緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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うん、やり過ぎた。


超決戦と悪夢の終わり。

その日、PLUSはウルトラマン達と並び立ったのだ。大地に立つ悪魔が生み出した巨大な怪獣、それに相対するウルトラマンと肩を並べたMt.レディ。それはどれ程までに大きな進歩だった事だろうか、そしてウルトラマン達は―――一気に駆け出しながらそれぞれが標的と定めた怪獣へと向かって行った。

 

「シュォ!!」

「チャァッ!!」

 

ゼットとティガ、キリエロイドへ。

 

「ダァッ!!」

「ヤァッ!!」

 

ダイナとMt.レディ、グランドキングへ。

 

「デュォッ!!!」

「タァァッ!!!」

 

そして、マグナとガイアがキングオブモンスへ。

 

 

 

 

「取り敢えず宜しくお願いしますねマグナ様のお仲間のウルトラマンさん!!お名前は存じ上げませんけど!!」

「フッ!!ディア!!!」

 

新型のモンスアーマー、酷くゴツく重厚なアーマーだがその分出せるパワーが大きいのかグランドキングへとぶつかったダイナと共に繰り出した一撃が火花を纏う。

 

「流石パワー特化型のアーマーね、その分重いけど……」

「ギュラァァァァァァ……!!!」

「やばっ!!」

 

巨大なクローに両腕でガードを固める、爆発でも起きたかのような衝撃と音が響き渡るがそれを受けたMt.レディは歯を食いしばり、地面に足が埋まる程に踏みしめてこそいるがグランドキングの攻撃を耐え抜いていた。

 

「ヌググググッ……!!舐めんじゃ無いわよ、伊達にマグナ様に憧れてるんじゃないのよ……!!!あの人の役に立ちたい一心で私はっ……!!」

「ォォォォディアアアア!!!」

 

Mt.レディへと差し向けている腕へと放たれたアッパー、それはグランドキングのクローを大きく弾き飛ばしながら続けて懐へと鋭い一撃が炸裂するがびくともせずに逆にダイナへとクローが炸裂し吹き飛ばされてしまう。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

後ろに引きながらも手を貸すと直ぐに立ち上がりながらもサムズアップで無事だとアピールしてくる。安心するが自分の中で勝手に描いていた神秘性に溢れるウルトラマン像が変化した音が聞こえてきた、好意的なものを覚えるがなんだか実に人間っぽい……ウルトラマンも矢張り性格的な物があるのかと思っているとダイナは両腕を胸の前で組んだ。

 

「ゥゥゥゥッッ……ディァァァアアアアアア!!!」

「か、身体の色が……!!」

 

頭部の宝石が輝いたと思ったら直後にダイナの姿が大きく変貌した、全身が赤く変化すると共にその肉体も筋骨隆々としたものへと変化した。ウルトラマンダイナ・ストロングタイプ。

 

「ギュラアアア!!」

「ハァッ!!!ウウウッディアアア!!!」

 

再度懐に飛び込むが今度は両腕が一気に振り下ろされる、あれを受けたら流石に不味いと思って助けに入ろうとするMt.レディ。だがその必要はなかったのだ、巨大なクローを両腕で受け止めながら逆に力でそれを弾き飛ばしてしまった。お返しだと言わんばかりに腹部へと光と炎を纏わせた拳を叩きつけた、僅かだが巨体が浮く程の威力に後退させる程のそれに思わず呆然とするが直ぐに笑みを浮かべた。

 

「流石マグナ様のお仲間……ウルトラダイナミックって奴ね!!私も続くわ!!サイバァァッウェイブクロォォォ!!」

 

ダイナの一撃によって僅かだが装甲に綻びが生じしている、そこへと狙いを付けながら右手のクローの機能を発動する。エネルギーを纏いながら超振動を開始したそれで装甲に爪を立てる。すると振動の効果と装甲の綻びの相乗効果で腹の装甲に罅が入り始めた。

 

「ッシャアオラァッ!!このままいきましょう!!」

「ディアッ!!」

 

 

「チャァッ!!」

「ジュリィルァァァァ!!!」

「シュア!!シュォッ!!」

 

キリエロイドとぶつかり合うのはティガとゼット、その身体がキングオブモンスとグランドキングという怪獣は分離しており残っているのはファイブキングという訳ではない。各部の特徴は残っている、弱体化している訳ではないが、ティガはキリエロイドの攻撃の殆どを完璧に防御しつつ捌いている。巧みな防御、そして其処を掻い潜るかのように変幻自在の光がキリエロイドへと炸裂していく。

