その場に居るのは出久、
「あ、あのマグナさん……これって……」
「ああそうだよ、君にも見えているだろう。私の力の一部を持っている君ならばね」
地球人の目には映らない筈のそれが出久の視界には映っている。空を覆い尽くすかのようなそれはまるで昼間に見える月のように青空にうっすらと見えるそれは余りにも巨大な艦のように見える。そしてそこから降りてくる街一つはあるであろう輝きに溢れた艦、そこから一筋の光が差す。艦から注がれる光の柱―――そこからは二人の戦士が顔を見せた。
「久しいなマグナ、こうして会えた事は嬉しく思う」
「僕もこうして会えて嬉しいよマグナ」
そこに居たのは嘗て、共に戦った地球人の姿を借りているウルトラ戦士にしてマグナの大切な友人達。最強最速のウルトラマン、ウルトラマンマックス。同じ勇士司令部の戦士にしてマグナの親友、ウルトラマンネオス。
「マックス、それにネオス。嗚呼私も会えて嬉しいよ。紹介するよ、地球でお世話になっている出久君だ」
「そうか君が……友が世話になっているらしいな、ウルトラマンマックスだ」
「ウルトラマンネオス、話位は聞いてるかな」
「みみみみっ緑谷 出久ですぅ!!!こここここちらこそマグナさんからごごごごご御高名はかねがねお伺い、しております……!!」
「おいおい出久お前、テンパりすぎだろ」
呆れるような顔をするゼロだが出久からしたらマグナから聞かされていた凄まじい戦士たちが目の前に居るのだから無理もない、唯でさえ自分の目には人類が何百年かけても到達出来ないような領域の世界が広がっているのだ。緊張するなという方が難しいだろう。
「しかしまさか君達がカトレアさんの迎えとは……流石の戦力だね」
「我が星の王女様をお迎えするんだ、相応の者が選ばれる。それに偶然抜擢されただけの事さ」
「でも何時の間に名前で呼び合う関係になったんだい?僕達が来る間に意外に進展してたんだね、ちょっと安心したよ」
「んんっ!!その辺りはまあ今度という事で……」
無理矢理話をぶった切るマグナにマックスはやれやれと言わんばかりに肩を竦め、ネオスは親友を見るカトレアの視線からしてこれは中々に進展している事を察して心からの祝福を浮かべるのであった。親友のそれに全く混じりっけ無しの善意100%なので何か言いたくても何も言えずにいるマグナをさておくようにまた一筋の光が降り立ってくる、それを感じ取るとマックスとネオスは光の出口を挟むように立つとそこから来る人物を出迎えた。その人物は―――
「久しぶりだなウルトラマンマグナ」
「お久しぶりですゾフィー隊長」
温和そうな笑みを浮かべながらマグナとの握手に興じる男性、彼こそがマグナをこの地球へと送り出した張本人。ウルトラ六兄弟の長男にして宇宙警備隊の隊長を務めるゾフィー、その人。その名を聞いて出久も思わず喉を鳴らした。今目の前に居る人こそが宇宙警備隊隊長ゾフィー、自分とマグナを引き合わせる切っ掛けを作ってくれた自分の大恩人とも言える人、そんなゾフィーは一切気取る事も無く優しい笑みを浮かべたまま出久へと歩み寄ると同じように手を差し伸べた。
「君の話はマグナからの報告で拝見させて貰っているよ緑谷 出久君。君には随分とマグナはお世話になってしまっているらしい、そして君もよくぞカトレア王女を守る為に力を尽くしてくれた。是非お礼を言わせてほしい」
「い、いえ僕なんて全くお役に立ててませんよ!?それに寧ろ僕なんてマグナさんには助けられっぱなしで、それに……寧ろ僕はゾ、ゾフィーさんにお礼を言いたいぐらいです。貴方が居なかったら僕はマグナさんと出会えませんでしたから……」
伝えたい気持ちを言葉に込める、感謝を込めながら言葉を送るとゾフィーはその心に敬意を示しながらそれを笑みと共に受け取ってくれた。
「ゼロ、マグナ。ゼットンとタイラントという怪獣を相手によく戦ってくれた、あのままでは王女はバット星人に拉致されていた事だろう。感謝する」
「へへっ大したこたぁねぇよ、俺とマグナにかかりゃ例えあの2体だとしても敵じゃなかったぜ」
「流石にゼットンを見た時は驚きましたが、幸運な事に戦い易かった相手で助かりましたよ」
「そうか……兎も角王女の身が安全で良かった」
