鬼滅の雲   作:中太郎

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今回は話し自体は進まないのですが、これからに関わってくる場面でもあるので読んでもらいたいと思います。

では、番外編です!どうぞ!


第拾肆話 明日に向けて

──1年前──

俺は炭治郎への指導を一通り終えて、時間に少し余裕が出来たので炭治郎に一声かけてから下山する。

 

「炭治郎」

 

「はい!何でしょう?」

 

「少し用事があるので、山を下りる。では行ってくる。」

 

「分かりました!秋雨さん!行ってらっしゃい!」

 

 

 

俺が今何処へ向かっているのかというと蝶屋敷に向かっている。

カナエさんの容態を見に行くために土産を持って行く。

 

「すいませーん!秋雨です!誰かいますか?」

 

「はーい!今そっちに行きますね」

しばらくしてしのぶが屋敷の中から出てくる。

 

「おー!しのぶか!久しぶりだな元気だったか?」

 

「ええ、それなりに...。それより今日はどういう用件で?」

 

「ああ、変な意味は無いんだが、カナエさんの容体が気になってな」

 

「変な意味があったら困りますよ!」

 

「ハハハ!そりゃそうだ!」

 

「からかわないでください!」

 

俺が少し揶揄うとしのぶは頬をふくらませて怒る。こんなしのぶを見ることが出来るなんて!まさに眼福だ

 

「悪い悪い、それと土産を持って来たんだけど.........」

 

「えっ!土産を!?ありがとうございます!立ち話もなんですから中で話ましょうか」

 

「ああ....」

 

しのぶの変わりように少し驚いた。カナエさんが生きているかどうかでこんなにも違うのか…

 

 

それからカナエさんのいる部屋に案内される。

「姉さん。お客さんよ」

 

「あら、秋雨くんいらっしゃい!」

 

「どうも、お久しぶりです。その後の調子はいかがですか?」

 

「久しぶりね。見ての通り問題ないわ!」

 

「それは良かった!」

 

「しのぶから秋雨くんの話は聞いてる。なんでも、隊士管理係?として頑張ってるって」

 

「姉さん!私が話したってことは隠してよ!」

 

「え?どうしてよー」

 

カナエさんはどうやら分かっててからかっているようだ。しのぶは俺の事を家で話してることを知られるのが嫌なようだ。

 

「ハハハッ!普段の様子からだと周りのことには無関心かと思ってたが、あれは態とそう振舞ってたんだな!」

 

「秋雨さんも笑わないでよ!もうっ!二人してからかって!」

 

「ごめんごめん」

 

「もういいですよ.........」

 

しのぶが呆れたような顔で拗ねる。

 

「ごめんね。私も悪ノリが過ぎたわね…。あ!そうそう、秋雨くん。今日はどうして家に?」

 

「あっ!そういえば、そうでしたね。時間が空いたので、カナエさんの様子を一目見ておこうと思って寄ったんです。」

 

「そうだったの」

 

「さっきも聞きましたけど、あれから体の調子はどうですか?」

 

「特に問題なく過ごせてるわ。それとね、まだ言ってなかったんだけどね。もしかしたら鬼殺隊としてまた戦えるかもしれないの」

 

「えっ!?本当ですか!?でも肺が傷付いて二度と戦えないって.........」

 

「それは、私の方から説明します」

 

先程拗ねていたのが嘘のように真剣な顔をしている

 

「ああ頼む」

 

「姉は、最初に診察した時、肺に重症を負っていて、その時は日常生活すら出来るか危うい状態でした。

 

なので、私が薬を処方して、なんとか日常生活出来るところまで回復したんです。そこまでは、秋雨さんもご存知かと思うんですが.........」

 

「そうだったな」

 

「それからも肺を完璧に治すことは出来ないかって、ダメ元で薬を改良して、それを姉に飲んでもらってたんです。そしたら、ここ最近で肺が以前と遜色ないくらいに回復していて.........」

 

これはしのぶの調合のおかげでもあるが、秋雨が早めに助けたのもあるだろう。

 

「そんな事が有り得るのか?」

 

「もちろん私も疑いましたよ。だけど、何度確認しても同じなんです。」

 

「本当に?」

 

「そうよ。まだ、感覚が鈍ってるから、修行し直さないと行けないけどね。」

 

「じゃあ、また戦えるんですね!」

 

カナエ「うん!だから一緒に戦う事があればその時はよろしくね!」

強引に俺の手を取ってそう言って来たので、少し照れながら返事する。

 

「はっ、はい!もちろん!」

 

「何、照れてるんですか!やっぱりそういう目的で.........」

 

「もしかして姉ちゃんに妬いてるの〜?しのぶちゃんも可愛いところあるじゃない!」

 

「そんなんじゃないわよ!秋雨さんも用が済んだんなら早く帰ってくださいよ!」

 

