どうぞ!本編です!
──1915年 5月17日 大正4年 那田蜘蛛山──
現在、俺たちは那田蜘蛛山からすぐのところまで来ていた。
突然善逸が俺たちを静止するように声をかける。
「待ってくれ!!ちょっと待ってくれないか!怖いんだ!!目的地が近づいてきてとても怖い!!」
「なに言ってんだこいつ、気持ち悪い奴だな..」
「お前に言われたくねーよ!猪頭!!気持ち悪くなんてない!普通だ!!俺は普通でお前らが異常だ!!」
「ここまで来て怖がってても仕方.........」
「!!」
炭治郎が後ろを見るので
「どうした?.........!!」
「たす.........助けて.........」
俺も炭治郎の見ている方向を同じように見ると、倒れ伏せている隊員がいた。
嫌な予感がしたので、いち早くその隊員の側に駆け寄る。
「.........速い!!」
「.........!!見え無かった」
「速っ!!!」
その隊員の身体をよく目を凝らして見てみると、何やら糸のようなものが張り巡らされているので、俺はすぐに勘づいてその糸を斬ろうと刀を出す。
「えっ.........何を」
「大丈夫斬ったりしない」
そう言って俺は器用に隊士の身体に付いている糸だけを斬る。
「秋雨さん!今何したんですか?」
「へっ!?今、刀出してたよね?」
「そいつ.........斬ったのか?」
「んなわけねーだろ.........この人の身体中に糸が付いてたから斬っただけだ」
「俺にも糸が繋がってたんだ.........ありがとうございます!」
「何があった?簡単でいいから話してくれ」
「蜘蛛の糸で.........操られるんだ。まだ他にも隊員が.........」
「そうか!ありがとう!後から応援が来るはずだから、その時に手当してもらえるだろう。それまで我慢出来るか?」
「はい、何とか.........」
「炭治郎!」
「はい、何ですか?」
「塗り薬持ってるか?」
「はい!ありますよ!どうぞ!」
「ありがとう。これで少しは痛みが緩和されるはずだ。自分で塗れるか?」
「はい.........」
「俺たちは他の隊士を救うために山に行く。助けておいて悪いな.........」
「いえ、そんな.........。」
「じゃあ行ってくる!善逸は落ち着くまで見ておいてやれ」
「分かりました!!」
何だか少し嬉しそうだ。戦わなくて済むからだろうか.........
「はい!」
「俺が先に行く!!お前らはガクガク震えながら後ろをついて来な!!腹が減るぜ!!」
「伊之助.........」
「「腕が鳴るだろ」」
──山に入ってから──
「チッ!蜘蛛の巣だらけじゃねーか!邪魔くせぇ!!」
「そうだな」
「気をつけろよ。蜘蛛に糸を付けられるかもしれないからな」
「伊之助」
「何の用だ!!」
「ありがとう。伊之助が先陣を切って行くって言ってくれた時とても心強かった。山の中から捩れたような.........禍々しい匂いに俺は少し体が竦んだんだ。.........ありがとう」
伊之助は藤の花の家紋の家に居た時に、人の暖かさというものを肌で知り、それからというもの人の暖かい言葉に弱くなっていた。
そして、今伊之助は炭治郎の思いやりによって、ぼーっとなっていた。
炭治郎がふと木々の中に目を向けるとそこに人影が見えたので、俺たちに声をかけて来た。
「!!伊之助!秋雨さん!」
そのあと、そっと背後に近づいてから炭治郎がその人に声をかける。
驚いたのか、その人は勢い良く振り返った。
「応援に来ました。階級・癸、竈門炭治郎です」
「階級・柱、隊士管理係の瑞雲秋雨だ」
「!!.........お前は最終選別の時の!」
そうあの村田さんである。最終選別の時に出会ってはいるので一応顔見知りだ。
「お前柱だったのか!?」
伊之助が何か言っているが気にせずに話を進める。
「村田、何があったのか詳しく話してくれないか?」
「俺の名前覚えててくれたんだな!少し前、鴉から指令が入って十人の隊員がここに来たんだ。山に入ってしばらくしたら、隊員が隊員同士で斬り合いになって.........!!」
──産屋敷にて──
今、柱が二人新たに向かわされようとしていた。
