今回の話で終わらせようとも思ったんですが、意外と長引いてしまいました。
なので、無限列車編は映画くらいの感覚で捉えてもらえると良いと思います。
では本編です!どうぞ!
魘夢の凄まじい断末魔が辺りに鳴り響き、揺れが生じた
そこに少し遅れて煉獄達も合流する
「倒したのか!秋雨!!」
「流石ね!!秋雨くん!」
「ああ!だけど倒したのは俺じゃない」
「えっ!?じゃあ誰が倒したの?」
「炭治郎が倒したんだ」
「そうなの!?凄いわ!!炭治郎くん!」
「いえ、そんなことは──────
「オイ!!オイ!!俺のこと忘れてんじゃねえぞ!」
「忘れてるわけないだろ?伊之助がいなかったら無理だっただろうな。よく頑張った」
「俺も伊之助が来てくれて心強かったし、助かったよ。ありがとう伊之助!」
「ふん!お前だけじゃ頼りねぇからな!!」
伊之助は照れているのを誤魔化そうとしているのだろう、わざとらしく腕を組み、顔を逸らしながら言った
「ハハッこっちを向いて言えよ」
「何笑ってんだよ!!」
「それにしても!伊之助少年!!竈門少年!!本当によくやった!!これからも精進を怠らないようにな!」
「当たり前だ!!」
「はい!!」
「善逸はあっちにいるようだ。皆で行こうか」
「そうだな!直ぐに向かおう!」
「ええ!」
ドォン!!!!
秋雨たちが列車の方に行こうと歩を進めると、後ろの方で何かの落下音がした
現実は想像よりも悲惨だ.........
「強者が沢山いるなあ!
「まぁ待て、あのお方の言っていた、耳飾りをつけた少年と灰色の髪をした者がいる。まずは彼らから葬ろうぞ」
(何故だ!何故黒死牟が.........!!それに猗窩座の目の数字.........あれは!?)
「上弦の弐.........と壱!!」
カナエは言った。それを秋雨は一字一句聞き逃さなかった。そして、秋雨も目を見ると確かに壱と弐の数字が鬼の目には刻まれていた。
猗窩座は入れ替わりの血戦に勝ち、弐になっていた。無惨には、隙が無い。炭治郎と秋雨を倒すためには手段を厭わないのだ。
秋雨は甘く見ていた。無惨という存在を.........
(くっ!目的のためならここまでやると言うのか無惨は)
「上弦!?それも壱と弐って.........」
「.........考え得る最悪の事態だ.........壱は俺が相手取る!皆は自分の身のことだけ考えて行動しろ。俺が全力で...守る!!」
(.........!!秋雨さんが震えている!?)
「秋雨くん.........」
「大丈夫だ。全て俺が招いた状況だ。責任は全て俺が取る」
あまりの恐怖が故に発せられた言葉だと周りは思った。しかし、決してそんなものでは無かった。秋雨が震えているのは恐怖からではなく、武者震いからくるものだった
なぜなら秋雨の目には依然決意と希望の色が表れていたから
「うむ!それでこそ秋雨だ!良い目をしている!」
「アイツ.........!やる気だぜ」
(秋雨さんの中で渦巻いていた緊張の音が鎮まった!!いつもの秋雨さんよりも研ぎ澄まされた音が.........)
「.........秋雨さん!!(緊張の匂いでも無いし、恐怖を感じている匂いでもない。覚悟の匂いだ)」
「死なないでね.........秋雨くん」
「もちろん」
「話は済んだか?」
「ああ、バッチリだ。律儀に待っていてくれたってのか。すまないな」
「構わない、ではこちらから行かせてもらおう」
「俺は耳飾りの少年を殺すぞ、よいか黒死牟」
「それでいい、では私はあの灰色の髪の男から殺らせてもらおう。では行くぞ!!」
開戦の狼煙が今上がった
猗窩座は宣言通り炭治郎を殺しにかかった。猗窩座は小手調べに炭治郎にそこそこの突きを放った
「!!」
──日の呼吸 捌の型 飛輪陽炎
咄嗟の判断で猗窩座の突きに対して炭治郎は型を放つ。
炭治郎の刀は独特な軌道で振り下ろされた。そして、その攻撃は猗窩座を錯覚させた。
「フッ、そんなとこから当たる訳が無いだろう。愚かな─────
!!馬鹿な刀身が伸び.........」
猗窩座は避けたつもりだったが、炭治郎の振った刃は猗窩座の手を容赦無く斬りつけた。
猗窩座とほぼ同時に黒死牟が秋雨に襲いかかる。こちらも猗窩座と同じく本気を出してはいなかった
──雲の呼吸 零ノ型
それ故に秋雨は黒死牟の攻撃を全て相殺しきっていた。まるで敵の攻撃が全て意味を成していなかった。
まるで雲が月を隠すかのように.........
