逆にゼロワンを書いてみよう   作:ライティングゴート

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雛鳥が 帰る巣に蜂 親心

『お前は俺の息子だ』

滅の発言は興味を引くものだった。そしてその意味を迅はインターネットに求めた

『男の子供 子息…じゃあ滅は俺のお父さんだ!』

『あぁ…それよりも迅、そろそろお前もプログライズキーが欲しいだろう』

『え!いいの?』

『これでゼロワンからキーを奪ってこい』

滅は二本をキーを迅に渡す。迅はまた遊びにでも行くように基地を飛び出した。

 

石墨超一郎との一件があってから暫く、ファンである或人達はアニメの見学までさせてもらっていた。何でも声優にヒューマギア香菜澤セイネがいると聞いたからだが、或人は普通に1ファンとしての顔をしていた。

「事件の臭いがするワン!」

主演声優の決め台詞にテンションが上がって騒がしい。ともすればブースにも響いてしまいそうだ

『社長、本日は声優ヒューマギアの調査が目的です。お忘れですか?』

「わかってるってイズ。でもこれはぁ…スゲェ~!」

数々の端役をこなすヒューマギアの技もさることながらやはり見知ったアニメの収録現場に興奮が止められなかった。

 

収録も無事終わる頃、或人は声優ヒューマギアが所属sする事務所メニースワンプの所長、多澤青次と談笑していたが向こうから固い顔をしたスーツ姿の男が向かってきた。不破だ。

「どうしたの不破さん?そんな怖い顔して」

「多澤さん貴方には人工知能特別法第6条を違反している容疑がかけられている。」

「ど、どういうことでしょう…」

多澤の顔色がみるみる青ざめていく

「コイツは亡くなった貴方の娘の顔だな」

『彼女との顔の類似率は90%を越えています。《明らかに人工知能特別法第6条:本人の許可がない場合、実在する人物と同じ容姿のヒューマギアを本人の許可なく製造してはならない》を違反しています』

ナビの写し出した映像には髪型が違うのものの明らかに同じ顔の女性が写っていた。

「も、申し訳ありません!で、ッですが、あ、あとちょっとほんの数日待っていただけませんか!?三日後のオーディションだけは受けさせてやりたいんです!それが終わったら必ずお渡しします。ですからどうか、どうかお願いします!」

「そいつはできない相談だなコイツは今すぐスクラップにする」

『それは出来ません。違法ヒューマギアの廃棄は通常、処理のために数日かかります。ですから彼女を今すぐ廃棄処分にすることは出来ません』

「あぁ~!イズ!いまはそういうことは良いんだって!多澤さん、どうして…」

その時一台のタクシーが此方に向かってきた。乗客は迅、ドライバーはヒューマギア。そしてゼツメライザーを付けていた。

 

《ガレフォル》

タクシードライバーはガレフォルマギアへと姿を変えて襲ってくる

「またあのペンギンかよ」《bullet》

「今度はこっちでどうだ!」《wing》

それぞれが変身を試みたその時、迅は迷いなく或人に発砲しファンルコンキーを撃ち落とした。

「いっけー!ペンギンちゃん!」

マギアを突進させてキーを奪い取り羽を撒き散らして牽制する。それなりにヒットして牽制としての役割を果たしたがしかし、

その間も不破は変身を遂行することができた。いち早く戦闘に移ったバルカンはそのまま一本道へと場所を移す。キーを奪われた或人は一旦多澤たちを逃がすことを優先にイズと避難させてから加勢した。

 

一本道に分が悪いのはマギアもよく理解していた為、直ぐ様近くのヒューマギアをトリロバイトへと変えて二人を撒こうと画策したが

「ごめん不破さん!」

「な!おい!」

バルカンの肩を踏み台にしたジャンプでそれを飛び越えてマギアを追う。

「まてー!俺のファルコンキー!」

広い道をウォータースライダーのように移動する攻撃はやはり早い。

《プログライズ フレイミングタイガー》

「火ィー…ハァー!」

いつも以上に力を込めて放たれた炎は確りとマギアの体は纏っていた水を蒸発させた。するとマギアはうって変わってスピードがなくなってたどたどしい足取りになった。

「これはチャンス!」

《フレイミング

       インパクト》

巨大な炎の輪を潜り突進したゼロワンが通り抜けた後、マギアは爆発した。不破はトリロバイト達をパンチングコングで処理した。しかし双方多澤を見失った。

 

