思ったより、長編になりそうですが、最期まで付き合って下さると嬉しいです。
では、本編です。どうぞ!
第玖話 時は来た
──西暦1912年 大正元年 12月20日──
俺は、現在あるところに来ていた。これからの歯車を大きく回す鍵となる人に会いに来ていた。物語の主人公である竈門炭治郎に。
彼は、鬼舞辻無惨によって家族を惨殺され、唯一残った家族──鬼となった妹を治すため鬼殺隊に入る。そんな彼の悲惨な運命を少しでも良くするために俺は動く。
──炭治郎視点──
俺は今街まで炭を売りに行っていた。
「こんな日に山を下りてきたのかい、よく働くねぇ、風邪ひくよ」
「おーい!炭を売ってくれ」
「こっちも炭をちょうだい」
「炭治郎!ちょっと荷物運ぶの手伝ってくれねえか」
そうこうしている内に日が沈み、鬼が出る時まで一刻一刻と迫っていた。
炭治郎(遅くなっちまった.........)
しばらく歩いていると声がかかる。
「こら炭治郎!お前山に帰るつもりか!危ねえからやめろ」
「俺は鼻が利くから平気だよ」
「うちに泊めてやる来い、戻れ」
「でも...」
「いいから来い!!」
三郎おじさんは少し間を置いて、真剣な顔つきで言う。
「──鬼が出るぞ」
── 一方その頃 ──
秋雨は竈門家で世話になっていた。
当然、鬼舞辻無惨の襲撃に備えてだ。
「突然押し掛けてしまいすいません。泊まるとこ探してて、急で悪いんですが泊まらせてもらっても良いですか?」
炭治郎の母、葵枝に話しかける
「遠慮しなくていいのよ、泊まるとこ探してたんでしょう?」
「はい」
三男の茂と次女の花子が話しかける
「兄ちゃん泊まってくんでしょ!なら一緒に遊んでよ!」
「遊ぼ!遊ぼ!」
「こら人様に迷惑なことしちゃ...」
「構いませんよ、このところ旅続きで疲れてたんで良い癒しにもなりそうですし」
葵枝「そうかい?じゃあお願いするね」
「はい!」
しばらくしてると四男の六太を背負った禰豆子と次男の竹雄も部屋から出てきた。
「悪いな、茂と花子が世話になっちまって」
「弟達と遊んでもらってありがとうございます!」
こうやって鬼になってない禰豆子ちゃんと話すのは新鮮だ、と秋雨は考えていた。
「いえいえ」
そうして遊んでいると眠くなって来たのか、しばらくして茂達は寝てしまった。
みんなが寝静まり、起きているのは葵枝と秋雨だけになる。
「今日は泊めていただきありがとうございます。それと折り入って話があるのですが...。」
「なんだい?話してごらん?」
「はい、実は俺、泊まるところが無くて寄ったわけじゃないんです」
「それは…どういう」
「俺は鬼殺隊の者で、嫌な予感がしたので寄らせて戴いたんです。俺の勘違いなら良いんですけど、ここに鬼が現れる様な気がして」
鬼が現れるのは分かっているのだが、一応濁して話を進める。
「そう...。で何故今そんな話を?」
葵枝の声が少し震えていることに秋雨は気づいた。
「もし本当に来るなら、もう余り時間は残っていないでしょう。なので──
「「!!」」
その時だ。家の戸を突き破り、何とか目で追えるくらいの速さの攻撃が目の前まで迫って来たので、それを紙一重で躱しながらすぐさま刀を取り出し相手の手を切る。─鬼舞辻無惨の手を
「チッ...何故貴様がいるんだ?」
まるで秋雨のことを知っていたかのように無惨は話かける。それは当然だ、なぜなら他の鬼を通して伝わっているはずだから。
異変に気づいたのか禰豆子が部屋から出て来る。
「────!!部屋から出てきちゃダメだ!」
「禰豆子出てきちゃ駄目!!」
「ほう...。他にも子供がいたか」
これ見よがしと言わんばかりに禰豆子に向けて触手を伸ばす。
「母さんどうしたの?こんな夜中に…!?」
「させるか!!」
その触手を急いで切る。この際型は使っていない。下手に技を見せると対策されるかもしれないので敢えて伏せている。しかし、この後俺は本気を出して防がなかったことに後悔する
無惨もそれだけで終わるはずも無く、触手を増やして攻撃してくる。そして、遂に秋雨は攻撃の一手を許してしまう。──禰豆子への
「キャァア…うっ、、」
「禰豆子ちゃん!!」