 

「ディッ……シュワォ!!」

 

無数のカード上の光線、巨大な光輪から矢のように光を降り注がせる、光の槍を放つなどガンマフューチャーの長所を存分に生かすように戦い続けるゼット。それをアシストするようにタッグの長所が100%活かせるように戦っているティガ。

 

「フッ!!」

「ギュリッリリリイ!!!」

「ンンッッッ……ハッ!!!」

 

額のクリスタルの前で腕を交差させ振り抜くとティガの身体が青く染まった姿へと変貌する、その行いを見たキリエロイドはさせるかと言わんばかりの火炎弾を放つが寸での所で変貌を遂げたティガは一瞬で空へと飛びあがるとそこから光弾を放った。ウルトラマンティガ・スカイタイプ。憎しみに染まり切ったキリエロイド、ティガを追うように空へと火炎を連発する中でそれを潜り抜けるようにしながらも青白い光線が放たれそれが翼へと直撃する―――それを受けた翼は一気に凍結していく。

 

「シュワァッ……ォォォォォォッ!!」

『『ゼスティウムドライブ……!』』

 

屈みながらも頭部へと集めた赤と青のエネルギー、それを光鞭へと変化させ腕を振るいながらキリエロイドへとぶつけた。肉体を切り裂きながらも正確に完全に凍結した翼を切り裂き落とし、激痛に叫ぶキリエロイドへとティガが上空から蹴り付ける様にしながら着地する。

 

『流石はティガ先輩、相手が自分に恨みを持ってるって分かってて誘導してくれてるぜ!!』

『押忍!!凄いこれがティガ先輩!!』

 

 

「ディァ!!」

「ツォッ!!」

「グララララァァァァ!!!」

 

そして最後の一体、キングオブモンスとの戦闘を行うガイアとマグナ。互いに一度視線を合わせると頷き合い、共にキングオブモンスへと飛び掛かって行く。グランドキングにも負けぬ巨大な怪獣に全く怯まぬ二人、叫びながら無理矢理にそれを振り解こうとそれにも拮抗する巨人らに腹部の牙のような棘を伸ばし突き刺そうとするが、両者は全く同時にそれを掴んだ。

 

「「デュォ!ダァァ!!」」

 

手刀で棘を同時に破壊されるとキングオブモンスはその痛みからか僅かに退いた、そこへ更に同時の重々しいパンチが炸裂する。

 

『あのガイアと共闘っ……フフフッ年甲斐も無く興奮するな、不甲斐ない所は見せられんぞ出久君!!!』

『凄い楽しそうですねマグナさん!なら僕だって相棒として頑張らない訳には行かないですよね!!』

 

「グララララァァァァ!!!!」

 

咄嗟にマグナが前に出る。ほぼ同時にキングオブモンスの口部から赤い破壊光線(クレメントビーム)が迸る、それを受け流すとガイアは肩を借りるようにしながら跳躍すると頭部を蹴りつけた。爆発を起こしながら倒れこむキングオブモンス、だが再び光線を発射しようとするのを見ると透かさずエネルギーをチャージした。

 

「ォォッ!!デュオッ!!」

 

右腕から赤い光線、クァンタムストリームを発射して対抗。一歩も譲らぬ打ち合いが続くが即時発射では分が悪かったのだろうか徐々に押されて行くガイア。そこへマグナがスペシウム光線を発射で加勢する。一気にクレメントビームを押し返し頭部を爆発させるが逆に怒りを買ったのか狂ったように叫びだし、突進してくる。巨体からのパワーもあり、思わず声が出るが完全に冷静さを欠かす事が出来たのは大きな理。

 

『デュオッ!!ォォォッッッ!!!』

 

ガイアが変わる、赤い姿が青く胸だけにあった黒いラインが肩にも表れ、銀色のラインも身体を走っている。何より一番目を引くのはその筋骨隆々たる姿、ダイナのストロングタイプをも凌駕するような姿に驚きを隠せない。それこそがガイアの最強形態、スプリームヴァージョン。それを見たマグナと出久は共に力を開放しウルトラ・フォー・オールへと変化し並び立った。

 

「「オオォォッ!!!」」

 

向かってくる所に共に一撃を浴びせる、そしてそのまま両サイドに回り込むと腰を落とし腕に力を籠め―――

 

