緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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先へ進め、目指せ。

炸裂する一撃は易々と金属の皮膚を貫通してその胴体に風穴を開けて冷却効率を跳ね上げる、その代償に二度と放熱をする必要がなくなるというおまけがついてくるがその方が彼らにとっては都合がいい。

 

「POWERRRRRR!!!」

 

通形 ミリオことヒーロー・ルミリオン。ナイトアイの弟子である彼が独自にワン・フォー・オールの受け皿として最も適任であると思い続けていた人材、それは結果的に流れてしまったが彼は知ったとしてもそれを気にしない。何故ならば今彼を支えているものだけで十分過ぎるからだ、鍛え抜かれた一撃はバリスレイダーを粉砕すると背後から迫ってきたそれを個性を発動させ、透過させながら背後に回り後頭部を掴むと全力で地面と叩きつけた。

 

「だけどっハルキさんも凄いよね!!」

「チェストォ!!!」

 

肩に一撃で体勢を崩しながら続けて頭部、よろめきを加速させながらそこへ脇へと浴びせられる回し蹴りによって倒れこんだ所へとどめと言わんばかりの正拳突きがバリスレイダーの頭部を砕き穿つ。その背後から新たなレイダーが迫りくるが―――

 

「ベリアロクさんっ行きます!!」

『フンッまあいい、砥石代わりにしてやる』

 

抜刀される魔剣、ベリアロクの刃は受け止めたレイダーの腕の刃を逆に切断するという異次元の鋭さを見せ付ける。そして押し付けるように刃を振るうと一瞬で装甲を切る―――いや融かすかのようだった。その光景にミリオは口笛を吹きつつも裏拳で迫ってきたレイダーをぶっ飛ばす。

 

「コスモス・コロナスタイル―――FLARE SUN SMASH!!!!」

 

怒涛の攻め、燃え滾る太陽の烈火のごとく一撃でレイダーを粉砕するイズティウム。有無を言わせぬ連打の嵐、だが一撃一撃は意志を持ったかのように相手のガードを巧みに躱しながら本命へと攻撃を当てている。うねる炎の一撃、一瞬本当の炎を纏うようなそれが炸裂すると瞬時に装甲が破裂する。

 

「タァァァァッッ!!!」

 

そしてその相棒たるマグナ、彼に対して一番のレイダーが群がっていると言っても良いだろうがその事如くが一蹴されている。片手で攻撃を受け止められたかと思えば手首を捻るだけで宙を舞い地面へ叩きつけられる、背後から迫るレイダーをワザと倒れこみながら腹を蹴りながら投げ飛ばし複数を巻き込み戦闘不能、飛びついて組み付こうとするのを逆に受け止めるとバックフリップで大地にめり込ませる。

 

「おおっ!!?マグナさんって本当に凄いね!?」

「流石はゼットさんの師匠で出久君先輩のパートナーっすね!」

「それ程、でもありませぇぇぇん!!!」

「ナイスパス!!ディァァァァ!!!!」

 

一体のレイダーの腕を掴んだままジャイアントスィングを行って周囲のそれらを破壊していた出久、そして最後の一体となった手持ちのそれをマグナへとぶん投げるとそれに合わせるように飛んできたそれに合わせるように飛び付くと渾身のフェイスクラッシャーをぶち込んで顔どころか全身を粉砕した。

 

『おおっ!あれがあのマックスさんすら超えるっていうマグナ師匠の近接格闘術かぁ!!』

「いや本当に凄い……力も技も凄いけど、迫力が桁違いだ……」

 

相手は機械仕掛けの戦闘兵器、その筈なのにマグナが投げる度にバリスレイダーたちの動きは鈍く戸惑うように相手の動きを解析しようと躍起になっていた。それはマグナに過剰までの脅威を感じたから、仮にこれが同じ生物だったらどうなるのか。視界が二転三転する中で襲い来る激痛は蓄積し続け、畳みかね続けるマグナの攻撃が永遠と繰り返される。

 