「禰豆子!!」
「お前を殺すことが出来なかったのは惜しいが、収穫は得られたので、良しとしよう」
そうして、無惨が去ろうとするので俺が引き止めようとするが、無惨が血鬼術を使ったのか、純粋な威圧が俺をそこに留めていた。
「今度こそ貴様も殺してやる。それまで待っていろ」
「待っ!────
次の瞬間に無惨はもう居なくなっていた。秋雨は自分でも相当強くなった方だと思っていたのだが、それでもまだ鬼の祖には敵わない。
一人で、無惨とほぼ互角に戦えている時点で秋雨も十分人間離れしているのだが、秋雨はそれを知らない。
「禰豆子!!」
今、禰豆子は強靭な精神力で無惨の血に抗っていた。
その末に疲れたのか眠ってしまった。次、起きた時にどうなっているかは分からないが、おそらく原作通り寝ることによって鬼としての本能を抑えていることだろう。
その間に秋雨は、戦いで負った傷を手当てしながら、皆への説明をしている。そうこうしていると、朝になって炭治郎が帰ってきたので、炭治郎にも昨夜鬼が来て家が襲われたことを話しておく。
そして、秋雨は自身が鬼殺隊という組織の人間であることや鬼という存在について話した。最後に禰豆子が鬼となったことを伝えると酷く驚いた。
「なんで...。ウゥ・・・なんで禰豆子なんだよ。あぁあああ!!俺は、、そうとも知らずおじさんの家でぬくぬくと寝て...。皆ごめんな...。」
炭治郎はその場で崩れ落ち涙を流しながら虚しく叫ぶ。
「いいえ、こうして家に帰ってきてくれたんだもの。あなたが無事で良かったわ。炭治郎」
葵枝は炭治郎の背中を擦りながら精一杯励ます。
「ごめん...。俺がもっと強ければ禰豆子ちゃんを助けることが出来たのかもしれない」
「兄ちゃんのせいでも、秋雨兄ちゃんのせいでもないよ!それに秋雨兄ちゃんは俺達を守ってくれたじゃん!」
「そうだよ。兄ちゃん、俺たちだってそんなこと知らずに眠ってたんだ。だから、俺たちも兄ちゃんの事は責めれないし、秋雨さんは身を呈してまで俺たちを守ってくれた。だから、悪いのは全て鬼なんだよ!第一、秋雨さんがいなけりゃ俺たちもっと酷い目にあってたと思う。本当にありがとう!」
その後炭治郎が鬼殺隊に入りたいと言ってきた。
当然それを葵枝や竹雄達が止める。秋雨としてはすぐ了承するつもりだったのだが、そういう訳にもいかず、俺はその様子を見守る。
「──母さん、禰豆子を人間に戻すためにはそうするしかないと思うんだ!だから頼む」
「はぁ...。しょうがないねえ」
「えっ、じゃあ!」
「許すわ鬼殺隊に入ること。ただし、その代わり手紙は必ず送ってくること、それと絶対死なないこと約束できる?」
「もちろん」
炭治郎は迷いのない目でそう言う。
「分かったわ。じゃあ秋雨さん、炭治郎のこと頼みますね」
「ええ、分かりました。それと、禰 豆子ちゃんが人を喰うことが無いように監視をしようと思うので、禰豆子ちゃんを連れて行くことを承諾して頂けますか?」
「むしろ、こちらからお願いします。禰豆子を人殺しにはさせたく無いので」
「心配には及びません。禰豆子さんは俺が責任を持って見守りますので」
秋雨はニッと微笑んでから、迷いの無い眼差しで言う。
「ありがとうございます!」
秋雨と葵枝の話が一段落着いて、今度は炭治郎が竹雄に向かって何か言おうとしていた。
「竹雄」
「なんだよ」
「母さんや皆を守るのはこれからお前の仕事だ。頼んだぞ!」
「そんなこと分かってるよ...。だけど、兄ちゃんもたまには帰ってこいよな」
「ああ、約束する」
「兄ちゃん!」
炭治郎「どうした?花子」
「.....気を付けてね!」
炭治郎「花子…ありがとう!」
「兄ちゃん!死なないでよ!」
「もちろん!兄ちゃんは強いからな!」
「そうだね!」
「...。」
「ん?六太?」
「兄ちゃん...。帰ってくるよね?」
「ああ!ちゃんと俺はここに帰ってくる!だから、心配しなくても良い」
「絶対だよ!」
炭治郎「もちろん!」
「炭治郎くん、お別れの挨拶はもう良さそう?」
「はい!もう大丈夫です!」
「なら、最後に一つだけ聞いておくぞ、本当に鬼殺隊に入っても後悔しない?死ぬこともざらにある、それでもいいんだね?」
