鬼滅の雲   作:中太郎

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今回は少し話が進みます。
最近、スローペースになってきているなと自分でも感じているところです。
遅いかもしれませんが最期まで書き切るつもりですので、付き合ってもらえると嬉しいです。




第拾陸話 意外な味方

──西暦1915年 3月6日 大正4年──

無惨と遭遇した後の話。

 

俺達は禰豆子を連れ戻すために、一度うどん屋さんに戻ってきた。

 

「俺はな!!俺が言いたいのはな!!金じゃねえんだ!お前が俺のうどんを食わねって心づもりなのが許せねえのさ!!まずその竹を外せ!!何だその竹!箸を持て箸を!!」

 

炭治郎が店主の持っている箸を取って、凄い勢いで完食した。

 

「ごちそうさまでした!!おいしかったです!!」

 

「わかればいいんだよわかれば!!」

 

「ふふっ、炭治郎くんって面白い子ね」

 

「凄いですね...。色々と」

 

俺は苦笑いになりながらも一応言葉を返しておく。

「あ、ああ.........」

 

 

 

「ごめんな禰豆子置き去りにして.........」

禰豆子はそう言う炭治郎の袖を引っ張って、鬼の愈史郎がいる方を睨む

 

「あっ、待っててくれたんですか?俺は匂いを辿れるのに.....」

 

「目くらましの術をかけている場所にいるんだ。辿れるものか。鬼じゃないかその女はしかも醜女だ」

 

それを聞いた炭治郎が激しく動揺する。何故かカナエさんまで

 

「醜女のはずないだろう!!よく見てみろこの顔立ちを!町でも評判の美人だったぞ禰豆子は!」

 

「酷いわ!こんなに可愛い子を醜女だなんて!!」

 

「ちょっ....カナエさんまで!?」

俺も怒りたい気持ちだったが俺まで乗っかっては収拾がつかないので止めておいた。

 

「姉さん!?」

 

「行くぞ」

そんなの露知れず愈史郎はスタスタと進んでいく。

 

そのあとも着くまで抗議していた。

「戻りました」

 

「この口枷のせいかも......痛っ!」

 

「そうだわ!それの......うっ!」

 

炭治郎には俺から、カナエさんにはしのぶから鉄拳が下る。

 

「「2人ともしつこい!」」

 

「おかえりなさい」

 

「あっ...大丈夫でしたか?お任せしてしまいすみません」

 

「ご主人の方はどこに?」

 

「この方は大丈夫ですよ。ご主人は気の毒ですが拘束して地下牢に」

 

「そうでしたか...。教えていただいてありがとうございます。」

 

「いえ、あなた方に教えるのは当然の義務ですから」

 

「人の怪我の手当てをしてつらくないですか?」

 

炭治郎は愈史郎から殴られた。

 

「うっ」

 

「鬼の俺たちが血肉の匂いに涎を垂らして耐えながら、人間の治療をしているとでも?」

 

「よしなさい、なぜ暴力を振るうの?名乗っていませんでしたね。私は珠世と申します。その子は愈史郎、仲良くしてやってくださいね」

 

愈史郎の険しくなった顔を見ながら皆が同じことを思う。

(無理だな、これは.........)

 

「つらくはないですよ。普通の鬼よりかなり楽かと思います。私は私の体を随分弄っていますから鬼舞辻の呪いも外しています」

 

「かっ体を弄った?」

 

「人を喰らうことなく暮らしていけるようにしました。人の血を少量飲むだけで事足りる」

 

「血を?それは.........」

 

「不快に思われるかもしれませんが、金銭に余裕の無い方から輸血と称して血を買っています。勿論彼らの体に支障が出ない量です。愈史郎はもっと少量の血で足ります」

 

炭治郎はホッとした顔をしている

 

「それを聞いて安心しました」

炭治郎の気持ちを代弁するように俺も返事した

 

「そんな方法があるんですね。驚きました!」

 

「鬼でも理性を保てている方はいるんですね。覚えておきます」

 

しかし次の言葉でみんなが固まる。

「この子は私が鬼にしました」

 

 

「「「「え!?」」」

しのぶは少し険しい顔になる

 

「あなたがですか!?でも...えっ?」

炭治郎も相当動揺している

 

