【リレー】今日もカオスなもんじゃ焼き   作:リレー小説実行委員会

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【番外編】マジンガー絶頂(ぜっちょう)  (マスターPさまファンクラブ 会員No.728 作)

 

 

 

「はじめまして提督、吹雪です! よろしくお願いします!」

 

 その少女が現れたのは、町長に就任してすぐの頃。

 マスターP氏が自宅でTVを観ながら、エー〇コックのわかめラーメンをズルズルいっている時だった。

 

「吹雪型駆逐艦(くちくかん)の、1番艦です! これより当鎮守府に着任します!」

 

 ビシッと敬礼を決めて、直立不動でこちらを見つめる、セーラー服の少女。

 彼女の名は吹雪――――

 ブラウザゲーム『艦隊これくしょん』に登場する、旧日本海軍の駆逐艦であり、通称“艦娘”と呼ばれる存在であった。

 

「……えっ」

 

 わーかめ好き好きー♪

 そんな歌を口ずさみながら、合成添加物の塊のような食べ物を、「うっひょー!」と貪り喰っていたマスターP氏は、思わずその動きを止めた。

 突然〈ドカーン☆〉とドアをブチ破り、ノックも無しに侵入して来たその少女は、今も輝かんばかりのキラキラした瞳でこちらを見つめている。

 軍人らしく、見事な敬礼を決めたまま。

 

「遅れちゃってごめんなさい提督! でももう大丈夫です!

 私と一緒に、暁の水平線に勝利を刻みましょうっ!」

 

 まるで田舎の女子高生のような、素朴で愛らしい容姿。

 ヘアゴムで小さく後ろで纏められている、少し茶色ががった髪。

 元々は海軍の服であると聞く、その白いセーラー服は、彼女の可憐さと清純さを存分に引き立てている。

 

 けれど……、彼女の手や背中に装着されている“艤装”は、まごう事なき鉄の塊だ。

 軍艦の連装砲や機関部といった物を、そのままミニチュア化したような武装。

 それはとてもじゃないが女の子が持てるような物ではなく、少女には似つかわしくない武骨さである。

 

 そもそも“鎮守府”とは何だ?

 ここはマスターP氏の根城である、6畳一間の安アパートである。どこにでもあるような普通の建物なのだ。

 それに…………さっきこの子が言った“提督”とは? マスターP氏の頭にハテナマークが浮かぶ。

 

「よぉマスターP提督! オレの名は天龍だ!

 世界最高水準の軽巡さまだぜ? ……フフ、怖いか?」

 

「朝潮型10番艦、(かすみ)よ。

 ガンガン行くわよ提督。ついてらっしゃい!」

 

「航空母艦、赤城です。

 空母機動部隊を編成するなら、私にお任せくださいませ♪」

 

「海の中からこんにちは! 伊五十八ですっ。

 ゴーヤって呼んでもいいよっ! よろしくね提督♪」

 

 洋食屋さんにあるスパゲティのサンプルみたいに、お箸を持ち上げたままフリーズしているマスターP氏。

 そんな彼の様子に構うことなく、気が付けばドンドンこの部屋に、艦娘らしき少女たちが集まっていた。

 

「不知火です」

 

「時雨だよ」

 

「イクなの!」

 

「龍驤やで!」

 

「長門だ。これからよろしく頼むぞ、提督」

 

 

 ――――どういう事なんですかねぇ(困惑)

 嬉しそうにワーキャー言いながら、6畳間にギュウギュウ詰めの艦娘たち。

 そのド真ん中に立ち、マスターP氏は冷や汗を流した。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 先の町長選挙で圧勝し、一気に美星町のトップまで昇りつめた、我らがマスターP氏。

 この世界に拉致されて以来、長らく放浪の日々を送っていた彼だったが、現在は無事に職を手にし、自分の寝床を手に入れ、更には彼女まで出来たカチグミである――――

 

 しかし、その順風満帆かに見えたサクセスストーリーに、陰りが見え始めたのは……、美星祭でゲリラライブを敢行してきた、その日の夜のこと。

 部屋でほののんとラーメン食べてたら、突然“艦娘”を名乗る少女達に襲撃されるという、よく分からない事態に陥ったのだった。

 