「「タァァァァッッ!!!」」

「グラァァァアアアアッッ!!?」

 

グランドキングにも負けない程に巨大なキングオブモンスの身体が宙を一回転して大地へと叩きつけられた。だがそれだけでは終わらない、立ち上がろうとする所へダブルアッパーを決めて浮き上がらせるとそのまま持ち上げると背中から叩き落とす。

 

「デュッ!!」

「ディァァァァッッ……ダァッ!!」

 

苦しみもがく姿を見ながらも容赦など一切しない、足を掴むと一気に持ち上げながら大地へと叩きつける。既にヘロヘロになりつつあるがマグナとガイアの攻撃は終わらない、今度は完全にキングオブモンスを持ち上げてしまうとそのままぶん投げた。最早投げるというよりも地球そのもので殴りつけているかのような攻撃にキングオブモンスはもう立てなくなってしまう程の大ダメージを被った上に目も回っているのかフラフラとしている。

 

『これで決める!!』

『はいっ!!』

 

胸の宝石が輝きだした時、ガイアも同じ事を考えていたのだろう。彼の胸のライフゲージが一際大きな輝きを放った、光の奔流が溢れ出るのを収束させながらもまるで合掌するかのように手を合わせる、そこから手をずらす事で放たれるガイア最強にして最大の光線―――フォトンストリームが放たれる。

 

「ディァ!!ォォォォォォォッデュオッ!!!!」

「シェァッ!!ォォォォォッッ……ディアァァァア!!!!」

 

ガイアとマグナの最強光線、それらは一つになりながらも一気にキングオブモンスへと照射されていく。既にフラフラではあったがその危機を察知したのか翼からシールドを展開するが一瞬たりとも受け止める事も出来ぬまま、まるで素通りするかのように光線は炸裂した。そして―――キングオブモンスの肉体はその負荷に僅かでも耐えきる事が出来ぬまま全身が粉々になるように爆発していった。

 

 

「こっちも決めるわよっ!!パスお願いします!!」

「フッ!!ディアアアアアア!!!」

「グガァァァァッッ!!」

 

名が示す通りのダイナミックな戦いを繰り広げるダイナ、Mt.レディのサポートがあると言っても殆ど一人でグランドキングと相対している。そしてそのダイナは胸部へと重々しいナックルをブチ当てて後退りさせた、そこへ走り込みながらもモンスアーマーの出力を最大まで引き上げた。青白い光がアーマー全体から溢れてくると同時に身体に大きな衝撃が飛んでくる、まるで生身の身体を金属バットで殴られ続けるような衝撃が突き抜ける中でMt.レディは不敵に笑い続ける。

 

「喰らいなさいっ―――サイバー超振動波ぁぁぁぁぁ!!!」

 

全身にかかる負荷など知った事かと言わんばかりに炸裂させる必殺の一撃、エネルギーと共に放たれる振動波は強固な筈のグランドキングの装甲を揺るがしていく。そしてそれが亀裂へと到達すると一気に突き崩していく。

 

「今よっ!!」

「ゥゥゥッディァアア!!ディアアッ!!!!」

 

ストロングタイプから元の姿、フラッシュタイプへと変化するとまるでスペシウム光線のような構えを取った。だがそれはスペシウム光線ではない、ダイナの必殺光線であるソルジェント光線。真っ直ぐと超振動波によって生まれた瓦解した装甲、その奥へと光線が届いて行く。そのエネルギーが飽和したように広がりオレンジの光の輪が生まれた直後、それが収束していくと遂にグランドキングが大爆発を起こして消滅した。それを見届けるとMt.レディは思わず尻もちをついてしまう。

 

「やっぱり、ウルトラマン様と一緒に戦うには、まだまだって感じね私ったら……」

 

 

「ギュリィィィ!!?グヤァァァアアアアアビャアアアアア!!!」

 

突然すぎる事だった、ティガはパワータイプになりキリエロイドと真っ向から戦っていた時に突然苦しみ始めたのだ。そして身体の各部が大爆発を起こしながら破損しボロボロになっていた。グランドキングとキングオブモンスのパーツが無くなり最早その身に纏うのはファイブキングの物だけとなってしまった。それを好機と捉えたのかティガは素早くマルチタイプへとタイプチェンジ、そしてゼットと並び立つ。

 

『よし決めるぞハルキ!!』

『押忍!!!』

『『ゼスティウム光線!!!』』

 

