【リレー】今日もカオスなもんじゃ焼き   作:リレー小説実行委員会

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 ※時間軸、継承 (砂原石像 作)の後。





【番外編】結成式の一幕 (砂原石像 作)

 

 

 美星祭開催まであと14日。

 

 ここは若者達でにぎわうヤングストリートの一角にあるもんじゃ焼きの店。「今日もカオスなもんじゃ焼き」。8人の店員が勝手気ままにもんじゃ焼きの具材を決めて、お客様に提供するというフリーダムスタイルを貫き通す、まさしくカオスな店である。

 

 その店の個室で、一つの若者グループが何やら打ち上げのようなことを行っているようだった。

 

「え~。それでは【Very-Uni-Mage(ベリー・ユニ・マージ)】結成にあたりまして、、乾杯の音頭を我らがリーダーである秋月流(あきつきながれ)君に行って貰おうと思います。それでは、高校生の分際で”生一つ!”と店員に頼もうとした21歳の高校生(オッサン)の秋月流君。ヨロシクゥ♪」

 

「飯島てめえ!! さっきのことを掘り返すんじゃねえぞコノヤロオオオオ!!」

 

「うわっ。飯島の奴すっげえ楽しそう…」

 

「まるで藤〇 和〇郎の漫画に出て来そうなゲス顔ですね…。」

 

「最近で一番楽しそうなのがまた…。」

 

 この宴会の最初の注文。

 社長時代の癖でうっかり生ビールを注文しそうになった秋月流。 

 そのミスを美星学園のトリックスターが見逃す筈もなく、容赦なくいじられてしまうのであった。

 

 高校卒業後、ベンチャー企業を立ち上げ成功を収めたあと脱サラし、4年分逆行してもう一度高校生になるという数奇な人生を歩む秋月流。

 

 つい半月程前まで社会人だった流は、時折その時の癖がでてしまうことがあったのであった。

 

 「え~。あの馬鹿ヤロウが言っていることは気にしないように。俺はまだ高校生です。誰が言おうが高校生です。なんやかんやあって4年ぶんバッ〇トゥザフュー〇ャーしているが、一応高校生です。実年齢21歳とかオッサンとか言った奴は説教かましたるからな? お判り?」

 

「「「アッハイ」」」

 

「気にしているところがオッサンらしいな」

 

「飯島てめえ!!」

 

 残念なことに、この宴会の間、彼のあだ名は”オッサン”に確定してしまった。

 

 だが、そんなことでめげては世界征服など到底なしえることはない。負けるな流。

 

 一応述べておくが、飯島直樹(いいじまなおき)が流をここまで遠慮なくいじれるのは、中学の頃からの付き合いであるが故である。

 色々ぶっ飛んでいる彼だが、間柄を考えた対応は一応する。まあ、そのうえでぶっ飛んだ行動をとるからトリックスターと呼ばれるのだが…。

 

 

「あ~~~もういい! とりあえず乾杯!!」

 

「「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」」」

 

 グループ結成に向けての挨拶とか、いろいろ考えていたのをぶん投げての乾杯。

 このグダグダした始まりは、彼等らしいというべきものなのだろうか。

 

 無論、今彼らは高校生らしくジュースの入ったジョッキで乾杯している。

 なお、ファンキー爺さんは例外である。

 

 さて、乾杯のタイミングを見計らった店員が、もんじゃ焼の生地と具材が入ったボウルをもって個室に入る。

 

 

 もんじゃ焼き。

 小麦粉をゆるく溶いたものを鉄板で焼いて食べる料理であり、その調理の簡潔さから、様々な方法で楽しまれるB級グルメである。

 

 生地で絵を書いて楽しみながら食べるたらし焼きスタイル。

 

 ベビー〇ターなどの駄菓子系。

 

 1980年代から続く、餅・チーズ・明太子という必殺コンボ。

 

 がっつり行くなら肉を使うのもよし。

 

 海産物をつかってゴージャスに行くのもよい。

 

 変わり種としてスイーツもんじゃなるものもある。

 

 原点に立ち返って、具材なしというのもありかも知れない。

 

