鬼滅の雲   作:中太郎

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今回は、秋雨やしのぶ、カナエさんが新たに混ざることで原作からほんの少しだけ変わります。
改変と言えるほどの違いはありませんが、読んでもらえると嬉しいです。

では、本編です!どうぞ!


第拾捌話 戦友

──西暦1915年 4月3日 大正4年──

 

珠世さん達に会ったり、朱紗丸、矢琶羽の二人と戦うなどの出来事があった後、俺たちは次の任務のために南南東に向かっていた。

 

かなり遠い場所のため、宿を取るなどしながら長い時間をかけて行く。

そして、途中で遭遇した鬼を倒したりもした。

 

しばらく歩いていると前方から汚い高音が聞こえる。

俺はこの声の主を知っている。善逸だ。

 

「頼むよ!!頼む 頼む 頼む!!結婚してくれ!いつ死ぬかわからないんだ俺は!!だから結婚してほしいというわけで!!頼むよォーーーーッ」

 

道の真ん中で女性に縋り付きながら叫んでいる。その女性が目に見えて嫌がっているのが分かる。

 

「何だ?」

鴉も叫んでいる

 

「「「「カァアーッ!」」」」

 

「何ですか?あれ」

 

「何なのあれ?」

 

「善逸!」

 

「知り合いなんですか?」

 

「知り合いなの!?」

 

「炭治郎の同期だ」

 

ちゅん太郎がこちらへ飛んで来て俺たちに説明するために鳴いた。

 

「チュン!チュン!(ずっとあの調子なんです!止めて下さい!)」

 

炭治郎はチュン太郎の言葉をすぐに理解して善逸を止めに行く。

 

「そうか分かった!何とかするから!」

 

「助けてくれ!!結婚してくれ!」

炭治郎に服を無理やり引っ張られて女性から引き離される善逸。

 

「何してるんだ!道の真ん中で!その子は嫌がっているだろう!!そして雀を困らせるな!!」

 

「隊服!お前は最終選別の時の...」

 

「お前みたいな奴は知人に存在しない!知らん!!」

 

「えーーーーーーっ!!会っただろうが!会っただろうが!お前の問題だよ!記憶力のさ!」

 

「さぁもう家に帰ってください」

 

「ありがとうございます」

 

「おいーーーーっ!!その子は俺と結婚するんだ!俺のこと好きなんだから!」

 

女性は善逸を滅多打ちにする。

流石にやばいと思ったのか炭治郎が止める。

 

「落ちついて」

 

「うわぁぁん!!」

 

「いつ私があなたを好きだと言いましたか!!具合が悪そうに道端でうずくまっていたから声をかけただけでしょう!!」

 

「俺のこと好きだから心配して声かけてくれたんじゃないの!?」

そして、女性が去ろうとする。

 

「待って!!待っ...なんで邪魔するんだよ!!」

 

炭治郎が蔑むような顔で善逸を見る。俺達も白い目で見ていた。

「「「「.........」」」」

 

「何なんだよ!その顔!!あんたらもやめろーっ!!なんでそんな別の生き物見るような目で俺を見てんだ!」

 

炭治郎は何も言わない。

 

「お前責任とれよ!!お前のせいで結婚出来なかったんだから!」

まだ皆がそのままなので善逸が怒る。

 

「何か喋れよ!!俺はもうすぐ死ぬ!!次の仕事でだ!!俺はな!もの凄く弱いんだぜ!舐めるなよ!俺が結婚できるまでお前は俺を守れよな!」

 

「俺の名は竈門炭治郎だ!!」

 

「そうかい!!ごめんなさいね!俺は我妻善逸だよ!助けてくれよ炭治郎!」

 

俺はそのやり取りを見て内心笑いそうになる。

 

「ちなみに私は胡蝶カナエ。こっちは妹の──

 

「胡蝶しのぶです」

 

「俺は必要ないとは思うけど一応。瑞雲秋雨だ」

 

自己紹介が済んで、善逸が今までの経緯を説明する。

 

会話しているうちにデッドヒートしだしたのか、善逸が再び叫び出すので、炭治郎が少し宥めてから、歩き出す。

 

「もう二度と道にいる女性に縋り付くのはやめましょうね」

 

「ぐっ!」

 