この技は一人の敵を相手に反射速度が一時的に爆発的に跳ね上がるというものだった
人並外れた集中力とどこに攻撃が来るのかを直感から予想出来る、秋雨にのみ会得可能な業
痣とは違い、命を削らない。しかし、痣よりも持続時間は短く脳の疲労も凄まじいものであった
秋雨とてただ我武者羅にこれまで修行してきた訳では無かった。原作知識から外れた力を身につけるために自分の長所を人ならざる領域まで昇華させていた
その人智を超えた姿に黒死牟はある者と重ねて見ていた
「貴様は何者だ?何故その歳にしてここまでの業が成せる?」
「さぁな.........自分でも解らない」
「貴様も彼奴と同じだとでも言うのか?」
「彼奴?
「!?.........何故貴様がそれを知っている」
「それは俺を倒して聞いてみたらどうだ?」
「何処までも腹の立つ奴だ.........」
その戦いを見ていた者は秋雨に畏怖の念すら抱いていた。
「ありえない.........!!人間の域を遥かに越えている!!本当に人間なのか?」
「凄ぇ.........入る隙も無ぇ.........」
「.........!!彼、一体どれほどの力を隠しているのかしら?」
一方、炭治郎の方はというと.........
「いい刀だ。素晴らしい提案をしよう。お前も鬼にならないか?」
「なるわけないだろ!!」
「見れば解る。お前の強さ。柱だな?その闘気練り上げられている。至高の領域に近い」
炭治郎は経験こそ少ないものの、積み重なる修行によって柱と同等、いやそれ以上の力を身につけようとしていた。
「俺は竈門炭治郎だ!俺は柱じゃない」
「!?.........俺は猗窩座。柱でも無いのにその闘気!!失うには惜しい。鬼になろう炭治郎。そうすれば百年でも二百年でも鍛錬し続けられる。強くなれる」
「ならない!人が人で無くなればそれは死んだことと何も変わらない!!人は死ぬからこそ老いるからこそ人なんだ!死も老いることも忘れてまで俺は強くなりたいなんて思わない!」
「俺は炎柱の煉獄杏寿郎だ。この少年の言うように、老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。
老いるからこそ死ぬからこそ堪らなく愛おしく尊いのだ。強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない。俺は.........俺たち鬼狩りは如何なる理由があろうとも」
「「鬼にならない」」
「そうか、残念だ。杏寿郎お前も至高の領域にいるというのに」
猗窩座との戦いに煉獄も加勢した
伊之助はこの混乱に乗じて、乗客を庇ったのであろう、倒れている善逸を見つけた。その腕には禰豆子も抱えられていた。
「!!善逸!!」
伊之助も初めて会った時とはだいぶ心も変化していた。
以前の伊之助なら気にも止めなかっただろう。でも今は違った。人情と言うものが芽生え始めていたのだ
「しっかりしろ!善逸!!」
「.........」
命に別状はなさそうだが、意識はまだ回復していないようだ
「気ィ失ってやがる!!」
伊之助は善逸の羽織を少し剥いで善逸の怪我をしているところを止血した
伊之助は炭治郎が止血している所を見て覚えていた
──術式展開 破壊殺・羅針
猗窩座の足元に結晶のような紋様が現れる
そして、次の瞬間先程とは桁違いの速さで炭治郎たちに向かっていく
「鬼にならないなら殺す」
──炎の呼吸 壱の型 不知火
煉獄は流石、柱と言うべきか、迷い無く型を構えて走り出す。
──日の呼吸 壱の型 炎舞
炭治郎も煉獄に続いて型を構えて突っ込んで行く。
戦いはまだ始まったばかりだった
大正コソコソ噂話
無惨は本来黒死牟だけのつもりだったけど、近くにいた猗窩座も向かわせただけらしい
いかがだったでしょうか?
黒死牟が来ると予想してた人はいなかったと思います。
黒死牟の加わったこの戦い、果たしてどうなっていくのか?
次回お楽しみに!
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