 この世界にやってきた時もそうだったが、何故自分という男は、こんなにも部屋を襲撃されるのだろう。真剣にセ〇ムの導入を見当しなきゃいけないかもしれない。

 

 

 その夜、彼女たち艦娘は突然やって来ては、その弾けんばかりの笑顔とMAXテンションをもって、瞬く間にマスターP氏を「ワー!」と取り囲んだ。

 その後は、彼が何を言っても「貴方は私たちの提督なんです!」と言い張り、頑として譲る事はなかった。

 

 マスターP氏は艦これをやった事がなく、自衛隊にすら入った事がないのだが……。

 提督なんて物とは無縁で生きてきたし、まごう事なき一般ピーポーであるハズなのだが……。

 なぜ彼女たちは、自分の下へとやって来たのか。なぜ自分を提督と呼ぶのだろう。皆目見当もつかない。

 

 しかし、生来のお人よしであり、女の子の涙にはめっぽう弱いマスターP氏は……、この少女たちの必死なお願いを断るなど、出来はしなかったのだ。

 

 話を聞けば、彼女たちは第二次世界大戦で使用された“軍艦の化身”であるという。

 少女の姿をしてはいるが、大和、長門、武蔵といった、今は無き過去の軍艦なのだそうだ。

 当然ながらその過去、その最後は……とても悲しい物ばかり。

 主に彼女たちは、敗戦国である旧日本軍の軍艦たちであり、国のために必死に戦いはしたが、無念の内に沈んでいった者達が大半を占めている。

 

 しかし彼女たちは、今また人々を守るべく、こうして現世に蘇って来てくれた――――

 そして世界の敵である“深海棲艦”を倒すため、自分たち艦娘を率いてくれる司令官……すなわちマスターP氏という提督の存在が、どうしても必要なのだと言う。

 

 

 自分はこの町のトップになるのだし、きっとこれから職務で忙しくなる。

 ゆえに町長を歴任しながら彼女たちの提督をするのは、多大な苦労を伴うことだろう。

 

 しかし、思うのだ。

 これまで平々凡々に生きてきた自分が、今こうして異世界へとやって来て、こんなにも面白いことの数々に巻き込まれている。

 ならば、それを楽しめずして、何が男かと――――

 

 胸を張って荒波に飛び込んでこそ! 世界の平和を、そして人々の笑顔を守ってこそ、真の漢じゃないかと! アイアム ザ マン! 我が名はマスターP!!

 

 まぁそんな建前はともかくとして……、マスターP氏の脳内は「ついにハーレムを手に入れたぞ!」という歓喜でいっぱいだった。

 たくさん艦娘の子達におっぱいを押し付けられ、正に「我が世の春!」って感じだ。

 

 異世界にやって来たからには、ハーレムの主にならないと嘘だ。むしろ義務である。

 ちょっとパンクな所はあるが、マスターP氏だって健康な男の子。「女の子たちとキャッキャウフフしてぇな~。俺もな~。」と、ずっと夢見ていたのだ。

 いつも寝る前に、ベッドの中でしていたエロ妄想――――それが現実の物になる日が、ついにやって来たのだから。

 

 そんなこんなでマスターP氏は、まるで「10円貸しておくれ」と言われた時くらいの気軽さで、彼女たちの提督を引き受けた。

 恐らくは人生を左右する位に大きな問題を、まさに二つ返事と言うべきテンションで即決したのだが、その顔だけは女の子の手前「キリッ!」と決めて、イケメンに見えるよう頑張ってみたのだった。

 

 

 

『――――駄目です! 持ちこたえられませんッ! このままでは壊滅ですッ!』

 

 しかしながら……、マスターP氏が喜んでいられたのも、ほんのつかの間。

 

『利根ッ……!? 返事をしてちょうだい利根ッ! とねぇぇぇえええッッ!!』

 

 艦娘たちとの出会いから一晩空けた朝。

 現在、鎮守府という名の安アパートの部屋には、戦地で戦う艦娘たちからの無線が、引っ切り無しに鳴り響いている。

 

『大破艦、多数! すでに艦隊の半数がやられました!!』

 

