緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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到達と大きな衝撃。

午前9時。校門前に集合していた出久、爆豪、焦凍の特別隊員資格を持つ三人を出迎えにやって来たのはナイトアイだった。まさかの人物の登場に思わず目を丸くしてしまう二人、元々サイドキックだった彼だがマグナの正体を伝えてからは以前のようにオールマイトを補佐していることは有名。だがまさかその人物がやってくるとは予想外だった。運転してきた車に乗り込むように言われて乗り込んで向かう先、それは郊外―――徐々に街並みが静かな物になっていく中で爆豪が思わず呟いた。

 

「ンだ……雰囲気が変わったか」

「気付いたか、神野でも思ったが君は中々に聡いな」

 

街を行く人々のガタイ、纏う雰囲気、様々な物が変化していると分かった。何処かゴツイ男が多かったり、余りにも瞳が鋭い者が多い。街の全体の雰囲気も違う、日常にある者ではない……何処かピリついた緊迫したような物が漂っているような気がする。

 

「この街は拠点を作る為に新たに作られた街。この街にいるのは建設関係、研究関係などなど……何らかの形で組織に関わっている者達ばかりだ」

「街一つ、丸々……マジか」

「そんだけ、心血注いでるっつう事か……」

「さあもうすぐ着くぞ」

 

間もなくと迫った所で一同は前を見た、そこには巨大な壁そして関所が設けられている。まるで世界を物理的に遮断するような威圧感に溢れているそれに喉を鳴らす。ナイトアイが身分証明書と書類を見せると許可が下りたのかゆっくりと門の一部が開いてその先の世界が明らかになっていく。そこにあったのは―――雄英の校舎なんて目じゃない程に巨大な要塞とも言うべき建物、その周辺を忙しく飛び回るヘリや資材運搬を行っているトレーラーの数々―――そしてそれらに混じるようにコスチュームを纏った人影も駆け回っている。

 

「あれって―――フロートヒーローのフローティング!?あっちには超パワーヒーローのストロングも!!」

「ヒーロービルボードチャートの上位の常連ばっかりだ」

「……そんな連中が此処に参加してるって事か」

 

敷地内を行き来しているヒーロー、それらが同時にどれだけ怪獣を重く見ているのかという事を明確にしていく。そんな思いを抱きながらも施設内へと入ると車を降りて内部の案内をされる。

 

「改めてようこそと言っておこう、だがこの程度では驚かれては困るがね」

「これ以上に何があるんですか」

「まあ来るといい、今回は君達も世話になるであろう場所へ案内する」

 

と三人を伴ってある場所へと向かって行くナイトアイ。まだ建設というのもあるのか、途中途中で工事が行われているが個性もフル活用されているのか作りかけの通路がみるみる出来ていったり剥き出しになっている回路が一瞬のうちに隠れていったりと個性を活用すると此処まで早く終わらせられるのかというのをマジマジと見せつけられてくる。

 

「知ってるとは思うが建設の分野などでも許可さえ下りれば個性使用は認められる、が此処ではほぼ全員が自己判断での個性使用が許されている。ある意味では最も自由な土地とも言えるだろう、その分制約もあったりはするがね」

「成程」

「……セメントスもいそうだな」

「ああいるぞ」

「やっぱり居るんだ」

 

そんな話をしつつも案内されたのは研究開発部のラボ、それに思わず爆豪と焦凍は嫌な予感が全開になるのだが大丈夫だよと語る出久に何も言えなくなった。何か気まずくなりつつも中へと入るとそこには―――予想通りの光景が広がっていたが、思わず二人は言葉を失った。

 

「えっ~だとすると此処ってどうするのかしら……パパ、此処の配列をBからHに変えてから数値を4.8変更してみる?」

「試してみよう。発目君、光子砲の調整は如何だい?」

「現状だと32%って所ですかね~大型化するとやっぱり問題も出ますね~……エネルギー効率を上げて威力を上げるのはいいんですけどそれだとパワーセルジェネレーターからの戻りが酷くてフレームが負担に耐えられませんね。一回設計からやり直した方が良いですねこれ、やっちゃっていいですか?」

「分かった、どのぐらい時間掛かりそうかね」

「う~ん……ライドメカ搭載も考慮しなければいけないのでじっくりやりたいですね」

「許可しよう。腕を振るってくれ」

 

研究開発部のラボの内部、ラボの名に恥じないだけの研究設備や超大型のサーバーを完備したコンピューターに何かの解析装置などなど様々な物が置かれている。どれもこれも驚かされるような物ばかりだがそれ以上に驚かされるのはあの発目が誰かの指示を聞いて従っている上に常に捲し立てるような口調ではなく、確りと対話をしているという点だった……それが信じられないのか思わず爆豪と焦凍は呆然としてしまった

 

「博士、研究は順調でしょうか」

「おおっ来ていたのか、済まない気付けず。それなりと言った所かね、何しろ初めてな事も多いから手探りな所もあるがなんとか対応出来ていると言った所で今もライドメカのリアクターの開発をしているんだ」

「あらっ出久君、いらっしゃい」

「おおっ緑谷さんじゃありませんかようこそようこそようこそと三回重ね掛けで主張しちゃうほどに素晴らしいラボへようこそ」

 

歓迎すると同時に出た発目節に謎の安心感を覚えてしまう二人がそこにはいた。

 

「本日は特別隊員の案内の為に此処に来ました、そして隊員として活動する場合のコスチューム開発のお話を通す為にお伺いしました」

「コスチュームだぁ?」

「そう、対怪獣災害を想定した特殊コスチュームだ。その為に此処へ来たとも言える」

「あれを想定する……」

 

焦凍の脳裏に過ったのはTVで見た父の姿、保須に出現した怪獣―――ツルク星人へと向かって己が放たれる最大火力で放った必殺技が全く通用しなかった場面。それらに自分達の牙を届かせる為の装備開発……一体どんな風になるのか分からないが本当に力が届かせる事が出来るようになるのかというワクワクも心にはあった。

 

「分かりやすく言えば緑谷さんのコスチュームあるじゃないですか、あれらも実は緑谷さんの力を増幅する役目もあるんですよ。イメージ的には個性の力を強めるマッスルスーツ的な感じです」

「デクのを俺らに適応させるって事か」

「有体に言ってしまえばそうなりますかね、でも個性によって方向性なども変わってきますからその辺りは相談と調整が必要ですね。ご希望とかあるなら聞きますよ、超火力特化型とかバランスとか防御型みたいにふんわりした感じでも結構ですよ~」

 

と発目はメモを用意しながら爆豪と焦凍の希望を聞いて行くのだがその姿に出久は目を丸くしていた。

 

「あの、発目さんが……人と話を、している!?」

「いやはや……本当に苦労したけどある程度は大人しくなってくれた、とは思うよ……」

「一体どんな手段を!?」

「何て言ったらいいのかしらね……純粋に技術者として話をしたり研究をしていく内に落ち着いて行ったって感じかしら……でもやっぱり出久君、貴方といる時が一番あの子が生き生きしてるわよ」

 

その言葉に喜んでいいのかそれとも悲しめばいいのか分からずに素直に言葉に詰まる。

 

「あっそうだ皆さんこの後ライドメカの見学とかなさいますか、私光子砲の調整に呼ばれてますし」

「フムッ興味深いな、見させて貰おう」

「フッフッフ……ライドメカ、ご期待ください」

「な、なんか発目さん大人しくなってるけど別のベクトルで激しくなってる……!?」




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