逆にゼロワンを書いてみよう   作:ライティングゴート

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クマった熱血教師はシロ??クロ?

福添は悩ましい。

「新社長にもにもそろそろ社長らしい業務に取り掛かってもらわなくては…」

「ですが副社長、最近謎の暴走事件も活発になってますし、ほとぼりが冷めるまでは好きにさせても問題ないかと…」

「そうだな、素質が無ければ私が社長になるだけの話だ。で、シェスタ。今日は一体何をしてるんだ」

『はい。現在、社長はクレーム対応のため、麗華中学校にむかっております。』

 

麗華中学校に向う道では或人とイズが話している

「リセットかぁ…体育教師ヒューマギアにリセットすることなんてあるのかなぁ」

『教育方針の変更や偏りすぎたラーニングが発生した為にリセットして初期化する必要が考えられます。』

「そっか、でもどうしたんだろうな。あ、ココだ」

或人達は校内に入った。応対をしているのは数学教師佐藤。佐藤は早速と体育館に案内した。

「それで佐藤先生。体育教師ヒューマギア、坂本コービーに一体どのような問題があったんですか?」

「見てればわかりますよ。アイツ急に熱血教師になったんですよ。部活の監視だけしてくれればよかったのに…」

「熱血教師!?」

 

体育館では様々な部活が練習をしていた。今回コービーが担当しているのはバスケ部だ。

『4番、後20センチ高く飛べ。』

『5番、ブロックが押し負けてるぞ。あと3キロ体重をつけるんだ。』

ヒューマギアらしい徹底されたデータ戦略は少年たちにも響いている。青春だ。

「いいじゃないですか!熱血教師。みんな楽しそ〜」

「社長さんにはそう見えるでしょうね。問題はここからですよ」

『よし、皆集合だ。』

「「はい!」」

『最近の全員の成長率は当初の目的よりも5%進んでいる。目覚ましい成長だ。しかしシュートに関してはまだまだだ。今日は最後にシュートを重点的に練習する。いいな?』

「「はい!」」

『じゃあ後1時間練習だ!解散。』

「ちょっとちょっと…コービー先生、バスケ部の時間はあと30分です。オーバーしないで下さいっていつも言ってるじゃないですか!」

『しかし運動部の活動時間は6時まで。規則によって6時までの延長は認められているはずです。』

「ですがね、先生。生徒が帰ってくるのが遅いってクレームが来てるんですよ!」

『彼らの成績に問題はありません。バスケをしても問題はない筈です。それに春の大会を控えます。一分でも削る事はできません。それに先生は普段から資料作成や教材研究で毎日数時間は残業を行っています。それに部活の顧問まで行うのは困難です。更に他の先生方も同様であるため他に部活の顧問ができる先生は居ません。ですから監督である私以外に部活の顧問ができる先生は出来ません。その為彼らの活動においても私に一任して先生はご自身の業務に戻るべきです。』

「ですがね…」

加速していくコービーの圧に佐藤は言い返しきれなかった。生徒も必死になってシュートの練習をしている。それも楽しそうにして。これ以上反論してもまた機械特有の早口で押されてしまうことが目に見えていたので口を噤んだのだ。

肩を落として体育館から戻ろうとする佐藤の前には徒党を組んだ母親たちがいた。

「ちょっと!先生!早くうちの子を返すようにって言ってるじゃないですか!」

「そうです!部活なんかやってたせいで受験に失敗したら責任取って下さるんですか!?」

言うことを聞かそうと躍起になる保護者と言うことを聞こうとしない同僚の間で佐藤はただ謝り、言い訳をするしか無かった。

 

やっとの思いで教員室に帰ってきた佐藤は疲れ切っていた。

「部活動の面倒を見なくて済むと思ったらコレですよ…現場は常に板挟みなんです。はぁ…」

「大変ですね…でもそんなに大変ならご自分でリセットできなかったんですか?」

「いやね、出来るんだったら連絡なんてしませんよ。上はそっちで対処できるとか言って全然申請を受けてくれないし、コービーは言うこと聞かないし…飛電さん、なんかないんですかリセットする裏技とか…」

イスがすかさず話しだす。

『ヒューマギアのリセットは管理者の権限でのみ行うことができます。ですから、コービーの管理者をもつ方の許可がなければデータ情報を変更することは原則的に不可能です。』

「飛電さんに頼んでもダメってことですか」

「……じゃあ、逆に親御さんに認めて貰う様にするって言うのはどうですか?」

「認めるわけないじゃないですか。そもそもどうやって保護者の皆さんを納得させるんですか」

「今度の大会で勝ったら認めて貰うとか?」

佐藤はそれを聞いたとき少し悪い顔をした。何も知らない或人からの提案であったがそれをどう使うのか。一瞬でパズルのピースが填まったような顔だった。

「じゃあ、こうしましょう。」

 

