【リレー】今日もカオスなもんじゃ焼き   作:リレー小説実行委員会

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 この作品は【もんじゃ焼きIFストーリー】です。
 リレー順や、本編の内容には影響しない“IF番外編”としてお読み下さい。(賽銭泥棒H)


※時間軸 継承 (砂原石像 作)の最中。





【NG集】こういう未来もあったけど、オールインワンの方で回避しときました (賽銭泥棒H 作)

 

 

 

 これは、もしかしたら、ありえたかもしれない話――――

 

 

 

 

「……東雲、もう止めにしないか? お前じゃ、俺たちには勝てないって事は……」

 

「黙れッッ!!」

 

 東雲は即座に大砲を生成し、撃ち放つ。

 だが流は、それに一切の反応を見せず、成すがまま。

 別段効いた様子すらも無かった。

 

「こんな理不尽ッ……受け入れられない!!

 私がッ! 私のお人形さんがッ! こんなにも無力であるハズがないッッ!!」

 

 必死になって叫ぶ彼女には、もう普段の嘲るような口調すら、保つ余裕はなかった。

 そして……。

 

「私は裏秋月家・参の遺影、秋月東雲ッ!

 本家打倒を果たし、我が一族の不幸を打ち消すッ!!

 ……秋月流ぇッ! これからお前を、死ぬよりつらい目にあわせてやるッ!!」

 

「ッ!?!?」

 

 彼女の切り札となる、【逆天の鬼札】

 今まさに、それが放たれようとし、VUMのメンバー達が思わず身構えた、その時……。

 

「――――あっ、ちょっと待って! 東雲さんっ!」

 

 唐突に、岡村ナミが大きく声を上げた。

 

 

犬が入って来てる(・・・・・・・・)

 なんか校庭に、犬が紛れ込んでるわよ~!」

 

 

 

 

 

 

 ………………。

 ………………………………。

 

 

 ピキンと、動きを止める一同。

 東雲にいたっては、その言葉の意味を理解出来ず、なんかカッコいいポーズのまま固まっている。

 

「――――えっ、マジかよナミ!」

 

「ホント? どこ? 犬どこにいるの!?」

 

「犬ぅーっ!!」

 

 そして流たちVUMの面子が「おっ、犬や犬や」とばかりに、この場を駆け出していく。

 学校に犬が侵入してくるという、一大イベント――――そんな学園生活において、最高にテンションが上がるハプニングを、見逃すワケにはいかない。

 

「「「うおぉぉぉ! 犬だぁー!!」」」ドドドド

 

 たった今おこなっていた戦闘も、シリアスな雰囲気もほったらかし、流たちは「わーい!」と元気に走っていった。

 

「…………ちょ! ちょっとぉ?!」

 

 それに驚いたのは、ひとりこの場に取り残された、東雲さん。

 今からぶちのめしてやろう、一族の未来を変えるのだ。……そう意気込んでいた彼女は、オロオロと流たちに追いすがる。

 さっきまでの決意とか、想いとかいった類の物は、全て置き去りにされた。

 

「わん! わんわんっ!」

 

「おぉー! この子ってなに? 犬種は?」

 

「マメシバ……いや秋田犬かな? ちょっとわかんないわ私」

 

「いいじゃないか犬種とか! こんなに可愛いんだし! それがジャスティスだ!」

 

「あぁ~♪ なんてラブリーなのかしらこの子♪ 天使よ!」 

 

 元気よく吠えるお犬様を囲み、みんなでガヤガヤと盛り上がる。

 ナミや、のどか、いろはなどの女の子勢は、もう目が♡になっている。

 

「わはは! こらっ、なめちゃダメだって! くすぐったいよ♪」

 

「わんわん! わんっ!」

 

「おー、ずいぶん好かれてるな流! さすがVUMのリーダーだぜ」

 

「きっとこの子にも、流の良い人っぷりが分かるのね。

 動物って、そういうの鋭いし」

 

「――――ちょっとぉぉぉおおおッッ!! こらぁぁぁああああッッ!!」

 

 ようやく東雲が追いつき、グワーっと喚きたてる。

 

「ななな……何をしてるのですかぁ貴方たちッ!

 いま戦いの最中でしょう?! 大事な山場のシーンだったでしょう?!」

 

「えっ」

 

 地面に屈み、犬にほっぺたをペロペロされながら、流が振り向く。

 対して東雲は、もうプリプリと怒っている。ペロペロ、プリプリ。

 

「いま私が! 万感の想いを込めてっ! 逆転の切り札を使う所でしたでしょうッ?!