『まったく歯が立たないっぽい!? これじゃあジリ貧よッ!!』

 

『敵艦見ゆ! 距離3000! 数60でち!!』

 

 ――――何なんですかねぇ、これ(白目)

 マスターPが絶句する中、スピーカーからは艦娘たちの悲痛な声が、えんえんと聞えていた。

 

 ちなみに今日は、艦娘たちによる敵掃討作戦が実行されている。

 現在マスターP氏は、ここ美星鎮守府(6畳間)に着任して初めての業務となる、艦娘艦隊の指揮をおこなっている最中だ。

 

『ヤバッ……! 囲まれてるよ加賀さんッ! 四方八方、敵だらけだよ!』

 

『こんなの、いったいどうやって戦えば!? やられちゃうっ!』

 

『しっかりしろ朝潮ッ! 気をしっかり持て! 沈むんじゃないぞッ!!』

 

 ――――えっ、ハーレムどこ?(困惑)

 今朝はみんな、あんなに笑顔だったのに。元気に手を振って出かけて行ったのに。

 しかし今、無線から聴こえてくる戦地の状況は、まごう事なき“地獄”だ。

 まるで連続した花火のように命が消えていく、凄惨な戦場の光景が瞼に浮かぶようだ。

 

 えっ、わいのキャッキャウフフは? これ注文と違くね?

 チャーハン頼んだのに、麻婆豆腐きてない?

 

『いやぁぁぁあああ! 提督たすけてぇッ!! たすけてぇぇぇえええッッ!! 』

 

『痛い痛い痛いッ!! 私の脚がぁッ!! 脚がぁぁぁあああーーッッ!!』

 

『殺してッ!! いっそ殺してよぉぉッッ!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!』

 

 ――――すいません、めっちゃグロいんですが(白目)

 無線から響く、プライベート・ライアンもかくやという砲撃音、叫び声、そして悲鳴。

 なんか思ってたんと違う。わいの思い描いてたラブコメと違う。

 マスターP氏は思った。

 

「くっ……! 我々艦娘は軍艦であり、水上兵器!

 やはり陸上生物(・・・・)相手には、無力なのかッ!」

 

「いけるかと思ったのですが……。

 やはり深海棲艦でも何でもない生物と戦うのは、無謀でしたね! 私たち船ですし!」

 

 ――――何してはるんですか君ら(絶句)

 いまマスターPと同じ部屋にいる、長門さんと大淀さん。彼女らは秘書艦というポジションであり、今回の作戦立案や、マスターPの作戦指揮のサポートを担当している。

 だが、その焦った様子から察するに……どうやら彼女たちにも想定外な事態が、いま起こっているようだった。

 

「くっ! まさか我々の力が、まったく通用しないとは……。

 こうなれば魚雷を抱えて、敵に特攻するしかない(・・・・・・・・・・)!!」

 

「やりましょう長門さん! 提督のために!

 艦娘の誇りを見せてやりましょう!」

 

 ――――やめてくれませんかねぇ(懇願)

 そんなヘヴィな展開、ぜんぜん求めてない。

 わいはただ、君らとハーレム出来たらそれで良いんすよ。何その悲痛な覚悟。

 

 

『作戦了解ッ!! 総員突撃だぁ! うおおおおおッッ!!』ボカーン!

 

『こうなりゃ死なば諸共よ! わああああッッ!!』ボカーン!

 

『七生報国なのね! えええぇぇぇい!!」ボカーン!

 

『死して護国の鬼となるでち! きええええいッ!!』ボカーン!

 

『みんな、靖国で会うっぽい! やぁぁぁあああッ!!』ボカーン!

 

『マスターP提督、ばんざぁぁぁあああいッ!!』ボカーン!

 

『提督に栄光あれ! ばんざぁぁぁあああいッ!!』ボカーン!

 

 

 ――――勘弁してくれますかね(吐血)

 

 もう全員、ノリが昭和20年だ。

 旧日本軍の艦娘であり、テンションがモロに戦時中の彼女たちは、嬉々として次々と敵に特攻していく。

 

 いまは令和で、ここは異世界。夢と希望に満ちた世界のハズだ。

 そんな大戦末期めいた大和魂は、今はいらなかった。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 これは、後で分かった事なのだが。

 どうやらこの世界には、深海棲艦なんてもんは一匹も居なかったらしい(・・・・・・・・・・・)

 

 人類の危機だ! 日本国が危ないゾ!

