「あれがホロボロス……」
「なんて大きいの……」
獅死ヶ原、獅子のような風貌をした巨大な獣が超えるそれはまるで自らの運命を打ち破ると言わんばかりの光景。それを見下ろすように飛行するPLUSファイターGX、白銀の長い鬣に橙色の強靭そうな爪。手が届かないであろう上空から見つめているのにも拘らずその異常なプレッシャーに全員が喉を鳴らしてしまう程だった。
「身長推定……56メートル!!うっひゃぁっ~これまでに出現した奴の中でもとびっきりの大きさじゃないですか~!!神野区に出てきたあれでも54メートルだったのにすっげぇぇっ~!!」
「言ってる場合じゃないでしょ!?兎に角食い止めないととんでもない被害が出るわよ!?」
「それじゃあ足止めぐらいはしますね、このファイターにも最低限の戦闘装備はあるんですから!!」
そう言うとレバーにあるスイッチへと手を伸ばしながらバイザーと連動したシステムを起動させ、狙いをつける。此方など気にも留めていないホロボロス、その足を狙う。
「行きますよ、発目式光子砲―――改めPLUSレーザー、発射!!」
主翼の付け根に装備された二門の光子砲が輝きを放ちながら発射されていく赤と黄色が混ざり合ったレーザー砲、独特な高い音を立てながら連射されていくそれらはホロボロスへと降り注いでいく。動いている為か、それともまだプロトタイプに当たる機体に搭載されている試験評価用のレーザー故かレーザーは乱れており足だけではなく全体へと降り注ぐようになってしまっている。
―――ウォォォオオオキュアアアア!!!!
全身に降り注いでくるレーザー、それに誘導されるように顔を上げたホロボロスが見たのは天を駆ける戦闘機。それは一撃離脱を心掛けるかのように発射の後に大きく旋回して距離を取る。そしてまた攻撃を行うを繰り返してくる。ダメージはそこまでではないが怒りを覚えたのか咆哮を上げながら鬣から無数の雷、ギガンテサンダーを発生させてファイターに向けて放った。
「うおぉぉとっ!!?そんな事まで出来るとは……試験評価タイプのレーザーですから威力はそこまでではないですけど全然びくともしてないですね!?」
「発目さんっレーザーを発射した後地表ギリギリに飛行出来る!?そこで僕達を降ろして!!
「簡単に言いますね緑谷さん!?」
「だが悪くねぇだろくそ女」
「それで行きましょう、頼むわよ発目ちゃん!!」
「いよっしゃあこうなったら破れかぶれです!!私はその後情報収集に徹しますからあとはお願いしますよ!!」
出久からの作戦を受諾しつつ後部ハッチへ移動するように促す発目、GXは大型である為に数基のライドメカの運搬も可能としている。本来はそこから投下するのだが、今回はそこから3名を下ろす事にする。移動した事を確認しながら再度PLUSレーザーを連射していく。
―――ウォォォオオオオオオオン!!!!
