逆にゼロワンを書いてみよう 作:ライティングゴート
滅亡迅雷の基地では有名そうな時代劇が繰り広げられていた。
「お前はもう…斬られている」
普段は冴えない浪人が夜中に悪人を切り捨てる同シリーズは暗殺ちゃんのラーニングのためとして迅が勧めたものだ。
『どう、暗殺ちゃん?』
『暗殺…凄い!…暗殺の師匠だ…!』
『凄いよね!』
そのままチャンバラの真似をし始める。
『それよりももっとゼロワン達からの戦闘データの収取を急げ』
滅が制止するも暗殺ちゃんが『師匠…ラーニング!あんさつ〜』と飛び出してしまい、『待ってよ暗殺ちゃ〜ん』迅もついていってしまった。
滅は作業へと戻った。
『かんさつー!』
迅達がやって来たのは勿論撮影所、近くで見たいが騒がれたくない彼らは変身して上空から見つめていた。
今回のドラマは【ギリ人情刑事ギリィ】大和田伸也演じる元大犯罪者の男サイ、ハリウッドで演技をラーニングしたという新型ヒューマギア、松田エンジが新米熱血刑事のギリィを演じるダブル主演だ。
大和田はドラマ内では元犯罪者というのもあり姿を隠すため数々の変装を行う。
刑事との密会では時にインチキ占い師から片言のシェフなどコミカルな役も違和感なくこなして見せ、犯人としての矜持をギリィに伝えるシーンは演技ですべてを語る存在感を見せる。
『すごいね!暗殺ちゃん!』
『師匠…いっぱい、でももっとみたい…!師匠…あんさつ〜!』
迅に抱えられていた暗殺ちゃんが飛び降りてしまう
屋上を経由して大和田演じるサイの前に現れた
「見つけたぞ師匠」
さすがの乱入者に大和田も監督を一瞥するが監督もポカンとしているような見入っているようなとにかく続けろと言わんばかりの顔をしていた。
その顔を見て一応続ける事にした。
「誰だお前は?俺は弟子なんか取った覚えはない」
「なら、ここで師匠を倒してラーニングを完了とする」
マギアを集めて襲いかかる暗殺ちゃんは我先にと大和田を占領する
大和田と組み合うもすぐに離れ、近くにあった鉄パイプを足で引っ掛け手に取ると大和田の元へ投げた。
そこからは時代劇の殺陣をそっくりなぞるようだった。
最初は対応するので精一杯であった大和田も次第にあのときの再現であることに気づくと形成を逆転し流れに沿って暗殺ちゃんを斬り捨てた。
しかしダメージがあったわけではなくその本質は迫力、堂に入った演技による殺陣の気迫にあった。
「お前を弟子に取ったつもりはない、消えな」
「師匠…いずれ貴方を超える」
暗殺ちゃんは煙幕の中に消えていった
「…!、カット!」
「「監督(大和田さん)、あの子誰ですか?」」
「え?大和田さんが見つけてきた子じゃないんですか?」
「私はてっきりいつものサプライズ演出だとばかり思ってましたが」
「いやいやいや!…え?」
こうして乱入者の出現によって急遽警備のためにAIMSが呼ばれた
「ったく、ヒューマギアを客寄せに使おうとしたのが間違いなんだよ」
「やめろ不破、聞こえるぞ」
「フン…お前はどうなんだ飛電の社長」
「ヒューマギアは悪くないよ、どんな物も悪意を持って使えば凶器になる。でも善意を持って使えばほら!えぇ…愛が!生まれるんだ!ハイ!!アルトじゃ〜あナイト!!」
「だから今回だってヒューマギアが…って!俺のギャグの解説始めないで〜!」
イズとのコンビプレーでギャグを披露し不破はそれどころではなくなってしまった。
「よし!撮影を再開するぞ!」
監督の呼びかけで撮影が再開された。
撮影は順調に進み、死体役で出演した副社長もご満悦の様子だった。
「はい、カット!今日はこれで終わり」
その後、何事もなく終わってしまったその晩に大和田は公園で剣を振るう青年(暗殺ちゃん)を見つけた。
「おい君!昼間の乱入者だろう」
暗殺ちゃんが剣を振るうのを止め、大和田に注目する。
「困るよ、勝手に乱入されちゃ芝居っていうのは現場の皆で空気を作るんだから」
『空気……』
「そうだ、役者だけじゃない、監督やカメラマンの他にも大勢いるスタッフ。皆でいい芝居にするために環境を作るんだよ」
『師匠…』
「…でも、君は本当にいい目をしている、いい役者になれそうだ。いっそ本当に弟子になるか?」
『師匠〜!』
暗殺ちゃんとの出会いから一夜、次の日の撮影が始まった
またしても現れた死体の副社長は山下に熱いエールを送られていた。
その時、外でチョロチョロと動くトリロバイト達に不破が気付いた。他の隊員にナビを使い警備に当たらせると刃とともに事が大きくなる前に動き出した。
イズも完全に見物客となった或人になんとか気づかせようと画角の外から必死でジェスチャーを送っている。
『(或人社長!或人社長!)』
「…!(どうしたの!)」
『(近くでマギアが暴れてます。AIMSの皆さんはもう戦ってます)』
「(どこ!?)」
『(右です。或人社長は左へ向かってください)』
「(言ってくる、ありがとイズ)」
『(行ってらっしゃいませ)』
ゼロワンはマギアを相手取るがいつもの様に素早い剣技で蹴散らしていった。
「ふぅ~これで撮影は何とかなるかなぁ…撮影所の近くに戻らないと!」
バッタの脚力で朗らかに戻っていった
AIMSの戦闘は騒ぎを抑えるためにライダー二人による戦いだった。
「刃、病院でマギアを制御したらしいな」
「病院で成功したのはあくまでもサーバーを直接制圧できたからだ、普段はあんな無茶なマネはできない。応用した武装の開発を進めているところだ」
「じゃあ、今は俺が全部ぶっ潰すってことだな!」
「それと退院祝いを天津さんから預かっている、あんまり無茶するなよ不破」
「悪いな、まぁ見てろ」《Revolver》
不破は渡されたガトリングヘッジホッグキーをアタッシュショットガンに装填すると文字通りガトリングの様な凄まじい連射でマギアを倒していく。
迅もガトリングの様子に戦況を振りと判断し羽を飛ばす牽制にとどめ撤退するようだ。
しかし、それも暗殺の内、真の目的は暗殺ちゃんが大和田を本気で暗殺し超えることにあった。
「暗殺…」《Dodo ゼツメライズ》
マギアになり大和田の元へと向かう静かな足取りの中に警備にあたるAIMSを速やかに無力化する太刀筋
暗殺ちゃんはこれまでのなんちゃって暗殺ロボでは無くなっていた。
しかし撮影所の真上には帰ってきたゼロワンがいた。
高度を利用した兜割りを避けると戦闘が始まる。しかしこれまでとは違い相手を避け急所を確実に突こうとする攻撃と格段に上がったパワーに少し分が悪い
「どうしてこんなことするんだ!」
『師匠、暗殺。俺が強くなるためだ』
「誰かの笑顔をつばわなくても強くなれるはずだ」
『暗殺が俺に科せられた使命だ』
《ゼツメツノヴァ》
ドードマギアの放った一撃はゼロワンの腹部を袈裟斬りにした。
倒れ込むゼロワンを横目にマギアは大和田へとまた一歩近付いた。