鬼滅の雲   作:中太郎

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今回は、最終選別に入っていきます。
大した変化はありませんが、原作と違うところもあるので、そこに気づいてもらえるとより楽しめるかなと思います。

では、本編です。どうぞ!


第拾弐話 実った力

──炭治郎が藤襲山に着いてから──

俺は今炭治郎とは別の道を通って最終選別の舞台へと向かっていた。幸いなことに、今回隊士管理係として最終選別の監視を任されたのだ。これで、他の隊士の救出、監視と共に炭治郎の成長具合も見ることが出来る。

 

 

炭治郎は藤襲山に登ろうと階段を上がっていた。

藤襲山には藤の花が咲き乱れており、その景色に炭治郎は見惚れていた。

 

(すごい...。藤の花が...咲く時期じゃないはずなのに)

門をくぐると、他にも最終選別を受けるであろう剣士が沢山いた。

(こんなにいるのか...)

 

産屋敷輝利哉と産屋敷かなたの説明が終わり、いよいよ最終選別が始まろうとしていた。

 

「「では行ってらっしゃいませ」」

 

 

 

─森の中─

「オイオイてめぇは向こうに行け!俺がこいつを喰う!」

 

「いや貴様が失せろ!」

 

炭治郎はいきなり二人現れたことに驚くがすぐに切り替え鬼を倒すことが出来るかを考える。

 

炭治郎の心臓が激しく脈を打つ

 

「俺の獲物だぞ!」

 

「黙れ!」

 

「先に殺った方が喰えばいいだろうが!」

 

「久方ぶりの人肉だ!!」

 

そう言いながら鬼は炭治郎に襲いかかった。

それに対して炭治郎は即座に全集中・水の呼吸をして隙の糸に沿って刃を振る。

 

「肆ノ型 打ち潮」

波に打たれるような斬撃が鬼の頸を刈り取る。それによって鬼の体は跡形も残らずに灰のようになって消えていった。

 

炭治郎は鱗滝さんにもらった刀で頸を斬ると骨も残らないことに気付き、少し虚しく思う。

 

そんな炭治郎は、鬼に対しても情を忘れずに祈祷する。成仏してくださいと──

 

俺はその様子を木の上から見守っていた。

俺は炭治郎が教わった事をしっかりものに出来ていることに一先ず安心した。

 

炭治郎は、原作の手鬼のような鬼も他にはいないので特に苦戦すること無く、その後も順調に進み最終選別を生き残り、無事に受かることが出来た。

 

俺が、殺されそうな人を全て助けたため死者はいなかった。それと、手鬼がいなかった影響か原作よりも受かってる人が多かった。

 

 

 

──最終選別後──

産屋敷かなた&輝利哉

 

「「お帰りなさいませ。おめでとうございます。ご無事で何よりです。」」

しばらくして産屋敷家の説明が終わる。

 

受かった中で特に知っているのは炭治郎、善逸、カナヲ、玄弥、ここには居ないが伊之助の五人だけだ。

 

鎹鴉が来てしばらくすると玄弥が暴れ出す。そう、あの事件だ。

 

「どうでもいいんだよ!鴉なんて!早く刀を寄越せよ!」

 

玄弥が産屋敷かなたの頭を掴もうとするのを俺がすんでのところで止める。

 

「玄弥やめろ」

 

「秋雨さん!?なんであんたがここに?」

俺が居ると知らなかったのか玄弥がとても驚く。ちなみに、柱になってからは1度会っているので顔見知りだ。

 

「いいか玄弥?刀なんてな!後で手に入るんだよ!それよりもお前は今何をしようとした!?」

 

「こいつの頭を...。」

 

「はぁ........知らないなら教えとくが、このお方は鬼殺隊を束ねるお方のご子息様だぞ!」

 

ここで、ようやく玄弥が事の重大さに気づいたのか焦り出す。

「すみません!そうとは知らず!」

 

「謝るのは俺じゃないだろ?」

身体を産屋敷かなたの方向に向け辞儀をする。

 

「すみませんでした!」

 

「俺からも謝罪をさせてください。私の知り合いが失礼しました」

 

「いえ、構いません」

 

「ご厚意に感謝します」

 

「お話は済みましたか?」

そのあと、産屋敷輝利哉の玉鋼に関する説明は終わり、いよいよ玉鋼を選ぶ時が来る。

 

「──鬼を滅殺し、己の身を守る刀の鋼は御自身で選ぶのです」

炭治郎は鼻を頼りに鋼を選ぶ。それに釣られるようにして他の剣士も玉鋼を取り始める。

 

「多分すぐ死にますよ俺は」

善逸が何か言っていたが、気にしないことにする。

 

 

 

 

俺はただ、監視に来ていた訳では無かった。

「炭治郎、合格おめでとう!」

 

「あっ!秋雨さん!ありがとうございます!」

 

「それと、疲れただろ?」

 

「はい」

 

「そう思って水と、食べ物を持ってきた」

 

 

「えっ!本当ですか!嬉しいです!」

炭治郎に水を入れた容器とおにぎりを渡す。

他の皆も羨ましそうに見てくるので...

