あの頃、僕たちは輝いていた   作:ryanzi

10 / 31
閑話その一:どうしてギルや煉獄がいるの!?

Say!Hi!戦争!それはそれは熱き転生者たちの戦い!

Say!Hi!戦争!それは人生の縮図、男たちの熱いロマンである!

これは、あの三人が知り合う少し前の話である!

おーしゃにれっ!

 

「それで、どうして僕がマスターに?召喚した覚えないんだけど??」

 

「そんなこと沖田さんは知りませんよ」

 

前世でついうっかり死んでしまった千堂無花果は状況を呑み込めなかった。

マギレコ世界で、のんびりと二回目の人生を送っていたのだ。

それなのに、目が覚めると、自分は裸で、隣には沖田総司が寝ていたのだ。

 

「絶対、僕の貞操奪ったよね?」

 

「てへ!顔は悪くないどころか、すごく可愛かったので!」

 

「てへじゃねえよ・・・どうして召喚されたんだよ・・・」

 

「多分、マスターの寝言に何かが反応したんですよ!」

 

「ガバガバじゃねえか(おこ)」

 

「とりあえず、沖田さんお腹がすいちゃいました!運動したので!」

 

「わかったよ・・・また、笛えもんにでも相談するか・・・」

 

その頃・・・。

 

「あれ、僕の書いたLobotomyの二次小説がないや」

 

さっと朝食を済ませて、二人はある転生者の家に向かった。

 

「マスター、どこに向かってるんですか?」

 

「僕の知り合いの笛えもんだよ。さては、朝食に夢中で聞いてなかったな?

そいつだったら、この事態を何とかできるはずだし」

 

「えー・・・」

 

「文句言うんじゃありません」

 

無花果はドアのカギ穴に耳を近づけた。

 

「どこいったかなー、僕の小説・・・」

 

沖田の手を取ると、無花果は急いで家から離れた。

 

「ど、どうしたんですか!突然、手を握るなんて・・・トゥンク」

 

「手を握っただけだよな???まあいいや。

今日は笛えもんに相談しておくのはやめておくよ。

どうせ、かこが押収したんだろうが・・・」

 

「・・・顔が蒼ざめていますが、どうしたんですか?」

 

「いや、笛えもんの小説読んだ記憶がよみがえって・・・」

 

「下手なんですか?」

 

「そういうわけじゃないんだ。その、文章はすごく綺麗なんだ。

なのに、その文章力で描く風景がすごく狂気的と言うか。

本人がまともなのが、またタチ悪いんだ」

 

「それは最悪ですね・・・最悪と言えば、この街、何か嫌な感じがするというか」

 

「ああ、気にしなくてもいい。普通に生活している分には関わってこないからな。

触らぬ間に何とやら。とにかく、変なオーラを放っていたとしても、絶対に指摘するな。

ただ、普通の人間として接しろ。僕やお前だと、絶対に負けるから」

 

「沖田さんだったら大丈夫ですよ!」

 

「大丈夫じゃないからに決まってんだろ???

例えば・・・あの古本屋だな」

 

無花果は夏目書房を指差す。

 

「あそこの店にいる女の子も変わった力を持っているが、

本人は秘密にしているつもりだから、絶対に聞くなよ。僕の胃が死ぬ。

あと、そうでなくとも、あそこで変な本は手に取るな」

 

「魔導書でもあるんですか?」

 

「いや、笛えもんの小説が置いてある。

あれを読んでしばらくすれば、お前のために黄色い救急車がお出迎えに来てくれるぞ」

 

「そんな危険物をどうして・・・」

 

「そりゃ、笛えもんがこっそり置いているからな。

店の子も、積極的に取り除こうとしてるけど、いたちごっこだ」

 

「出禁にすればいいじゃないですか」

 

「まあ、あいつら幼馴染だからな。昨日まで爆発して欲しいと思ってたよ」

 

「今は?」

 

「ドヤァ」

 

二人はその足で大東区に向かっていった。

 

「・・・これ付けておけ」

 

「何ですか?この丸太バッジは?」

 

「笛えもんが僕にくれたんだ。これから向かう場所には心を読む奴がいる」

 

「つまり、これを付けると、心が読まれないと。最高ですね!」

 

「その分、怪しまれるけどな」

 

「最悪じゃないですか、やだー」

 

二人は、なんかすごい清々しいオーラを放つ家の前に立った。

 

「ここがあの男のハウスだ」

 

「・・・あの男って誰ですか?」

 

「仏英正史郎。色々とすごい転生者だ。入るぞ」

 

さっそく、何百枚もの美人画が視界に飛び込んできた。

 

「・・・感激です。こんなに美しい絵を描ける人がいるなんて。

なんか、この人知っているような気もするんですが、気のせいですかね」

 

「まあ、そりゃそうだろうな。正史郎、いるかー?」

 

