戦闘が無いので、話だけになりますが、飽きずに読んでもらえると嬉しいです。
では本編です!どうぞ!
第弐陸話 柱合会議
──西暦1915年 5月18日 大正四年──
累と戦った後、鬼殺隊本部に炭治郎は連れてこられていた
そして、現在、鬼殺隊柱合裁判にかけられようとしている真っ最中
「──さっさと起きねぇか!!柱の前だぞ!!」
炭治郎は隠に叩き起され目を覚ます
炭治郎は秋雨以外の柱に会うのは初めてだった。
柱とは鬼殺隊の中で最も位の高い九名の剣士である。本来なら九名だが、二人で一つの柱として認められている者がいるので実際には十名だ...
柱より下の階級の者たちは恐ろしい早さで殺されてゆくが彼らは違う。鬼殺隊を支えているのは柱たちだった。
「ここは鬼殺隊の本部だ。お前は今から裁判を受ける。竈門炭治郎」
今の状況を説明するために悲鳴嶼行冥は丁寧に言葉を掛ける
「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」
煉獄杏寿郎は鬼に対しては容赦がなく、かつ簡潔に解決する案を出した
「ならば俺が派手に頸を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ」
それに賛同するように宇髄天元も殺すと意見する
(えぇぇ...こんな可愛い子を殺してしまうなんて。胸が痛むわ。苦しいわ)
甘露寺蜜璃は否定も肯定もしなかった。要するに中立といったところだろうか
「あぁ...なんというみすぼらしい子供だ。可哀想に生まれてきたこと自体が可哀想だ」
悲鳴嶼行冥は秋雨に助けられてはいるが、2人も大切な子供を失っているので正史と変わらずの評価のようだ
(何だっけあの雲の形。何て言うんだっけ)
時透無一郎そもそも興味が無いといった様子で空を見上げている
「如何なる理由があろうとも、鬼は悪だ!それを庇うなど言語道断!それは恩人の秋雨さんであっても変わらない!」
兄の有一郎はどうやら無一郎とは違うようで、庇っている秋雨達にも腹を立てている
「殺してやろう」
「うむ」
「そうだな。派手にな」
炭治郎は禰豆子がいないため屋敷内を見渡した。
すると、木の上から声がかかる。──蛇柱 伊黒小芭内だ
「そんなことより冨岡たちはどうするのかね」
「!?」
「拘束もしてない様に俺は頭痛がしてくるんだが...鴉の伝達によると隊律違反はその四人も同じだろう。どう処分する?どう責任を取らせる?どんな目にあわせてやろうか」
「全くだ...どの面下げてここに来てるんだか...」
「まぁ待て2人共。まずはこの少年に話を聞く方が先だ。少年話せるか?」
先程よりも落ち着いた様子で煉獄は炭治郎に話しかける
「......っ」
炭治郎こ口の中は切れていて出血が渇いて喋れそうに無かった
「水を飲んだ方が良いな。胡蝶、水を持っているか?」
「はい。鎮痛薬が入ってるため楽になるかと...怪我が治るわけでは無いですが...」
そうして炭治郎は水を飲ましてもらって話し出す。
「...俺の妹は鬼になりました。だけど人を喰ったことはないんです。今までもこれからも人を傷つけることは絶対にしません」
その間も伊黒達の思惑は変わることなく、伊黒、悲鳴嶼の二名が否定をする。
「聞いてください!!俺は禰豆子を治すため剣士になったんです。禰豆子が鬼になったのは二年以上前のことで、その間禰豆子は人を喰ったりしてない」
「話が地味にぐるぐる回ってるぞアホが!人を喰ってないこと、これからも喰わないこと口先だけでなくド派手に証明してみせろ」
「あのぉ、でも疑問があるんですけど...お館様がこのことを把握してないとは思えないです。勝手に処分しちゃってもいいんでしょうか?」
「.....」
「いらっしゃるまでとりあえず待った方が.....」
甘露寺の意見は至極真っ当で、この言葉には誰も反論は出来ず、押し黙ってしまう。
「妹は俺と一緒に戦えます。鬼殺隊として人を守るために戦えるんです!だから!...」
そこに実弥が禰豆子の入った箱を持ってやってくる。
「オイオイ何だか面白いことになってるなァ」
隠が焦って不死川を止めるべく、抗議する。
「鬼を連れてた馬鹿隊員はそいつかィ。一体全体どういうつもりだァ?」
「胡蝶様申し訳ありません...」
「不死川さ...」
「実弥。勝手なことをするな!!」
秋雨としのぶは喋っても火に油を注ぐだけだと思い黙っていた。が、この時は我慢出来なかった
(しのぶちゃんも秋雨さんも怒ってるみたい。珍しいわね。カッコイイわ)
「勝手なことだァ?鬼を庇っておいて何様だ?説明できるのか?この状況がァ」
「下ろせ。お館様がいらしたら説明する。だから今は大人しくしておけ」
「良かったな、あんたじゃなけりゃこの鬼刺してたところだ」
人の性格は人生、置かれた環境だけで変わるほど単純では無かった。不死川実弥は正史よりも聞き分けは良い。あくまで義勇や秋雨に対してはという条件付きではあるが…
しかし、父から虐待を受けていた過去や母が鬼になって死んだことは変わっておらず。鬼に対しても少なからず憎しみを持っていた。
