鬼滅の雲   作:中太郎

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今回は、話が大きく進むことはありませんが、原作との細かい違いも出てきて、読む分には十分楽しめるんじゃないかなと思います。

では、本編です。どうぞ!


第拾壱話 些細な変化

──西暦1913年 1月11日 大正二年──

炭治郎が鱗滝さんに剣士として認めてもらった日の翌日。

 

「今からお前に修行をつける。」

 

「はい!」

 

「だが、その前に秋雨からも軽く話は聞いているとは思うが、鬼殺隊、鬼、育手について説明する。」

 

「はい」

 

「鬼殺隊...その数およそ数百名。政府から正式に認められてない組織だが(いにしえ)より存在していて今日も鬼を狩る。

 

鬼...主食・人間。人間を殺して喰べる。いつどこから現れたのかは不明。身体能力が高く、傷などもたちどころに治る。斬り落とされた肉も繋がり、手足を新たに生やすことも可能。体の形を変えたり異能を持つ鬼もいる。太陽の光か特別な刀で頸を落とさない限り殺せない。

 

鬼殺隊は生身の体で鬼に立ち向かう。人であるから傷の治りも遅く、失った手足が元に戻ることもない。それでも鬼に立ち向かう人を守るために...。

 

儂は”育手”だ。文字通り剣士を育てる。”育手"は山程いて、それぞれの場所、それぞれのやり方で剣士を育てている。鬼殺隊にはいるためには"藤襲山"で行われる”最終選別"で生き残らなければならない"最終選別"を受けていいかどうかは儂が決める」

 

「分かりました!丁寧にありがとうございます!」

 

「では、修行の内容を具体的に教える。」

 

「お願いします!」

 

「午前は秋雨が炭治郎の面倒を見る。やる事は秋雨に任せる」

 

「はい」

 

「午後は儂が炭治郎に御教授しよう。まずは、昨日のように山を登ってここまで戻って来る。次に、体力がある程度ついたところで、刀の素振りに入る。そして、体が出来上がって来たら受け身の練習。

 

最後に、基礎を覚えたところで型などの練習に入る。仕上げは、今この場には居ないが錆兎、真菰という者に行ってもらうことにする。良いな?」

 

「はい!頑張ります!」

 

そして早速俺が炭治郎に修行をつけていく。

 

「炭治郎。それでは今から修行を始める!心して掛かるように」

 

「はい!」

 

呼吸法や型などは鱗滝さんが教える事になっているので、俺の方ではまず最初に体づくりを目安に練習メニューを考えていく。

 

「お前には今からこの箱を背負いながら修行をしてもらう。鱗滝さんの時も継続して行え」

そう言って俺は、鱗滝さんに禰豆子を入れるように作ってもらった箱に重りを入れて炭治郎に渡す。

 

これは、炭治郎に物を背負いながら闘うという感覚に慣れてもらうことと常に負荷を与え続けることで、その負荷が無くなった時に普段の倍の動きが出来るようにするという目的で行うものだ。

 

「はい...くっ!...結構重いですね。これ」

 

「当たり前だ。炭治郎は、これからも常に禰豆子を背負いながら闘うことになるだろ?」

 

「は、、い」

炭治郎は辛そうにしているが、俺は構わず話を進める。

 

「だから、その負荷に慣れる事が出来るようにその箱には重りを入れてある。徐々に重さを増やしていくつもりだ。そして、最終的には禰豆子の倍の重さの重りを背負いながら闘えるようになってもらう。最初の内は辛いだろうが、時期に慣れていくはずだ。今は耐えろ」

 

「分かり、、ました。」

 

まず、炭治郎に準備運動をしてから、その状態のまま筋トレをしてもらう。

炭治郎は当然疲れているだろうが、気にしていては修行にならないので、甘やかす事無く、直ぐに鱗滝さんの元へと行くように急かす。

 

「これで、俺の修行は終わりだ。十分に休憩してから鱗滝さんの所に向かえ」

 

「ぜぇ、、はぁ、、はい...。」

 