 そんな雰囲気をそこはかとなく感じ取り、よいしょと現代に蘇ってみれば……そこに居たのは機械獣だの、ジュラル星人だの、ゴルゴムの怪人だのという、全く見覚えのない悪党たちばかり。

 

 その名が示す通り、海で戦うことを生業としている彼女たち艦娘は、イソイソとこの世界にやっては来たは良いものの、悲しいほどに無力な存在であった――――

 

 

「なんという事でしょう……。世界最強の戦艦と謳われた、この大和が……。

 何のお役にも立てないだなんて……」

 

「いや……うん、どんまい」

 

 その日の夜。戦艦娘である大和さんは、6畳間の床にガックリと倒れ伏した。

 彼女は清楚な雰囲気、グラマラスな身体、ポニテの長い髪という、物凄く美人な大和撫子さんであるのだが……今は「おーいおい!」と泣き崩れて、ちょっとブサイクになってしまっている。

 その肩をポンと叩き、マスター氏が慰める。

 

「海でないと、艦娘の艦装は使えないのね。

 陸上じゃあ、砲撃の反動を上手く吸収できないし、魚雷も使えないの。

 そもそもイクたち艦娘は、そういう風には出来てないのね。色々な制限がかかるの……」

 

「海でならともかく、陸で怪人や化け物と戦うのは無理でち。

 艦装が使えないんなら、ゴーヤたちって普通の女の子と、なにも変わらないもん……。

 力も弱いし、走るのだってすごく遅いでち……」

 

「ほんと、何しに来たんだろうね……私たち……」

 

 順番にゴーヤ、イク、吹雪が呟いた。

 狭い部屋の中で、すし詰めになりながら、艦娘たちはウンウンと悩む。

 いくら役に立たないとはいえ、生まれて来ちゃったものは仕方ない。今さら海に還るワケにもいかないし……でもホントどうしよう……。

 

 今も6畳間のド真ん中で、大勢の艦娘たちによって満員電車のようにギュウギュウされているマスターP氏、こと美星鎮守府提督。

 だが「ずーん」みたいな顔の彼女たちを余所に、彼ひとりだけが、何やらとても幸せそうな顔だ。

 いえーい! おっぱいサイコー!

 女の子っていい匂ーい! いいにおーい! うっほほーい。

 

 ちなみにであるが、先の戦闘に参加した艦娘たちは、すでにその全員が戦地から撤退、無事に帰還を果たしている。

 なにやらとんでもない怪我を負った者達もいたようだが……それも現在はすっかり完治。

 マスターP氏は詳しく知らないが、どうやら艦娘の負傷を治す用の施設(装置)が存在するらしいのだ。

 あれから多少の時間はかかったものの、今ではみんな、すっかり元通りなのである。

 

「こうなったら、また魚雷を抱えて特攻するしかあるまいな――――

 いいか皆! 今後はこの戦法を、我ら艦娘の正式なドクトリン(戦闘教義)に!!」

 

「待ってもらって良いすか(震え声)」

 

 君ら船やろがい。なんでそんな零戦みたいな生き方しとんねん。マスターP氏は突っ込む。

 

「なによ提督、私たちは艦娘なのよ?

 死ぬのなんてぜんぜん怖くない。むしろ死んでナンボなのよ」

 

「そうです提督! この命、立派に咲かせてご覧に入れますっ!」

 

「戦場で散るは武士の本懐! 轟沈こそ軍艦の華! 桜の花びらのように!」

 

「「「 そう! 桜の花びらのように!! 」」」

 

「やめて頂けますかね(血涙)」

 

 

 きっさまっと、おっれっとぉーーはー♪

 

 せまっ苦しい中で器用に円陣を組み、「キャッキャ☆」と肩を揺らす艦娘たち。

 どうやらこの子たちは、その強烈なまでの愛国心が災いしてか、かなり尖った思想の持ち主ばかり。

 

 マスターP氏のもとに集う乙女たち――――

 それは提督の為ならば「えーい!」と命を捨てられる、“死に急ぎ艦娘”。

 

 有り体に言うと、なんかピクミンみたいな女の子たちであった。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「おーっほっほっほ♪ おちんちんの前にひれ伏しなさぁ~い!」

 

 美星町で一番高い、ビルの上。

 そこに起つ立つしたたるウーマンの高笑いが、大空に響く。

 

「――――ゆけ! フランクフルト・メカ!!