「善逸くん、あれは駄目だと思うわ」

 

「うっ!」

 

「流石にこれは庇い切れんわ。ごめん」

 

「秋雨さんまで!?」

 

鋭い言葉の矢が次々と善逸を射る。

 

「善逸の気持ちも分かるが雀を困らせたらダメだ」

 

「えっ...困ってた?雀?なんでわかるんだ?」

炭治郎が雀の言っていた事を翻訳して伝える。

 

「炭治郎くんは本当に分かるんですか?」

 

「はい」

 

「嘘じゃないよね?」

 

「嘘じゃないです!」キリッ

 

「まじで?」

実際に見るまで半信半疑だったがどうやら本当に分かるようだ。

 

「はい」

すると善逸が俺たちの言った事をまとめて炭治郎に聞いた。

 

「マジで言ってんの!?鳥の言葉が分かるのかよ!?」

 

「うん」

 

「嘘だろ!?俺を騙そうとしてるだろ!?」

 

その時、炭治郎の鴉が鳴いて次の指令を出すので、善逸含む全員で一緒にその場所へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──そして、一軒の屋敷に着く。

「血の匂いがするな...でもこの匂いは...ちょっと今まで嗅いだことがない」

 

「それより何か音しないか?あとやっぱり俺たち共同で仕事するのかな?」

 

「音?」

 

「私は何も感じないけど?」

 

「私もです」

 

「俺も嫌な感じはするが匂いや音は分からないな」

 

「!!」

そうしていると、炭治郎が何かに気づいたのか木々のある方へ目を向ける。

 

そこには怯えている正一くんとてる子ちゃんがいたので、炭治郎がどうしたのか聞く?

 

「こんなところで何してるんだ?」

しかしまだ怯えたままなので、善逸の雀を取り出して見せる。

 

すると少し安堵した様子になったので、炭治郎が話を聞き出す。

 

「何かあったのか?そこは二人の家?」

 

「ちがう...ちがう...ばっ...化け物の家だ...」

 

「化け物の家?」

 

「うん。兄ちゃんが連れてかれた。夜道を歩いてたら、俺達には目もくれないで兄ちゃんだけ...」

 

「あの家の中に入ったんだな?」

 

「うん...うん...」

 

「二人で後をつけたのか?えらいぞ。頑張ったな」

 

「.........うう.......兄ちゃんの血の痕を辿ったんだ。怪我したから......」

 

「大丈夫だ。俺たちが悪い奴を倒して兄ちゃんを助ける」

 

「ほんと?ほんとに....?」

 

「うん、きっと...」

 

「きっとじゃない。絶対だ」

 

「そうですね....」

 

「皆、なぁこの音何なんだ?気持ち悪い音.......ずっと聞こえるんですけど、鼓か?これ....」

 

「音なんか聞こえないよ?」

 

「音なんて.........!!」

 

その時、家の二階から突然血だらけの男性が飛び出てきた。

それを地面に落ちそうな間一髪のところで俺が受け止める。

 

「秋雨さん!その人は無事ですか?」

 

「大分怪我をしているが、死ぬことは無いと思う」

 

「はぁ.........良かった」

炭治郎が安心して息をつく

 

「あ....ありがとう」

 

「いえいえ」

 

 

 

次の瞬間、屋敷の中から雄叫びが外に響く。

 

「しのぶ!カナエさん!この人のこと頼んでもいいですか?」

 

「もちろんです!」

 

「秋雨くんはどうするの?」

 

「正一くん!この人は君の兄さん?」

 

「に..兄ちゃんじゃない.........兄ちゃんは柿色の着物着てる.........」

 

「そうか.........ありがとう!カナエさん、俺と炭治郎と善逸の三人で必ずこの子たちの兄を助け出します!」

 

「分かったわ」

 

「えっ!?俺も!?」

 

「善逸!!行こう!」

善逸は嫌そうな顔で首を横に振る

 

それに対して、炭治郎は般若のような顔をして

炭治郎「そうか、わかった」

 

と言うので、善逸は急いで、行くと言い直した

 

炭治郎が正一くん達の方に近づき、禰豆子の入っている箱を置く。

炭治郎「もしもの時のためにこの箱を置いていく。何かあってもこのお姉さん達と一緒に二人を守ってくれるから」

 