しのぶが俺の背中を押して、追い出すように門まで送り出す。

 

「えっ...。しのぶ?どうし...」

 

「なんでもいいですから!早く!」

 

「分かったよ.........」

 

訳も分からないまま俺は屋敷を後にした。

 

 

 

 

 

後で聞いた話だと、階級は蟲柱としてしのぶが代わりを務めているので、甲として鬼と闘っているそうだ。もちろん、甲と言っても、力はすっかり取り戻しているようで柱と言っても遜色ない強さだとか。

 

 

 

 

 

 

 

──そして現在 西暦1915年 大正4年 3月5日──

 

秋雨と炭治郎と禰 豆子は原作と同じように沼鬼を発見し、難なく対処した。ただ、原作と少し違うのは被害者を減らせた事だ。

 

「間に合ってよかったです!お怪我とかはないですか!?」

 

「ええ、ありがとう。あなた達が来てくれなければ私は死んでいたわ」

 

「俺からも礼を言わせてくれ。君があの鬼を倒してくれなければ妻は助からなかっただろう。本当にありがとう」

 

「どういたしまして!」

 

「それより君は一体…」

 

「俺は竈門炭治郎です!鬼殺隊として鬼を狩っている者です!多くの人を救うために」

 

「そうか…君は強いんだな心も」

 

「いえ!そんなことは…」

 

「炭治郎、謙遜しなくてもいい。お前の心は優しく、それでいて強い」

 

「…はい!」

炭治郎は少し照れたような顔を一瞬したが、その後力強く返事をした。

 

「あ!そうそう君にも礼を──

 

「いえ、俺は何も。倒したのは炭治郎と禰 豆子ですから」

 

「あなたがあの子達に戦い方を教えているのでしょう。それはつまりあなたがいたから助かったとも言えるのじゃないかしら」

 

「ッ!!」

 

「そうですよ!秋雨さんがいなかったらこんなに早く気づくことも出来ませんでした!秋雨さんも謙遜しないでください!」

 

「お、おう。さっき俺が言った言葉をそのまま返されるとは恥ずかしい限りだな」

 

「それでは私からも改めて礼を言わせてください。ありがとうございました」

 

「どういたしまして」

そう言った時、俺は胸が温かくなった気がした。今度からは感謝を素直に受け取ることにしようと俺は心に刻んだ。

 

「!!そうでした!これを奥さん。あなたに渡しておきます!」

 

「炭治郎?」

炭治郎の手の中には簪が大量に入っている入れ物があった。

 

「これは…簪?なぜかしら」

 

「これはあの鬼が消えていく時に落としたものです。…これはおそらく…」

 

炭治郎は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。その顔と言葉で奥方も気づいたのだろう。

 

「…!そう...。ありがとうね。これは私が持っておくわ」

 

「頼みます」

 

俺たちの役目は終わっただろうと炭治郎の肩を優しく叩き、この場を去ろうと目で促した。炭治郎もそれに気づいて後は何も言うことなくその場を後にした。

 

「「ありがとうございましたー!!」」

 

後ろからそんな声が聞こえたが、敢えて振り返ることはしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沼鬼を倒して1日経った頃の話だ。

どうやら、明日から炭治郎と禰豆子の監視の強化として、カナエさんとしのぶも派遣されるそうだ。正直、話し相手と華が、そして戦力がどっちも増えるので嬉しい限りだ。

 

しのぶは現在、柱として戦っているので大丈夫なのかとも思ったが、隊士管理係があるおかげで余裕が出来ているそうだ。隊士管理係は柱の一時的な代理も担うことがあるのだ。

 

 

 

俺は、炭治郎の呼吸についての話をしていた。

 

「炭治郎」

 

「はい!」

 

「少し前にも話をしたが、君の呼吸についてのことだ。」

 

「あ!そういえば日輪刀の色を見た時にそんな話を」

 

「ああ、君の刀は黒に染まった。つまり、それは水の呼吸に適してないということでもある。」

 

「えっ.........そうなんですか!もしかして俺強くなれない!?」

 

「だが、安心して聞いて欲しい。水の呼吸に適してないから、これ以上強くなれないという訳ではない。むしろ、水の呼吸以外にも強くなれる道はあると言える」

 

「どういうことですか?」

 

「要するにだ。新しい呼吸を考えようってことだ。」

 

「新しい呼吸.........ですか?」

 

「ああ、炭治郎。どんなに些細なことでも良い。新しい呼吸を考えるきっかけになりそうなものはあるか?」

 

炭治郎はそう言われて、これまでの人生を事細かに遡って考える。その内父との記憶に行きついた。父は病気を患っていたが、それでも強かった。熊を倒せるくらいに強かった。もしかしたらその事と関係があるのでは?と考えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父がしていた事を思い出していく。そういえば、今でこそやってないが少し前に──────

 

 

 

 

