出現した巨大ロボット、レギオノイド。それを追うような形で登場した新たなウルトラマンに組織の皆が目を奪われていた。そもそもこの組織は人類は人類の手で守らなければならないのとウルトラマンと共に戦う為という目的があった。まだ形にもなり切っていないが突然その機会が生まれてしまった事に驚愕している。それが最も強いのはMt.レディだろう。
「また、新しいウルトラマン……もしかしてマグナ様のお知り合い……!?」
思わずそんな言葉が口から出た、そんな言葉に応えるかのように眩いばかりの光が突然現れた。それは地響きと共に大きな土ぼこりを巻き上げながら着地するとゆっくりと身体を起こすと目の前の存在へとファイティングポーズを取る。そしてその姿を見てMt.レディは溢れんばかりの笑顔を輝きとハートを浮かべながら蕩け切ったガラスのようなラブコールを発信した。
「マグナ様ぁぁ♡♡♡」
『おっマグナじゃねえか。っつう事はマジで此処はオーブの言ってた宇宙か……わりぃ野暮用持ち込んだ』
『久しぶりゼロ君、何気にしなくていいさ。それに君と私達なら不可能なんてない、だろ?』
『へっ流石はマグナ先生だな、話が早くていいぜ』
『おいおいゼット君みたいな事言わないでくれないかな』
隣に立ちながらも気軽な会話をし続ける二人に圧倒的な余裕を感じる出久。それにゼロという名前には聞き覚えがあった。確かウルトラセブンの息子にしてレオの弟子、そして光の国における若手№1戦士で数々の伝説を打ち立ててきたウルトラマンだと。
『私の相棒の話もしたいけど、それはあれを何とかしてからにしようか』
『おうよ、確か出久って名前だったか。後でじっくり聞かさせて貰うぜ!』
「はっはい!!兎も角今はこいつを……!!」
「ディァッ!!!」
「シェァッ!!!」
雄たけびを上げながら共に作られた街を掛けながら漆黒の帝国機兵へと向かって行く。不気味な機械音と共に振り返ると肩から腕、膝からミサイルを一気に展開すると一斉に発射する。だがそれらは自分達を狙っての物などではない、周囲の人間たちへの物だと素早く二人は見抜いた。
「デュッセヤァッ!!!」
「ォォォデュォッ!!!」
自らの頭部に携える二本の刃、ゼロスラッガーを素早く浮かび上がらせるとウルトラ念力で操作しながらミサイルを切断し空中で爆発させていく。
『どうやら唯のレギオノイドではないらしいね』
『ああ、バット星人が改造した改修型だ。そいつ自体は倒したんだがこいつを逃がしちまって……』
『やれやれ、君もバット星人とは縁があるね』
確かにバット星人が手を加えたのならばこの強さも納得が行く。本来レギオノイドは量産タイプ、ゼロならば簡単に倒せる程度の相手の筈なのに取り逃した時点で何かあるとは思っていたが……流石にこれは予想外だ。気を抜く訳には行かないしこれ以上此処で好きにさせる訳には行かない。
『出久君、油断せずに全力で倒しに行くぞ!!』
「はいっ!!!」
力を開放する、カラータイマーから溢れた八つの閃光。それはマグナを包み込んでいくと天にも届く光の柱となって雲を割って
「願うは平和!!!」
「悠久の想い!!!」
光の柱の奥から姿を現したウルトラ・フォー・オール・フォームのマグナ、それを警戒するように先程よりも数を増したミサイルを全身から放出するレギオノイド。ゼロは再びスラッガーを飛ばそうとするがそれよりも早く、胸の宝玉の一つが輝きを増して行く。
「デュォッ……ォォォォッッッ……!!」
『
腕を広げながら腕から無数の閃光の鞭を展開させる、撓る鞭のように激しく動き回る光は的確に全てのミサイルへと向かって行く叩き落としていく。そしてその奥に鎮座するレギオノイドへと炸裂していく。超高速で畳みかけられる光の連打にゼロスラッガーと八つ裂き光輪に耐えうる装甲が一気に傷ついて行く。ミサイル発射管が全て潰された事に危険を感じたのか一気に接近しながら両腕を回転させながら殴り掛かろうとするが、それをゼロが受け止める。