鱗滝さんの修行は大方原作通りに進んでいった。だが、俺の修行のおかげかペースは大分早くなっている気がする。

 

──炭治郎が修行し始めて半年後──

禰豆子ちゃんが眠り始めてから丁度半年が経っていた。

「炭治郎!最初の頃に比べてだいぶ動きが良くなってきたな!」

 

「はい!鱗滝さんと秋雨さんのおかげですね!」

 

「そう言ってもらえると教えた甲斐が有るな!それでは、今日からは午後に鱗滝さんに加わって、この二人も修行をつけてくれる事になった。」

 

俺の横にいる二人が自己紹介をし出す。

「よろしくな!俺は錆兎だ!」

 

「私は真菰。よろしくね」

 

「はい!俺は竈門炭治郎と言います!よろしくお願いします!」

 

「元気のある良い返事だ!秋雨から話は聞いている。頑張っているようだな。」

 

「一緒に頑張ろうね!」

 

「は、はい!」

 

「俺たちは任務に追われてる身であり、毎日修行に付き合うことは出来ないが、それでも十分上達は出来るだろう。」

 

「ありがとうございます!」

まだ、炭治郎は知らない。柱一人に教わるよりも、如何に効果的であり、他の隊士から見ればどれ程羨ましい修行なのかを...。

 

錆兎達は、錆兎が実戦形式で試合をし、それに対して真菰が癖を指摘する。という形で修行をつけていた。

 

──西暦1914年 2月2日 大正3年──

炭治郎が鱗滝さんの下で修行を受け始めてから約一年。

 

「もう教えることは無い」

 

「えっ」

 

「あとはお前次第だ。お前が儂の教えたことを昇華出来るかどうか。この岩を斬れたら"最終選別"に行くのを許可する」

 

「鱗滝さん!待ってください!これっ!...。鱗滝さん!!」

 

鱗滝さんはそそくさと去っていく。それから鱗滝さんは何も教えなくなった。しばらく経ってからは俺も教えることを減らし、見守る時間の方を増やしていった。

 

それに加えて、錆兎や真菰も忙しくなったのか、あまり来れなくなった。なので、炭治郎は鱗滝さん達に習ったことを毎日繰り返していた。

 

炭治郎はいつもの修行内容を日記に留めていたので、そこに書いていたことをひたすら繰り返していた。ただ、半年経っても炭治郎は岩を斬れなかった。

 

炭治郎は原作よりもこの時点で遥かに強くなっており、全集中・常中もある程度出来るようにはなっていたが、呼吸がまだ完成してないため岩を切る程の威力は出ないのだ。

 

こればかりは、教えたところですぐに出来るものでもないので、俺は炭治郎がある程度のところまで上達するまで見守る事にしていた。

 

余談になるが、最近善逸が桑島さんの下で修行を始めたらしく、獪岳も原作の獪岳より優しくなっているらしく、相変わらず口は悪いが善逸とはなんだかんだで仲良くやっているとの事だ。

 

それと、6月に柱合会議で甘露寺蜜璃が恋柱に任命された。

これで、やっと原作の柱が全員揃ったので、無限城の戦いは問題無く進めれそうだ。なんなら、有一郎も加わっているため原作よりも簡単に倒せる可能性もある。無惨のことなので、油断は出来ないが...。

 

──西暦1914年 9月2日──

それから更に半年経った頃

(足りない...。まだ鍛錬が足りないんだ!もっとやらないと...。もっと!俺だめなのかな?禰豆子はあのまま死ぬのか?わーーーっ!挫けそう負けそう!!)

