ドガッ
「くっ……!」
「おぉっ」
シンジくんが、鈴原の顔を殴る。俺が少しパンチのコツを教えたとはいえいいパンチすんねぇ! 筋いいから格闘術とかしない? 世界狙えるよ世界! 自分マネージャーいいっすか^〜?
まぁシンジくんが海外に行くのは無理そうですがね。それもこれも全部ゼーレってやつの仕業なんだ。ゲンドウ=サンぜってぇゆるさねぇ!!
「これで貸し借りチャラや! ……殴ってすまんかったな」
「う、うん」
「シンジくんナイスパンチ! お金払うから後2発ぐらい殴っといてくんない?」
「なんでやねん! というかなんで響がこんなとこおんねん!」
こ ん な と こ ろ
俺は唯この名シーン(笑)を写真に収めるためにここにいるのだ。それ以上でも以下でもないのだよ。盗撮については暫く忘れねぇからなぁ? 俺はいいがレイちゃんの写真なんてあーダメです! エッチすぎて精通する健全な男子生徒が何人出ると思ってんだ!
故に俺のアルバムに永久保存。異論は認めないし後世にも渡さん。
「あそうだ(唐突)。相田ぁ〜」
「ヒッ、な、何?」
なんで俺こんなびびられてんだよ……。フッ、泣くぞ……? (乙女メンタル)
「カメラ買いたいんだよね、いいやつ」
いやぁ携帯で写真撮るのもいいんだけど折角無駄に金が有り余っているのならば浪費ぐらいしてみたいよね。
それにカメラ持ち歩いてるって……かっこいいじゃん? 某世界の破壊者みたいで。
「本当かい!? いやぁ〜響がカメラに興味を持ってくるなんて思ってなかったよ! どんと任せてくれたまえよ!」
「オウ、頼んだぜ」
やったぜ。我々の圧倒的勝利である(大本営発表)。これで美男美女を高画質で綺麗に撮れるぜ!
……ま、購入するのはいつになるんでしょうかねぇ……。今は被害が酷い(主に俺が吹き飛んだせい)のでカメラ屋も含め色んな店が臨時休業してるし。まともに動いてるのは生活必需品関係ぐらいじゃないか?
それに、もうすぐで全国停電するし、また遅れそう……。アスカ来日までには買えるかな?
キーンコーンカーンコーン
ん?
「予鈴じゃんアゼルバイジャン」
「あっ、次の理科、実験室だから急がないと!」
「あっ、待てやケンスケ!」
もう行ってしまった……。まぁ俺は既に机の上に教材置いてるんで。天っ才? ですから???
「僕達も行こう」
「Oui」
──────────
碇シンジはシンクロテストの後、赤城リツコ博士に呼ばれて彼女の下を訪れていた。
「はいこれ。シンジくんの新しいデータカード」
「ありがとうございます」
手渡されたのは、黒地に文字とシンジの顔が印刷されたカード。未だ少し慣れないソレを、シンジは感触を確かめるように触っていた。
「あとこれも」
「? ……これは……」
それは、写真以外はほぼ同じのデータカード。違うのは、写真がシンジではなく、同じエヴァパイロットである綾波レイであること。
「あの……これは?」
「レイにも渡そうと思ったんだけど、そそくさと帰っちゃって渡せなかったの。だから、シンジくんお願いできる?」
「……あの、それならマキの方が……」
「あの娘今日は休みなのよ。いつも壊れた機関車みたいに働いてて久しぶりの休みらしいから、これぐらいのことで呼び出したくはないのよ……」
「は、はぁ……」
そうレイの同居人である響マキを語る赤城博士の目は何処かで虚であった。
無理もないだろう。自分の半分ぐらいの歳の子供が、大人もドン引きレベルの働きを学業と並列で行ってることを知っているのならば、当然の反応である。
ちなみに実際のマキの反応は
『んヒィ! ンンン久しぶりの休み気゛待゛ち゛い゛いぃぃぃぃぃぃぃぃ!! 三└(┐卍^o^)卍ドゥルルルルイヤッハァァァァァァァァァァ!!』
である。当事者である赤城博士や整備の皆々方の目は可哀想なものを見る目に変貌したと、副司令である冬月は後に語った。
「だからシンジくん、お願いできるかしら?」
「えぇはい、これぐらいのことなら……」
シンジから見た綾波レイという人物は、「よくわからない」「不思議」というのが率直な感想である。
常に無表情で、基本的には自分から人と関わらず無口であり、マキに絡まれた時や司令でありシンジの父親である碇ゲンドウと話すときぐらいにしか、感情を見せない。
そんなレイを、シンジは気になっていた。それが自分と似た雰囲気だからなのか、それともエヴァのパイロットだからなのか? それともまた別の、不思議がナニカなのか?