『おい俺を忘れんじゃねぇよ、寂しいじゃねぇかよ……!!そんだけ忘れてぇなら永遠に忘れさせてやるぜ!!!』
ガッチリと挟み込むかのようにしながらそのままレギオノイドを力任せに持ち上げると回転して投げ飛ばすゼロ、天高く放り上げられたレギオノイドはそのまま逃げようとしたのか各部から炎を噴き出そうとするがマグナの一撃によって各部に異常が起きたのか動けなくなっていた。それを二人は見逃さない、マグナはゼロの隣に立ちながら構えた。
『これで終わりだ、ワイドゼロショットォ!!!』
『VINCULUM・RADIUS!!』
二人の光の巨人から放たれていく光線の嵐。放たれた二つの光線は螺旋を描きながら融合していきレギオノイドへと到達し、青空に巨大な火柱を生み出した。それを見届けるとゼロはレギオノイドの先に遭った何かを見つけるとそれへと光を当てた後にマグナと共に空へと飛び立って行った。
「ハァァやっぱりカッコいい……マグナ様ぁ……やっぱりオファー受けて正解だったぁっ♡♡」
それを見送り続けていたMt.レディは目にハートを浮かべたまま空に去っていったウルトラマンの軌跡を見つめて続けるのであった……そしてそのウルトラマン二人は……誰もいない山中へと場所を移していた。
そこでは出久とマグナの人間態の前に一人の男性が立っていた。スーツを纏っている為か何処かの会社に勤めているサラリーマンと言った風貌だが、自信に溢れながらの鋭い瞳からそれはあり得ないといった雰囲気がある。
「紹介するよゼロ君、此方が私の相棒の緑谷 出久君」
「よぉっオーブから話は聞いてるぜ、随分と根性があって教え甲斐があるって言ってたぜ。ウルトラマンゼロだ、宜しくっ!!」
「み、緑谷 出久です!!」
元気よく挨拶した出久に対して気軽に手を差し伸べながら返しをするゼロにガイとは別の意味で接しやすさを感じる出久。ゼロの伝説を聞いていただけに凄く威厳に溢れている人なのではないかと思っていたのだが……学校の先輩のような感じの人で少しホッとする。因みに今の姿は以前地球に行った際に身体を借りた伊賀栗 レイトという男性の姿を借りているらしい。
「色々面倒掛けちまって済まねぇな、だけど助かったぜ」
「どう致しまして、この位なんでもないよゼロ君。しかしあのレギオノイドは何を狙っていたんだい?」
「あっそう言えばさっきもゼロさん、何かを隠すみたいな事をしてましたけど……」
「ああ。地球には余りバレない方が都合がいいからな、ちょっと小細工させて貰ったぜ」
ゼロが指を鳴らすとその背後でその小細工がなされた物の正体が明らかになっていく、それを見た時にマグナが目を見開くように驚きの声を上げてしまった。
「こ、これって光の国の脱出カプセルじゃないか……しかもこれって王室専用機!!?」
「えっえええええっ!!!?そ、それじゃあこれってマグナさんの故郷の王族の人が使う物なんですか!!?」
「そう言う事だな、丁度御勤め中の王族をバット星人が拉致しようとしやがってよ……しかも多分もっと驚くと思うぜ」
緊急脱出用のカプセル、それでも地球人基準で考えれば相当に大きいそれだがウルトラマン基準では小さすぎる。故にエネルギー消費などを抑える為に他の姿に変わったりするのはよくある事だが……開け放たれた扉の先にいたのは地球人と同じ姿をした煌びやかなドレスを纏った美しい女性だった。思わず出久は言葉も忘れて見惚れる中でマグナだけが顔を僅かに歪めていた。
「漸く、お会い出来ましたね……マグナ様」
「……まさかこのような形でお会いするとは思いもしませんでした―――カトレア王女」
「え"っゼロさんもしかして……」
「オーブから軽く話は聞いてるだろ?この人は光の国の王女の一人、カトレア王女だ」
出久もその名前は良く知っていた、何故ならばその名前は……ガイから聞いたマグナのお見合い相手の名前なのだから……。
という訳で今回エントリーしたのはゼロ師匠だけではありません。そうマグナさんのお見合い相手のウルトラウーマンカトレアさんもエントリーです。
此処からマグナの光の国での話やらも加えていきます。