鬼滅の雲   作:中太郎

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皆さん、おはこんばんは!

今回は、ついに炭治郎と累の戦いに決着がつきます。
本当にこの那田蜘蛛山編長くなりましたが、これからも読んでもらえると嬉しいです。

では、本編です!どうぞ!


第弐伍話 当然の結末

──前回の続き──

炭治郎は今、累の血気術によって殺されそうになっていた。

 

しかし、当の本人は走馬灯を見ていた。殺されそうになった瞬間、炭治郎の頭の中には今までの記憶がパズルのようにして断片的に流れていた。

 

死の直前に人が走馬灯を見る理由は、一説によると今までの経験や記憶の中から迫りくる死を回避する方法を探しているという。

 

そして、断片的な記憶の中に、際立って目立つ記憶があった。その記憶は炭十郎との会話だった。

 

『──息の仕方があるんだよ。どれだけ動いても疲れない息の仕方。正しい呼吸ができるようになれば炭治郎もずっと舞えるよ。寒さなんて平気になる。

 

炭治郎。この耳飾りだけは必ず途切れさせず継承していってくれ。約束なんだ』

 

炭治郎は見事にこの刹那の間に死を回避する方法を見つけ、それを行動に移そうと動き出す。その際、炭治郎は考える間も無かった。なので、体の赴くままに動いた。言わば炭治郎の潜在的な力がこのタイミングで目覚めたのだ。

 

──ヒノカミ神楽 円舞

 

 

炭治郎は美しい弧を描く斬撃を放って、目の前に迫る累の糸をいとも簡単に斬った。

 

それは、炭治郎が先程まで使っていた日の呼吸とは違い、無駄のない精錬された動きで、俺が目を見張る程に凄いものだった。

 

俺と炭治郎で研究し、断片的に繋ぎ合わせて作った未完成な日の呼吸とは違う。つまり、本当の意味での日の呼吸が今ここで完成したのだ。

 

瞬きする間もなく新しい糸が張られた。しかし、炭治郎の身体は人並外れた域に達していた。考えずとも身体が自然に動くのだ。

 

一息で殺そうとした炭治郎からの思わぬ反撃。累にはそれを防ぐ術も無く、諸に炭治郎の一撃を食らう。そして、炭治郎の剣は最速で累の頸に届いた。更に炭治郎の日輪刀は加速し、ついに累の頸を斬った。

 

「俺と禰豆子の絆は誰にも邪魔させない!!」

炭治郎の台詞が、少し違うのは俺が助けたからだろうか。

 

悲しいかな、原作なら累は自分の糸で頸を切っていたはずだが、生憎累にそんな暇は無かった。

 

累の頸は無情にも呆気なく斬られた。

 

(視界が狭まる。目が見えづらいぞ。呼吸を...乱発しすぎたせいか?耳鳴りが酷い。体中に激痛が走ってる。早く回復しなければ。俺はまだ戦わなければならない。伊之助を助けに行くんだ。早く!!)

 

累は消える瞬間、喋り出す。

「もういい...こうなったら全員道連れだ」

 

 

─血気術 殺目籠──

 

 

累は持っている全ての力を余さず使って俺たちに最後の抵抗をした。俺と禰豆子、炭治郎の周りに獲物を捉えるようにして籠の形をした糸が迫り、細切れをするべく糸は縮まっていく。

 

俺は問題無く糸を斬るが、炭治郎の方が危ない。

 

「ッ!!炭治郎!」

 

俺が助けに行くよりも早く。誰かが糸を斬った。

 

「...義勇!!」

 

「...秋雨か!ここに居た鬼はお前が斬ったのか?」

 

「いや、違う。炭治郎が斬ったんだ」

 

「炭治郎が!?それは真か?」

 

「ああ、本当にギリギリだったがな...下弦の参くらいは1人で倒せるようになって欲しいと思って任せたんだ。とはいえ倒すことは出来ないだろうと思っていた」

 

俺はふと炭治郎の方を見ると、力を実力以上に発揮したから身体が悲鳴を上げているのだろう、炭治郎はうつ伏せに結構な勢いで倒れていった。

 

俺は禰豆子ちゃんを炭治郎の所まで連れていく。

 

「禰豆子.........」

 

禰豆子は酷く疲れている様子の炭治郎を見て心配しているようだった。

 

「禰豆子ちゃん。炭治郎は大丈夫だよ。炭治郎は強いからな...」

 

「.....秋雨さん」

炭治郎は安心したような緊張が解けたような表情で微笑んだ。

 

累が行き場を無くした子供のように俺たちの方に歩を進めてきた。そして、ついに立つ力も無くしたのか倒れた。

 

何を思ったのか、炭治郎に向けてゆっくり手を伸ばした。

 

炭治郎はその鬼の体の中から大きな悲しみの匂いを見つけて、思わず、消えかけた累の背中に手を回した。

 