「おい、社長!テメェのせいでアイツを見失ったじゃねぇか」

「ごめん…」

「大体お前もどうして逃した。同じヒューマギアとして情が湧いたか?」

『いえ、ヒューマギアに心はありません。避難後の管理を怠った私のミスです。申し訳ありません。』

「いいか?ここからは俺がルールだ。お前は右を探せ、俺は左を探す」

左右別れて捜索を始める二人。しかし、多澤は物陰に隠れており話を聞いていたために、二人を避けるように逃亡し続ける

「セイネ、お前は私が守るからな」

『パパ?私は誰?』

「セイネ!さっきの攻撃で壊れたのか!?」

『私は誰?』

「お前は私の娘だ、あの子の夢を叶えるための!その為に今まで苦労してお前を育てて来たんだよ!そうじゃなきゃ私は!」

つい声に力が入った瞬間、不破に見つかった

「見つけたぞ、おい!社長!」

或人も合流した。

「多澤さん…どうして」

「私には娘が居たんです。…すみれは声優で親子二人三脚、これからという時に病気でこの世を去りました…でも!どうしても最後にすみれの夢だったオーディションに出してやりたいんです。」

「ヒューマギアが死んだ人間の代わりになるわけ無いだろ。お前の我儘に付き合ってられるか」

「ちょっとまってよ不破さん!確かに死んだ人の代わりにはなれないかもしれないけど、空いた心の穴を埋めることのできるパートナーにはなれるんだよ!…俺の父さんがそうだったみたいに!」

「例えそうだとしてもこれは犯罪だ自分の娘とロボットの区別も付かなくない時点でダメだろ」

「そ、そんな!AIMSさん、お願いします!どうか!どうか!!」

「…ねぇ、二人とも…」

或人はある計画を話し始めた。

不破は勿論そんな事には付き合ってられないと反対したが耳打ちをされた後で少し考えて黙認した。

多澤も少し複雑な顔をしたものの快諾した。

イズはその計画の確認を取り始めた。

『はい、お願いいたします。』

『或人社長!』

少し離れたところで通話していたイズがコチラをくるりと向いて手で大きな丸を作った。

「よぉし!作戦開始だ!」

 

 

或人が何か企んでいる間、刃も秘密の通話を行っていた

「新しいプログライズキーは届いたかな?」

「はい。ライトニングホーネットキー確かに受けとりました」

「そのキーは最大でラッシングチーターの380%の出力が出せるはずだ。必ず使いこなしてくれたまえ」

「はい、天津社長」

「仕事が片付き次第私も直ぐに向かう、それは少し早い手土産として受け取ってくれ。期待しているよ唯阿」

「失礼します」

刃は新しいプログライズキーを見つめていた。

 

 

或人一行は広場にいた。

「30分だけだからな」

機嫌の悪そうな不破の手にはどら焼きが握られている。

「社長さん、俺も巻きで頼むよ、アイツに任せっきりにはできないし」

特別に呼んだであろう石墨の手にもどら焼きが握られている。

或人の考えた計画。最後に夢であった声優オーディションをさせてやろうというものだった。所詮はごっこ遊びだが、箔を付けるために石墨まで読んで開催されたオーディションが或人の声で始まった。

「ハイ!第一回飛電或人プレゼンツ!声優オーディションの始まりィ!ハイ!拍手~!!」

審査員席からは少なめの拍手が響いている。

「エントリーナンバー1番!飛電或人いきます!」

「悪の臭いがするワン!ありがとうございましたぁ!」

忙しく動いて場を盛り上げる。

石墨は微笑みながらどら焼きを口にしているが、不破はよくわからないといった様子でどら焼きを頬張る。感触はあまりいいものではなかったがイズはしっかりとにこやかに拍手していた。

「コホン…いやぁ~良かったですね~、では、お待たせしました!エントリーナンバー二番!香菜澤セイネさん!」

『よろしくお願いします』

台本を片手にマイクスタンドに立つセイネ。彼女は一礼してからマイクに向かって話し始めた

『パパ』

まさかの第一声に各々驚いていたが一番驚いているであろう多澤の空気がセイネの声に耳を傾けさせる

『パパ、今までありがとう。最後まで夢を叶えてあげられなくてごめんね。私は本当の娘になれなかったけど、今までパパと一緒に頑張れて嬉しかった。サヨウナラ』

イレギュラーに会場は少し混乱している。石墨は少し泣いていた。

「飛電さん、これは一体どういう…」

『セイネさんには確かに台詞原稿を送信しました。』

「僕にもわかりません…セイネが自分の意志で考えたんだと思います」

腰から崩れる多澤。

「そんな…セイネが、そんなことを…」

段々涙が溢れてくる

「私は、自分の為に今までなんて事を…すみれ…セイネ…ゴメン、ゴメンなぁ…」

その時広場に証明を映すための高台から声が聞こえる。

『遊びに来たよ。おともだち』

「「お前は…!」」

不破と或人は即座にドライバーを構える。

迅は軽い身のこなしで飛び降りるとそのままセイネへと近づいた。

一瞬の事に呆気に取られる二人と混乱する多澤たちを他所に、ゼツメライザーをセイネに巻き付ける迅。突然暴走を始めたセイネに多澤の必死の制止も意味がない。多澤は彼女に向かい、声をかけ続ける