実弥は禰豆子の箱を床に置いた。
「お館様のお成りです」
産屋敷家のご子息が言うとお館様がいらした。
「よく来たね。私の可愛い剣士たち」
「!?」
「お早う皆。今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな?顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えられたこと。嬉しく思うよ」
炭治郎は顔を上げたままだったので、実弥が強引に炭治郎の顔面を地面に付ける。
そして、皆一斉にしゃがみ、皆同じように頭を下げる。
「お館様におかれましても、御創建で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」
「ありがとう。実弥」
「畏れながら柱合会議の前にこの竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士についてご説明いただきたく存じますがよろしいでしょうか」
「そうだね。驚かせてしまってすまなかった。炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた。そして皆にも認めてほしいと思っている」
「!!」
「当然、理解できない者や信用出来ないと言った者もいると思う。鬼を滅殺してこその鬼滅隊だ。だから、少しの間だけど秋雨や胡蝶姉妹の監視下で任務をしてもらっていた。秋雨、説明できるかな?」
「俺は仮にも隊律違反を犯した身です。この私でもよろしいと言われるのならば話しますが...」
「構わないよ、それじゃあ頼む」
「はい。私は、炭治郎を鬼殺隊に入る前から見てきましたが、その鬼、禰豆子は強靭な精神力で人としての理性を保っています。信じ難い話ですが、睡眠をとる事で鬼としての本能を抑えてます。
飢餓状態であっても人を喰わず、そのまま二年以上の歳月が経過致しました。
任務中も人を喰うことは無く、むしろ人を守るために戦ってもいました。もちろん直ぐには信じることが出来ないでしょう。
ですが、紛れもない事実です。
私、冨岡、胡蝶姉妹の四名がここに表明します」
「ありがとう。それから、元水柱である鱗滝左近次様からも手紙を頂いている。
それによると『禰豆子が人に襲いかかった場合は、竈門炭治郎及び鱗滝左近次、義勇、秋雨、錆兎、真菰の五名が切腹してお詫び致す』とのことだ。
それから、胡蝶姉妹には私からお願いした。だから、そこの2人はお咎め無しとする」
炭治郎は切腹してまで庇う秋雨たちの心意気に涙した。
(くっ!!.........秋雨の言葉とあらば俺も信用するを得ん)
(....何故だ!!何故この男の言葉はここまで重いんだ)
不死川と宇髄はそれ以上意見することはしなかった
「....切腹するから何だと言うのか。死んだところで何の保証にもなりはしません」
「伊黒の言う通りです!人を喰い殺せば取り返しがつかない!!殺された人は戻らない!」
「煉獄さんと伊黒さんの意見に俺は同意します!死んでからでは遅いのです!残された人の気持ちは報われない!」
「確かにそうだね。人を襲わないという保証ができない。証明ができない。ただ、人を襲うということもまた証明ができない」
「!!」
「禰豆子が二年以上もの間人を喰わずにいること、人を護って戦った事もまた事実。禰豆子のために五人の者の命が懸けられている。これを否定するためには否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない」
「.........っ」
「....むう!」
「くっ!!」
否定していた3人はその言葉に声が詰まる。
「それに炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」
『!!』
その場にいたほとんどの者が驚いた
「そんな!まさか.........」
「柱ですら誰も接触したことが無いというのに...!!」
「こいつが!?」
「能力は!?場所はどこだ!?」
「戦ったの?」
「待て!!!そんな皆して聞いても答えられる訳無いだろ?俺も一緒に見たんだ。俺から説明しよう」
「秋雨!本当か!!それは助かる!」
「まず鬼舞辻の能力を...」
ゆっくりとお館様が自分の口の前に人差し指を立てて皆を静まらせた。
「鬼舞辻はね。炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。その理由は単なる口封じかもしれないが、私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない。
恐らくは禰豆子にも鬼舞辻にとって予想外の何かが起きているのだと思うんだ。分かってくれるかな?」
「.........」
「実弥」
「ぁあ?なんだ?」
「お前は稀血だったな?」
「そうだが。それがどうした?」
「炭治郎。今からする事を許してくれ」
「えっ...」
