鬼滅の雲   作:中太郎

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皆さんおはこんばんは!

今回を持って、漸く無限列車編が終わります。
長くなりましたが、ここまで飽きずに読んでもらえて感激です!

では本編です!どうぞ!


第参陸話 無限列車編・そして

──猗窩座対煉獄、炭治郎戦──

 

土埃が晴れると、そこには頸こそ斬れていないもののもう戦えないであろう惨めな姿の猗窩座がいた。

 

善逸の応急処置をしていた伊之助とカナエはその様子に釘付けになっていた。

 

「あいつらやりやがったぜ!!でもなんで頸を斬らねえんだ?」

 

「わからない.........でも今のであの猗窩座という鬼は力を使い切ったはず。もう勝負はついたわね」

 

 

黒死牟はその状況に驚きを隠せないようだった。

 

「上弦の弐となった、猗窩座が殺られる.........そんな事があってはならない」

 

秋雨「鬼も人智を超えた努力には適わなかったらしいな。

 

──お前も」

 

──雲の呼吸 拾壱の型 晴天の弔い(せいてんのとむらい)

 

次の瞬間、黒死牟を陽の光が襲った

 

もちろんこれは夜が明けて太陽が出た訳ではなく、人一人から発せられた業が辺りを光で満たし、辺りを光らせていたのだ

 

「熱い!!夜明けか!?.........いや違う。これもお前の!!.........ぐああぁぁア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

 

辺りに黒死牟の咆哮が鳴り響いた。そして、光が収まった時には黒死牟の姿は既に無かった

 

死んだかと思われた黒死牟だったが、秋雨はいまいち手応えを感じてはいなかった。

 

「.........おかしい。この業はいつものように消し去る技ではないはず...」

 

この型は日の呼吸を参考に秋雨が考えたものであり、太陽の熱を具現化させたもので一瞬で消し去るような技では無かったからだ。

 

陽の力を込めた刀で敵の頸を斬り、回復させる間も無く倒すというだけで、身体そのものは消えるまで一定時間は残ってるはずだった

 

「今のは危なかった.........」

 

黒死牟はあの時、技を相殺してその場を逃れていた

 

秋雨が黒死牟だと思って攻撃したそれは黒死牟ではなく、黒死牟の残像だったのだ。しかし、黒死牟も攻撃の余波までは避けられず少し食らってしまった。それが幸をそうした、いやそうしてしまった。

 

秋雨は黒死牟の悲鳴を聞き、残像だと気づくまでに時間がかかってしまった

 

「!!.........やはりか炭治郎!煉獄!あっちだ!」

 

「猗窩座はもう再起不能のようだ。あの様ではどの道あのお方に殺されるだろう。夜明けも迫って来ている。私はここらで引かせてもらうぞ」

 

「逃がすものか!!」

 

「アイツ!!仲間を仲間だと思っていないのか!許せない!!」

 

そういうと黒死牟に向けて炭治郎は刀を投げつけた。しかし、当たることは無くすんなり避けられてしまう。もちろん炭治郎も原作より強くはなっているが、呼吸は使ってないため威力は無かった。

 

猗窩座との戦いで力を使い果たしていた

 

だが、その刀は結構な力を入れて投げられたようでどこに行ったかわからなくなってしまった

 

「同胞をこうもあっさり切り捨てるとは!」

 

俺は直ぐに次の攻撃を仕掛けようとしたが、黒死牟の足元に突如襖が現れて、その中に逃げるようにして入っていった。おそらく鳴女の能力だろう。

 

「チッ!!.........自分の仲間を見捨てて、逃げる...か。つくづく嫌な存在だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──猗窩座戦後──

「この鬼のこと任せてくれないか?」

 

「むう...秋雨程の手練でも上弦の壱を倒しきれなかったか.........それよりもこの鬼を任せろとはどういうことだ?」

 

「まぁ見ていろ」

 

そう言って俺は猗窩座に注射をした。

 

「秋雨!何をしている!」

 

「秋雨さん?」

 

しばらくすると猗窩座の身体の傷が治り、紋様が消えていき、髪の色も黒に変わっていく

 

