緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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師弟間。

「シェエァッ!!」

 

低く唸るような声が響くPLUS特別訓練エリア、限られた人間のみが使用できるそのエリアは基本的にウルトラマンのある特定の情報を知っている者のみが出入りできるようになっている。故かPLUS隊員では許可が下りている人たちはどんな共通点があるのだろうかと首を傾げている。

 

そんなエリアで今何が行われているのか……それはウルトラマン同士の手合わせである。

 

「シェアッダァッチェイヤァッ!!!」

「ディッシェッ……ォォオ!!」

「ヘァッ!!?」

 

連続の三段回し蹴りをあっさりと受け止められながらも直後の隙へと突きつけられたカウンターが身体へと突き刺さる―――寸前で停止する、紙一重のタイミングで止められた一撃。それを振り払うようにしながら素早い連撃を組み立てようとするが普通ならば突く事が出来ないようなタイミングで攻撃が飛んでくる。そしてそれらはまた寸前で止められる。

 

「うんっ素晴らしい、だが矢張りまだ経験が足りないね。相手に自分が脅威の塊だと思いこませる気迫を持ちなさい、相手のペースを乱し自分の領域に引きずり込む、如何に自分の得意に相手を引き込むかも重要だ」

「流石マグナ師匠……だけどまだまだ、俺の成長した力はこんなもんじゃないですよ!!行くぞハルキィ!!」

『押忍!!』

「元気があって何より。では師匠としての威厳を保つくらいの事はするかな、行くよ出久君」

『はいっ!!』

 

本来ウルトラマンは50メートル級、人間サイズになろうと思えばなれるのだがそこには得意不得意が発生する。ゼットの場合は人間サイズになった場合はエネルギーの消耗が激しすぎるのか1分もその状態を維持する事が出来ない。故にハルキの身体を借りる事でマグナと手合わせを行っていた、師匠になったんだから相応の事をしなければという使命感に駆られたのかもしれない。

 

『ダァッハァァァッッ……結局一本も取れなかったで終いになって御座いでます……』

「いや本当に強いですね流石マグナ師匠です!!それに出久君先輩のコスモススタイルでしたっけ、あれも凄かったです!!」

「そう言われるとちょっと照れちゃいますけど、あれもまだまだ未完成な段階ですから」

「あれでですか!?流石マグナ師匠の相棒ですね!!改めて尊敬します!!」

『裏を返せば君達も出久君のようになれるという事さ、未熟というのはそれだけ伸びしろがあるという事』

 

一通りの手合わせを終わらせたが結局ゼットは一撃もマグナに当てる事が出来なかった、どれも的確に捌かれてしまい逆に自分は直撃寸前ばかりだった。ハルキとも戦ってきたので近接戦も成長している筈なのだが……まだまだ未熟だと思い知らされた。

 

「でもハルキさんの動きのキレは凄かったですね、マグナさんも基本的にそこは指摘してなかったですし」

「空手は得意なんですよ、ずっと練習してたりしてましたから!!」

『これなら確かにゼット君の腕前が急上昇した事にも納得が行くよ』

『ぜぇ……ぜぇっ……ゼェェット……』

 

時々荒い息遣いに混じってゼェェット……という謎の言葉が聞こえてくる中での休憩、雑談に興じているとそこへナイトアイが入室してくる。既に事情を知っている人なので何とも思わないがゼットは思わず反応して姿を消そうとしてしまう。前の地球では正体を知っているのは最終決戦までに一人しか知らなかった、環境の違いという奴だろう。

 

「ハルキさん、レギオノイド・フェンサーの試験については多大な感謝を。データについては研究開発部が狂喜乱舞しておりました、整備班もレギオノイドの姿を見て喜んでいました」

「お役に立てたみたいで何よりです」

「それと災害時における活動と言うのも参考になりました、既にレギオノイドの換装バリエーションとして採用が決定されました」

『おおっ!!それってセブンガーの経験が生きたって奴だな!!』

 

レギオノイド自体の長所として量産タイプである為に腕部など各部換装が可能となっていた。マグナとしても腕部がドリル状、砲門のようになっていたタイプがあった事を覚えている。そして特空機としてセブンガーは戦闘後に発生した瓦礫撤去等、災害対応でも活躍していた。

 

「それと……後日、ゼットさんとハルキさんと共に東京へと向かうとの話ですが私から是非一人―――同行させて頂きたい人物が居ります」

『貴方からの推薦とは、期待が持てますね』

「そして同時に謝罪しておきます―――その人物についてはマグナさんとゼットさんについてお話してあります」

『うぇっ!!?』「ええっ!!?」

 

突然の言葉にゼットとハルキは素っ頓狂な声を上げてしまった。ゼットからすれば当然の事、今まで数々のウルトラ戦士は地球へと赴いた際には正体を隠す事は当然とされてきた、明かせば地球に居られなくなるから。だが既に地球ではマグナを中心として自分達と協力し前に進むネットワークが出来ていた、それだけでも驚きだがそれを自分達の許可なしに伝えられたというのは流石に……と言いたかったのにマグナと出久は酷く冷静だった。

 

『貴方が認めた程の方なら信用に足る……だよね出久君』

「ですね。ゼットさんもハルキさんも大丈夫ですよきっと」

『え、ええっ……?マグナ師匠も出久も冷静過ぎるんでじゃりませぬか?』

「でもマグナ師匠と出久君先輩のいう事ですし大丈夫ですよきっと」

 

その言葉に申し訳なさそうにしていたナイトアイの顔色が良くなった、きっと分かってくれるという確信はあったが尊敬し敬うべき光の国の戦士に無許可で行った為か自罰的になっていた。思わずオールマイトもこの事を相談してしまったほどだ。

 

―――大丈夫さナイトアイ。マグナさんはそんなこと笑って許してくれるさ、いや多分怒る事すらしないよ。

 

「(ええっ本当にそうでしたよオールマイト……)では、入って来てくれ」

「失礼します~!!」

『おやっこの声は……』

「もしかして……」

 

部屋に入ってきた人物、それは以前会った事があった人で確かに実力も確かな人物だった。

 

「通形先輩!?」

「おおっ緑谷君!!お久しぶりっそして……おおおおっ!サー、サー!!本当に、本当にウルトラマンさんが居ますよ!!?」

「言っただろうミリオ。紹介するとな」

「―――サ、サインって貰っても良いんですか!?」

「ミリオ……私も貰いたい」

 

『な、なんかナイトアイさんのクールキャラウルトラ壊れてないか!?』

「ナイトアイはユーモアが大好きな人ですから」

「な、成程……なんか隊長思い出します」

『因みにどんな隊長さんだったんだい?』

「最高の隊長でした!!でもなんか実は宇宙人で、その時の姿が凄いトゲトゲしてたっす。後なんかでっかい木を切っちゃったとか言ってたような……」

『(えっそれってジャグラー何じゃ……いやまさか、ね……)』

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