 美星町を恐怖のドン底に陥れ、ついでにちょっと勃起させてやりなさぁい!!」

 

 彼女がいま操っているのは、全長30メートルにも及ぶ巨大メカ――――その名もフランクフルト・メカ。

 大変言いにくいのだが……その見た目はフランクフルトとは名ばかりの、まんまおちんちんの形をした巨大ロボットである。

 

 ちくわの老舗であり、元悪の組織である、有限会社【味のヤマモト】。

 その一人娘である彼女は(・・・・・・・・・・・)、パパに黙って勝手に会社のお金を使い込み、この美星町制圧用マシーンを作り上げたのだった。

 その昔、少女時代に思春期をこじらせ「ちくわなんてナンセンス! フランクフルトの時代よ!」と言って家を飛び出した身ではあるが、きっと後でめっちゃ怒られると思う。

 

「オールインワン、ComeTrue、オリジンゼロ……。

 いくら超人揃いの連中とはいえ、所詮は人間ッ! 人間の集まりなのよぉんッ!

 なら巨大ロボットでも作っちゃえば(・・・・・・・・・・・・・・)、絶対ワテクシに勝つことは出来ない!

 ――――蹂躙してあげるわ! このクソッタレ共ッ!!

 豚のようにブーブー鳴きなさい! 全員おちんちんを出しなさい!!」

 

 機嫌よさげに「おっほっほ♪」と声を上げながら、股間に挟んだフランクフルトを左右にグイグイ動かすしたたるウーマン(これがリモコンなのだ)

 いくら能力があろうが、腕力に優れようが、生身の生物である以上は、巨大ロボには勝てない!

 巨大ロボという破壊力! 装甲! 圧倒的な説得力!

 

「小さいのよぉん! アンタたちは!

 器もスケールも、小さく縮こまっているのよ! 冬場のおちんちんみたくッ!!!!

 もっとロマンを持ちなさぁい!

 心のおちんちんを、おったてるのよぉーん!」

 

 ワケのわからん事を叫びながら、したたるウーマンが〈ドシーン! ドシーン!〉とメカを前進させる。

 ビルをなぎ倒し、民家を蹴飛ばし、どんどん町の中心部に向かって。

 ついでにセブ〇イレブンを見かけたら、重点的にゲシゲシ踏みつけていく。底上げ弁当Fuck!

 

 

「――――待てぇい! 俺の町で悪事は許さんッッ!!」

 

 

 だがその時! したたるウーマンの耳に、力強い正義の声が届く!

 

「なっ……何者なのぉん!? 姿を現しなさぁい!」

 

「ふははは! こっちだ! 乳首のあたりに謎の光を纏う、パンいちの女よ!」

 

 その声に振り向けば、いま〈ギュイィィン!〉と音を上げて空を飛ぶ、赤いホバークラフトのような機体の姿!

 

「俺はマスターPッ! この美星町の町長だッ!!

 良い歳してワケの分からんことを言い、フランクフルトを股に挟む変態め!

 貴様の野望は、マスターPが打ち砕くッ!!!!

 この矜持(せいぎ)を折りたくば、あの日輪の輝きを越えて、我が身に届いてみせろッ!!」

 

「――――アンタだって中二病じゃないッ! ふざけんじゃないわよ!!!!」

 

 一生懸命に考えたカッコいいセリフは、したたるウーマンに一蹴された。

 だがそれにめげる事なく、マスターP氏がギュンギュン空を飛ぶ。

 メンタルは強い方なのだ。

 

「工作艦、明石ちゃん! 聴こえるか!