「鬼舞辻以外は鬼を増やせないと.........」

 

「そうですね。それは概ね正しいです。二百年以上かかって鬼に出来たのは愈史郎ただ一人ですから」

 

「二百年以上かかって鬼にできたのは愈史郎ただ一人ですから!?んっ!モゴモゴモゴ.........」

何か失礼なことを言いそうな気がしたので炭治郎の口を押さえる。

 

「ぷはっ!何するんですか!」

 

「今何か失礼なことを言おうとしただろ?」

 

「はっ!なんて事を」

炭治郎はやっと気づいたのか炭治郎は口を閉じる。

 

珠代さんも何となく察したのか一言つけ加えて話し出す。

「良いんですよ、気にしてませんから。それで一つ....誤解しないでほしいのですが、私は鬼を増やそうとはしていません。

 

不治の病や怪我などを負って余命幾許もないそんな人にしかその処置はしません。その時は鬼となっても生き永らえたいか訊ねてからします。」

 

「珠世さん、鬼になってしまった人を人に戻す方法はありますか?」

 

「あります」

 

「!!教えてくださっ...」

炭治郎は前のめりになって珠代さんに近づいた

 

「寄ろうとするな珠世様に!!」

 

そう言って愈史郎は炭治郎を投げ飛ばした。その様子を見て、俺達は笑いを堪えていた。

 

皆「「「.........(((笑っちゃダメ)))」」」

 

「.....愈史郎」

珠世さんが怒った様子で言う。

 

「投げたのです珠世様殴ってません」

 

「どちらも駄目です」

 

そう言うと珠世さんは真剣な顔に戻って話し出す。

 

「どんな傷にも病にも必ず薬や治療法があるのです。ただ、今の時点では鬼を人に戻すことはできない」

 

「.........」

 

「ですが、私たちは必ずその治療法を確立させたいと思っています。治療薬を作るためにはたくさんの鬼の血を調べる必要がある。

 

あなたにお願いしたいことは二つ.........一つ 妹さんの血を調べさせて欲しい。二つ できる限り鬼舞辻の血が濃い鬼からも血液を採取して来て欲しい。

 

禰豆子さんは今極めて稀で特殊な状態です。二年間眠り続けたとのお話でしたが、恐らくはその際体が変化している。

 

通常それ程長い間人の血肉や獣の肉を口にできなければ、まず間違いなく凶暴化します。しかし、驚くべきことに禰豆子さんにはその症状が無い。この奇跡は今後の鍵となるでしょう。」

 

もう一つの願いは過酷なものになる...鬼舞辻の血が濃い鬼とは即ち鬼舞辻に...より近い強さを持つ鬼ということです。そのような鬼から血を()るのは容易ではありません。それでも貴方はこの願いをきいてくださいますか?」

 

「....それ以外に道が無ければ俺はやります、珠世さんがたくさんの鬼の血を調べて薬を作ってくれるなら、禰豆子だけじゃなく、もっとたくさんの人が助かりますよね?」

 

「.........そうね」

珠世さんの微笑んで言う姿を見て照れている炭治郎を愈史郎が睨む。

 

今まで黙ってたしのぶが口を開いて珠世さんに何か言おうとする。

 

「珠世さん話があるんですが......」

 

その時だ、愈史郎が叫ぶ

 

「!?まずい!ふせろ!!」

 

その声に合わせるように皆が伏せる。炭治郎は禰豆子を庇うように、愈史郎は珠世さんを庇うように、そして、俺は胡蝶姉妹を庇うようにして伏せた。

 

毬が突然家の中へと入ってくる。それもとてつもない威力と速度で、だ。

 

まあ、普段の俺にしてみれば止まっているようなものなのだが、不意をつかれたので流石の俺も焦る。

 

 

 

家の壁に空いた穴から二人の鬼が顔を覗かせる

 

「キャハハッ!矢琶羽のいうとおりじゃ。何も無かった場所に建物が現れたぞ」

 

「巧妙に物を隠す血鬼術が使われていたようだな。そして、鬼狩りは鬼と一緒にいるのか?どういうことじゃ?それにしても朱紗丸お前はやることが幼いというか......短絡というか...汚れたぞ。儂の着物が塵で汚れた」

 

「うるさいのう私の毬のお陰ですぐ見つかったのだから良いだろう?たくさん遊べるしのう。それに着物は汚れてなどおらぬ神経質めが」

 

(毬.........!!)