 小麦粉を溶いた物を鉄板で焼けば、どんなスタイルも楽しめる懐の広い食文化なのである。

 

 だが【今日もカオスなもんじゃ焼き】をなめてはいけない。

 この店の店員は、ただひたすらに自分のもんじゃ(カオス)を追い求めるもんじゃ狂い。彼らはモンジャ・モンガー縮めてモンジャーと呼ばれるイカレた人種だ。

 

 自分のもんじゃが一番凄いと豪語するモンジャーたちが競争することで生まれる唯一無二の味は、蟲毒のグルメと言える。

 

 この店に足しげく通う常連もまたもんじゃ狂い(モンジャー)。彼らは競争の中で生まれる極上の一皿を、心から愉しもうと通い続けるガストロノミーである。

 彼らの欲望がタタカエ・・・タタカエ・・・とばかりに更なる狂争を駆り立て、進化する彼らの(もんじゃ)がもんじゃ狂いが願っていた未来()を生み出し続けるのであった。

 

 

 結論を言おう。

 

 この店。どう考えても初心者お断りだ。

 

 初心者お断りの店を宴会の場として選んでしまうあたり、秋月流のセンスがうかがえた。

 

 

 さて、そんな危険(デンジャー)もんじゃ狂い(モンジャー)が作ったもんじゃは、当然ながらまともなもんじゃないことは確定的に明らかである。

 

 

 一つ目のもんじゃの中身は、ただひたすらに肉だった。

 

 スパム・フランクフルト・スパム・卵・ベーコン・スパム・豆・スパム・スパム…

 

「っておい! 大体スパムじゃねえか!!」

 

 そう。大体スパム。

 当然ながら、そびえたつスパムの山にVUMのメンバーはただ唖然とするばかりであった。

 そこにヴァイキングたちが個室に乱入する。

 

「「「「「スパム・スパム・スパム・スパム・スパーム!! おいしいスパーム!!」」」」」

 

「誰だよお前ら!!」

 

「うわっ! 海賊だ!!」

 

「なんだろう…海賊と聞くと、なんか妙な気分になるわね…」

 

 岡島ナミは海賊を見てなんか違和感のようなものを感じていたが、すぐにそれは霧散した。

 

 

「スパムスパムスパムスパム?」

 

「スパム!!」

 

「スパム!?」

 

「スパム!!」

 

「「スパーム!!」」

 

「共鳴すな!!」

 

 秋月流はヴァイキングともすぐに打ち解けてしまった。

 

 不審者に対して物怖じしないのは、秋月流のもつ特性みたいなものであった。

 ヴァイキングたちは高らかに歌う。

 

 彼らは海賊。ゆえにフリーダム。

 

 この世で一番自由なのが海賊の王たる資質だといわれるくらいには、彼らは自由を重んじるのであった。

 

 

 さて、今回の結成式に参加しているのは、VUMのフルメンバーと環いろは*1の11人。

 彼らが座っている机も非常に長いものとなっている。

 

 彼らの席の中央には大きな鉄板が乗っているが、もう一つや二つもんじゃを注文する余裕はあるだろう。

 

 そこにもう一つもんじゃが届く。

 

 その具材は

 

「これは…」

 

「フランクフルト…?」

 

「さっきから肉しかねえじゃねえか!!」

 

 フランクフルトだ。ただひたすらにフランクフルトだった。

 さっきのもんじゃはひたすらにスパムであったが、ほかの具材が入る余地が一応はあった。

 

 しかし、このもんじゃは違う。

 生地の上にボウルを埋めつくすのフランクフルトのみ。

 男ならフランクフルト一本で勝負しろと言わんばかりの潔さである。

 

 さて、この小説を読んでいる読者の皆様ならご存じの通り、ちくわには異次元に干渉することができる力がある。

 食品であるちくわに異世界に干渉する力をもっているなら、フランクフルトにも同様の力があることは当然ありうることであった。

 

 

 ボウルに盛られたフランクフルトから、突如として混沌が渦巻いた。生み出されたカオスは次元に干渉し、二つのセカイをつなぐゲートを生み出す。

 そのゲートから何者かが飛び出した。

 

 あれはなんだ? 変態か? 痴女か? _______否!!