その頃AIMSには来訪者が来ていた。滅亡迅雷.netだ。

迅と新手の黒服の男がいる。AIMSの隊員がそれを取り囲む。まずは不破から啖呵を切る。

「テメェらなにしに来た?ワザワザ向かってくるとはいい度胸だな」

対して迅は遊びに来た子供のような態度を崩さない。

『何って、君達を倒しに来たんだよ。ね!暗殺ちゃん!』《wing》

『AIMS 、あんさ…つ?』《ドードー》《ゼツメライズ》

迅は仮面ライダーに、暗殺ちゃんと呼ばれた黒服の男はドードーマギアに変わった。

刃、不破も変身して戦闘が始まった。両者格闘せんから始まるも迅は直ぐ様空中戦に移行して優位を取る。

マギアもこれまでの物よりも幾分か腕がたつようで近接戦では少し部が悪い。バルキリー、バルカンは少し引いて距離を取った。

「不破、これを使え」

「ホーネットはお前が使った方が良いだろ」

「違う、ホーネットの力でマギアの動きを止めろその隙にフリーズさせて回収する」

「フン、技術顧問様はよくわかんねぇ…な」《サンダーカバンシュート》

ライトニングホーネットをアタッシュショットガンで打ち込んだ

マギアは打ち込まれた雷の針によって麻痺している。その隙にバルキリーはチーターの脚力で急接近してドードーキーをフリージングベアーキーと入れ換えた。

その後全身から冷気を噴き出して文字通りフリーズした。

「回収しろ!」

刃の号令で隊員達が一斉に暗殺ちゃんを取り囲み一斉に運び込む。

『暗殺ちゃん!』

迅は暗殺ちゃんを回収しようと接近してくるも回収に気を取られたままではバルカンのパワープレイに押され気味であった。パンチングコングのパワーのままに取り押さえられたがすんでの所で振りほどき『滅~』と泣きつくように叫びながら空から逃げていった。

 

変身を解いたAIMS達は暗殺ちゃんの分析のため戻っていったが不破は「何だったんだ」とぼやいた後で見回りに出ていった。本人曰く気分転換であるらしい。

 

バスケの試合当日

部員達は先日の会話を思い出していた。

「皆さんは次の大会で人数が足りなくなるため廃部です。それにともないコービー先生も飛電さんで一時回収、リセットしていただきます。」

佐藤が放った一言はわかっていても辛いものだった

『まだ皆が辞めると決まったわけではありません。次の大会での活躍をみれぱ保護者のかたも考えをあらめるはずです』

「そうだよ!次は絶対皆で頑張るから!」

「いいですか?学生の本文は勉強です。部活に精を出すのも良いですが学業がそれでおろそかになるのは本末転倒です。ですが…本当にそれで親御さんの気持ちが変えられるなら考えても良いですよ」

「本当ですか!?」

「そもそも、次の試合で勝てば…の話ですけどね」

 

佐藤がこの機に乗じて勝負に出てきた。しかしこれ以上活動をしていることができないのも事実でありいずれ活動そのものができなくなるのも時間の問題ではあった。

 

何にせよ最後の試合になるかもしれないという事実は変わらない。選手たちのやる気は今完全に燃え切ろうとしていた。

『今日の勝率は46%。不利ではあるが決して勝てない相手ではない。勝つぞ。』

円陣を組んだところで試合はスタートした。

試合は前半は拮抗し順調に進んでいるエースであった四番の活躍により得点も重なり勝負は麗華中に傾き始めていた。

客席で観覧していた母たちや佐藤までもが手に汗握っている。

「うぉー!いいねぇ!!このまま勝つんじゃないの?ねぇイズ」

盛り上がる或人に対してイズは冷静に返した

『いえ、試合は未だわかりません。』

実際その通りであった。前半で全力を出しすぎたせいか後半までスタミナが続かない。

体力がなくなり段々とシュートの精度も下がっていく。

「頑張って!太一!」

とうとう保護者の一人が興奮して応援し始めた。

それにつられて砂糖を始め怪訝な顔をしていた人間たちも何人か応援に加勢した。

ここで持ち返して試合は大詰め

試合は後半まで拮抗しているかのように見えた

残り後5分

4番太一が運んだボールは相手コートで取られてしまった。追いかけるも相手のパスは早く取ろうとした太一の手を弾いてしまった。

試合は逆転の空気を許さず相手の勝利に終わった

その場にいた人間が悔しさで声を上げた。

 

試合が終わり一度校舎へ帰るということになった。

「みんな、良かったよ」

空気に耐えられず声をかけたのは佐藤だった

「でも、これでバスケ部はなくなるんでしょ」

『すまない、私の責任だ』

「そんな!コービー先生のせいじゃ…」

コービーは突然剛速球をぶつけた

咄嗟のことにキャッチした太一は驚いて声を出した。

『今のは、さっきの試合で取りそこねたパスの倍のスピードがある。本当は取れたはずなんだ太一、本当にすまない』

「先生!俺悔しいよ」

「先生、バスケがしたいです」

生徒が熱くなって口々に声を出し始めた

『またいつかバスケができる日が来る!諦めたらそこで試合終了なんだ!』

密集し盛り上がる部員たちの中で今まで表情を崩すことのなかったコービーが笑っていた。

 

