緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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ウルトラ戦記。

「あの、マグナさん緑谷少年に何があったんですか……?」

「いえ私の相棒として立派になりたいと言うので講義をしてただけですよ?」

「講義でこんな事は起こりませんよ!?」

 

出久の毎日は基本的に自分に割り与えられている部屋で過ごしつつも発目の制御役兼モンスアーマーのテストを絡めて訓練、最近ではハルキとの組手なども含まれている。そしてそこに新たなノルマとして追加されたのがマグナによるウルトラマンの戦歴史……なのだが

 

「現代において出現が危険視される怪獣の代表格はアントラーでありその理由としては移動が地中を掘り進むのでライフラインの切断が上げられる。がそれ以上に危険のがアントラーが発射する磁力光線でありそれはあらゆる金属を引き寄せてしまう。それはウルトラマンですら例外ではなく引き寄せられてしまうのでその対応策として最も有効なのが金属を使用しない対怪獣災害想定コスチュームだがその場合―――も、もうだめ……」

「し、確りするんだ緑谷少年!!!?」

 

頭から湯気を出して倒れこむように崩れ落ちてしまった出久に対して途中から参加したのにも拘らずケロッとしているナイトアイ、復習やテストという意味合いを含めて出久には様々な問題を出していたが……如何やら詰め込み過ぎたらしい。因みにハルキとゼットはレギオノイドの運用試験の為に席を外している。その席にナイトアイは滑り込んだ。

 

「もう駄目です……凄い興味深いですけど情報量がえぐすぎて記憶と整理が追い付きませっ……(ガクッ)」

「緑谷少年んんんんッ!!?!?」

 

「フムッ少々詰め込み過ぎましたかね」

「まあ少年という事も考えれば妥当でしょうな。それでマグナさん、私としてお聞きしたいのはこのババルウ星人についてなのですが……先程のお話ではかなり高度な変身能力があるとか」

「ええっウルトラマンレオの実弟であるアストラに化けて地球と光の国を衝突させようとした位にとんでもない奴です」

「それは、何とも……!!」

「ただし本人の戦闘力は低めなのが救いですね」

「ほほうっ……矢張りラグドールには協力要請を仰ぐべきでしょうか……」

 

「えっそんな直ぐに話題転換できる程度の事ではないでしょう特にマグナさん!?」

 

 

「あ、甘いものが頭に染みる……」

「やれやれっ情けない、そんな事でマグナさんのパートナーが務まるのか」

「いやいやいや今回ばかりはマグナさんのペース配分に問題があったんだよ!?流石に君と同列にしちゃいけないでしょ!?」

「面目ない」

 

差し入れとしてオールマイトが持って来てくれたお菓子を食べながら休憩を挟む。出久も出久でヒーローオタクとして様々なヒーローの知識や個性の活用などを心得ているつもりだったがそれを易々とオーバーするウルトラマンの戦いの歴史にややげんなりしながらもチョコを頬張る。

 

「しかしそれだけの歴史があるなんて……私も聞いた方が良いかもしれないな」

「是非聞くべきです、これ程までに心が躍るだけではなくこれからの地球に必要不可欠な情報を惜しみなく教えてくださる方などこれ以降現れないでしょう!!」

「わ、分かったから迫らないでくれナイトアイ!?」

 

完全に少年の瞳と顔になっている元サイドキックにやや引いているオールマイト、出久にとっては新鮮な光景である。

 

「といってもこれも地球などにおける戦いなどに限定していますからかなり端折ってますからね、それ以外もいれちゃうと正しく何万年分の物になっちゃいますからね。ウルトラ兄弟が活躍した時代だけでも相当ありますよ」

 

レオの章が先程漸く終わった所だった。内容としても悲しく、辛い物だった故に出久には大きなダメージがあった。ある意味尤も熾烈で厳しい戦いを重ねてきた時代とも言える。他にも所謂海外勢とも言えるウルトラマンやアニメ勢(ジョーニアス)もある上にそこから更に平成ウルトラマンや令和に続くのでまだまだ講義は終わらないのである。出久からすれば死刑宣告に近いだろうが流石にそれを一気に詰め込む訳ではない―――

 

「流石にウルトラ兄弟と違う次元のウルトラマンは分けるから安心していいよ出久君」

「ち、因みにどんな感じに……?」

「レオの次の80、そしてメビウスで一旦打ち止め、その後にジョーニアス、グレートとパワードで―――」

 

ああ、まだまだ続くんだという事を悟ったような顔になった出久とまだまだ続くんだな!!と顔を輝かせるナイトアイという酷く対照的なそれを呆れた顔を作るオールマイト、この先のスケジュールを考えるマグナ。

 

「それで壊理ちゃんでしたか、彼女の方は如何でしょうか」

「彼女の方ですが今の所順調に回復しています、長期間監禁されていた事による栄養失調はありませんでしたが食が細い上に行われていた事ゆえに余り物を食べていなかったようです」

「壊理ちゃん……」

 

だがそれでも壊理は回復傾向にあるらしい。治崎が進めていた狂気的な計画、個性を無くすことを目的としたそれは奇しくも怪獣の出現によって消極的な物へと転換され大幅な見直しと変更を余儀なくされていた段階との事。それでも彼女の個性が余りにも希少であり有用であった為に監禁していたとの事。

 

「それで治崎氏からキリエル人との繋がりは聞き出せたでしょうか」

 

壊理の事も気になるがそれ以上に気になったのはキリエル人との繋がり、何故あの場にキリエル人が居たのかという事である。それについても治崎は条件を付けながらも情報提供に応じてくれている。が、得られた物は多くは無い。

 

「壊理ちゃんとの個性、それと組み合わせる事で新たな勢力を展開する手伝いとしてとある人物から推薦されたと……それがあの宗教という話です」

「それでそれを推薦した者、というのは」

 

キリエル人についてはある程度分かる、ティガの劇中でも同じような事をしていた。恐らく望んでいたのはウルトラマンへの復讐、そして同胞の来訪……と言う所だろうか。だが問題なのは誰がキリエル人を死穢八斎會へと近づけたのか、誰がそれを仲介を行ったのかという事になる。

 

「常に身体と顔を隠したうえに声も常に変化し続けていたので何とも言えないとの事です」

「そうですか……」

「手掛かりなし、しかし逆に危険だな。ヴィランに宇宙人を斡旋する謎の存在か……」

「ヴィランによる被害の深刻化、それも懸念されますね。ヒーローとの連携をPLUSも強めるとしましょう」

 

何かもが謎の存在がキリエル人を招いた、それだけではアウローラと断定する事は出来ないし出来たとしても探す手段も無い。自分も何か考えておかなければならないだろう、この地球を守る為に。その為にまずはこの地球に自分が大好きで尊敬するウルトラマンの想いを残そうと思う、それは種となって何れ大きな華となると信じている。

 

「さてそれじゃあそろそろ続きを始めるかい出久君。次は80だね、彼は地球で中学校の先生をやっていたんだ」

「えっウルトラマンが先生をやってたんですか!?」

「あの、マグナさん私も聞いていいですか凄い興味深いので!」

「聞くべきですオールマイト、貴方の指導力の改善にも繋がるかもしれない」

「ガハッ!!」

「ヒーリングパルス一本目行きますね」




尚、エースの章中にゼットが

『流石エース兄さん!!俺ってばあんな人に名付け親になって貰えて凄い幸せだなぁ!!』

と言ったのでマグナが凄い顔をしながらそれについて激しく問いただしたのは別のお話。
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