とにかくよくわからないが、気になる存在だった。
ならば、彼女と同居人である響マキという人物はどうだろうか?
第一印象、つまり看護師として自分の目の前に現れた彼女は、「白い綺麗なお姉さん」という、14歳という年齢に見合ったもの。アルビノであるマキが清潔な白い看護服に身を包んだ姿は「白衣の天使」と言っても過言ではなかった。
しかしそれは過言であった。実に活動時間数十秒。非常に惜しい存在はこの世に既に存在しない。
シンジから見た響マキという人物は「よくわからない」「理解不能」という、レイと似通ったものだった。
常に異常とも言えるハイテンションに、シンジが首を傾げるような意味不明な表現を織り交ぜながらとにかく喋る。
それ故かはわからないが、多くのNERVの職員と交流があり、赤城博士が表現したように、壊れた蒸気機関車のようにいつも働いている。
そして直情型であるが、それ故優しさも多く見せる、レイと反対に近い人物。
だからこそわからない。レイは情報が少な過ぎ、マキは情報が多すぎる。生に例えるならば、レイが「凪」でマキは「大津波」。シンジはそう感じていた。
「……………………」
そんな2人の住宅、つまり自分の住むマンションの隣の部屋の前で、シンジは立っていた。
ピンポーン
「あの〜、碇だけど」
インターホンを押すも、返事はなかった。マキが家にいるときはいつも、
『あ゛ぁ!! あっシンジくん!! 助けて!! この酔っ払いの三十路が
『誰が三十路ですって〜!?』
『文句言われたくなきゃ家に帰んなぁ!! ここは酔っ払いの介護施設じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』
とインターホン越しに聞こえるのだが、今日は異常なまでの静かさにシンジは少し動揺を見せた。
(……留守……かな?)
そう判断したシンジは自宅に向かい踵を返した。今日は都合が悪いのなら、時を改めてまた来ようと判断した。
その時。
プシュッウィーン
「わっ」
自分の近くの自動ドア、つまりレイとマキの家のそれが開いた音に、シンジは驚いた。
ドアが開いたということは、鍵が掛かっていない。つまり、中に誰かいる可能性がある。
それが住居人である2人か、それとも別の誰かか。どっちにしろ用事がある為入るという判断を下すのにさほど時間はかからない。
「…………お、お邪魔します……」
シンジは足を踏み入れた。
主人公:ついに写真の質にこだわり始めてきた変態。同級生や周りの人間からの評価が迷走しているのもつゆ知らず、休日を過ごす。
シンジくん:主人公をどう見てるのかが発覚。主人公に格闘術を軽く教えてもらいパンチ力↑ 原作ではミサトさんを介してデータカードを渡してもらったが、今作では直接お願いされてる。
レイちゃん:最近ゲンドウ=サンの情緒が不安定なのを若干心配しているが、主人公に諭されている為結局対して気にしていない。
鈴原:シンジくんに原作よりいいパンチ貰ってより清々しい気分に。Mの気質がある……?
相田:主人公がカメラを買いたいと知り大喜び。現在カタログからどれをオススメしようか選別している。
三人称視点多めでした。次回はガッツリ主人公視点です。
UAが9,000を突破しました!5桁まであと少し……!皆さんありがとうございます!
肝っ玉さん☆9評価、モリカズさん☆8評価ありがとうございます!
感想、お気に入り登録ありがとうございます!(執筆の意欲に)なるぅ……。