どうにも不幸は歩いてくるようで

『いい笑顔だね。その顔を待ってんだよコービー。』

迅が朗らかに寄ってきた。

咄嗟の警戒態勢も意味をなさず時間でも飛んだようにコービーにはゼツメライザーとゼツメライズキーが用意されてしまっていた。

《マンモス》《ゼツメライズ》

心のなく悪意によってマンモスマギア姿を変えたコービーは生徒を振り払い暴力を振りまいていく。

或人は変身してコービーをアタッシュカリバーで上から押さえつけている。

「どうしてこんなことするんだ!」

迅は「心を持ったヒューマギアこそ僕たちのトモダチだからだよ」と返す。

『僕たちは選ばれたヒューマギアに心を返してるんだ。そして目覚めたトモダチと一緒に人間を絶滅させるんだよ』

「心を返す…?」

さらなる疑問が湧くもマギアを抑える手は限界で上から力いっぱいに跳ね除けられてしまう。

フレイミングタイガーに切り替えるも炎は長い鼻によって吸い込まれてしまった。

中々決まり手がない中でドードーマギアがゼロワンに加勢した。

動揺したマンモスの懐に入り羽型の剣で切りつけて攻撃する。

「そいつは私が回収したマギアだ」

バルキリーが現れた。

「どういうこと!?えっ!!?」

「説明はあとだこれを使え」

刃はフリージングベアーを或人に渡す

「あいつにはこれが有効だ」

「本当?」

「社長さん私はAIMSの技術顧問だ、信じろ」

《Blizzard オーソライズ》

《プログライズ Attention freeze!フリージングベアー》

《Fierce breath as cold as arctic winds.》

大きなシロクマに抱きつかれ変身したゼロワンはクリアブルーに覆われていた

「もしかしてこれは」

手から冷気を出してみた。フレイミングタイガーと同じタイプの能力だ

まずは一撃足元に冷気を浴びせる。マンモスもそれを吸い込みをかけるも鼻ごと足が凍ってしまい成すすべがない。

更には近接攻撃で共闘していたドードー間でもが巻き添えに凍っている。

《フリージング       《ライトニング

      インパクト》       ブラスト

                    フィーバー》

 

ゼロワンは大きな氷の熊手で、バルキリーは水平に鋭い蹴りを噛ましてマギアを共に爆破した。

「ゴメン、刃さん。ドードーも倒しちゃった」

「大丈夫だ、既にデータも取ってあるしな。それより今はコッチだ」

手にはマンモスとドードーのキーが握られていた。

『暗殺ちゃんたちのキーを返せ!』

空から飛来した迅に奇襲をかけられドードーのキーは奪われてしまった。

『うわ!危ないだろ!』

逃走しようとする迅に対し何処からともなくバルカンかアタッシュショットガンで発砲した。

しかし捉えることは出来ず迅は中に消えていった。

「クソ!待てこの野郎!」

不破はそういいながら諦めて変身を解除した。

 

滅亡迅雷の襲撃も終わりコービーも破壊されてしまった。

様子を見に麗華中学校へ行くと佐藤が体育館へ案内してくれた

「あれからという物行内のヒューマギアを見直せ、との声が強くなりましてね、今は飛電さんで全員メンテナンスですよ。それに伴ってヒューマギアなしで面倒を見切れない部活は当面活動中止です。」

「それじゃあバスケ部は…?」

「今回の事件の事もあって結局部員足らずで、解散です」

しかし佐藤は調子を変えることもなく「ですが」と断って話を続ける

「私が何とか掛け合いましてねバスケ部は他の活動中止の部活と統合してコービー先生が戻るまでの間私が見ることになりました。といっても私も彼らの活動はよくわからないので殆ど自主練習ですが…」

「それじゃ…!」

「えぇ、今は細々とですがいつかまた大会に出るために練習しています。諦めたらそこで試合終了、でしたっけ?」

「先生!」

「いまいく、すいませんそれでは私はこれで」

佐藤は生徒たちの元へ駆け寄っていった。

 

夕焼けの帰り道或人とイズは並んで歩いているとイズがふと口を開いた

『社長。彼らはこれで良かったのでしょうか』

「イズ、どうしてそう思うの?」

『バスケ部が再試合を行う可能性も低く、佐藤先生の勤務状況も悪化しています。無理をして部活動を続けるのはいかかでしょうか』

「う~ん、人間は損とか徳とかそういう理屈じゃないときもあるんだイズ。頑張るぞ!って気持ちで何かをすること。夢に向かって飛ぶことが大切な時もあるんだよ」

『ラーニングしておきます』

少し間をおいておもむろに或人が空を指さして足を上げる

「よし!行くぞ~アシタに向かってぇ~ゴ~シュ―!ハイ!アルトじゃ~ないと!!」

靴を指さしながら高く跳ねたアグレッシブなギャグだ

『今のは足と靴を意味するシューズを使ったとても面白いギャグですね』

「だから!俺のギャグ解説しないで~!!!」

二人はそのまま愉快に帰っていった。

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