男が階段から降りてきた。

 

「正史郎、少し、困ったことになった。僕がいつの間にかマスターになってた」

 

「あっ、こんにちは!沖田総司と申します!」

 

「聖杯戦争はお断りだ。帰ってくれ。俺はタルト様の顔を書いてる途中なんだ」

 

「僕だってお断りですよ!でも、相談に乗ってくれるだけでも」

 

「帰れ」

 

正史郎が手から謎の光を放つ。

 

「「ヒエ・・・」」

 

二人は急いで正史郎の家から離れた。

 

「な、なんかすごい人でしたね・・・」

 

「ああいう奴なんだ・・・悪い奴じゃないけどな」

 

それからしばらく歩いていると、突然、沖田が立ち止まった。

 

「・・・サーヴァントの気配がします。それも尋常じゃないレベルの」

 

「えっ。・・・戦うのはよしておこうぜ」

 

「ええ、相手も何かと戦っているようですから。でも、様子だけでも見ておきましょう」

 

「・・・うん、そうだな。敵の姿は見ておいたほうがいいかもな」

 

気配を辿っていくと、そこには三人の男がいた。

そのうちの二人は、マスターとサーヴァントのようだった。

ちなみに、工匠区も微妙に治安が悪いので、目立たない。

信じられないだろ。俺もだよ。

 

「あの金髪・・・ギルガメッシュかよ。厄介だな。

あれが踏み台転生者とかだったら、対処できたんだが」

 

「私も戦いたくありませんよ・・・」

 

そして、一方は転生者のようであった。

 

王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

 

数十の刃と剣が転生者に向かってくる。

しかし、彼は動ずることなく、赤く目のついた剣で、それらを全て薙ぎ払った。

 

「・・・ありゃ、E.G.Oじゃねえか。しかもミミックかよ」

 

「えご?」

 

「違う世界の武器だ。振り回しているだけでも、人類最強クラスの戦士だ」

 

「そんな無茶苦茶な・・・」

 

「その無茶苦茶が許されるのがプロムンのゲームなんだ」

 

ギルガメッシュは何度も何度も攻撃するが、転生者の方もそれを難なく受け止める。

 

「・・・ふっ、我の負けだな」

 

「お、おい!勝手に敗北宣言すんじゃねえ!俺の言うことを・・・」

 

サーヴァントは令呪でギルガメッシュに戦闘を続けさせようとしたが、無駄だった。

 

「・・・沖田、僕たちは何も見なかった。いいな?」

 

「は、はい。それはそうと、沖田さん、お腹がすいちゃいました」

 

「じゃあ、外食で済ませるか。おいしい洋食店知ってるんだ」

 

二人は北養区に向かった。

だが、ウォールナッツは様子がおかしかった。

 

「・・・なんか女性客が多いな」

 

「大丈夫ですよ、カップルのふりをすれば。

あと、サーヴァントの気配がするので、気を付けてくださいね」

 

「いや、そういう問題じゃないんだ。いつもだったら、おっさんが多いというか。

その、かわいい子が看板娘だから、その・・・な?」

 

「なるほど、沖田さんにヤンデレになって欲しいんですね。私以外見ないでっていう感じに」

 

「僕は正当な目的で来てるんだぞ?絶品オムライスという」

 

「まあ、入ってみましょうよ」

 

「・・・そうだな」

 

中に入ると、イケメンのウェイターがいた。

しかも、帯刀している。

 

「いらっしゃい!おや、恋人のようだな?

そこの席に座ってくれ!」

 

「マス・・・無花果さん、私たち、カップル扱いですよ!

あれ、どうかしましたか?」

 

「・・・いや、大丈夫だ。問題ない」

 

「それ問題ある台詞ですよね?」

 

まず、わかったことだが、女性客が多いのは、ウェイターがイケメンだったからだ。

そして、帯刀している理由について、無花果はそれを知っていた。

 

(・・・鬼殺隊だったら不思議じゃないよな)

 

生前、鬼滅の刃はあまりにも人気になっていた作品だった。

無花果も最終話も知っていたし、民度の低さも知っていたくらいだ。

そして、その内容を十四年たった今でも覚えているのだから。

だからこそ、そのウェイターがどっからどう見ても煉獄杏寿郎だとわかったのだ。

とりあえず、オムライスは相変わらずうまかったが。

もっと言えば、いつも以上にうまかった。

わざとゆっくり味わって、店内が自分たちだけになるのを待った。

 

「・・・ふむ、君たちも同類か!」

 

先に声をかけてきたのは、ウェイターの方からだった。

 

「・・・ああ、話が早くて助かるよ、煉獄杏寿郎さん」

 

「ほう、俺の名前を知っているのか!」

 

「ええ、ちょっとした事情でね。先に言っておくけど、戦うつもりはないんだ」

 

「えっ、沖田さんは戦いた・・・」

 

沖田の口を手でふさぐ。

 

「もごっ・・・せめて・・・口で・・・」

 

「すみません、少し好戦的なので」

 

「別にいいんだ!見たところ、そちらのお嬢さんもかなりの使い手のようだな?」

 

手を放してやる。

 

「・・・ぷはっ、沖田総司と申します!新選組に所属していました!」

 

「そうか!俺は君のマスターが言った通り、煉獄杏寿郎という!

