―――でも……迷惑、かけちゃう……。
―――フフッ心配はいらないさ、心配を掛け合い助け合うのが本当の友達さ。
―――本当に、本当に望んでいいのなら……―――。
―――その願い、承った。
「という訳ですのでマグナさんの世界のロボット怪獣の資料 or 知識提供を要求します!!」
「取り敢えず明ちゃん、筋道を立てた上で脈絡を作って話そうか」
対怪獣特設特殊作戦実行組織の基地内にある発目専用の研究整備室。既にある意味でのVIP待遇を得る事が出来ている発目はそれをフル活用して日夜研究に取り組んでいる為か雄英では姿を見なくなってきた、パワーローダー曰くリモートで授業を受けているし課題提出もしているので成績面などの心配は不要との事。そして其方に場所を移しているグルテン博士を交えながら話をしようとしている時に唐突に発目が叫んだ。
「ごめんねメリッサちゃんにデヴィットさん、明ちゃんはこれでも大分改善されている方で」
「ええっ分かってます、大丈夫ですよ博士」
「私達も重々承知しておりますよ」
「本当にすいませんね、光子砲の設計急ぎますから。出久君と爆豪君もゴメンね」
マグナという存在の秘密を共有している為か自分の姿を見せても問題ないと判断したのか、シールド親子にも姿を明かしているグルテン。そして技術畑という事もあって直ぐに仲良くなれているらしい。
『まあ察するにあれかな、レギオノイドを戦力として運用する為の改修をするからその為のプランを練る為の材料を望んでいると思っていいのかなそれは』
「良く分かるな……」
『私は出久君と一緒にずっと彼女と付き合ってきたからねぇ……もう行動と思考パターンは把握しているよ』
「……俺、やっぱりアンタと融合しなくてよかったかもしれねぇ」
『うんその点は否定しきれないね』
以前の発言を思わず撤回する爆豪。今までの出久の事を自分に反映させたら冷や汗どころか心臓を鷲掴みにされるかのような感覚を覚えてしまったらしい。
「まあそれについては私達についても非常に興味深いです」
「ええっマグナさんの世界のロボットってどんなのはいるのかしら!?防衛チームが使ってたロボットとかいないんですか!?」
「正しくそれを聞きたかったんですよ!!」
レギオノイドという存在は様々な意味で地球に恩恵を齎す結果となった。その装甲の構成、回路系、動力系などなど今の地球にとってはあり得ない程のオーバーテクノロジーの塊。ゼロとマグナの必殺光線によって爆散こそしたがそれらの部品を回収し現在修復作業を行いながら地球の戦力として使う為のプランが練られている段階。
『う~ん……戦闘機が合体したり、車がメカのコアブロックを担って様々な状況に対応出来るというのは知ってるけど……私の知ってる限りだと防衛チームがロボットを保有しているという前例は無いね……そこに所属していたウルトラ戦士がカプセル怪獣で呼び出した云々はあるけど』
「え~そんな~!!」
『まあ無くは無いんだけど……メテオールは厳密には違うからなぁ……』
幾つか脳裏を過る物はあるもののそれらを該当させるのは違う気がする、加えてそれらをこの地球で扱おうとするには無理があり過ぎる。
「というかあのレギオノイドを僕たちが扱えるようにするなんて事が可能なんですか?」
「理論上は問題はないよ、頭脳となる部分を抜き取ってコクピット形式にすればね。仮にしたとしてどんな風にすべきなのかという事を考えていく必要があるけどね」
「最初は人工知能が搭載されてるみたいだからそれを改良しつつ、自動制御型にする予定だったけど未知数過ぎるから有人型に変更になっちゃったの」
「いや妥当だろ、戦闘中に暴走したらどうするんだよ」
正しく爆豪の指摘通りの事は不安視されて有人化される事になったらしい。
「それじゃあ敵宇宙人に操作されてた怪獣でもいいので~」
「それだと逆に無数に存在してそうですけど……」