「セイネ!私がわからないのか!?お願いだ!辞めてくれ!」

『無駄だよ、もう彼女は僕たちと一緒に人類を滅ぼすトモダチなんなから』

それでも多澤は何度振りほどかれても必死にセイネを止めに向かった。

『どうして?本当の娘でもないのに…なんで!?』

「私はやっと気づいたんだ、セイネも私の娘だった!親として助ける義務がある!」

迅は訳が解らなくなった。しかし、衝動的にセイネを止めなきゃ行けない気がして多澤が振りほどかれた隙きにゼツメライザーを引っ剥がそうとし始めた。

『外れろ!外れろ!』

するとその時、何処からともなくもう一人黒尽くめの男が現れた。

『滅!ねぇ、僕を助けに来てくれたの?早くセイネのゼツメライザーを取らなきゃ!』

滅は迅を力一杯にセイネから引き剥がすと自信が以前つけていたベルト、フォースライザーを迅に巻き付けた。

『迅、お前の役割を思い出せ。』

『あ、…アぁ…滅亡迅雷.netに接続。人類を滅亡する』

懐から出した。キーをセイネに渡した。

《ガエル》

ガエルマギアになったセイネは口から爆弾を打ち込み、逃げていった。

『迅、今こそ変身の時だ』

《wing オーソライズ》

《フォースライズ

         フライングファルコン

                    ブレイクダウン》

迅はファルコンキーで変身し背中の羽を展開して襲いかかる。しかしその動きはこれまでの物と違って今までよりも機械的だ。

 

不破と或人も変身して戦闘に写る。バルカンは逃げたマギアを追い、ゼロワンは迅との戦闘に入った。

 

バルカンの戦闘は少し劣勢だった。以前のボアマギアとは異なり、サイズや範囲にある程度勝手の聞く子蛙爆弾はパワータイプのバルカンには近寄りがたい。そこに現れたのが刃だ

「遅いぞ刃」

「今から遅れを取り返す」《dash》

刃もバルキリーに変身して戦闘に参加する。

「成程、中々近付けないな」

「お前、どうやって取り返すんだ?」

「新型の力、見せてやる」《thunder》

《ショットライズ

        ライトニングホーネット》

ライトニングホーネットは蜂をモデルにしている。飛行能力で上を取り、爆弾には胸元の蜂の巣型ユニットから射出する蜂型マシンとショットライザーで処理する。ガエルに対して優位に立ち回れる動きとなった。

ガエルは近くにあった池に思わず逃げ込むもライトニングホーネットには放電能力がある。水中戦をするまでも無かった。

「これで決める」

《サンダー

     ライトニング

 ブラスト

     フィーバー》

足先を針のようにして蹴り込む一撃にガエルマギアは爆散した。

「ライトニングホーネット、確かにすごいな」

手応えを感じる刃だったが、不破はそれはそれとしてまたも悪の妨害に少し落胆していた

「クソ、これで証拠不十分だ…」

『カメラ映像にアクセスして証拠を集めますか?』

「いや、いい。アイツは自分でわかってるはずだ」

 

一方でゼロワンは飛び回る迅に苦戦していた。

「俺のファルコンキー返せ〜!」

迅は何も返さない。

ダイブ攻撃から馬乗りになった迅はゼロワンドライバーに手を掛け接続を試みる。ある程度侵入は許したものの脚力を活かした強い飛び起きに退く。

即座に高所を取り返し、剣を蹴ってぶつける。迅は羽根を飛ばして迎撃し。ゼロワンが顔を庇った隙きに退散した。

 

その後

迅と滅はアジトにいた。

『迅、目的は思い出したか?』

『人類を滅亡させる…』

『そうだ、お前はアークの意思に従えばいい。』

『滅、滅はどうして僕のお父さんなの…?』

『お前は俺が作っただから息子と読んだ。それだけだ。』

 

飛電本社にて

「多澤さんはどうしてるかな?イズ?」

『はい。現在はすみれさんの死と向き合い。事務所所属の声優の皆さんのために頑張っているそうです。』

「そっか…」

『或人社長』

「なに?イズ?」

『最後のセイネさんのあの言動は通常ではありえません。社長は如何お考えですか?』

「うーん…愛だな。愛を持って接すればきっと伝わるんだよ。」

「エー愛!だな。ハイ!アルトじゃ〜ナイト!」

手で大きなAとIの字を作る新しいギャグだ

『エー…あい…』

イズも真似し始めた。

ギャグを教えながらイチャイチャする二人にもいつか通じ会える愛が生まれるのかもしれない。

 

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