったら言ってくれ。調整するから。」

 

チルノ「うん!!」

 


 

12/24 19:55 

 

幸太「そろそろ時間だな…」

 

ゴウキはサンタクロースの格好でチルノを待つ。

 

チルノ「師匠!」

 

幸太「よう、チルノ。ちゃんと約束は守ったな。」

 

チルノ「へへっ…」

 

幸太「…うん、サイズ合ってて良かった。似合ってるぞ。」

 

チルノ「流石師匠。」

 

幸太「…依頼人も来たみたいだな。」

 

チルノ「えっ!?」

 

空を見ると空からそりに乗った赤い服のおじいさんが来た。

 

?「ふぉっふぉっふぉっ、緋劉さん、3年ぶりですな。」

 

幸太「こっちの姿で会うのは初めてだけどな。」

 

チルノ「本物の…サンタさん?」

 

?「おや?こんなところに子供が…」

 

幸太「こいつは俺の弟子のチルノだ。会いたいって言われてな、手伝う事を条件に来るのを許可した。」

 

サンタ「そうかそうか…ワシはサンタクロース。お嬢ちゃん、今年は良い子にしてたかい?」

 

チルノ「うん!」

 

サンタ「そうかそうか…では、プレゼントをあげよう。」

 

サンタクロースはチルノに包装紙に包まれたプレゼントを渡す。

 

チルノ「わあぁ…!!」

 

幸太「…やべっ、もうだいぶ時間経ってる…チルノ、行くぞ。」

 

チルノ「分かった師匠!」

 

サンタ「これを、宜しくお願いします。」

 

サンタクロースは幸太にプレゼントが入った袋を渡す。

 

幸太「おう。」

 

チルノ「行ってきます、サンタさん!」

 

サンタ「ふぉっふぉっふぉっ、気を付けるのじゃよ。」

 


 

紅魔館

 

幸太「んで何で最初が俺ん家なんだよ…?」

 

チルノ「だって近いし…」

 

二人は周りに聞こえないように小さな声で話す。

 

幸太「足跡とかの痕跡を残さないようにしろよ?」

 

チルノ「分かってるよ…」

 

幸太「…中には誰も居ないな。俺が置く。その方がバレた時の言い訳も効くしな。」

 

チルノ「了解。」

 

幸太「…」

 

ゴウキは物音を立てずに寝室に入りプレゼントを置いていく。

 

幸太「…よし、ここは全員終わった。次行くぞ。」

 

チルノ「…分かった。」

 


 

白玉楼

 

幸太「…何となくここが一番キツいと思うのは俺だけ?」

 

チルノ「…さぁ?」

 

幸太「流石にサイコパスの見回りの裏をかく自信はねぇな。チルノ、俺が暫く止めとくからそのうちに置いてこい。」

 

チルノ「了解!」

 

ゴウキはサンタクロースの格好を脱ぎ、普段の格好に着替える。

 

幸太「…夜分遅くにすまん。」

 

妖夢「あれ?幸太さん?こんな遅くにどうしました?」

 

幸太「最近爪に使ってる砥石の調子が悪くてな…せっかくだから経験が多い奴に聞いた方が良いと思ってな…」

 

妖夢「そういう事でしたか。詳しく聞きましょう。」

 

幸太「ああ。」

 


 

白玉楼 妖夢の部屋

 

チルノ「…よし、あとは戻るだけ…」

 

西行寺「そこに居るのは誰かしら?」

 

チルノ「…!!」(マズイ!落ち着け…師匠が言っていた様に退路を意識しといたから逃げ切れる筈…)

 

チルノは急いで外へ逃げる。

 

西行寺「…ふーん、まぁ悪いことしようとしてた訳じゃないようだし、目を瞑っときましょうか。」

 


 

幸太「…あ、悪い。電話だ。」(嘘)

 

幸太「もしもし?…ああ…分かった。それじゃ。悪い、急な呼び出し食らっちまった。んじゃこれで。今日はありがとな。」

 

妖夢「ええ、また来て下さい。」

 

幸太「ああ、じゃあな。」

 

ゴウキは白玉楼から遠ざかると、サンタクロースの格好に戻る。

 

幸太「チルノ、上手く置けたか?」

 

チルノ「置くことは出来たけど…見つかりそうになっちゃった…」

 

幸太「そうか…まぁ、しゃあない。次行くぞ。」

 

チルノ「うん!」

 


 

12/25 2:00 霧の泉近く

 

幸太「やっと終わったな…」

 

チルノ「流石に疲れた…」

 

サンタ「ふぉっふぉっふぉっ、お疲れ様じゃな。」

 

幸太「おう…お疲れ…」

 

サンタ「ほれ、お礼のプレゼントじゃ。」

 

チルノ「良いの?」

 

サンタ「良いんじゃよ。ほれ。」

 

幸太「…まぁ貰えるもんは貰っとくか。ありがとな。」


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