今回は白熱した闘いを表現するのに大分苦労しました。
では、本編です!どうぞ!
──那田蜘蛛山にて──
炭治郎が日の呼吸を使って、累の糸を斬る。
累「!?糸が切られた.........」
累は、飛ばされて来た炭治郎を弱いと認識して見くびっていた。
その炭治郎が自分の糸を斬ったのだ。びっくりして当然のことである。
ちなみに、炭治郎がなぜ父鬼を斬れずにいたのかというと、日の呼吸を実践で使った経験が乏しく斬れる域まで達していなかったのだ。
それが今ここで斬れるまでの急成長を果たしたという訳だ。
炭治郎(さっき斬れなかった鬼の体と変わらないくらい硬い!!日の呼吸が使えて無かったら危なかった.........)
累「お前にはもう加減しないよ」
炭治郎「全力だろうと俺は死なない!!」
累の糸は速くなり、糸の数も多くなる。
──雲の呼吸 拾の型
次の瞬間、雲が現れて、段々形を変えていき、それはやがて龍のようになる。
そして、その龍のような雲は噛みちぎるようにして糸を喰っていく。
炭治郎「秋雨さん!」
秋雨「大丈夫か?」
炭治郎「はい!ありがとうございます!!」
秋雨「俺は援護に回るからお前が倒してみろ。炭治郎」
炭治郎「分かりました!やれるだけやってみます」
累「ねぇ.........さっきから何なの?お前」
秋雨「俺はこいつの師匠だ。間違っても俺に勝てるとは思わないことだな」
累「自分を過信しすぎだと思うんだけど.........」
秋雨「過信じゃないさ。俺は過去に下弦の参倒してるからな」
累「!!.........まさかお前が!?」
秋雨「へぇ俺のこと知ってんの?なら尚更倒そうと思わないことだ。もし俺を攻撃しようものならお前の頸をすぐに斬るからな」
累「話すのに夢中で気づいてなかったね。攻撃の準備してるの」
秋雨「!?しまった炭治郎の方か!」
秋雨が間に合わないと思ったその時.........
炭治郎の目の前が血で染まる。
禰豆子が箱から出て、炭治郎を庇ったのだ。
炭治郎「禰豆子!!」
禰豆子のそばに駆け寄り炭治郎は不安そうに声をかけた。
炭治郎「禰豆子.........禰豆子!兄ちゃんを庇って.........ごめんな.........」
累は震える指先をこちらに向けて、兄弟かどうかを聞いてくるので炭治郎はそんなことは今はどうでもいいと言った様子で累に叫ぶ。
炭治郎「だったら何だ!!」
累「兄弟...兄弟...妹は鬼になってるな...それでも一緒にいる.....」
姉鬼「る.........累」
累「妹は兄を庇った...身を挺して...本物の絆だ!!欲しい...!!」
姉鬼「!!ちょっ!ちょっと待って!!待ってよお願い!!私が姉さんよ!姉さんを捨てないで」
累「うるさい!黙れ!!」
そう言って姉鬼の頸を累がはねた。
累「結局お前たちは自分の役割もこなせなかった。いつも.........どんな時も」
姉鬼「ま、待って...ちゃんと私は姉さんだったでしょ?挽回させてよ.....」
累「.........だったら今山の中でチョロチョロする奴らを殺して来い。そうしたらさっきのことも許してやる」
姉鬼「わ、わかった...殺してくるわ」
姉鬼が斬られた自分の頸を持って去ろうとするので俺が姉鬼の後ろから刀を当てて、身動きが取れないようにする。
秋雨「挽回させる機会なんて俺が与えない」
姉鬼(速い!!こいつがいる限りどうせ死ぬんだ.........ならいっその事ここで死んだ方が...)
