其の神話は、絆を繋いだ   作:風峰 虹晴

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ちょっと長め


EP3 外出

 これは夢だ。俺は今、間違いなく夢を見ている。

 

 平和な光景だ。エヴァの世界にも「平゛和゛た゛ぁ゛!!」となる場面はあるが、俺にとって最も平和だと思うのはこの景色だ。

 

 俺の家族がいる。ぱぴぃが、まみぃが、ふ○っきゅーブラザーが、マイスイートハートでドキドキな妹が。

 そして俺が、仮面をつけず、顔が見えないリリスがいる。

 

 とても幸せそうだ。

 ぱぴぃとまみぃは仲良く会話してる。

 ブラザーとシスターは仲良く殴り合いをしている。とりあえずブラザーを本格的に関節をキメるのはやめようかシスター。

 

 そして、俺とリリスが、仲良くテレビを見ている。

 エヴァだ。いや、ULTRAMANだ。

 

 この夢を、一体幾度見ただろうか。

 もういいだろ?俺。エヴァも、ULTRAMANも見て、復習は済んだだろ?

 え?漫画まだ見てない?新劇だからもーまんたい。

 

 いつの間にか、家族が俺のことを見ていた。家族だけじゃない、リリスも。

 この6人で毎日ダラダラ過ごせたら、楽しいだろうなぁ。あっ、オタク談義できる友達も欲しいなぁ。

 

 さて、そろそろ行きますか。

 俺の姿も、銀の巨躯に変化していた。

 家族が俺を見上げる。俺も家族を見下ろす。

 

(バイビーまいふぁみりー)

 

 終わったら俺の冒険譚を聞かせてやるよ。

 

「シャアッ!!」

 

 腕から放たれた閃光が、夢を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────

 

(………………)

 

 …めちゃくちゃ寝たあとって、寝過ぎのせいなのかどうか知らないけど、めちゃくちゃ頭痛いよね。今それ。

 どれくらい寝てたのかが一切わからん…。対照実験は比較するものが2つあって成立するんだぜ?ひとつもないのにわかるわけなかろう。

 

 ……あー、思い出してきた。あのクソデカイミフ地震があって、それで咄嗟に体を大きい方(ウルトラマン・ザ・ネクスト)にしたんだっけか。

 

 そうだ、リリス。リリスはどこだ?あとリリスの本体と。というか違和感なかったけどLCLもなくなってる。どういうこった?

 

(…探すか)

 

 無駄に広いからな、可能性なんていっぱいあるさ。

 

 

 

 

 

(いねぇ…!)

 

 とりあえず探せるところは割と探したぞ?こんなにないなんてことあるぅ?俺はツチノコ探してるんじゃないんだぞ。

 

 ……?なんだあれ…?光?この空間に光なんて差し込む場所あったのか?

 

(……デッッッッッ)

 

 ッッッッッカ!!なんじゃこりゃあ!?めちゃくちゃでけえ裂け目っつうか穴ァ!!この空間にも穴はあるんだよなぁ…(しみじみ)。

 なれば、この先を確かめずにはいられまい。とりあえず近づいてみなければわからん。

 

 

 

(おぉ………!)

 

 (ソラ)が見えた。周りに光がないからか、幾億の輝きが、失われることなく埋め尽くしていた。

 ………数百年振りだ。この星空を見るのは。あァ〜くっそ!リリスにも見してやりたかったなぁ!あいつ好奇心旺盛なのに。

 

 さて、ほんな感傷にも浸っていられないのがマイウルトラマンソウル。

 \ハァイ!!/

 それじゃ、いっちょいきますか!あホイッと。

 

「やぁ」

 

(あ、ども)

 

 …。

 ……。

 ……………。

 

 ???????????????????????????

 

「ヘァッ!?」

 

「おや、警戒されたようだね」

 

 アイエエエエエエ!?カヲル=クン!?カヲル=クンナンデ!?

 おおおおお落ち着けェ俺!狼狽えるんじゃあない!ウルトラマンは狼狽ない!

 

 冷静になれぇ…頭を回せぇ…状況をちゃんと飲み込むのだ!

 この世界は新劇だ。リリスの仮面からそれはワカル。

 新劇のときってカヲルくんどこいたっけ?えーっと、初登場は「序」の…

 

 月じゃん。

 

(ぬっ、ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)

 

 か、噛み合った!噛み合ってしまった!リリス!「黒き月」!巨大な衝撃!そしてこの月ッ!!ぬおォォォォォォォォッ!?

 あれ(巨大地震)ファースト・インパクトだったのぉ!?俺外からじゃなくて中で体感したよ!俺のようなリリンがおるかい!!

 そして、カヲルくんが目覚めたのか序の数年前と仮定すれば…

 

【悲報】数億年近く眠ってた

 

 めっちゃ寝てて草も生えない砂の惑星さ(衛星)。

 しかしカヲルくん…カヲルくんかぁ…。

 

「……とりあえず、ボクは君に敵意はないよ」

 

「シュア!?」

 

 あらま、知らず知らずのうちに思わず構えちゃってたのね。ウルトラマンボディは好戦的で困るわぁ〜(違)。

 しゃーないんや。しょーみわからんこと多くて警戒するのはエヴァファンの(恐らく)定め。

 

「自己紹介をしよう。ボクは渚カヲル。君は…とりあえずはリリンと同じようだ」

 

 あ、俺やっぱリリン判定なの?なにその判定。自分で考えてなんだが意味不明だな。

 

(どうも、俺は─────)

 

 ……どうしよ。俺自分の昔の名前忘れた。

 えどうしよ!?どうしよどうしよ!?数百年の間リリスは俺のこと名前で呼んだりしなかったし最後の方には「ん」「ウィッス」でほとんど会話が成立してたんだよぉっ!!