「サーも言ってましたよ、投げるっていうのは殴る蹴りよりも技術も力もいるけどそれだけの価値があるって。最低でも自分の体重分が襲いかかる防御貫通攻撃だって」

「確かに……加えて体勢も崩せるから自分のペースに引き込める……」

『ウムムッこれはベータスマッシュに組み込む価値があるスタイルで御座いますな!!』

 

思わずゼットも鼻息を荒くしてしまう、嘗て超獣バラバが襲来した時にゼットの名付け親でもあるウルトラマンエースが言っていた。超獣は痛みから恐怖を覚えないと、それに苦戦もしたがこの戦い方はそうであっても通用するのではと思わせた。出久と出会ってからは合わせたりワン・フォー・オールとの兼ね合いもあったので余りメインにはしていなかったが事実として相手を投げるというのはマグナの基本的な戦闘スタイルになる。

 

「さてっ行こうか奥へ」

「押忍!!」

「はいっ!!」

「了解です!!」

 

僅か1分で50数機のバリスレイダーを全滅させると奥へと踏み込んでいく―――がそこにあったのは無残に踏みにじられたような屋敷跡。嘗てあった生活の香りすら台無しにするような荒らされ、侵され、破壊され尽くされた光景に思わずハルキも顔を顰める中で腰にあったベリアロクが独りでに飛び上がると壁を一閃した。

 

『隠そうとしても無駄だ』

 

一閃された壁の奥からは地下へと通ずる階段が露出した、その奥から波動を強く感じると呟くベリアロクの言葉を裏付けするかのように新たなバリスレイダーが此方へと迫ってきた。

 

「如何やら当たりらしい」

「みたいだね!!それじゃあ行くぞぉ!!」

「押忍!!」

 

 

―――高まってくる、鼓動が早くなっていく。

 

「ゼット君、感じるね」

『―――はい、こいつが……ベリアルメダルの波動……!』

 

一歩歩みを進めるごとに感じる不安はそれだけ不安定、だが同時にそのポテンシャルを感じさせる。ウルトラマンベリアルのメダル、アウローラの語りでは不安定故に強力な怪獣との組み合わせでしか使えない物。欠陥品というしかないだろうが―――逆に力の上限がないのでは……という不安を掻き立てられる。迫りくる戦闘兵を薙ぎ倒しながら奥へと進む―――

 

「おい大丈夫か!?しっかり!!」

「―――……」

「大丈夫、意識を失ってるだけで死んじゃいない」

「でもこの人たちって……」

 

そこにあったのはペストマスクを付けている者達、着けていない者もいるがその全てが血だまりの中に倒れていた。死んでこそいないがこのまま放置すれば確実に死ぬため、マグナが止血処置の為にヒーリングパルスを発射し安静にさせる。そして奥へと踏み込むとそこには―――

 

「っ―――」

「ああ漸く来たか……待ったぞっウルトラマン!!」

 

一人の男の胸を抉り飛ばし、四散した血の華の奥で焼け爛れた顔で獰猛な笑みを浮かべているキリエル人の姿があった。間に合わず死に絶えた男の奥……小さな少女が震え絶望に脅える、それを不快に感じたのかキリエル人は火炎を飛ばすがそれから守るようにミリオがその少女を救い上げ、出久がそれに合わせるように火炎を消し去る。

 

「っ……」

「もう大丈夫だよ、だって俺達が守るからね!!」

 

その時、ミリオの言葉を受けた少女はその鼓動と体温、暖かな言葉に目を見開きながら僅かに震えが収まる。そんな少女を守らんとマグナとハルキが前に出た。それを見るとキリエル人はその手に黒と赤、そして紫に色に染まっているゼットライザーを握りながら凶悪そうな笑みを溢しながらその姿をキリエロイドへと変じさせた。

 

「ギュリィィィ!!!」

 

「来るなら来るがいい、行くぞハルキ君にゼット君」

「押忍!!!」

『ウッシャァッ!!ウルトラ暴れてやりますよ!!』

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