俺は禰豆子の箱を持ち、屋敷の中に上がろうとする。
「禰豆子の証明のために入っても」
「ああ、いいよ」
「では、失礼仕る」
そう言って俺は日陰に入る。実弥を連れて。
「なぁ秋雨、お前何を...」
その瞬間俺は禰豆子の入った箱に刀を刺そうとする。
「禰豆子ォ!!やめろーっ!」
『!?』
突然のことに一同揃って驚いているようだ。
炭治郎がその時立とうとするので、伊黒が上から押さえつけて肺から空気を逃がす。
そうして禰豆子の箱を刺す。
「さっき俺のこと止めたくせに!庇ったはずのあんたが何やってんだ!!」
「実弥、少しで良い。血を」
「!!.....ちっ、そういうことかよ。最初からそう言えよ」
ここで俺の意図を読んだのか、実弥が自分の腕を刀で少し切って、血を出す。
「禰豆子。出てこい!!」
禰豆子の箱を開ける。
そして、禰豆子が姿を顕にする。
「フゥ.........フゥ.........フゥ」
実弥の血を前にして興奮しているようだ。
「伊黒さん。強く抑えすぎです。少し弛めてください」
「動こうとするから押さえているだけだが?」
「....竈門君。肺を圧迫されている状態で呼吸を使うと血管が破裂しますよ」
忠告されているにも関わらず炭治郎は呼吸をする。
その間にも禰豆子は血を前にして苦しんでいた。
「竈門君!!」
「ガ!ァ!ア!!」
そして、ついに拘束を外して、伊黒の手を跳ね除けて禰豆子の方に走っていく。
「!?」
炭治郎の持つ底力に驚いているようだ。怪我をしていても諸共しない精神力、強靭な肉体。炭治郎もまた稀有な人間の1人なのだ。
「禰豆子!!」
「!!」
禰豆子は炭治郎の声かけに1度、炭治郎の方に目を逸らした。
(人は守り、助けるもの。傷つけない。──絶対に傷つけない!!)
禰豆子はそう決心してからもう一度此方を向く。
そして、しばらく見つめてから、はっきり実弥の腕から目を逸らした。
「どうしたのかな?」
「鬼の女の子はそっぽ向きました」
「瑞雲様に三度刺されていましたが、目の前に血塗れの腕を突き出されても我慢して噛まなかったです」
産屋敷家の双子が返事をする
「では、これで禰豆子が人を襲わないことの証明ができたね」
『!!』
俺は禰豆子のことを申し訳なく思い、介抱する。
「...禰豆子...すまない.........こんな事して、炭治郎も悪かった許してくれ....いくら証明のためとはいえ...本当に悪いことをした」
そのあとで俺は炭治郎の方を向き、泣きながら土下座をする。
「いえ.....顔を上げてください。俺だって馬鹿じゃありません皆が嫌がる役を買って出てくださったんですよね?」
「炭治郎、秋雨。それでもまだ禰豆子のことを快く思わない者もいるだろう。証明しなければならない。これから炭治郎と禰豆子が鬼殺隊として戦えること、役に立てること」
(何だろうこの感じ。ふわふわする....)
「昨日の戦いで炭治郎は下弦の参を倒したようだね。上弦を倒しておいで。そうしたら炭治郎の言葉の重みがかわってくる」
(声?この人の声のせいで頭がふわふわするのか?不思議な高揚感だ.........!!)
「俺は...俺と禰豆子は鬼舞辻無惨を倒します!!俺と禰豆子が必ず!!悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!」
下弦の参を倒したということもあってか、その言葉は満更ただの慢心には聞こえなかった。
「期待しているよ。でも、今の炭治郎にはできないだろうから、上弦を一人でも倒そうね」
「はい」
原作では皆笑いを堪えてたりしたけれど、下弦を倒した実績からか、そのような者はいなかった。
「それから秋雨、小芭内、実弥勝手な行動を慎むように」
「「「御意」」」
秋雨達3人は御館様から叱責を食らった。
「炭治郎の話はこれで終わり。下がっていいよ。そろそろ柱合会議を始めようか」
そうして裁判は幕を閉じた。
大正コソコソ噂話
秋雨さんは御館様に話を通していて、禰 豆子を刺す際に血糊を使おうと提案したそうだけど、御館様に止められたらしいよ
↑
産屋敷はみんなに示す意味でも秋雨たちを怒りました
いかがだったでしょうか?
今回で禰豆子の事も公になり、柱に知れ渡りましたね。
何とか何事も無く済んで良かったですね。
次回お楽しみに!
※都合上この先話のペースが遅くなる可能性があり。
物語の進むペースは妥当か
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早い
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遅い
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ちょうどいい
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少し早い
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少し遅い