騎士道お嬢様   作:プリン製造工場

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息抜きで書きましたわ‼︎


第1話

「やばいやばいやばいやばい!」

 

「サバイバルミッションなんて制限時間まで隠れきりゃあ楽勝だと思ったのに、何なんだよあれ⁉︎」

 

「知らねーよ!てか誰だよ信号弾なんか撃ったの‼︎時間までやり過ごすつもりが…クソ‼︎来るぞ!」

 

GBN 峡谷エリア内を二人のダイバーがそう言いながらジムスナイパーIIとガンダム・アレックスを必死に動かし逃走する、其れを追うように峡谷の一つを砕きながら現れたのは全身金色で下半身がゲルズゲー上半身がアカツキそしてバックパックがレジェンドガンダムの異形のMAだった、二人のダイバーが応戦するが実弾兵装は弾かれ、ビーム兵器は反射され反撃のビーム砲を撃たれる瞬間。

 

『おーほっほほほ‼︎私を盾にして下さいまし!』

 

高笑いと共に耳障りな声が聞こえた瞬間、2機の背後から雷の様な歩行音が響き渡り言われるがまま後退…直後2機の前に巨大な機体が現れビームを防ぐ、防いだガンプラはMAの様な巨体だがそれ以上に異様な外観だった。

 

丸みかかった上半身にどっしりとした下半身を持ち、殆どのガンプラとは違いマニピュレーターを持たない所謂武器腕を持っていた…そしてもっとも特徴的なのは迷彩効果などをかなぐり捨てたかの様な過度な装飾と各部に騎士の紋章の様な物が描かれており仕舞いには股下にナイト・バネレットを提げており様々なガンプラが跋扈しているGBN内でも一際異様な見た目をしていた。

 

「なっ…MAか⁉︎」

 

「コイツは…『インペリアル・ナイト』て事はコイツは」

 

『そのままお逃げになりなさい私が派手にスクラップにしてやりますわ‼︎』

 

「任せろってコイツには下手な武装なんざ効かないんだぞ⁉︎」

 

『このインペリアルに下手な武装なんてありませんわ‼︎』

 

アレックスのダイバーが困惑する様に言おうとするがそれよりも早くMAの左腕に搭載しているキャノン砲が火を吹き、レジェンド擬きのバックパックを粉砕、其れに併せて上空から通常のHGより小さくSDよりも大きい奇妙なガンダムが降下し怯んだアカツキ擬きの頭部を殴り砕く。

 

「やった‼︎」

 

「いやまだだ‼︎」

 

『私の活躍の場をお邪魔して‼︎』

 

瞬時に奇妙なガンプラの狙いを定める様にドラグーンが背後に飛来するが、瞬時にMAが持つチェインソードがけたたましい音を立てながらドラグーンを一瞬で斬り伏せそのままアカツキ擬きに突進し腹部にチェインソードを突き刺す、金属が砕かれ擦り合わさる様な異音を響かせる。

 

其れを奇妙なガンダムは一瞥し頭部を蹴り飛ばしビームサーベルを抜刀し胴体に突き刺す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に報酬いらないのか?」

 

「あぁ…特に集めて居る訳じゃ無い、ただ時間制限まで此処を探索させて貰う」

 

「あぁ構わんが…」

 

そう三人のダイバーが話している中、MA『インペリアル・ナイト』を操っていたパンダのフードを被りゴスロリを着た幼女『ささパン』はその様子を自機の脚にちょこんと座ってつまらない様子で見ていた、正直早くログアウトをして行きつけのショップに行きたいと考えていたし何なら自分の活躍の場を邪魔した彼『ヒロト』の様に報酬もいらないと言えば良かったのだが、今所持金が少ない所為でそうも行かなかった…大好きなメロンフロート・ソーダとパンダパンが楽しめないのは死活問題だった、其れもあれもこれもとパーツやら何やらを買ったツケが来たと言えば其れまでだが。

 

如何やらアレックス乗りのダイバーがヒロトに対し、信号弾を打ち上げた事について問い詰めていた、とは言えそれに対して糾弾をするつもりもないらしい…案外冷静なダイバーと言うのが印象だった。

 

「よう待たせたなインペリアル・ナイト乗りの嬢ちゃん」

 

暫くすればアレックスとジムスナイパーIIのダイバーが此方に来るのを確認したと同時に少しばかり驚いた表情をする。

 

「あら?この機体の事をご存知で?」

 

「まぁ軽くしか知らないがな」

 

ふぅんと素っ気なく言うが嬉しそうな雰囲気を出しながら徐ろにウィンドを開きログアウトの準備をする。

 

「おっおい報酬は」

 

「今は気分良いから要りませんわ、それではまたお会いしましょう」

 

ダイバーの言葉に対しそう言いながらお辞儀をし、そのままログアウトをする…メロンソーダとパンダパンの為の報酬金を断れる位ささパンは気分が良かった。

 

 

「何だったんだ?と言うかあんな変なMA何かガンダムにいたか?」

 

「さぁな…アレはMAでもないしガンダム作品の機体でもないミニチュアボードゲームに出てくるロボだ、たまに見かけるだろ他作品の機体を再現して使ってる奴あの嬢ちゃんもその一人って訳さ、物付きなもんさ…いやガンプラは自由だから其れは野暮ってもんか」

 

 

 

 

笹木結菜(ささきゆいな)はGBNのパーツを制作している企業『笹木インダストリアル』の一人娘である…とは言え全くGBNには興味が無く、変わりにWH40000と言うミニチュアボードゲームが好きだった、あの無慈悲で絶望的な薄暗い世界観に、その狂気を感じる程のディテール密度を持つミニチュアに魅了されていた。

だが彼女がGBNのパーツを作っている企業の娘なのにGBNをやらない事に周りからは疑問を持たれた更にGBNをやる様に押し付けられあろう事か自分の好きを否定されたのだ、余りも煩かったせいで彼女は渋々プレイする事にしたがその時にはGBNの事を人一倍嫌いになっていた。

 

とは言え嫌いだからと言ってGBN自体を否定したりチートツールをばら撒き破壊などは、あの世界が好きな人だって沢山いるのに一人のふざけた考えで滅茶苦茶にする気にはなれなかった。

 

其処で彼女は考えついた、好きを押し付けられたのなら押し付け返せば良いと!

 

其処からの彼女は驚く程早かった、すぐさま行きつけのミニチュアショップに足を運び店員そして常連に製作のアドバイスを貰い一年が経ち、其処には彼女がWHで良く使っている勢力を模したガンプラが数体出来上がっていた。

 

そのガンプラの内の一体が『インペリアル・ナイト』である。

 

 

 

「私が来ましたわ‼︎」

 

バァンと結菜はミニチュアショップのドアを勢いよく開け放ちそう高らかに言った。


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