 それなのにいったい、何をしているのですかッ!!

 どうしてくれるんですかぁ! この行き場のない気持ちぃッ……!!!!」

 

「えっ。でも犬が来たんだし……。そりゃ見に行くだろ?」

 

 流はキョトンとした顔、なんでもない口調で、そう言ってのける。

 

「犬が何ですか! なにがワンコなのですっ!

 私が今日この日の為に、どれだけ準備して来たと思ってるのですかっ!

 どれだけ我が裏秋月が、これまで辛酸を舐めて来たとっ……」

 

 けどよく見れば、東雲さんは何やら、ソワソワしている様子。

 背丈の小さな彼女は、そう喋りながらも「うーん!」と背伸びをしてみたり、左右に身体を傾けてみたり。

 流たちの人垣に隠れてる犬の姿を、「なんとか見えないもんか」と頑張ってるのが伺える。

 

「いやっ……でも犬だぜ東雲? 犬なんだぜ?

 こんな可愛いヤツが入って来たら、そりゃ俺達も……」

 

「行っちゃ駄目ですっ! いま戦いの途中だったデショ!?

 犬が来ても、放置しちゃいけません! 私をっ!」

 

「えぇ……。だって犬だぜぇ~?

 ほら東雲さ? お前もこっち来いよ。そんなトコに居ないで、こいつ見てみろよ」

 

「――――馬鹿にしてるのですか! 貴方はッ!!

 私は裏秋月・参の遺影(さんのいえ)当主! 秋月東雲ッ!!

 そんなので私が……!」

 

 流の主張をプンプンと跳ねのける。

 けれど、そうは言いつつも、どこかソワソワし続ける東雲さん。

 ダダダーっと流たちの方に詰め寄って来るが、その視線はずっと、犬の方に向いている。

 

「なんですか! いったい何だって言うんですか!

 雑種だか秋田犬だか、知りませんけどねぇっ!

 私が今日この日の為に、いったいどれだけの準備をねぇ?!」

 

「わん♪ わんわん♪」

 

「おー、懐かれてんじゃん東雲。ラブラブじゃん」

 

「この子ごきげんね。とっても嬉しそう♪

 きっと東雲さんのこと大好きなんだわ」

 

 傍に駆け寄ると同時に、地面に屈む。そしてお犬様を「おーよしよし!」と撫で始める。

 そのスムーズな態勢の移行は、まるでこの場にエスカレーターでもあるかのようだ。

 

「犬ってねぇ! ここにきて犬ってねぇ!!

 ……私は今日まで、がんばって来たんですヨ!

 本家を倒そう、この身に代えても成し遂げようって! がんばって来たんですっ!

 それを貴方たちときたらですねぇ!? お~よしよし♪ かわいいですねぇー♡♡♡」

 

「すげぇ。ムツゴロウさんみてぇだな、東雲」

 

「たしか蟲獣使いだっけ? きっと動物好きなのよ」

 

「いいよな、少女と子犬って。なんか見ててポカポカするよ」

 

 怒鳴り散らしながらも、慈愛に満ちた表情でワンコを撫でる東雲。

 それを見守る一同も、すごくホッコリした顔である。

 

「この子、首輪は? どっかの飼い犬なのかな?」

 

「いや、無いみたいだな……。去勢などの処置もされてないようだ」

 

「じゃあ野良犬なの? いやもしかしたら、捨て犬かも……」

 

「えッ?! こんなにも可愛いのに、捨てるんですカ!?!?

 その人いったい、どうなってるんですかッ!! 人の皮を被った鬼ですッッ!!!!」

 

 東雲さんが、わんこを抱きしめながら叫ぶ。

 目をクワッ見開き、「んまっ! 信じられないザマス!」みたいな顔をしている。

 

 

「 この子は私が育てますッ! 私が面倒をみますッ!

  立派に育て上げ、大学まで出してあげます!! 大切にしますぅぅ~~ッ!! 」

 

 

 もう半泣きで、ギュ~っとわんこを抱きしめる東雲さん。

 きっと彼女は、愛を欠いた飼い主に捨てられ、ひとりぼっちになってしまったこの子の事が、不憫で仕方ないのだろう。心から親身になっているのだろう。

 終いには、もうボロッボロ泣き始めた。

 

「今日の星占いは、最下位でした……。

 商店街のガラガラを10回やっても、ティッシュしかもらえませんでした……。

 道端のガムを踏んづけ、ヒールのかかとは折れ、その際にアワアワしていたら、田んぼに落っこちてしまいました……」

 

 なぜか唐突に始まる、彼女の不幸話。

 流石は裏秋月・参の遺影。その背負った業(不運)も半端ない。

 

「泥で服は汚すし、家の鍵は失くすし、通りかかった小学生には笑われるし……。

 ちなみに私は、一日に約30回ほどは(・・・・・・・)、こういった不運に見舞われるのです」

 

 そら本家倒そうと思うわ。鬼気迫る顔で殺そうとするわ――――

 メンバー達は、同情の目で東雲を見つめる。

 

 

「でもっ……この子に会えたッ!! 会えたじゃないですかッ!!