「──"柱"を行かせなくてはならないようだ。義勇。しのぶ」
「「御意」」
「人も鬼もみんな仲良くすればいいのに、冨岡さんもそう思いません?」
「無理な話だ。鬼が人を喰らう限りは、な」
「そうですね。
──山の麓にて──
「怪我治りそう?」
「うん、良くなった方だと思う」
「そっか。全く勝手だよな.........みんな」
「仕方ないよ。他の隊員救うためなんだし」
「はぁ、こんな時禰豆子ちゃんが居てくれたらなあ.........あー!!あいつ!!禰豆子ちゃん持ってったァ!」
「どうしたの?」
「こうしちゃいられない!ごめん。行ってくる!」
善逸は急いで山へと入って行く。
「えっ.........」
「なんで俺の禰豆子ちゃん持ってってんだぁー!!!とんでもねぇ炭治郎だ!危ないトコ連れてくな女の子を!!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!禰豆子ちゃあん!!!」
いきなり置いていかれた隊員は唖然として、山に入って行く善逸を見ていた。
「何だったんだろう.........」
──那田蜘蛛山にて──
俺達が村田と合流してからの話。
「アハハハハッ!ハッハァーッ!こいつらみんな馬鹿だぜ!!隊員同士でやり合うのが御法度だって知らねえんだ!」
「いや違う!さっき秋雨さんが言っていた!この人たちも蜘蛛の糸で操られているんだ!!糸を斬れ」
「糸を斬るだけじゃ駄目だ!蜘蛛が操り糸を繋いでいる!このままだと、最終的に俺達が殺られる。だから操っている鬼自体を倒さなきゃならない!」
「お前より俺が先に気づいてたね!!」
「伊之助!鬼の位置を正確に探る力を持っていたら頼む!後は俺たちで操られてる人を何とかするから、伊之助は.........」
その時、周りの空気が重くなり、皆の頭上にいきなり影が出来る。
まだ二十歳にも満たない、少年のような姿をした鬼が糸の上に俺たちを見下すようにして立っている。
下弦の参──累だ。
秋雨は参と描かれている目に驚いていた。
なぜなら累は伍だったはずなのだ。
(まさか.........!!俺が下弦の参を倒したことで未来が変わった!?俺が炭治郎達を修行してなかったら危なかったな.........)
「僕達家族の静かな暮らしを邪魔するな.........お前らなんてすぐに母さんが殺すから」
炭治郎は母さんと言う言葉に疑問を抱く
その時伊之助が操られている隊員を踏み台にして跳び上がる。
「オラァ!!」
刀を振りかぶったがあと少しのところで届かない。
「くっそォ!!どこ行きやがるテメェ!勝負しろ勝負!!」
伊之助はそのまま地面に自由落下するところを俺が伊之助と同じ位置まで跳び上がり受け止める。
「危ねぇ!」
「地面を蹴るだけでもうあんなとこまで.........すごい!」
「!!むちゃくちゃな奴だな.........」
「何のために出てきたんだ?」
「それは分からんが、いずれあいつと戦うだろうから覚悟しておいた方が良い、それより先にとりあえず.........」
「あの子は恐らく操り糸の鬼じゃないんだ!だからまず先に.........」
「あーあーあー!!わかったっつうの!鬼の居場所を探れってことだろ!うるせえ二人揃って!」
伊之助は刀を地面に突き刺して、刀を手から離して、しゃがみ両腕を広げて五手を張り呼吸をする。
──獣の呼吸・漆ノ型 空間識覚!!!──
荒れ山育ちの伊之助は触覚が優れており、その自慢の触覚を使って空気の微かな揺らぎを感知し、直接触れていない鬼の場所を突き止める。
「見つけたァ!そこか!!」
──一方、その頃──
「誰にも邪魔はさせない.........僕達は家族五人で幸せに暮らすんだ。僕たちの絆は誰にも切れない」
今熾烈な戦いが繰り広げられようとしていた!
大正コソコソ噂話
善逸は皆が行った後、しばらくそわそわしていたよ。
いかがだったでしょうか?
累が下弦の参となって登場しましたね。
今の炭治郎たちなら問題無いとは思いますが.........
物語の進むペースは妥当か
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