生前は、鬼殺隊という組織に所属していた!」

 

無花果は頭が破裂しそうだった。

煉獄杏寿郎は、鬼滅の刃の登場人物だ。

それなのに、どうしてFateの聖杯戦争に参加しているのか?

こっちで十四年過ごしている間に、コラボでもあったのか?

いや、そもそもマギレコ世界で聖杯戦争があること自体、おかしいのだ。

そして、自分が転生していることも冷静に考えればおかしい。

そう考えれば、煉獄がいたとしても普通の事ではないか。

 

「・・・それで、煉獄さん。アンタのクラスは?」

 

「くらす?ああ、確か”らんさー”という言葉が頭の中に響いたな?」

 

二人とも、目を丸くした。

ランサーというのは、槍兵を意味する。

無花果は考えるのをやめた。

 

「あれ、無花果くんじゃないですか!・・・もしかして、無花果くんも?」

 

常連なので、顔馴染みになっているのだ。

 

「そうみたいだ、まなか殿!」

 

無花果はさらに考えるのをやめた。

よりにもよって、マギレコの登場人物がマスターになっているのだ。

こういうのは、転生者同士がバチバチやるものなのだ。

それなのに、魔法少女まで巻き込まれている。

 

「へえ、沖田さんってすっごく積極的なんですね!」

 

「ええ、寝ている隙にやればコンプリートですよ!」

 

「参考にさせてもらいます、これで煉獄さんもまなかのものに・・・」

 

「まなか殿???」

 

沖田とまなかは女子同士で変な話で盛り上がっていた。

煉獄は蒼ざめていたが。

こうして女子同士が仲良くなったところで、いったん家に帰ることにした。

その途中で、荷物を持って駅に向かっている笛吹に遭遇した。

 

「笛えもん、助けてよ!」

 

「どうしたんですか、無花果さん。いじめられたんですか?」

 

「その話題は危険すぎるぞ!」

 

「それもそうですね。それで、こちらは彼女さんですか?」

 

「はい!」

 

「いや、こいつは勝手に降臨した上に僕を睡姦した奴だけど?」

 

「ひどいですよ、無花果さん!」

 

「・・・もしかして、沖田総司さん?」

 

「やっぱり沖田さんは有名人ですね!」

 

「なるほど、もしかして聖杯戦争が始まってしまったと」

 

「やっぱり笛えもんは話が早くて助かるぜ!」

 

「僕を猫型ロボット扱いして欲しくないんだけどね・・・。

それじゃあ・・・神様ホットライン、と」

 

彼が高速で画面に打ち込むと、電話が出てきた。

 

「これで、神様に電話してください。多分、僕を転生させてくれた神様が出るので」

 

「ありがとう、笛えもん!・・・ところで、荷物を持ってどこにいくんだ?」

 

「そろそろアレがやってくるかもしれないので。僕は親切な人のところにね」

 

「・・・アレか。僕もそろそろ逃げねえとな」

 

「もしこれが小説だったら、一人称同じせいで見分けがつきませんよ」

 

二人とも、沖田の言うことは無視した。

とりあえず電話してみると、親切な神様だった。

彼女の権限で、聖杯戦争は中止となった。

逆に親切すぎて、サーヴァントは残ることになった。

通話を終えて、無花果は溜息をついた。

 

「・・・はあ、結局、こいつはついてくると」

 

「喜んでください!」

 

「・・・まあいいや。とりあえず、一緒に温泉行こうぜ」

 

「えっ、つまりプロポ・・・」

 

「どうしてそうなるんだよ???ちょいっと原作の都合とやらで、この街危険になるからな」

 

「なるほど、しばらくの間、やり過ごすつもりだと!」

 

「そういうことになるな」

 

二人は家に帰ると、急いで準備を済ませて、翌日には神浜市を脱出した。

 

「へえ、二人はそう言う理由でここに来たという訳か」

 

数日後に木曾路で会ったのは、同じ転生者だった。

 

「そういうわけなんだよ、アンタも同じ理由だろ?」

 

「まあ、そういうことになるね。私も死にたくないからね」

 

ちなみに、煉獄杏寿郎のことは話さなかった。

逆に信じてもらえないと思えたからだ。

 

鬼滅キャラが、マギレコ世界で、聖杯戦争にサーヴァントとして参加した。

 

あまりにも荒唐無稽すぎる。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。