その時、累は炭治郎の手の温もりを受け取り、人間の頃の記憶を全て思い出す。

 

累は、自分の犯した罪を後悔した。そして、出来ることなら両親に謝りたいとも思った。

 

「でも...山ほど人を殺した僕は...地獄に行くよね.........父さんと母さんと...同じところへは...行けないよね...」

 

幻想か、現実か、累の目には本当の人間の頃の両親が現れているように見えていた。

 

『一緒に行くよ。地獄でも。父さんと母さんは累と同じところに行くよ』

 

累の魂は人の頃の姿となる。

 

「全部僕が悪かったよう。ごめんなさい!ごめんなさいごめんなさい.........ごめんなさい.........!」

 

そして、累の魂は親の魂諸共地獄の業火へと包まれて消えていく。

 

もちろん秋雨達には見えてなかったが、秋雨たちは気づいたら涙を流していた。

 

だが、涙を流していない男が一人だけいた。その男は炭治郎に向けて、説教をするように一言こう言った。

 

「人を喰った鬼に情けをかけるな。子供の姿をしていても関係ない。何十年何百年いきている醜い化け物だ」

 

「殺された人たちの無念を晴らすため、これ以上被害者を出さないため...勿論俺は容赦なく鬼の頸に刀を振るいます。

 

だけど、鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者をそんな風には言わない。鬼は人間だったんだから、俺と同じ人間だったんだから、そんな事を言わないで下さい。

 

醜い化け物なんかじゃない。鬼は虚しい生き物だ。悲しい生き物だ」

 

「義勇。確かに人を喰らった鬼の罪は消えないし、死んだ人が生き返る訳もない。鬼が悔やんだって死んだ人は報われない。だが、俺たちが本当に斬るべき鬼は──鬼舞辻無惨ただその鬼だけだと言うことを忘れるな」

 

「ああ、そうだな。気をつけよう」

 

そこにしのぶがやって来る。何故か、刀を抜いて....

 

次の瞬間、何を思ったのかしのぶが義勇に斬り掛かる。義勇は同じように刀で防御する。

 

「今、何をしようとしてましたか?冨岡さん」

そこに居る禰豆子を義勇が斬るのでは無いかと考えたのだ。何故ならまだ刀を出したままだったからしのぶには斬ろうとしているように見えたのだろう。

 

「急にどうした!?別に何もしようとしてないが?」

 

「あっ!待てっ!しのぶ!!そういえば話したこと無かったな」

 

俺は少し遅れてその事に気づき急いで止める

 

「この後に及んで何か言うことが?」

 

「義勇は、禰豆子が鬼だと言うことをずっと前から知っているんだ。だから、禰豆子を突然斬ったりはしないよ。もし勘違いしてるならすぐにやめてくれ」

 

そう言うとしのぶはゆっくりと刀を鞘に納めた。

「はぁ.........何でもっと早く教えてくれないんですか、冨岡さん」

 

「そりゃあこんな場面で会うとは思ってなかったし.........いきなり斬りかかってきたから怖かったー

 

「ん?今何か言いましたか?」

 

「!!いや何も...」

 

「まあいいでしょう。それより何事も無く終わったようで良かったですね....」

 

しのぶが話しているところに俺の鴉が飛んで来た。

 

「伝令!!伝令!!カァァァ!伝令アリ!!炭治郎・禰豆子!両名ヲ拘束!本部ヘ連レ帰ルベシ!!」

 

「「「「!!」」」」

 

「炭治郎及ビ鬼ノ禰豆子、拘束シ本部ヘ連レ帰レ!!炭治郎額ニ傷アリ竹ヲ噛ンダ鬼禰豆子!!」

 

炭治郎の鴉に続き幸郎も来た

 

「な!御館様にも話は伝わってるはず!」

 

「今、他ノ柱にも伝エルベキだと産屋敷様ガ判断サレタ」

 

鴉は基本的に中立的立場であるのだが、如何なる時もお館様の伝令は絶対で忠実なのだ。しかし、幸郎は俺だけにひっそり教える。やはり、幸郎は優秀だ。

 

お館様には当然禰豆子の話しは伝わっている。しかし、混乱が起こると思い敢えて他の柱には伝えていなかった。おそらく、これ以上隠しておくのは難しいと思いこの際に禰豆子の事を柱の皆に説明すべきだとお館様が判断を下したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──産屋敷にて──

「起きろ!起きるんだ!起き...オイ、オイ!コラ!!やい!てめぇ!!やい!!

 

いつまで寝てんだ!さっさと起きねぇか!!」

 

そうして、炭治郎が次に目を覚ましたのは産屋敷の庭の上だった...




大正コソコソ噂話
カナエさんやカナヲは蝶屋敷で、患者を手当てしているよ。

いかがだったでしょうか?
原作とは違って炭治郎の力だけで累を倒すことが出来ましたね。
これで柱合会議での柱からの見方も少し変わることでしょう。

次回お楽しみに!

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