 

 

 

 

 

そして、俺、炭治郎とまだ怯えている善逸の三人で屋敷に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──屋敷の中

 

 

 

「炭治郎、.....なぁ炭治郎守ってくれるよな?」

 

「ああ、俺も守るし、いざとなったら秋雨さんも守ってくれるはずだから安心して戦おう」

 

「えっ!?だから俺戦え無いって言ってるじゃん!!無理だよー!やっぱり俺ここで死ぬんだーーーーっ!」

 

「善逸静かにするんだ。お前は大丈夫だ」

 

「気休めはよせよォーッ!!」

 

突然、床の軋む音が屋敷に鳴り響く。耳が人一倍良い善逸はその音に真っ先に驚いた。

 

「キャアアア!!」

善逸の尻が炭治郎に当たる。

 

「あっ!ごめん.........尻が」

その時屋敷中に鼓の音が響き渡る。そして、その音に合わせて部屋が変わる。

 

炭治郎が一人で飛ばされ、俺は善逸と二人まとめて部屋に飛ばされる。

 

 

─炭治郎side─

 

(部屋が変わった!!いや俺が移動したのか?鼓の音に合わせて)

すると部屋の前を鼓をたくさんつけた鬼が通り過ぎようとする。

 

俺はいくつかの匂いの中でもこの屋敷に染みついたきつい匂いだと気付き、この鬼が屋敷の主だと分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─ 一方、俺と善逸─

「もう何なの!?炭治郎とははぐれるし、やっぱり俺死ぬ死ぬ死ぬ!こんなん死ぬわ!先輩が守ってくれたところで結局運悪く死ぬんだ!!」

 

「落ち着けって!大声出したら鬼に居場所バレるだろ!!」

 

「はっ!ヤバいヤバいこれ絶対見つかるじゃん!!」

 

し〜.........

俺は人差し指を立てながら、静かにするようにジェスチャーをする。

 

あっ!.........

慌てて口を塞ぐ善逸

 

俺に着いてくるように善逸に手で誘う

 

そして、極力音を立てないように気をつけながら進む。しばらく進んだところに襖があるので、そっと開ける。

 

そこに居たのは伊之助だった。しかし、凄くやばい雰囲気を放っており、思わずサッと閉めた。

 

「ふしゅうううう」

まるで猪のような声を出していて、人とは思えないような物体がそこに居る。

 

「あっ........失礼しましたー.........」

 

「えっ!?今なんか居たよね!?見間違いじゃないよね?」

 

俺は襖に背をつけて、張り付くように隠れる。そして、それを真似して善逸も襖に背をつけて隠れる。

 

その瞬間、襖が勢いよく音を立てて開き、颯爽と伊之助が走って行く。

 

「はぁ.........ビックリしたわー!」

 

「あれ人間!?鬼!?いや、どっちでも無かったですよね!?」

 

「いや、気配は人間だった。多分人間だ」

 

「人間なの!?尚更ヤバいじゃん!!ある意味鬼より恐いよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──炭治郎side──

 

鼓を沢山つけた鬼─響凱がブツブツと喋りながら部屋の前を通り過ぎようとしている。

 

「──あいつめ.....あいつらめ!」

 

不意打ちをする絶好の機会なのだろう、だか俺はそんな事はせずに正々堂々戦おうと思った。

 

「俺は鬼殺隊!階級・癸!!竈門炭治郎だ!今からお前を斬る!」

 

斬る直前で響凱は鼓を叩く。

 

すると部屋が回転し出す。俺は壁にしゃがみながら、手足を強くついて倒れないようにして即座に対応する。

 

畳が側面にある...部屋が回転したんだ!これがこの鬼の血鬼術!屋敷全てが鬼の縄張り...!!

 

そこに猪の被り物をした日輪刀を二つ持った上裸の男が、障子を突き破って入ってくる。

 

 

 

今、響凱との戦いが本格的に始まろうとしていた




大正コソコソ噂話
秋雨さんは直感で危機回避能力を補っているよ

いかがだったでしょうか?
今回は、いよいよ善逸や伊之助と出会うことが出来ましたね。
次回からはいよいよ響凱との戦いが展開されてきます

お楽しみに!

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