「!?.........禰豆子の匂いに似ている」

 

「どういうことだ?これは.........!!」

 

「よかった.........炭治郎がそう言うなら間違いない。成功したんだ珠世さん達の開発が!」

 

「話がいまいち読めないのだが.........話してくれないか?」

 

「珠世さんとしのぶは禰豆子ちゃんを人に戻すための第一歩としてこの薬を作ったんだ。人には出来ずとも鬼を限りなく人に近づける薬を」

 

「えっ!?でも今までそんな話は」

 

「もちろん全ての鬼に使える訳じゃない。無惨に忠誠心がある者には一切効かない。しかし、この猗窩座という鬼は無惨への忠誠心よりも鬼であることに重きを置いているようだったので試してみたって訳だ」

 

「しかし、この鬼はこれまでに何人もの鬼を喰らっている。禰豆子殿とはわけが違うだろう!!」

 

「この鬼からは激しい憎悪と悲しみの匂いがしてました。多分、深い苦しみの中で生きてきたんじゃないかなって思うんです」

 

「煉獄。俺からも言わせて欲しい。確かに鬼はいち早く殺すべき存在だ。でもな、俺はそんな鬼でも救えるなら救いたいと思ってるんだ。これはカナエも同じように考えている」

 

「.........わかった。秋雨達の顔に免じて許そう。ただし、害だと思えば直ぐに頸を斬るからな」

 

「ああ、それで構わないさ。わがままを言ってすまないな」

 

「殺すだけが道ではないのだな」

 

「.........?」

俺は煉獄の口からそんな言葉が出るのは意外だったため、首を傾げた。

 

「お館様には珠世さんから予め伝わっているだろうし、鴉からも話は届くとは思うが一応報告しておいてくれ」

 

「うむ!承知した!」

 

「秋雨さん、これからどうするんですか?」

 

「とりあえず、炭治郎は伊之助達と一緒に先に善逸連れて蝶屋敷に行っててくれ」

 

「わかりました」

 

「俺はこいつが起きるまではここにいるつもりだ」

 

「はい、お気をつけて」

 

少しして、意識を取り戻した善逸と一緒に伊之助とカナエも此方にやって来た。

 

三人は一斉に同じところに注視した。

 

「.........!!」

 

「煉獄さん...その手と目.........」

 

「どうしたんだ!?まさかアイツにやられたのか!!」

 

「杏寿郎くん...」

 

「大丈夫だ。もとより鬼殺隊にいる限りは命の保証などない。生きていることが大切なんだ。竈門少年!」

 

「なんですか?」

 

「俺は君の妹を信じる。鬼殺隊の一員として認める。汽車の中であの少女が血を流しながら人間を守るのを見た。命をかけて鬼と戦い、人を守る者は誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ。

 

胸を張って生きろ」

 

「.........!!煉獄さん.........」

 

「それとこんな有り様ではもう鬼殺隊として戦っては行けないだろう。俺は柱を下りる。

 

炭治郎、君を日柱として推薦する!」

 

「はい!.........って...え?日柱?柱って事ですか?そんなにいきなり!?」

 

「どうした?厳しいか?」

 

「いえ、もちろん柱となったなら今まで以上に精進するつもりですけど、少し急だったもので.........」

 

猗窩座は善逸達に今見つかると厄介な事になりそうなので、俺が目につかない日陰になる所まで運んでおいた。

 

「汽車が脱線する時.........煉獄さんがいっぱい技を出しててさ、車両の被害を最小限にとどめてくれたんだよな」

 

「そうだろうな」

 

「手と目を失うなんてそんな.........ほんとに上弦の鬼が二人も来たのか?」

 

「うん」

 

「竈門少年は充分過ぎるほど善戦をしてくれた!何も悔やむことは無い!」

 

「はい.........」

 

「それに秋雨さんでも倒せないなんてそんな.........!!」

 

「あと一歩だったんだ.........でもその時に逃げられた」

 

「上弦の鬼はそれ程に強いんですか?」

 