 とりあえず名乗ろう。挨拶は絶対不可侵の礼儀。

 

(───ウルトラマン。ウルトラマン・ザ・ネクストだ)

 

「ウルトラマン・ザ・ネクスト…。2番目、か。ふふ、ボクはいい名前だと思うよ」

 

 俺もそう思う。しかし人に名乗るにはどうも長すぎる気がしてならない。どうにかならんもんかね?まぁしないんですが。

 

 周りを見渡してみる。…うおぉ、やっぱり月面は真珠のようではなくクレーターだらけだぁ。この感動はアーム・ストロング並み。

 んでっでっで……地球何処?

 いや、下は月なんだが、周りを見ても星空がめっちゃ広がってるだけで、地球がないんやが…。もしかして、月の裏側!?まて、これ以上の広さは流石に洒落にならんでしょ…。

 

「上を見てごらん」

 

(上?)

 

 あぁ、そっち忘れてた。

 

 赤い星が、佇んでいた。

 え、なにこれ?地球?この世界線だと「地球は赤かった…」なの?なにそれ軽くホラー。

 あそっか。新劇は海が赤いんだっけか。しかしこんな血みたいに赤いことあるか?

 

 月面をウルトラマンの姿で足で踏みながら、横には綺麗な星空、上には赤い地球があるっていうこの光景は、俺にとってはめちゃくちゃ贅沢な話だ。

 けど、地球か…。やはりこんな姿になっても帰巣本能はあるっていうのか…理解すると、やっぱり感慨深いものだなぁ。

 

「美しいだろう?」

 

(…あぁ)

 

「ボクもこの景色は大好きでね。いくら眺めていても飽きがこないよ」

 

 その気持ちわかる。「すこだぁ…」ってなったフィギュアをめっちゃいいシチュエーションの風景で撮れた写真は幾らでも眺められるね!

 

 さて、この光景は脳内に永久保存。知恵の実の欠片は伊達じゃない。

 俺はここからどうするか。恐らくリリスはとっくに地球をLCLで埋め尽くし、ヒトも繁栄してその魂を綾波レイに移しているだろう。

 ここからはエヴァンゲリオンそのもののストーリーだ。下手に俺が手を出すと、ストーリーが壊れてしまうかもしれない。

 なら、この月でお山座りで引きこもってるか?

 

(それはないでしょう!)

 

 んんwwwすぐさま地球に行く以外ありえないwwwww

 俺はウルトラマンぞ?人々の希望として戦ってた体ぞ?だったら、

 

(救うしかないよなぁ?)

 

 当たり前だよなぁ?目指すはハッピーエンドだってはっきりわかんだね。人類補完計画を蹴っ飛ばして明日を作るぜマイボディ。

 あと原作キャラ達にも会いたい。やっぱりファンとして一目は会っときたいよなぁ。

 

「行くのかい?」

 

(あぁ)

 

「君との時間はとても短い。だが、君は面白い。会えてよかったよ」

 

(俺も久しぶりに()と話せて楽しかったよ。だから…)

 

 カヲルくんに向けて盛大なサムズアップ。

 

「?それは?」

 

(あー…これはな、満足したり、納得したりしたら、それを表すためにこの仕草をするんだよ)

 

「なるほど。リリンの面白い文化だ」

 

 そう言うとカヲルくんもサムズアップした。やっぱりサムズアップはいい。国によっちゃしたらダメらしいけど。

 

(また会おう、ウルトラマン・ザ・ネクスト)

 

(……あぁ)

 

 やっぱ口頭だと長いな。

 

 さて…行こうッ!

 作戦ン!?思いつきを数字で語れるかよッ!!

 全力ダッシュ。巨躯の身体能力を全力で働かせ、トップスピードまで持っていく。

 結局、数億年も生まれてから立ってたけど(うち数億年寝てた)、結局アンファンスのまま。

 だから、俺は自由に飛べない。無限に空を味わうことはできない。

 

 だとしてもッ!

 

(ATフィールド、全ッ開ッ!!)

 

「ジュアッッ!!」

 

 全力で跳躍!!同時にATフィールドを地面に全力で叩きつけるッ!!

 我、未だ空を遊に空を飛べす。されど空を跳ぶッ!!なんて、言ってみたりィ!

 

 思ったよりも大ジャンプして個人的にびっくり。やっぱり行き当たりばったりが最善だってはっきりわかんだね。

 あと地球の引力に引かれてくれれば!!

 

(届けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)

 

「シャアァァァァァァァァァッ!!」

 

 

 

 そして、跳躍の勢いは、止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、上へと落下を開始ッッッ!

 

(きたっ!!)

 

 加速した!作戦は成功だッ!

 

(オラ達のパワーが勝ったァァァァァァァァ!!)

 

 俺は段々地球へと落下していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────

 

「ウルトラマン・ザ・ネクスト…2番目の超人…。言い当て妙…というやつかもね」

 

 渚カヲルは、地球に向かって落ちていく巨人(変態)を見つめながら、そう呟く。

 

「死海文書にすら載っていない番狂わせの使徒…。ボクは君自身のシナリオが楽しみだよ」

 

 その顔に、笑みを浮かべて、未来を想う。




主人公:数億年眠ってた寝坊助。アンファンスで飛べないけど気合いと根性と下心で地球へ。

カヲルくん:物音がしたから見に行ったら主人公と遭遇。初めて見るタイプの人間でお気に入り登録。

次は年末年始あたりに一本上げる予定です。次回もお楽しみに。
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