絵描きのアローラ旅行記 作:ポケモン好きのエンジョイ勢
アイドルの放送がかかった数分後
「きゃぁぁぁ!」
「こっち、こっちだよ!」
ルリとハウはバケモノに追われていた。
しかしショッピングモールとは言え一本道が多く、中々バケモノを巻けないで居た。
バケモノの数は逃げる時間が長引く程増え、計5体に追われている。
バケモノは触腕を伸ばし、二人を捕まえんと追いかける。
「…あっ」
しかし進む先は行き止まり、そして後ろには5体のバケモノ
「ぁ…」
「…くっ」
ハウはせめてルリを守らねば、と自身の後ろに回らせ、モンスターボールを構える。
「…おれが捕まったらアイツらの間を通って逃げて」
「ぇ…でも…!」
「いいから!」
バケモノは触腕をハウへと伸ばしていた。
ハウは身体に力を入れ、捕まった後に暴れる事でルリの逃げる時間を稼ぐ事に集中する。
そしてバケモノの触腕がハウに触れかけたその時
「デンチュラ、エレキネット」
上から電気で出来たネットが現れ、バケモノ5体に覆い被さる。
そのままハウとルリの前に、デンチュラと共に美しい銀髪を靡かせながら青年が舞い降りた。
「何をしている。デパート中央へ急げ、大半の客はそこへ避難している」
蒼い瞳が二人を鋭く見つめながらも、デンチュラに指示を出す。
「デンチュラ、そのままそいつらにほうでんだ」
デンチュラが強い電気を放出すると5体のバケモノへ直撃し、バケモノは体力が尽きたのかそのまま脱力した。
ルリとハウはその光景に衝撃を受けるが、男に早くしろと目線で言われた為ゆっくりとバケモノの側を通って走り出す。
「あ、よかった!君達も無事だったんだね!」
「え!?アイドルのカガリさん!?」
アイドルのカガリがその場へ駆けつけ、二人を手持ちのエーフィに運ばせる。
ルリがアイドルの登場に目を見開くが、カガリはそんな二人にはお構いなしにエーフィに指示をして二人をライブ会場へ向かわせた。
そして一息を吐いて、青年を見つめた。
「久しぶり、コハクくん。二年ぶりだね」
すると青年は顔を顰めながら問う
「ああそうだな、あの駆け出しのひよっこアイドルがよくもまぁ…ここまで成長したものだ」
「もー、口調も表情も硬いよ!『あの頃』の優しい顔も爽やかな声も何処いったのさぁ!」
『私怒ってます!』という感じに手をブンブン振って抗議するカガリ。
「二年もすれば人も変わる。…目の色はコンタクト、声は変声機を通しているがな」
溜息を吐いてそう言う青年、そのまま服の襟に隠された変声機を取り外しカガリと対峙する。
「それで?僕とわざわざこうして言葉を交わしているんだ。目的はなんだ」
「…簡単な話だよ」
そう言ってカガリは衣装の胸元からモンスターボールを出す。
「…もう少しマシな隠し場所は無かったのか」
デンチュラを撫でながら青年はまた溜息を吐く
「むぅ…色仕掛けが通じない…」
不満そうに頬を膨らませてモンスターボールを構えるカガリ
「私の目的は、君を助ける事。…だって君、危ない事…してるでしょ」
青年は黙りながらデンチュラを戻して歪な形のモンスターボールを構えた。
「…二年前、僕に挑んで全戦全敗だったお前がよく言うな」
「君はどれだけ周りを心配させてるか分かってないのかなぁ…さっきの女の子、君が昔話してくれた妹なんじゃないの?」
「あぁ、そうだが…こちらは変装しているからな、全く気付いた様子はない」
そう言って胸を張る青年
「変装って…特徴的過ぎる銀髪のままな時点でだいぶお粗末だよ…」
ジト目で見つめながら、カガリはモンスターボールを投げた。
ボールから出されたサザンドラは雄叫びを上げて青年を睨む。
「…いや、ガチ過ぎるだろ」
若干の汗をかきなから、青年はそう呟く
「そうだよ、ガチだよ。バトルに勝ったら君を捕まえるから…」
「その程度で勝てると思うなよ…行け
デンジュモク!
もう一体の異形の
その
「やっぱり…絶対に助けるからね。コハクくん」