 

 パンツ一枚にマスカレイド。股間にいつもフランクフルト。

 大いなる野望を持ちながら、終始コメディリリーフに徹する、いまだ謎多き女。

 

 この小説のヒロイン*2・したたるウーマンだっ!!

 

「お~ほっほっほ♪ ワテクシ、参上!! さあ!! ワテクシを崇めなさあい♪」

 

「さらに変態が来た!!」

 

 次元を超えて、野生のしたたるウーマンが現れた!!

 

 したたる(スパム!)ウーマン。彼女は【フランクフルト教(スパム・スパム!!)団】の教祖にし(スパム!)て、鎮朕武羅舞等創世神(ちんちんぶらぶらソーセージ)の巫女なのだスパム。

 

 彼女の本来の目的はスパム、自らのスパム理想スパム郷を作りスパム上げスパムることだ。

 

 しかし(スパム)、今回の彼女はそういったシリアスパムとはまったく以て関係ないプライベートスパムなのでスパム。シリアスパムかと思った読者のスパム皆様は安心してスパム。

 

 スパム。

 

 地の文にスパムが混入してしまいましたことをこの場を借りてお詫び申し上げます。

 

 したたるスパムウーマンはスパムを連呼するヴァイキング*3の集団に話しかける。

 

 

「「「「スパム・スパム・スパム・スパム・スパーム!! おいしいスパーム!!」」」

 

「何々…真に世界を征服するのはフランクフルトではなくスパム…? 少しオハナシが必要のようね…!!」

 

 フランクフルト。スパム。

 これらはどちらも食肉加工品である。

 

 フランクフルトを股間に挟む謎の教祖と、スパム大好きヴァイキング。その両者が戦うことはもはや宿命であった。

 

 どちらが食肉加工品として優れているのか、両者の戦いによって決定する。

 勝者は一人。この戦いに勝利したものが時代を変え、敗者はただ消え去るのみ。

 

 戦わなければ生き残れない!!

 

 したたるウーマン対ヴァイキング対ダークライ

 

 今まさにヤングストリートにて、雌雄を決しようとしていた。

 

 勝手に戦え!

 

 変態どもが去った個室に静寂が訪れる。

 

「「「「何だったんだ…あいつら…」」」」

 

「多分あれ、したたるウーマンってやつだ…。噂どおりやばいやつだった…」

 

 連続してやばいやつが現れ、一同はただ呆然とするだけだった。

 

 

 そんな微妙な空気などお構いなしとばかりに、天津飯が襖をあけて部屋に入って来た。

 

「失礼。ここが座談会の会場で間違いないな?」

 

(((いや! お前誰だよ!!))

 

 

 その後、迷い込んだ天津飯にはなんとかお帰りいただき、結成式は仕切り直された。

 

 

 

*1
VUMのメンバーではない彼女は遠慮していたが、流のごり押しによって参加することになった。

*2
登場当初はhasegawa氏公認であった筈であるが、いつの間にか自称ヒロインに格下げされた哀れな女。残念ながら当然である。

*3
今更ながら解説

 ヴァイキング(英: Viking、典: viking、独: Wikinger)とは、ヴァイキング時代(Viking Age、800年 - 1050年)と呼ばれる約250年間に西ヨーロッパ沿海部を侵略した、スカンディナヴィア、スパムバルト海沿岸地域の武装船団(スパム)を指す言葉。 また、スパムヴァイキングスパムという呼称のスパム語源はスカンジナビアスパム半島一帯に点在するスパムスパムフィヨルドスパムのことをスパムと呼んだため、その「スパムのスパム」を指して「スパム」と呼ぶようになったとスパムスパムスパムスパム以上 Wikipediaより引用。一部スパム。





 あれ…? おかしいな。私はナウなヤングたちが和気あいあいと談笑しながらもんじゃをつつく光景を書きたかったはずなのに、いざ書いてみたら…なんだこれ?
 …まあ、彼らはこの後楽しく談笑していたのでしょう。
 
 お読みいただきありがとうございます!
 
(砂原石像)
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