炭治郎は相手の武器を見て驚いた

 

「キャハハ!見つけた見つけた!」

 

すると次の瞬間、むちゃくちゃな投げ方で毬を投げてくる。そして、その毬は不自然な軌道で曲がり、愈史郎の頭に向かって飛んでいく。

 

なので、俺はそれをすんでのところで防ぐ。

 

──雲の呼吸 漆の型 雲散霧消──

 

毬を雲が包み、それを毬ごと吹き飛ばすような一振が行われる。

 

すると既に愈史郎の前から毬は消えていた。

 

「毬を丸ごと消した!?」

 

「お前今何をしたんじゃ!?」

 

「彼奴があの中で一番強いようだな」

 

「フッ、さあな?」

 

「惚けるでない!!」

 

「まぁいいではないか、どうせ殺すのだあの男も」

 

「キャハハッ!それもそうじゃのう!ん?耳に飾りの鬼狩りはお前じゃのう」

 

「彼奴、お前を狙っているようだ!珠世さん達は俺や胡蝶姉妹で守る!だから炭治郎は禰豆子ちゃんと一緒に彼奴らを倒せ!出来るな?」

 

「もちろんです!」

 

「私たちのことは気にせずあなた方も戦ってください。守っていただかなくて大丈夫です。鬼ですから」

 

「いえ、そういう訳にはいきません。あたし達も守るのが仕事ですので」

 

「っ.........そこまで言われては遠慮も出来ませんね。鬼の私たちにここまで親切にしてくださってありがとうございます」

 

「しのぶも鬼の事少しは理解出来たようね」

 

「そんなんじゃないわよ」

 

「素直じゃないんだから.........」

 

 

愈史郎が突然怒り出す。

 

「俺は言いましたよね?鬼狩りに関わるのはやめましょうと、最初から!俺の目隠しの術も完璧ではないんだ!貴女にもそれはわかっていますよね!──貴女と二人で過ごす時を邪魔するものが俺は大嫌いだ!許せない!!」

 

「キャハハッ何か言うておる面白いのう楽しいのう!十二鬼月である私に殺されることを光栄に思うがいい!」

 

「十二鬼月?」

 

「鬼舞辻直属の配下です!」

 

「遊び続けよう!朝になるまで!命尽きるまで!」

朱紗丸は腕を増やして毬を投げてくる。

 

「炭治郎!この鞠は切っても無駄だ!止めるにはさっき俺がやったように丸ごと粉々にする必要がある!」

 

「そんな.....どうやれば?」

 

「愈史郎さん!炭治郎を手助けしてもらえませんか?」

 

愈史郎さんはコクリと頷くと

 

「おい!間抜けの鬼狩り!矢印を見れば方向がわかるんだよ!矢印をよけろ!!そうしたら毬女の頸くらい斬れるだろう!俺の視覚を貸してやる!!」

 

愈史郎は炭治郎の額目掛けて紙を飛ばす。

 

「愈史郎さんありがとう!俺にも矢印見えました!禰豆子!木だ!!木の上だ!!」

 

そう言われた禰豆子は木の方に向かって走る。そして、跳躍して矢琶羽に蹴りを放つ。

 

「水の呼吸 参の型 流々舞い!!」

 

毬を華麗に斬りながら徐々に近づいていき、遂に鬼の手前まで迫る。

そして、鬼を斬る。

 

炭治郎は原作の炭治郎よりも強くなっているため、手だけでなく脚までも斬ってしまう。

 

「珠世さん!この二人の鬼は鬼舞辻に近いですか!?」

 

「恐らく」

 

「では必ずこの二人から血をとってみせます!!」

 

新たな闘いの幕が開ける!




大正コソコソ噂話
俺(炭治郎)は秋雨さんから日の呼吸を使うなと言われているから、水の呼吸を使っているよ。

いかがだったでしょうか?
今回は、やっと朱紗丸達を倒すところまで進めることが出来ました。
なので、次回からは響凱との戦いに向けて話が進んで行きます。

物語の進むペースは妥当か

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