「.........あっ!そういえば、昔父にヒノカミ神楽という舞を教わって、前までずっと欠かさずに行っていたんですが.........もしかしたら」

 

「ヒノカミ神楽?知らないなぁ...。やって見せてくれないか?」

 

知っているが、俺が知っていてもおかしいので、敢えて知らないフリをしておく。

 

しかし、俺は油断していた。炭治郎は匂いで嘘を見分けられるのを忘れていたのだ。

 

「秋雨さん本当に知りませんか?」

 

「!?…すまない、実は知ってたんだが、本で見たことがあるだけで詳しくは分からないんだ。だから、言うほどのことでも無いと思ってな」

 

「分かりました。それでは、始めます!」

 

そうして炭治郎は、ヒノカミ神楽の一連の流れを見せてくれた。

 

「これで、全てですが、秋雨さんどうでしょうか?」

 

「凄く洗練された動きだ。舞というよりも、炭治郎が見えない何かと闘っているように見えた。」

 

「そうですか!それじゃあこれが.........」

 

「ああ、多分炭治郎の新しい呼吸となるだろう。」

 

「でも、どうして舞として受け継がれて来たのでしょうか?」

 

「それは、多分始まりの呼吸をつくった剣士が、無惨に知られないように密かに受け継いだのだろう。だから、舞として受け継がれてきた。呼吸と気づく者がいつか現れると信じて.........」

 

「なるほど」

 

「そして、その気づいた者が炭治郎、君だ」

 

「えっ、でも気づいたのは秋雨さんじゃあ.........」

 

「いや、遅かれ早かれ俺が言わずとも気づいていただろう。だから、君が気づいたことにしておく。」

 

「分かりました...。」

 

「それでなんだが、ヒノカミ神楽に関わる詳しい話を聞かせてくれ。何かまた、気づく事があるかもしれない。」

 

「はい!」

 

すると、炭治郎は耳飾りと共に受け継いでくれと父から言われたことや、父はずっと舞っていたのに、自分は長く舞えないことを教えてくれた。

 

「──父は長く舞えたのに、俺は舞えないんです。なぜなんでしょうか?」

 

「炭治郎。一つ確かめたいことがある。もう一度、今度は途中で止まらずに最初と最後の動きを繋げるようにしてやってみてくれないか?」

 

「最初と最後を.........とりあえずやってみます!」

 

俺が言ったように炭治郎は、今度は続けるように舞う。

 

「秋雨さん!さっきと違って、いつもより疲れを感じません」

 

「やはりか.........」

 

「やはり?とは一体どういう.........」

 

「ああ、俺の実家にな今は無いけど、呼吸に関する本が置いてあって、そこに日の呼吸という呼吸について記述があった。」

 

もちろんそんな本は無いが、嘘も方便というやつだ。もちろん、この世界でなくとも鬼滅の刃自体を呼吸に関する本と捉えることも出来るので前世を含めれば嘘にはならないだろう。と思ってのことだ。

 

「日の呼吸.........」

 

「その呼吸の内容が今の炭治郎の舞の内容と酷似しているんだ。それで、もしやと思って言ってみたのだが、どうやら炭治郎のヒノカミ神楽と日の呼吸は同じらしいな。その本には、繰り返し型を行うと一つの型となると書いてあったので、それを試してみたんだ。」

 

「そうだったんですね!秋雨さん、ありがとうございます!これから時間がある時に練習していこうと思います!」

 

「それがいいだろう。その時には俺も練習に付き合おう」

 

「是非ともお願いします!」

 

「舞としてやっていたから、まだ闘いむきではない部分がある。だから、その辺を俺と一緒に考えていこう」

 

「はい!」

 

「それと明日から炭治郎と禰豆子の監視として二人派遣されてくる。」

 

「えっ!?俺たちってそんな危ないって思われてるんですか?」

 

「心配しなくていい。俺の知り合いだし、鬼とはどうすれば仲良く出来るのか考えているくらいだ。もう一人は鬼を懸念しているが、俺の知り合いだし、姉妹で派遣されてくるから、姉のほうが説得もしてくれるだろう。

 

それに危ないという訳ではなく、禰 豆子のような事例が今までにないから研究の意味でも医療に精通している2人が来るんだ」

 

「そうなんですか!それを聞いて安心しました」

 

「さあ明日も早いから、そろそろ寝るぞ」

 

「はい、おやすみなさい」

 

「ああ、おやすみ」

 

そうして、次の日の朝カナエさん達と合流して、次の目的地の浅草へと向かうのだった。




大正コソコソ噂話
秋雨さんは俺(炭治郎)の日の呼吸を見て、技の研究をしたいと思っているよ。

いかがだったでしょうか?
今回はヒロインの導入と炭治郎の強化に関わってくる話でした。
次回からは、また戦いに入っていくので楽しんで読めるかと思います。

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