 

「ほら、他の皆も食っていいぞ!」

当然それも考えて余分に持ってきていた。

 

「良いんですか!!!?本当に!?」

 

「ああ、いいぞ!」

 

「やったー!!ありがとうございます!神なの?あんた神なの?」

善逸に続くように皆がお礼を言いながらそれらを持っていく。

 

俺は善逸に話しかける

「そういえば、善逸」

 

すると、善逸がおにぎりを食べながら言う

「はひ...なんでふか」

 

「頑張っているようだな。お前の師匠から聞いている。獪岳とも仲良くやっているようだしな」

 

おにぎりを食べ終わると善逸は驚いたように返事する

「えっ、なんでそのことを」

 

「一時期、俺も桑島さんに教わっていたからな」

 

「そうなの!?俺知らないんですけど!?」

 

「知らなくて当たり前だ。だいぶ前のことだからな。」

 

「なるほど!」

 

「まあ、何はともあれ頑張れよ」

 

「はい!!!精一杯頑張ります!!」

 

「それと、強くなりたかったら炭治郎に聞くのが一番の近道だ。俺がいろいろ教えているから、戦いなどで困った事があれば炭治郎に聞くといい」

 

「分かりました!そうさせていただきます!」

なんだか、さっきから子分感が増した気がするが気のせいだろうか。

 

「炭治郎のことは分かるよな?」

 

「耳飾りをつけた赤毛の子ですよね?」

 

「そうだ。それと、これから任務で一緒になることも少なくないだろう。仲良くしてやってくれるか?」

 

「もちろんです!」

善逸も義勇の次に好きなキャラでもあるので、沢山喋れて嬉しいというのは内緒である。

 

 

 

──最終選別が終わって──

 

「8人も合格したのかい。優秀だね。また私の剣士(子供たち)が増えた.........どんな剣士になるのかな」

 

 

 

──山を降りてから──

「さあ、皆のいる所に帰ろうか」

 

「はい!」

 

そうして、俺は炭治郎と一緒に狭霧山に帰る。

最終選別で手鬼がいなかったおかげか、炭治郎も疲れておらず、日が暮れることなく家に帰る事が出来た。

 

炭治郎(着いた...鱗滝さん...禰豆子...)

鱗滝さんの待っている家の前まで行くと、禰豆子が戸を蹴り飛ばして出てきた。

 

「あーーっ!禰豆子ォ!お前っ...起きたのかぁ!!」

禰豆子ちゃんはこちらに気づいて走ってくる。

 

「禰豆子っ...」

炭治郎も歩いて近づく。

お互いの手を背に回して抱き合う。

 

「わーーっ!お前なんで急に寝るんだよォ!ずっと起きないでさぁ!死ぬかと思っただろうがぁ!!」

炭治郎は泣きながら言う。

 

それを見て鱗滝さんが二人を庇うように抱いて一言

「よく生きて戻った!!!」

 

鱗滝さんの面の隙間から涙が出ているのを見て、俺もつられたのか涙が出る。

 

 

 

 

──十五日後──

 

炭治郎の刀が届いた。

「あっ、鱗滝さんあの人かな?」

 

風鈴の音がなる。

「ふ、風鈴」

 

笠に風鈴をぶら下げた怪しげな人物がこちらに向かって歩いてくる。

 

「俺は鋼鐵塚という者だ。竈門炭治郎の刀を打った者だ。」

 

「竈門炭治郎は俺です。中へどうぞ」

炭治郎がキリッとした表情で言う。

 

しかし、鋼鐵塚さんは中には入らず、そこで話をする。

「これが"日輪刀"だ」

 

「あの...どうぞ中へ」

炭治郎は困った表情になる。

 

「俺が打った刀だ」

刀を入れた箱を開けながら言う。

 

「お茶を入れますよ」

そのあとも鋼鐵塚さんの説明は続いて、ようやく刀の説明が終わり、中へと入る。

 

「さぁさぁ刀を抜いてみなぁ」

 

「はい」

そうして炭治郎が鞘から刀を出す

 

「日輪刀は別名色変わりの刀と言ってなぁ、持ち主によって色が変わるのさぁ」

 

すると炭治郎の刀が黒く染まる。

「おおっ」

 

「黒っ!」

 

「黒いな...」

 

「えっ、黒いとなんか良くないんですか!?不吉ですか!?」

 

「いやそういう訳ではないが...あまり見ないな漆黒は」

 

「他の呼吸に適正があるってことだと思うから、それは追追考えようか」

 

「はい」

 

「確かに、そう考えることも出来るか流石秋雨だ」

 

「ありがとうございます」

まさか鱗滝さんに褒められるなんて思って無かったので内心驚いている

 

「キーーッ!俺は鮮やかな赤い刀身が見れると思っていたのにクソーーッ!」

そう言いながら鋼鐵塚さんは炭治郎を雁字搦めにする。

 

「いたたっ危ない!落ち着いてください!何歳ですか!?」

 

「三十七だ!」

 

秋雨はアニメで見た通りだなあと思った。

 

すると炭治郎の鎹鴉が入ってくる。

 

「カアァ!竈門炭治郎ォ北西ノ町ヘ向カェェ!!鬼狩リトシテノォ最初ノ仕事デアル」

 

炭治郎は鴉が喋っていることに驚き、仕事と言う言葉に反応する。

 

「心シテカカレェェ!北西ノ町デワァァ!少女ガ消エテイルゥ!毎夜!毎夜!」

 

炭治郎の任務が始まろうとしていた。

炭治郎の監視は特にお館様に命じられているので、引き続きしていく必要があり、俺もついて行かなければならないのだが...。

 

正直、物語の鍵を握る主人公について行く言い訳が出来たので俺としては助かる。

 

遂に闘いの大きな歯車が廻り出す!




大正コソコソ噂話
善逸は、桑島さんから秋雨のことを聞いていたけど、雷に打たれた衝撃で忘れたらしいよ


遂に炭治郎の最終選別が終わりましたね!
次回から、本格的に戦いが始まっていきます。
お楽しみに!

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