「はい!禰豆子一人だけが辛いのは耐えられませんから。俺も禰豆子と苦を共にしたいんです。」
「そうか、炭治郎くんの覚悟は伝わった、でもこれだけは約束してほしい、君には家族がたくさんいる。だからこそ、君が死んだら悲しむ人は多い、絶対に死ぬんじゃないぞ!」
「はい!心に誓います!」
炭治郎は皆の方を振り返り、一言
「じゃあ皆行ってきます!」
そう覚悟した表情で言った。
「では炭治郎くん、今から俺に着いて来てくれ」
「はい!」
そうして俺は禰豆子を連れた炭治郎と共に次の目的地へと向かうのだった。
そのはずだったのだが任務に向かっていた義勇と鉢合わせる。
「秋雨、何故鬼を連れているんだ?答えろ!!」
俺は隠すようにして前に立つ。
「待ってくれ義勇話を聞け」
そして、俺は義勇に先程起こった出来事を話していると...。後ろが騒がしい。どうやら禰豆子が起きたらしく、暴れている。
「どうした!禰豆子!」
禰豆子が炭治郎の背中から降り、炭治郎に襲いかかる。
そして、禰豆子が炭治郎に覆い被さる形になる。
「禰豆子!頑張れ!禰豆子!こらえろ!頑張ってくれ!鬼なんかになるな!しっかりするんだ!頑張れ、頑張れ!!」
その言葉に禰豆子は涙し、禰豆子は少し正気を取り戻した。
その時には、既に義勇が禰豆子の背後に回っていて刀を振り被ろうとしていた。
秋雨(しまった!!...)
だが、俺がここで下手に介入すると、悪い方向に流れてしまうかもしれない。
そう思い、見守っていると、そこからはある程度原作通りの流れになり、義勇が炭治郎と戦い、その末に炭治郎は気絶させられ、その倒れた炭治郎を庇うように威嚇する禰豆子を見て、義勇は殺すのを止めて手刀で気絶させた。
炭治郎達が起きるまでの間に義勇に鬼を連れていた訳を話す。
「これで分かっただろ、義勇。この兄弟は何か違うんだ。普通、鬼なら人を庇うような真似はしない。それも飢餓状態で、だ。
しばらくの間、この兄弟は俺と錆兎、真菰の三人に鱗滝さんを合わせた四人で様子を見ていこうと思う。義勇はこの事を直接お館様と鱗滝さんに伝えておいてくれ」
「ああ、承知した。そう伝えておく。それと、その兄弟の事よく見ておけよ!」
「おう!もちろんだ!」
俺と話を終えた義勇は次の任務があるのか、そそくさと炭治郎達が起きる前に行ってしまった。
義勇が去ってから間も無く炭治郎達が起きた。
「起きたか!炭治郎くん」
「あれ?あの人は?...。」
「ああ、義勇の事か。それならお前の目が覚める前に行ってしまった。」
「そうですか...。」
「それと、禰豆子の事だが、今は日が差してないから良いけど、鬼は太陽の下にいると死んでしまう。だから、今の内になるべく、早く日陰になる所に行こう」
炭治郎「はい!分かりました!これから気をつけます!」
俺は漫画を読んで炭治郎のはきはきとした部分を知っていたが、実際にこうして元気よく返事をされると気持ちが良いものだ。
そうして、俺は一刻も早く、炭治郎と一緒に鱗滝さんのいる狭霧山へ向かおうと足を進めた。
禰豆子が、原作同様に鬼になってしまいましたね。
原作の修正力というものでしょうか?どれだけ変えても変えられないものは変えられないということですね。
次回も期待してお待ち下さい!
大正コソコソ噂話
義勇さんは、お館様や鱗滝さんにどう伝えればいいか見えてないところで頭を抱えるほど悩んだらしいよ
物語の進むペースは妥当か
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早い
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遅い
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ちょうどいい
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少し早い
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少し遅い