「最悪だ」
パスパレのライブが終わって会場内は最悪だった。
彼女たちの音楽が止まってしまったのだ。つまり、エア演奏や口パクなどがバレてしまったのだ。
勿論、会場はブーイングの嵐、パスパレメンバーが罵倒されていく。
はっきり言うなら居心地は最悪だし、この場から帰りたい気分だが、それは日菜たちもそうだろう。本人たちが一番傷ついているのだから。
俺もこの事務所については調べてはいた。評判は普通といったところだったが、掲示板を見る限りそうではなかった。扱いが最悪だの、言っていることが矛盾しているなどの数々の悪評があったのだ。しかし、白鷲千聖のおかげで事務所の評判は保たれていたのだろう。
「さて、ステージ裏か、楽屋に行きますか。」
俺はスタジオを出て裏に回った。
当然のように俺は、警備員に止められる。
芸能人というかアイドルの警備だろう。厳つい人が二人いる。
「おい、兄ちゃん。この先一般人は入れないぜ」
「いやー、ごめんなさい。自分こういうものでしてー」
俺は持っている手帳を見せる。
「え?これは失礼しました!どうぞお入りください!」
厳つい人は俺に向かってお辞儀をしてくる。
そう、俺が見せたのは普通の手帳ではない。俺が薬を作った時にお国の偉い人にお願いしたものだ。
「どうもー、ありがとうございます。」
俺は2人の間を抜けて、日菜の所に向かった。
「すいません、佐藤さん、あの手帳一体なんですか?」
「馬鹿か、おめーは!あれはお国の人が限定で作ってるものだ。俺も初めて見たが、噂には聞いてる。あの手帳を持っていれば、入れないところは無い。表の世界も裏の世界も入れる手帳だ。」
「恐ろしいですね。自分も頭に入れておきます!」
2人の警備員は京平を見つめ、その背中を眺めていた。
「この手帳本当にどこでも入れるんだな。」
俺は薬を作ったお礼にこの手帳を作ってもらった。はっきりいうなら裏の世界になんて興味はない。しかし日菜がアイドルになる以上必要になると感じていたのだ。でもこれには欠点がある。どこでも入れる以上、命の保証はないという事だ。入った場所が悪ければ俺は命を失うことになる。だから使う場所はしっかり決めないといけない。
そんなことを考えてるうちに、パスパレの楽屋に着いた
コンコンコン
「はーい!どうぞー」
俺はノックをして扉をあける
「お疲れ様。俺だ。」
扉を開けると日菜の他に4人いた。
「あれー?京ちゃんなんでここにいるの?」
日菜は普通の顔をしてる。
「特別に入らせてもらったんだよ。ほら、日菜の幼馴染って言ったら通してくれた。」
俺は嘘をつく。はっきりいうなら日菜に裏の世界なんて知って欲しくない。
「そうなんだ!!すごい!!」
「ところで、さっきは大丈夫だったか?」
「大丈夫ー「大丈夫なわけないでしょ」
日菜が話そうとするのを止めようと黄色の髪型をした人が話した。
「こんなのダメに決まってるじゃない。最悪よ!」
この姿に見覚えがあった。
「あれ?演奏の前にぶつかったひと??」
俺はふと声を漏らす
「急に話を変えてくるわね。そうよ。私の名前は白鷺千聖」
「白鷺さんか、俺は虹 京平だ。急に話を逸らしてごめん。」
「話を戻すわ。このスタートは最悪よ。もっと言うなら解散かもしれないわ」
「そんなに早いのか?まだ出来たばかりなのに」
「できたばかりだからよ。早く解散した方が傷が浅いと考えるわ」
白鷺さんは頭を抱えながら話す。
その後ろで、ピンク頭の子は悔しそうに泣いていた。
「その後ろのピンク子は大丈夫なのか?」
俺が声をかけると
「私は、私がしっかりしなきゃ、きっと、きっと」
情緒不安定なのか、少し焦っている。
俺がその子に向かっていく
「おい、大丈夫か?」
俺が肩を掴むと、その子は驚いてた
「えっと、君は誰かな??」
相当焦っていたのか、それとも周りが見えてなかったのか、分からないがもう一度挨拶をする。
「俺の名前は虹 京平。高校1年生だ。あ、そうだ。ついでだから、全員自己紹介してくれよ」
俺がみんなに言うと、自己紹介をしてくれた。
最初は白鷺さんから
「さっきも言ったけど、白鷺千聖よ。学年は高校2年生。あなたの1個上よ。」
その次にピンクの子
「えっと、私はまん丸お山に彩りを、丸山彩です。同じく2年生です」
眼鏡をかけた子
「上から読んでも下から読んでも大和麻弥です。同じく2年生っす」
そして、銀色の子
「若宮イブです!虹さんとは同じクラスです!よろしくお願いします!」
他の4人が自己紹介を終わると
「え?同じクラス!?」
俺が動揺すると、白鷺さんに丸山さんも動揺する。
「えっと、イブちゃん、イブちゃんって私と同じ花咲川学園だよね?」
「そうです!この前の自己紹介で覚えてます!」
若宮は自信満々で答える。
「もしかして、男子で入ってきた子って虹くんのことだったの?」
丸山は俺に向かって言ってくる。
「花咲川学園に入学した男子なら俺です。先輩なんですね。よろしくお願いします」
俺がお辞儀をする
「えっと、よろしく?」
丸山は困ったように言う。
「それはそうと、なんでここにー」
ガチャ
大和さんが話してる途中に、扉が開いた。
「すいませんー。さっきは機材トラブルでー、え?なんで一般人がいるの?」
たぶん関係者の人だろう。男の人が来た
「自分は虹 京平です。さっきのライブ見てました。幼馴染の日菜に会いにここまで来ました。」
「ダメだよ。君、勝手に入ってきたら、ほらこれから話し合いだから、出てもらっていいかな?」
男の人は俺に出るように言う。
「その前に社長に会わせてもらえますか?この手帳持ってるっていえば、大丈夫ですから」
俺は手帳を見せた。
「何この手帳?まぁいいや、社長を呼んでくるね。」
この手帳を見せた時に白鷺さんは反応した。
「あなた、この手帳どこで?」
「お国の人に貰っただけですよ。」
俺は流すように答える。
しばらくして、社長らしき人が来た。
「君が手帳を持ってた子だね?」
社長さんは俺を見て話した。
「はい。単刀直入に言います。ここのマネージャーにして貰えませんか?」
俺は頭を下げた。
「いきなり呼び出して、いきなりマネージャーか。いいだろ。だがいいのか?君には目指すべき道があるだろ」
「俺のやるべき事は、幼馴染を守ることです。それ以外にありません。」
その言葉に日菜が嬉しそうな顔をした。
「わかった。本日から、Pastel*Palettesのマネージャーに任命する。後で契約書を書きにきたまえ。」
「分かりました。よろしくお願いします。」
そして、社長はパスパレに話しかける。
「今日は疲れたろ。もう帰りなさい。今後のことはまた今度話そう。」
そう言うとみんな解散した。
遅れて申し訳ありません。急ピッチで書いたので誤字脱字あれば、よろしくお願いします。