 ――――こんな不幸な私でも、“幸せ”に出会えたじゃないですか!!!!」

 

 

 ワンコを持ち上げ、見せつけるように天に掲げる。

 東雲はガン泣きしながらも、満面の笑み。その背中に\ペッカー/と後光が差している。

 

「もう変な蟲とか、化け物とかと、暮らさなくていいのですッ!!

 私にはこの子がいるのですから! この子と共に生きてゆくのですっ!

 あぁなんて可愛いんでしょうっ!! おーよちよち♪」

 

 さっきまで頑張ってくれてた“お人形さん”達が、なんか「がーん!」みたいな顔をしている。

 それにも構わず、嬉しそうな東雲。あたかも「我、生きる意味を得たり!」と言わんばかりの顔だ。非常に暑苦しい笑顔。

 

「あっ……」

 

 しかし! その時!

 地面に降ろしたワンちゃんが、突然ダダダーっと駆け出して行くではないか!

 いま遠くから聞えた「いーしやぁ~きいもっ♪」という音に向かって、興味深々で走っていってしまう!

 

「ちょっ……! ちょっと待って下さいよ! ワンちゃん?!

 私の幸せぇぇええーーっっ!!」

 

 それに伴い、東雲もこの場から走り去っていく。

 

 

「ワンちゃん! まって私のワンちゃん!!

 まってぇぇぇえええ~~ッッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………………。

 ………………………………。

 

 

 ――――戦いは終わった。

 

 裏秋月・参の遺影の刺客は、「うわーん!」と涙を撒き散らしながら、犬を追いかけて行った。

 一族の呪いも、本家打倒のことも忘れて。

 

 流は学園の平和を守り、仲間の命を守り通したのだ。

 また一歩、世界征服へと向けて、前進したのだ。

 

「なぁ流……、あの子なんだったんだ?」

 

「……さぁ?」

 

 

 

 

 とりあえず、ミスター慧眼人にもハセ・ガワ氏にも、この可能性(みらい)が見えてはいた。

 でも組織の垣根を越えた『なんか違う』という共通の見解により、これらの展開は無事、水面下で回避されていたのである。

 具体的に言うと、犬が学校に入り込まないように、影で手回しをしました(物理)

 

 その他にも、ご存じ【美星学園が地盤沈下し、学園祭中止】という未来。

 また【流がしたたるウーマンの洗脳に引っかかり、VUMが結成されない】という未来。

 あとは【流の知らない所で、何故かアンパンマンが、裏秋月を全てやっつけてしまう】という、ホントに身も蓋もない未来などなど、沢山あったりもする。

 

 場合によっては、ファンキー爺さんの代わりに板東〇二が、VUMに加入する事もあっただろう。

 誰が書くねん。誰が読みたいねん――――そんな危険が、実はこの世界には沢山溢れているのだ。ゆでたまごなのだ。

 

 

 未来ってのは、ホントに様々な分岐があるんだな――――

 ご苦労をおかけしますが、今後もいろはとオールインワンの皆様には、ぜひ頑張って欲しいと思います。

 

 

 

 おしり

 

 







 賽銭泥棒Hさま、執筆お疲れさまでした♪

 今回の作品は、もんじゃ焼き初の“匿名投稿”。
 オールインワン大阪支部所属、謎の物書き、賽銭泥棒H氏に送って頂きましたっ!

 この他、当作品では匿名投稿のみならず、一度きりのスポット参戦、ゲスト参加なども随時受け付けておりますので、もしご興味のある方は、お気軽にご相談下さい♪

 それでは賽銭泥棒Hさん、IF編ありがとう御座いましたっ!

(hasegawa)




☆もんじゃ焼き掲示板☆

 ドーモ……賽銭泥棒デス。
 イツモ楽シク、読ヨマセテ頂イテ……マス。

 A-11サン、次ガンバッテ下サイ……。応援シテイマス。

 アト大阪ナノデ、僕もんじゃ焼き……、食ベタ事ナイデス。
 行ッテミタイデス……。

(賽銭泥棒H)

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