 

「頑張れ俺!!頑張れ!!!」

 

「うるさい!男が喚くんじゃない!見苦しいぞ炭治郎!どんな苦しみにも黙って耐えろ。お前が男なら、男に生まれたなら」

岩の上から声をかかる。

 

「錆兎さん!」

その瞬間炭治郎目がけて錆兎が岩から飛び降りて木刀で斬りかかってくる。

咄嗟の事に炭治郎は慌てながらも刀の柄で防御する。が、錆兎がそれを蹴り飛ばし、炭治郎を転ばせた。地面に背をついた炭治郎に錆兎は言い放つ。

 

「鈍い...。弱い...。未熟...。そんなものは男ではない。」

 

原作の錆兎なら今の炭治郎でも勝てただろう。だが、今の錆兎は柱となっており、原作の錆兎よりも強くなっている。なので、今炭治郎は原作よりも厳しいことを強いられていた。

 

「急に何するんですか!!」

 

「お前の方こそ何をしている。」

 

「何って...。鍛錬を.........」

 

「いつまで地面に尻をついているのか、構えもせずに」

 

「!!」

炭治郎はその言葉を聞き、直ぐに立って構えた。

 

「さあかかってこい──」

 

炭治郎は少し落ち着いてから、素早く錆兎との距離を詰め、刀を振るう。

しかし、錆兎もそれをただ棒立ちで受ける訳もなく、それに応じて錆兎も木刀で受け止める。そして、炭治郎は刀ごと重力に引っ張られたかのように転ばされた。

 

「お前は何も自分のものに出来てない。出来た気になっているだけだ。鱗滝さんに何を教わった?秋雨が何を言っていた?俺との練習はどうした?知識として覚えるんじゃない体に覚えさせろ!」

 

「はい!」

錆兎は練習の時と比べものにならない速さで、炭治郎に向かって木刀を振るっていた。

 

「お前の血肉に叩き込め!もっと!もっと!もっと!!俺達が教えたことを決して忘れることなど無いように骨の髄まで叩き込むんだ!」

 

「やってる!毎日やってる!必死で!!...。でも全然駄目なんです!前にっ...進めないんですこれ以上」

炭治郎も実戦形式で試合をしているので、やられてばっかりでは無かったが、遂に炭治郎も押され始めていた。

 

「進め!!男なら!男に生まれたなら!進む以外の道などない!!かかって来い!!お前の力を見せてみろ!!」

 

「あぁあああ!!」

 

炭治郎は全力で最後の一振のつもりで攻撃する。それに合わせて錆兎も攻撃する。結果は分かっているだろうが、もちろん炭治郎が負けた。

 

「あとは任せたぞ」

 

「うん」

 

それからも少し余裕が出来た錆兎達はこれまで以上には炭治郎の練習に付き合うようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──西暦1915年 2月10日 大正4年──

炭治郎は全集中・常中を完全に自分のものとし、水の呼吸も完璧に使えるようになっていた。ちなみに、流石に真剣では危ないので、木刀に変わっていた。

 

「半年でやっと男の顔になったな」

 

「今日こそ勝つ」

そして、炭治郎が、今いる所から放てる最高の攻撃をした。それに対して錆兎も遅れをとらないようにすぐさま攻撃をする。

一瞬で勝負は決まった。この日この瞬間初めて炭治郎の刃が先に錆兎に届いたのだ。

 

「強くなったな...。炭治郎」

 

錆兎は安心したような笑顔で炭治郎にそう言った。

「今の炭治郎なら岩を切るのも容易いだろう」

 

「本当に...。ありがとうございます!」

 

その後、炭治郎は無事に岩を斬ることに成功した。そして、岩を斬れたことで鱗滝さんに最終選別に行く許可をもらうことが出来た。

 

炭治郎が、修行の時に伸びた髪を切り終えると、鱗滝さんが厄除の面を炭治郎に渡した。

 

 

 

─最終選別の日──

「──"最終選別"必ず生きて戻れ。儂も妹も此処で待っている。」

 

「お前のことだ。受かるとは思うが、油断はするなよ」

 

「分かってます」

 

「俺もお前のことを勝てると信じて待っているからな」

 

「炭治郎なら負けないよ!頑張って!」

 

「それじゃ皆さん行ってきます!」

炭治郎はそれだけ言って山を降りていく。

 

 

 

──"最終選別"に向けて─




いかがだったでしょうか?

今回で遂に炭治郎が修行を終えたので、次回から本格的に最終選別が始まっていきます。お楽しみに!

大正コソコソ噂話
秋雨さんはあの後重りの修行について凄い熱を入れて話してくれたよ。なんでだろう??

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