 例のマシンを発進させてくれ! オナシャス!」

 

『おーけー提督! まかせて下さいっ!』

 

 無線から響いたその声と共に、近くにあった川の水が突然ゴゴゴっと盛り上がる。

 そして、そこから黒鉄の城(くろがねのしろ)とも言うべき、巨大なロボットが姿を現したのだ!

 

 

『これが、我が美星鎮守府が総力を上げて開発した、最強スーパーロボット!

 その名も、マジンガー絶頂(ぜっちょう)ですッ!!』

 

 

 ――――美星町の空にそびえる、黒鉄の城。

 ――――――――スーパーロボット、マジンガー絶頂()

 

 世界征服を目論む(かどうかは知らないが)悪のロボットの前に、いま僕らのマジンガーが、悠然と立ちはだかる。

 みんなの笑顔を守るために! 世界の平和を守るために!

 

 

「 いくぜッ! パイルダー・オン!(意味深)」

 

 マスターP氏の乗る機体が、マジンガーの頭部と合体する。

 なんか〈ずにゅっ♪〉という嫌な音が鳴る。

 

「――――はぁぁぁすッ!! ああああああんッ☆☆☆」

 

『提督! どうです? 気持ちいいですかっ?!

 マジンガー絶頂は鉄壁のマシン! 不滅の要塞です!

 その身に受けた、ありとあらゆる衝撃を、快楽に変換(・・・・・)するんです!』

 

「なんでそんなモン作ったん??!! いきなり意識飛びそうなったわッ!!」

 

『どれだけ攻撃されようが、ぜんぜん痛くないんですよ?

 正に不死身のロボットですね! どんどん気持ち良くなって下さい提督!』

 

「その機能は、外せんかったの?!

 面白いネーミングを思い付いたからって、それに引っ張られてないか?!」

 

『とんでもない! 快楽あってのマジンガー絶頂なのです!

 そのマシンは、提督がエロい事を考えれば考えるほど、どんどん馬力が上がるんです!』

 

「どういう仕組み?!?! なにその無駄な科学!?!?」

 

 うちの艦娘たちは、戦えない。

 海でならともかく、陸の相手に対しては、まったくの無力だ。

 ――――ならば、このマスターP自らが戦うしかない! 敵を打ち滅ぼすしかない!

 

 そんな発想により、工作艦明石と全艦娘たちの手によってえっほえっほと作られ、あと美星町の税金とかもちょっと使って製造されたのが、このマジンガー絶頂である。

 その黒光r……いや黒鉄のボディは、言うまでもなく某スーパーロボットまんまの見た目。

 きっと明石が、原作のファンだったのだろう。

 その斬新な発想により、光子力ではなく快楽を動力にはしているが。

 

『さぁ、エロいことを考えて下さい提督!

 いつもしてるみたいに、ハーレム作るという童貞くさい妄想でもしてて下さい!

 それではっ! 頑張って下さいね提督☆

 暁の地平線に勝利を! ――――このスケベッ!!!! おーばー♪』

 

「えっ、なんで通信切るのっ?!?! あとなんで悪口!!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 ――――次回予告ッ!!

 

 マスターP vs したたるウーマン。

 そしてフランクフルト・メカ vs マジンガー絶頂――――

 

 その戦いは火花を散らし、美星町の大地を震撼させる。

 

 

 

「いくわよぉん! このチンカス男ぉ!

 うおー! ちんちんちんちん……」グリグリグリ!

 

「くらえッ! ブレストファイヤー!!

 ――――うわああああん! わいの乳首がぁっ!! ちくびがぁぁぁああああッ!!!!」

 

 

 

 そんな胸が湧き、心が踊るドリームマッチではあるのだが、今回はここで筆を置こうと思う。

(ぶっちゃけ、もう良いかな? と思いました)

 

 唸れ発想! 解き放てインスピレーション! もんじゃ焼き魂!!

 ――――戦えマスターP!! 金玉を蹴り上げた方が勝つ!!!!

 

 

 

 次回! マスターP戦記、マジンガー絶頂…………第二話。

 

【――――さらばマスターP! 美星町最後の日!!】

 

 

 

 パイルダー・オン!(ずにゅっ♪)

 

 

 

 

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