「フッ!!ゥァァァァァ……ハァッ!!!」

 

腕を前へと出すティガ、それを水平と開きながらも周囲から光がティガへと集まって行く。カラータイマーへと集った光、それを腕へと集めるようにしながらそれを一気に放出し相手へと放つ光線、ティガの代名詞とも言える必殺光線、ゼペリオン光線とゼットのゼスティウム光線がともに放たれていく。

 

「ギュリラアアアアアッッ!!!!!?」

 

光線を受けたキリエロイド、絶叫を上げながらも未だに恨みと憎悪の力で前へと進みティガを倒そうとする。だがティガは屈する事も無く更に光線を強くした、それを受け続けると身体の各部がまるで光の粒子へと変換されていくかのように崩れて行く、徐々に腕が無くなり身体にもそれが及ぼうとした時にキリエロイドは大爆発を起こした。まるで光になどならないというかのように……。

 

『お疲れ様ゼット君、ハルキ君』

『押忍マグナ師匠!!』

『如何ですか師匠俺だってなかなかやるでしょう!?』

『そうやって調子に乗らないの』

 

調子のいい弟子を諫めながらもマグナは力を貸してくれた御三方に感謝を示した。彼らはウルトラメダル、ゼットに力を貸してくれていた物であり本当に彼らではない。そこに自分が力を注いだことで一時的に戦ってくれた存在、それでもマグナは心の底から嬉しかったのだ。自分にウルトラマンという憧れをくれた始まりの光の巨人達、その三人と戦えた事を。

 

感謝を告げると三人のウルトラマンは小さく頷いてくれた。ティガは落ち着き払った紳士のような対応を。ダイナは何処か元気溢れる少年のように。ガイアはそれを見て少し笑うかのようにしながらも力強く肩を叩いてくれた。そして三人は光となってゼットと一体となっていった、自分はきっと今日という日を忘れないだろう。偉大な御三家と戦えた事を―――そして

 

「シュォッ」

「マ、マグナ様ぁっ……!!お、お手を貸し下さるなど畏れ多く……!!ご一緒に戦えて光栄でした!!」

「デュォ!?」

 

一緒に戦ってくれたMt.レディに手を差し出す、彼女にもお世話になったからお礼を込めてのつもりだったが畏れ多いと自分で速やかに立たれてしまった。ならばと握手を求めようとしたのだが逆にお礼を言われてしまう―――のはいいのだが思いっきりお辞儀された勢いで頭突きになってしまった。

 

『うわっなんかヨウコ先輩を思い出します俺……』

『あの時地味に痛かったで御座るよ……』

 

 

「ああっ申し訳御座いません!?私なんて事を……ふぁっ……」

「シュォッ……」

 

顔を真っ青にして焦る彼女に大丈夫だからという意味を込めて優しく頭を撫でる。出来るだけ優しく甘く、突然の事に処理が出来ないのかマグナを見つめ続けるMt.レディ。そして最後に有難うと言いたげに頷くとゼットと並び立って―――

 

「シュワッチ!!!」「デュオッ!!」

 

空にZの軌跡を残しながら彼方へと消えていったのであった。それを彼女は見送り続けながらも最後に頭の感触をもう一度確かめ、先程の事を思い出す。

 

「ふぁっ……私、マグナ様にいい子いい子されちゃった……ふぇぇぇぇっっっ……」

 

嬉しさのキャパが越えてしまったのかMt.レディは元のサイズに戻りながら倒れこみ、気を失ってしまったので発目に回収されたとの事。




「流石に頭撫でるのは女性に対して失礼だったかな……」
「大丈夫だと思いますよ。だってMt.レディ、マグナさんにベタ惚れじゃないですか」
「……カトレア王女との一件もあるのに女性絡みの問題がまた増えるなんて……」


『あの子ズルいぃぃぃぃぃぃ!!!僕だってマグナになでなでされたいのにぃぃぃぃ!!!』
『はいはい、全くマグナさんの事になると直ぐにこれだよ……』
『こうなったら光の国に戻ったらヒカリ先生の技術でもう一つ命を貰うしか……!!』
『おいおい……というか貰っても身体って戻るのかい?アンタの身体は消滅しちゃってるし時間が経ちすぎてて無理なんじゃないかい?』
『……そこ考えてなかったよぉォぉ!!?駄目だったらどうしよう菜奈さん!?カトレア王女にマグナとられちゃう!?』
『いやアタシに言われてもなぁ……』 
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