希望光と申します。
見切り発車ですが、どうぞ。
——痺れる様な感覚により、俺は目を覚ます。
確か俺は……ああ、そうだ。突然襲いかかって来たモンスターに襲われたんだ。
それで、無駄にレベルが高い……ヒューマノイド型のモンスターを撃退した後満身創痍でその場に倒れ伏したんだった。
「はぁ……」
記憶が途切れる前のことを思い出し大きく溜息を吐く。全く、今日もまた死の淵を歩かされたってわけか。だがもう初めて死の淵に立った日からかれこれ2年。悲しいことか、その事に慣れてしまっている。
「怖いねぇ……慣れってものはさ」
誰もいない迷宮区の暗がりの中、俺の呟きが木霊していく。それは、自身が孤独であることを告げてくる様であった。そんな中、視界の右下に表示された時刻が午後4時を示そうとしていた。そろそろここを出なければ陽が出てる内に拠点に戻れないだろう。
「戻ろう……今日もまた生き残れたのだから」
自分に言い聞かせながらおぼつかない足取りで立ち上がる俺。その直後、新たに姿を表す
「はぁ……」
再度溜息をついた俺は、背中に背負った
「——邪魔しないでくれよ」
ボヤいた俺よりも先にポイズンスパイカーは、その針が付いた長い尾で俺に攻撃を繰り出してくる。俺は軽く身を捻りその攻撃を退ける。だが、退けが甘く奴の尾が俺の右肩を掠める。それにより、俺の
「……ッ!」
自身の残りHPを見て焦り始める。6割……HPが残っているとは言え、残りの4割は既に消え去っている。先程も言ったように、俺は……いや、
「まだ……終われないんだよ……こんなところで……ッ!」
荒い息のまま叫んだ俺はソードスキルのモーションに入る。
素早く間合いを詰めた俺は、刃を真上から真下目掛けて振り下ろすが、刃の入り込みは浅い。だが、そんなことなどお構いなしに今度は下から上に刃を振り上げる。これによりポイズンスパイカーの体表は深く切り込みが入る。
「これで……」
呟いた俺は、寸分違わず同じ箇所に3撃目を上から下に振り下ろし、締めとなる4撃目を斬り上げその面に描かれた正方形の軌跡が青色と白色の光に輝き、拡散する。垂直4連撃ソードスキル、《バーチカル・スクエア》。
鮮やかな光は、薄暗い辺りを眩く照らし消えてゆく。
「シュァァァァアッ!」
ソードスキルを受けた奴は、うめき声のようなものを上げながら奴の禍々しい紫色の体躯がポリゴンへと変化し、何の痕跡も残さずに消滅する。
経験値やドロップアイテムの情報を流し見した俺は、手元で剣を1回転させた後背中の鞘に収める。そして、再び迷宮区の出口へと歩き始める。
さてさて、明日も生きていられるかねぇ……このゲーム、《ソードアート・オンライン》の中の
今回はここまで。
次回は、事件当日のお話です。