「ああ、そりゃ出鱈目な程にな.........周りを護るので精一杯だった」

 

「.........いや.........護れるだけでも凄いと思うんだけど」

 

「でも皆で生き残ることが出来て良かったわ!ね!秋雨くん」

 

「そうだな、カナエ、あの鬼に例の注射を使ってみた。もし、攻撃してくるようなら俺がなんとかするからとりあえず善逸達には内緒で頼む」

 

「!?それって!!ええ!?.........はあ、分かったわ。秋雨くんのすることだから信じるしかないわね」

 

「まーた、2人でイチャイチャして!今内緒とか聞こえてきたんですけど!?おい!!どういうことなんだよ!秋雨さん!!」

 

「だから言ってるだろ.........お前には禰 豆子という既に素敵な人が身近にいるじゃないか」

 

善逸に囁くとまた顔を赤くして黙ったので良しとした

 

「前もあったけど、秋雨くん、毎回善逸くんに何を言ってるの?」

 

「内緒」

 

「もう!しのぶを揶揄わなくなったと思ったら今度は私なの?」

 

「ごめんごめん、善逸には禰 豆子のことを言ってるだけだよ」

 

「.........あ!なるほど!うふふ、青春ねー」

 

カナエもある程度そっち方面の勘は働くようで直ぐに理解していた。俺に先にアタックしてきただけあるということか

 

「.........??禰 豆子?禰 豆子がどうかしたんですか?」

 

「炭治郎はまだ分からなくていいんだよ」

 

「そうそう、炭治郎君は純粋さが取り柄なんだから」

 

「??」

 

炭治郎には一切伝わってないみたいだ

 

 

 

 

 

 

 

 

重たいムードも少し落ち着き、事態も収拾がついたところで、俺だけその場に残り、解散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──数時間後──

猗窩座が目を覚ました。

 

「!?.........何で俺は生きている?何故殺されていない?」

 

「お前、何も違和感ないのか?」

 

「お前は.........!!黒死牟殿と戦っていた」

 

「雲柱の瑞雲秋雨だ。それよりも何か異変は?」

 

「そういえば、眠気が少し.........」

 

「そうか.........ならば多分お前は無惨の呪いが解けているはずだ。あれほど怪我すれば飢餓状態に陥るはず.........しかし俺を襲って来ないのを見ると.........」

 

「秋雨、俺の身体に何をした!」

 

「呪いを解いただけだ。それと鬼の力は少し残っているはずだ」

 

「.........たしかに」

 

猗窩座は己の手を握りこみ確かめる

 

「猗窩座、提案があるんだが.........」

 

「なんだ?言ってみろ」

 

「お前は1度鬼になっている以上、無惨が死ねば共に消えて亡くなる可能性だってある。そんなお前に言うのも酷だとは思うが、どうだ、それまで俺たちと共に戦うというのは」

 

「ハッハッハ!何を言うかと思えば.........

 

最高の申し出じゃないか!いいだろうその話乗った!」

 

「いいのか?」

 

「お前が望んだことだろう。無惨の呪いは解けているんだ。ここで逃げてもお前に殺されるだろうし、仮に逃げたとしてもこんな状態では間違いなく無惨に殺されるだろうからな。鬼でも人でもないんだ。そんな奴を許しては下さらない」

 

「そうか.........よろしくな猗窩座.........」

 

「共に戦おう!秋雨!それと俺のことはこれから伯治と呼んでくれ」

 

「!?.........わかった。改めてよろしく、伯治!」

 

秋雨はその名前がこの時点で出てきた事に驚いた。それは人としての生きることを決めたという事に他ならないからである

 

秋雨と猗窩座は硬い握手を交わした。

 

こうしてこの戦いは幕を閉じた。




大正コソコソ噂話
猗窩座は上弦の鬼の中でも忠誠心が一番低いらしいよ。

何と猗窩座が味方として勢力下に入りましたね。
予想していた方も全く考えていなかった方もいることでしょう。

一応、次回で一区切りとします。なので、2月の間だけ投稿を一切お休みします。急ですが、ご理解をお願いします。

では、次回お楽しみに!

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