再度の咆哮と雷鳴、機体を抉ろうとするが機体から発せられる緑色の光が受け止め被害を食い止める。そしてそれを見て発目は笑みを溢しながらギリギリまで接近しつつホロボロスの頭部へとレーザーを当てて僅かだが怯ませる事に成功する。
「よっしゃぁっ!!さあ皆さん後は頼みますよぉ!!」
空中をドリフトするかのような無茶苦茶な軌道をしながらもギリギリまで地表まで下りたファイターから出久、爆豪、Mt.レディが降下する。流石に猛スピードから飛び降りたので数回回転して勢いを殺しながら着地する、それを確認すると発目は一気にリアクターの出力を上げながらギガンテサンダーの射程外へと逃げながら解析作業へと入る。
「ッシャア行くぜゴラァ!!!」
爆破を推進力にしながら颯爽と飛び出していく爆豪にMt.レディは焦りを覚えたが、よく見るとホロボロスに見つからないように木々から飛び出さない程度の高さを進んでいる事から確りと理解しているのだと分かって一安心する。自分はホロボロスの真正面に回るので時間稼ぎを頼むと出久に頼み進んでいく。出久はそれに従いながら新たなアタッチメントNEXUSを纏いながら森の中を進み続ける。
「カッちゃん聞こえる!?狙いはホロボロスの頭部、そこに同時攻撃!!」
『わぁってるわクソが!!テメェこそ遅れんじゃねえぞ!!』
言わずとも通じていると言わんばかりの態度に流石と舌を巻く。そして超高速で移動したホロボロスの側面、配置に着いた。そして右腕を振るうと装甲が展開していき弓のような形状へと変化していく。その先から光の弦が現れるとそこへ出久は左腕を差し出すと腕からエネルギーが溢れていき腕を基にしたような光の矢が生成されていく。
「70.80.90.100……!!」
出久と同時に両腕を構える爆豪、不敵な笑みを浮かべながらも足を大きく開きながらも腰部から身体を固定する為のようなアンカーが射出されて地面へと突き刺さっていく。それと同時に両腕のストライク・シリンダーが稼働して空気と爆豪の汗を取り込むながら一気に圧縮していく。
「喰らいやがれバケモン!!」
「アロー・イズティウム……光線!!」
「ストライク・エクスバーストォ!!!」
放たれる光の矢、発射される爆破の柱。光の矢は溢れ出す光を腕に全て集める事で貫通力を極限にまで高めた一撃、爆破の柱は尋常ではない爆風と炎を秘めながらも噴火する火山のような勢いのままにホロボロスの頭部へと向かって行く。そして全く同時にそれが頭部へと炸裂する。PLUSレーザーとは格段の威力の違いを見せ付け大爆発をする。
―――グギュロォォォオオオオ!!!!???
かなりのダメージとなったのか、ホロボロスも足を止めながらも頭部を抑えるようにしながらしゃがみ込んだ。その威力にはマグナも驚きを隠せなかったが、直ぐにホロボロスは体勢を立て直しながらも更なる怒りを示したかのように市街地へと進撃を開始する。
「あれでもまだ動けるのか!?」
『チッこれが怪獣って奴か……!!』
『いいえっ十分稼いでくれたわ、行くわよっ―――デュォ!!』
動きを止めた時間、その時間を使って巨大化したMt.レディ。その身に纏うのはサイバーエレキングアーマー、その表情は猛々しく恐怖などは微塵も無く真っ直ぐとホロボロスへと立ち向かっていく。
「私はっMt.レディ!!ヒーローでありそしてウルトラマンマグナ様に最も憧れる女よ!!たぁぁぁっっ!!」
―――ウォォオオオオ!!!!
歯を食い縛りながらも全身を使い、噛みつこうとしてくるのを腕のアーマーで防ぎながらも一気に押し込んでいく。少しでも市街地への到達を遅らせる、それかこれの興味を自分へと向けさせるために。その思いが届いたのかホロボロスを押し込む事に成功しつつ顔面を思いっきり殴り付けた地に伏せさせることに成功する。
―――ウォォォオオオキュアアアアァァァアガァァァアアアア!!!
「来るなら来なさい!!今日の為に私がどんな努力をしたのか見せてやるわ!!」
構えを取ったMt.レディ、だがホロボロスは忌々し気に一吠えするとまた市街地へ向けての進撃を開始した。自分の足を止めさせ、地に伏せさせた相手への怒りを抱きながらも無視しようとしている。
「ま、待ちなさいよアンタ!!?ええいっエレキング・テールウィップ!!!」
右腕の砲塔のようなアーマーから電撃の鞭を発生させながらその身体へと巻き付けて引っ張って動きを止めようとする、だがそれでもホロボロスは止まらない。咆哮を上げながら市街地へと向かおうとする。
「こいつぅっ……!!一体何が目的なの、なんで街に向かおうとするのよぉ!!?」
『おいデク、この怪獣なんか妙だぞ。何かが起きてやがる』
「僕も同感だよ。マグナさんこれって……」
『……何がホロボロスを此処まで掻き立てる、何をする気だ?』
―――そうだ来いホロボロス、お前の敵は此処だ……此処にいるぞ、敵は此処だ。さあここを目指せ、此処を破壊しろ……そして自由への咆哮を上げろ!!