秋雨「!?」
突然姉鬼の力が弱まるので秋雨は驚いた。
姉鬼「殺すなら速く殺しなさいよ」
秋雨「......」
──雲の呼吸 捌ノ型
天神が歓迎するかの様に暖かい雲が鬼を包み込み。雲と共に鬼は消えていった。
秋雨(恐怖に包まれた中で生きてきたんだ。最後くらいせめて優しく包んであげないとな)
累「坊や話をしよう」
姉の死を何とも思ってないのか、平然と話し出す。
炭治郎「くっ.........!!お前.........」
流石に殺されたのが鬼といえど炭治郎はその態度が許せなかったらしい。
累「僕はね感動したんだよ。君たちの絆を見て体が震えた。この感動を表す言葉はきっとこの世にないと思う。でも君たちは僕に殺されるしかない。悲しいよねそんなことになったら。だけど回避する方法が一つだけある
──君の妹を僕に頂戴。大人しく渡せば命だけは助けてあげる」
炭治郎「.........何を言ってるのかわからない」
累「君の妹には僕の妹になってもらう。今日から」
炭治郎「そんなことを承知するはずないだろう。それに禰豆子は物じゃない!!自分の想いも意思もあるんだ!お前の妹になんてなりはしない!」
累「大丈夫だよ。心配いらない。絆を繋ぐから。僕の方が強いんだ。恐怖の絆だよ。逆らうとどうなるかちゃんと教える」
炭治郎「ふざけるのも大概にしろ!!恐怖でがんじがらめに縛り付けることを家族の絆とは言わない。その根本的な心得違いを正さなければお前の欲しいものは手に入らないぞ!!」
秋雨「炭治郎の言う通りだ。そんなもんは家族でも何でもない。言うなれば奴隷、上手く言っても駒だ。さっき、偽りとはいえ、自分の姉が死んで何にも思わなかった奴が絆を語るな」
炭治郎「秋雨さん.........」
累「鬱陶しい大声出さないでくれる?合わないね君たちとは」
炭治郎「禰豆子をお前なんかに渡さない!」
累「いいよ別に殺して奪うから」
炭治郎「俺が先にお前の頸を斬る」
累「威勢がいいなぁ。できるならやってごらん。十二鬼月である僕に...勝てるならね」
累は目元までかかった髪を持ち上げて、『下参』と書かれた目を見せる。
炭治郎、秋雨「「!!」」
炭治郎は、累が十二鬼月であることに驚き、俺は累が見せた目の中に『参』という文字を見つけ驚いていた。
秋雨(俺が下弦の参倒してるから未来が変わったのか?確かに伍にしては強いと思っていたが.........)
累「僕はね自分の役割を理解してない奴は生きてる必要がないと思ってる。お前はどうだ?お前の役割は何だ?お前は僕に妹を渡して消える役だ.........」
秋雨「違う!!炭治郎にそんな役を勝手に与えるな。炭治郎は禰豆子の兄であり、家族だ。お前の役割を教えてやるよ。
──今から殺されて惨めに死んでいく役だよ」
俺は言葉に怒気を含んで、圧をかける。
累「.........嫌な目つきだね。メラメラと.........愚かだな。もしかして──...
僕に勝つつもりなのかな!!」
累は蜘蛛の糸を使い、禰豆子を自分のところに引き寄せようと宙に引っ張り上げた。
炭治郎「禰豆子!!」
俺は咄嗟に飛び上がり、糸を斬って、禰豆子ちゃんをしっかりと掴んで着地した。
累「ちぃッ!!.........後少しのところを.........邪魔しないでよ」
秋雨「お前、禰豆子ちゃんを何だと思ってやがる?物じゃねえんだぞ!!炭治郎。禰豆子ちゃんは俺が護っておく、お前は心置き無く闘え」
炭治郎「.........はい!!」
炭治郎は言われた通りに累へとかかって行く
累は糸を炭治郎の周りに張り巡らせる。が、炭治郎は体を低く逸らしながらバク転をして躱した。そして、再び攻撃の体勢に入って型を構える。
──日の呼吸 参ノ型 烈日紅鏡
炭治郎は左右対称の鋭い斬撃を放ち、糸を斬りながら、どんどん累の方へと近づいて行く。
炭治郎(このまま距離を詰めていけば勝てる!!)
累に攻撃が届く位置まで入った時、
累「ねぇ糸の強度はこれが限界だと思ってるの?」
突如そう言って累は炭治郎の目の前に攻撃を仕掛ける。
──血気術・刻糸牢
今までの糸とは違い、蝶が蜘蛛の巣にかかるのを待つかのように、炭治郎の目の前に蜘蛛の巣を張った。
累「もういいよお前は。さよなら」
そして、その糸は炭治郎に死を告げるように迫る。
その時.........
大正コソコソ噂話
秋雨さんは刀で斬る力がとても強いらしいよ
いかがだったでしょうか?
今回の話の中で、闘いが段々ヒートアップして来ましたね。
炭治郎は果たして、どうなってしまうのか
次回、お楽しみに!
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