『実際無数に存在するから笑えないんだよね……取り敢えずじゃじゃ馬になり過ぎないように気を付けた方が良いでしょうね、操縦系も複雑になるなら複座式も視野に入れておくべきでしょう』
「フムフム普通に参考になるご意見ですね、あとお一つマグナさんにお聞きしたいんですけどそちらの世界でもウルトラマンを模したロボって存在したんですか?」
それは発目だけではなくデヴィットやメリッサからも同じような意見が飛び出た言葉だった、何故ならばこれは多く見られる見解でウルトラマンの戦闘スタイルやその力は完成形として見られておりそれをベースにして防衛メカを制作する事は悪くはないのだろうという意見は多い。だが実際それを行うのは如何なのかという意見も多いのも事実であり、現在はレギオノイドを使う事で意見は一致している。
『ア~……まあうんあったよ』
「おおっやっぱりあるんですね!!」
「それって敵側って意味じゃねえよな」
『正解だよ勝己君、所謂ニセウルトラマンと言うべき存在が多くいたよ』
それを聞いて思わず皆はあっ~……と言わんばかりの顔をした。ウルトラマンと人間の絆を断とうとする手段として偽物のウルトラマンを使った侵略者は数多い。何方かと言えば変身能力を持った宇宙人が多いが、それでもロボットも相応の数が存在する―――その中には人類がウルトラマンを作り出そうとした例も存在する。それを聞いてバツが悪そうにしながらデヴィットは別の方向に話を逸らす。
「そ、それならばロボットに向いている怪獣などはいないのでしょうかね!?ほらっ言うなればこんな怪獣のロボを目指すというのは!?」
『ふむっ……それこそグルテン博士の十八番なのでは、サイバーエレキングアーマーを作っているという事は既に別のモンスアーマーも進んでいるのでしょう。その中にピッタリな重量パワー系が居るでしょう』
「あっそうでしたね!?そうかゴモラですね!!」
「ゴモラって前にマグナさんから話を聞いたような……そうだ、ウルトラマンを退けた事がある怪獣ですよね!?」
出久のその言葉が火付け役になるかのように其方へと意識が向いていき、グルテンと発目は胸を張るように新たに開発が完了しテストをするだけとなったモンスアーマーの新作、サイバーゴモラアーマーの話をしていく。その中でマグナは別の方を向きながらある事を考えていた。
『人造ウルトラマン、か……自分がそうなっていると何とも複雑な響きとなってしまうな』
自分が知っている人造ウルトラマン達、一名を除いてその全てと言っていい程に悲劇的な最期を迎えている。だが地球を守るという目的の為ならばそれはアリなのではと思う一方でそれを否定する自分もいるのだ、肯定する
『いや、そうならないように私が導くべきなんだろうな』
いざ作るとなったとしても自分が導けばいいと思い一旦そこで思考を止めておく、問題を先延ばしにしていると言われるかもしれないがそれでもいい。その時に考える事にしよう―――と思ったその時だった。けたたましく鳴り響く緊急事態宣言のサイレンと共に館内放送が鳴り響いた。
『怪獣出現、怪獣出現!!市街地へ向けて現在進行中!!』
長き眠りから目覚めるように地割れを引き起こし生まれた亀裂からそれは飛び出し、山の山頂を丸ごと踏み潰しながらも自らの力を、怒りを、全て形にするような猛々しい咆哮を手へと向けて捧げるように上げた。大地は脅え、空は戸惑う、荒ぶる神の如く叫びをあげたそれは真っ直ぐと街を見据えながらまるでそこに怨敵が居るかのような憎悪に満ちた叫びを上げると歩みを進めていくのであった。
獅子にも狼にも似た遠吠えを轟かせながら白き鬣を靡かせながら進み続ける紺色の巨大な爪を持つ青き獣、目指すべき都市にこそ自らが滅ぼすべきモノがあるのだと叫びながら進んでいく怪獣の名を―――
―――ウォォオオオオオオオキィィュァァァァ!!!!
豪烈怪獣 ホロボロス。
その強さ、カッコよさ、もしかしたら地球出身怪獣の新たな最強の一角かもしれないホロボロスのエントリーだ!!最近の怪獣でトップクラスに好きかもしれないこの怪獣。