「はい、ゼロとマグナさんのお陰で私には傷一つありません。それに事故とはいえマグナさんとお会い出来ましたし地球にて楽しい思い出も出来ました」
その言葉にゾフィーもほぅっ?と何処か興味深そうな表情を浮かべつつもそれを悟れぬようにそれは何よりです、と繕いながらも笑顔と共に別の笑みを浮かべるという器用な事をする。尚マグナにはバレている。
「(くそぉ……サコミズ隊長の顔だから他意があるように余計に思えない……!!)」
「さてマグナ、私達はこれから王女と共に光の国へと帰還する」
「私はまだこの地球にてやる事が残っております、それに出久君との約束もまだ果たせておりません」
君も一度帰還するか、という言葉よりも先に否定の言葉を告げる。まだこの地球にはまだ魔の手が潜み続けているかもしれない、それを放置して去る事が出来る程に自分は薄情ではないし出久が立派なヒーローになるまで共に居るという約束もある。ならば自分が地球に残る理由はあるが離れる理由はない。それを聞いたゾフィーは君ならきっとそう言うと思っていたよと言いながら手に光を集わせながらマグナへと向けてそれを飛ばす。そこにあったのは3枚のウルトラメダルだった。
「君の手にはアウローラから奪取したゼットライザーがある。ならばそれはこれからの君達を、いや地球を守る一助と成り得る筈だ」
譲渡されたメダル―――マックス、ネオス、ゼノンの力が込められている。同時にこれを預けてくれる信頼に応えなければならないと出久と共に頷きながら戦う事を誓う。それを確認すると満足気に頷きながらカトレアをエスコートするようにしながら光の柱へと向かって行く。だがゾフィーに許可を取って最後にマグナの前へと立った。
「出久君、貴方にもお世話になってしまいました。短い間でしたが心よりの感謝を」
「い、いえ!!どうかお気を付けて!!!」
「マグナさん、短い間でしたがこうしてお会い出来て心より嬉しかったです。次は光の国にてお会いできる事をお祈りしています、今度は出来るだけ延期はご遠慮してくださると嬉しいです」
「ど、努力させて頂きます」
「それでは―――また会える日をお待ちしております、マグナさん」
チュッ♡
『んなぁっ!!!!???」
『おやおやっ』
「フフフッこれはいい報告が出来そうだね」
「なんだ隅に置けないじゃないかマグナ」
「「おおっ!!」」
最後の瞬間、マグナとカトレアの距離は無くなり静かに水音が響いた。それを見た出久は顔を真っ赤になり、ゾフィーは微笑ましそうな顔をし、マックスは何処か愉快そうな顔をし、ネオスとゼロはガッツポーズをしながら声を上げた。肝心のマグナは目を白黒させて何が起きたのか理解出来なさそうにしながら目の前で太陽のように輝く笑みを浮かべるカトレアに見惚れた。
「また、お会いしましょうマグナさん。今度はもっと色んな事をお話ししましょう」
「えっあっ……はい、喜んで……」
光の中へと入っていくカトレアとゾフィー、それに続くようにマックス、ネオスが入り最後にゼロがじゃあなと告げながら入っていく。光は直ぐに消えると空を覆っていた艦はあっという間に地球の外へと飛び立ち、月軌道上で待機していた本艦と合流するとあっという間に見えなくなっていった……。
「あ、あのマグナさん大丈夫ですか?マグナさん?」
「……フゥッ―――」バタッ!!!
「わぁぁぁぁぁマグナさんが倒れたぁぁぁあ!!?大丈夫ですか確りしてくださいマグナさん!!マグナさん!?マグナさああぁぁぁぁぁん!!!」
顔を真っ赤にして倒れこむマグナを他所に光の国の艦は次元の壁を超えて元の宇宙へと戻って行く。その船の中でカトレアは愛おし気に唇に触れると笑みを浮かべながら隣のゾフィーへと地球での出来事を語る。
「それでマグナさんは私の為に服を選んでくださったのです、それも私とのこれからをという思いを込めてと」
「それはそれは……これは80に続く王族とのカップル成立ですかな?」
「ま、まだ早いですわ♡」
『―――っ……』
『ア、アサリナちょっと大丈夫かい、白目剥いてないかい?いや剥いてるかぜんっぜん分からないけど多分剥いてるよねアンタ……ちょっと?』
『……フゥッ―――』バタッ!!
『ちょ、ちょっとアンタも倒れるのかい!!?し、確りしなアサリナ!!アサリナ!?アサリナァァァァァ!!!』