アイスリスタート -目覚めたら人が居ませんでした- 作:蓮倉 瓜
イケメンを出します
ヒューマノイドがクローンを開発し始めた理由は諸説ある。
時には中国の富裕層の違法な設定をヒューマノイドに組み込み
開発させた説や、ヒューマノイドの単独の暴走など様々である。
だがこれら全ての説に共通して関連の文献のまとめには
『開発して普及された技術は回収不可能である』 という一文である。
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愛人はリードによる施設の案内が全て終わり、自室の場所を確認し
その後に図書室(らしき)場所に足を運んだ。
案内をしている時も、愛人の頭の中にはリードの暗い表情があった。
歴史を知れる場所を探し、現在に至る。
( やっぱり、僕の想像の通りだったな…
何年経っても人間は進化しないのか )
愛人は想像通りに動く人間に少し絶望していた。
『あら…お客さんかの?
お前さんの、名前はなんじゃったかの』
突然話しかけられ驚きつつも
『あっ、す、すみません
クローンの愛人ですっ、入っちゃいけない時間でした?』
『いや、そういう訳では無いんだがな
まなと、 か…。 初めて見るかの?』
愛人の数少ない対人スキルでは太刀打ち不可能である。
…それから気不味い静寂が訪れる。
『お主、良くできたクローンだのぉ。
まるで人見知りを絵に描いたようじゃ。』
見た目に合わない話し方で愛人を煽るその正体は、
言わば図書館の司書である。
喋り方は老人の様ではあるが、アジア系の好青年の見た目で
大人しくしていればイケメンの見た目をしていた。
( クソッ、何で新しい世界に来ても
イケメンがいるんだよっ……。 )
愛人が心の中で焦りから来る愚痴を溢していても
気不味い静寂は終わらない。
『全く、これだからクローンは…。
儂はヒューマノイドの李(リー) じゃ。
ここの資料室の管理をしておる。
紙媒体でなく、電子媒体を使う時は儂に声かけとくれ。』
李はそう言うと資料室の奥へ消えていった。
李が自己紹介している最中も愛人は黙る事しか出来ずに居た。
( 今日は、後一冊くらい読んで帰ろう…。
あのイケメンとは話したく無い! )
コミュ障からなのか、それともイケメンだからなのか
それともどちらともからなのか、愛人は決意し本を読み続けた。
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初の感情を持つ人工知能を搭載した人型の機械は中国で
発明されたが、致命的なバグや人間性の欠如などが見られた。
様々な試行をし感情の実験を繰り返した後に
現在のヒューマノイドの原型とされる『李』が開発された。
このヒューマノイドは初の人型ではあるが、
燃料や言語野、耐久値などほぼ全ての改良が必要であると
見込まれている。
また初代の『李』が開発されるまでの過程が
リークされた事で
大量の資金が注ぎ込まれた点や
廃棄処分となった失敗作の多さから各国から非難され
初のヒューマノイドを用いた戦闘が起こった。
…………………。
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愛人がその文章を読み終わるのを待っていた様に
奥から李が声をかけて来た。
『どうじゃったかの。儂の歴史を知った気分は。』
愛人はどう反応するか悩んでいた。
きっと彼にしか分からない苦悩があり、
それを簡単にまとめてはいけないのだと。
『ふむ…。まただんまりか、
ならこれは必ず、答えてくれるかの?
……お主は、一体何者かの?……敵か?』
『みっ、味方です。
そして僕は…人間…です。』
『…ほう。お主を拾った者には、
おおよそ見当がついておるが
ここにいる以上人間という事は
決してバレぬようにな。殺されても知らんぞ…?』
李は何も言わずに資料室の鍵を掛け始め、
愛人も何も言えずに資料室を後にした。
今気づいたんですが
まなと と書いて愛人なんですけど
ルビ振らないと別の意味で読んじゃいますよね…
ルビの振り方がわからない…