「着心地は如何かしら?」
「これが緑谷と同じコスチューム……すげぇな、纏ってる感じがしねぇ」
初めてウルトラマンスーツに身を包んだ焦凍はその感覚に驚きを隠せなかった。手袋などをした時などにある感覚の違いなどが一切ない、スーツの外側にまで感覚が伸びている、素直に発目の技術力に驚きながらも同時にこれらが出久の力を高めているのかと納得する。
「極限環境対応型アタッチメント:ABSOLUTE.絶対零度と絶対熱の双方に対応しつつそれらを操る事を目的とされてるらしいわ、発目さんのスーツは基本的に個性に同調するようになってるから試しに個性を発動させてみてくれるかしら、こっちで必要な個所の調整は行うわ」
「分かりました」
タブレットを見つめているメリッサの指示を受けながら焦凍は個性を発動させる、普段通りに個性を発動させようとする。氷と炎、仮免試験へと向けた特訓で双方を同時に扱えるようにする訓練をして来た為か今やってみようと思い付きながら冷気と熱気が身体を包み込んでいく、右が凍て付き左が燃え上がる―――がこの時、焦凍は今まで体験した事がないような物で漲る自分に驚いた。
「―――なんだこれ」
氷と炎を同時に扱うと動きが鈍くなってしまうというのが焦凍の弱点の一つだった、それは長年炎を使ってこなかった故の物で林間合宿や仮免試験に向けての必殺技づくりの訓練で緩和されてきたが、それでもまだまだ甘い所があった筈。しかし今そんな感覚は一切無い、寧ろ身体に更なる力で満ちるという実感に戸惑いを感じていた。
「凄いわこの数値……元々はエネルギーを氷と炎に変換する筈だけど最初から此処まで……氷と炎を操る個性とのシナジーが完璧になされてる…おっといけない、それじゃあ試してみて、此処は試験エリアだから思う存分にね」
「―――ハッ!!」
アンダースローのような動作から氷結を発動させる、その直後―――一瞬で目の前の全てが凍て付いてしまった。
「マジか……!?」
行った本人ですら驚きを隠せない程の超大規模の凍結、此処が試験を行うエリアであったから良かったがそれでも目の前にあるすべてが完全に氷付けになってしまっていた。そして次にそれらを溶かす為の炎を放つが―――一瞬で目の前が火の海と成り氷を完全に溶かし切ってしまった。元々圧倒的な出力を誇っていたがこれ程の事は出来ない筈だが、可能にしてしまうコスチュームに目を白黒させてしまう。
「すげぇっ……」
「まだまだよ、これから貴方に合うように調整していけば更に出力は上げられるし繊細なコントロールも可能になるわ。後そのスーツは飛行に近い跳躍も可能よ、それも試してみましょうか」
「はいお願いします」
焦凍は目を輝かせながらも調整に付き合っていく、そして同時に理解する。これ程の力でなければ怪獣災害には立ち向かえないという事実を、それを改めて噛み締めながら緩んでいた気を引き締めながら真面目に調整に向かう。
「よし調整終了しました、それではどうぞ」
「遅ぇんだクソが」
「まあまあカッちゃん……兎に角つけてみてよ」
出久は発目の手伝いをしながら爆豪のコスチュームのメインになると思われる籠手を完成させた、今までの手榴弾のような籠手の数倍は大きい上に重いそれだが爆豪は平気そうな顔をしながら腕を通していく。同時に背中を伝うように接続されているパワーアシストアタッチメントが起動すると重さを全く感じなくなる、それに満足気な声を出しながら軽く腕を振るったりして感触を確かめる。
「悪くねぇ……」
感触を感じつつも腕を差し向ける。それに合わせて発目が標的を出す、大きな音を立てながらストライク・シリンダーが稼働して空気を圧縮すると同時にその内部へと爆破に使う汗が同時に溜められて行く。初めて使う為か、爆豪は深く腰を落としながら構えを取り、慎重に狙いをつける。そして此処だという時に意思と連動したシリンダーが稼働する。
「死ねぇッ!!!!」
その言葉と共に圧縮された空気が放出され爆豪によって爆破される。そして起きるのが標的へと真っ直ぐへと向かって行く爆発の火柱、空間を震わせるような爆発は一直線にターゲットへと向かって行くと容易にその中央を貫きながらも爆発の衝撃が一瞬で全体へと浸透していき崩壊させていく光景に出久も言葉を失った。自分の光線とは別の方向性だがとんでもない破壊力だと驚いた。
「す、凄い……!!」
「元々は圧縮空気を叩きこんだ際の圧力で相手を粉砕する物だったのですが、そこに爆豪さんの爆破がプラスされてとんでもない破壊力になってますね。爆発の衝撃と爆炎、そして圧縮空気のコラボ、これはライドメカに組み込んでみてもいいかもしれませんね……フフフフフフッこれは私が秘密裏に進めているプロジェクトに組み込んでみても……フフフフフフフフフフフフッ」
「発目さん何考えてるの!?」
真剣な顔をしつつ何やら不気味な笑いを浮かび上がらせる発目にあっいつもの発目さんだ、と思いながらも同時に何を考えているのか?!と不安になってしまう出久。それとは別に籠手の威力に口角を持ち上げる爆豪、今のは火力はもっと上げる事は出来る。もっと汗をかいている状態でこれを使ったらどうなるのだろうか、それこそ怪獣にも通用する威力を出せるのではないだろうかと思う。
「おいくそ女、こいつを俺の普通のコスチュームにも搭載しやがれ!」
「ええいいですよ」
「いやいやいやカッちゃんヴィラン相手にそれ使うつもり!!?確実に相手死ぬよそれ!?」
「っるせぇテメェには関係ねぇだろうがクソデク!!」
―――此処が別次元の地球……そしてあそこに……あの人が。
さあ、新しい展開が始まる……!!
活動報告にて防衛チームの名前についてのご意見を募集中です。