緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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辛くなっていくこれから。

「そう、この時に起きた事は未だに語り継がれる程だ。ウルトラマン、セブン、ジャック、ゾフィー隊長を磔にされてしまった。そこへ駆けつけたのがエースという訳さ。だがエースキラーも侮れない強さを誇る、あの4兄弟からエネルギーと共に必殺技をコピーしてしまっていた。そんな状況でもエースは―――」

「マグナさんもう頭がパンクしそうなんですが……」

「ではもう一回ヒーリングパルスいっとくかな、そうすればスッキリするよ」

「お願いですから普通に休ませてください……」

 

キリエロイドとの戦闘終了から約5時間が経過しようとしているがその間ぶっ続けでマグナによるウルトラマン戦いの歴史の講義が行われ続けていた。マン兄さんの活躍から始まり、怪獣の解説や対応策、宇宙人の謀略などなど……様々な講義が行われている訳だが……出久ですら音を上げる程の余りにも濃い内容が続いており、本気で休ませてほしいと懇願する程だった。今はマグナ曰くエースの章、第14節「銀河に散った5つの星」を語っている途中。

 

「先程のやる気は何処に行ったんだい?ウルトラ兄弟の活躍はこんなものではないんだけど」

「―――分割でお願いします……」

「全くしょうがないな……小休止という事で1時間休憩にしよう」

 

その言葉と共に出久は倒れこむようにしながら気絶、いや眠ってしまった。キリエロイドでの疲労は自分が全て肩代わりしていた筈だが……流石に詰め込み過ぎただろうか。今の自分ではなく以前の自分の血が騒いでしまっているのだろう……もう気分が乗りまくってしょうがない。

 

「最早布教と変わらないな……うぅむあれだな、ライダーシリーズ信者に熱く語った以来かもしれないな」

 

ライダーこそ至高!!と言ってきたのでそれに猛反発して此方も全力で良さを語った、結果として相手をウルトラシリーズ信者にもする事に成功していた。因みに自分は特撮全般イケる口だった。まさかマグナの身でこんな事をするとは思ってもみなかった、ある意味第三者的な立場である出久相手だからこそここまで語れるのだろう。故に熱くなってしまったのかもしれない、反省しなければ……。

 

「だがエースさんだからこそよく聞いて感じて欲しいな、あの言葉の重みを受け取って欲しい」

 

そう思いながら一度部屋を出る事にする、後で続きを詰め込む事になるのだから今ぐらいはゆっくり出久を休ませる事にしよう。それに―――自分がこの星を去った後は彼が中心となってこの地球を守るのだ、その為の力となる知識を授けるのだから妥協はしない。そうだついでに同じく犠牲者が居た方が出久も気が楽になるだろうし師として動かなければ。

 

「(ゼット君聞こえるかい)」

『うぇっ!?マグナ師匠何でございますでありんしょうか?!』

「(だから君のその日本語一体どうなってんのよ、まあいいけど……1時間後に出久の部屋に来なさい。君にもウルトラ兄弟の歴史についての講義を受けて貰うよ。後ハルキ君は良いから君だけでね、それぐらいは出来るだろう)」

『いやまあ出来ますけど講義!!?俺そっち系苦手なんですけど!!?いやまあマグナ師匠のそれはゼロ師匠のより断然分かりやすいですけど……』

「(……文句は言わない、今はエースさんについてやってるから途中でいいから参加しなさい。私の弟子であるからにはある程度それらしさを望むからね)」

『エ、エース兄さんについてですか!!?絶対行きます!!!』

 

とそこで切れてしまった。ゼットが座学を苦手としているのは知っていたが此処まで喰いつくのは意外だった、エースに関する事だからだろうか。彼とエースは何か関係があるのだろうか……尊敬しているとかだろうか。まあこれで犠牲者を確保、出久の気も楽になるだろう。ついでにそちらの確認にもなるだろうから一石二鳥になる。

 

「しかし私が師匠か……実感、無いなぁ」

 

そんな言葉を呟きながらも適当に時間を潰しておきながら部屋へと戻る、前に発目の下によって適当なタブレットなどが無いかと尋ねると趣味と気分転換で作った物がたくさんあるから持って行って貰って構わないと幾つか貰うのであった。

 

「素直に助かるよ、出久君の勉強に使おうと思ってね」

「ほうほうっそういう使用用途でしたか、全面タッチスクリーンになってますのでノート代わりにもなりますからご自由にどうぞ」

「有難う、それで……彼女は如何したんだい?」

 

発目の研究室でタブレットを受け取っているとその中でずっと何もない所を頬を赤らめながら蕩けた顔で見つめ続けているMt.レディの姿があった。此処に来てからずっとそのままだったので好い加減気になってきた。すると発目は少々悪い顔をしながら話してくれる。

 

「ゴモラアーマーの使用感を聞こうとしてたんですけどね、ウルトラマンに頭撫でられた事が相当に利いてるみたいで……ホラッ顔が笑ってるでしょ」

「……あのままでいいのかい?」

「後でも聞けますから今はデータ解析して待ってるんですよ。まあ随分と時間かかりそうですけど」

「アハハハッ……それじゃあ私は行くね」

 

含みのある顔をしている発目から逃げるようにマグナは撤退を決定した。出久へと部屋へと戻りながらも拙かったかなと反省する。

 

「女性経験ないのがまさかこんな所でも来るなんて……カトレア王女の事を考えると気が重い……よし、絶対光の国に戻ったら同僚全員に王族紹介したる。今に見ていろ私にお相手が出来たけど自分がいいやと思っている友人達、それに私に相手が出来たと知られているだろうから上司も皆に相手を推すはずだしな」

 

尚、実際に光の国ではマグナとカトレアが結ばれた為にある種のカップルブームが起き始めておりまだ結婚を考えていない者にもその手が迫ろうとしていた。そこにマグナのそれは更にそれを加速させる事となる。

 

「……マックス、もしかして君もかい」

「もしかしなくてもそうさ、それはネオスもだろう」

「うん……まだ僕は結婚なんて考えてもいないのに……マグナが身を固めたんだからって推されるんだ……」

「……彼の事を笑っている場合ではなかったな」

「全くその通り……」

 

と苦悩する者からはむごい追い打ちとなる事をマグナはまだ知らない。

 

 

「さて続きと行こう。ゼット君、君にはテスト代わりに受けて貰うから覚悟するように」

『の、望むところで御座いますよぉ!!?』

「ゼットさん声、声上がってます。後マグナ師匠、俺も見聞を深める為にも参加させて頂きます!!」

「ええその辺りはどうぞ、でも無理はなさらないように」

「それ僕にも言って欲しいなぁ……」

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