緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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進められる準備。

発目の文化祭での出し物への協力を了承した出久やマグナ、早速と言わんばかりにその作業に追われる事になる。と言っても出久が行う作業は基本的に普段通りと似たような物、標的として出す怪獣の元となる動きのデータを取る為に発目が適当に作った怪獣を模したスーツを着て動いてみせるという作業。今までのスーツの実験体とやってる事は同じだなぁと思いながらも、実際に怪獣と戦った身としてはこんな感じの動きもしてたからなぁと言った物も織り交ぜておく。

 

「ほほうこの怪獣なんて最高難易度のボスにピッタリかもしれませんね、怪獣らしい怪獣って言い方も可笑しいかもしれませんけどなんかこう、伝わりますよね!?」

「伝わるから大丈夫大丈夫。オーソドックスな怪獣のスタイルと言いたいのだろう、ある意味特殊能力持ちより純粋に強い方が厄介なケースが多いからね」

 

そんな怪獣役(スーツアクター)を行っている出久を見つめつつもその相棒たるマグナは発目の隣の席に着きながら一体どんな怪獣を出すべきなのかという選定を行おうとしていた。単なるシミュレーターのターゲットと言ってしまうのは簡単な事なのだが、その相手の見た目は非常に重要な所なのである。凶悪過ぎてもいけない、唯弱そうに見えてもいけないといった様々な難題があるのである。

 

「このモグルドンは如何かな、私の世界の怪獣ではないのだが」

「個人的にはこのお腹の模様とか可愛いらしい顔付とかすげぇドストライクなんですけどちょっと……何でしたら別のエリアで行う怪獣誘導の方にこれは回しましょうか」

「誘導」

「ええ、ホロボロスの一件があったじゃないですか。それで怪獣を倒すだけではなく大人しくさせて元の住処に戻したり別の場所の場所で共存を模索すると言った方向を目指しているのもPLUS内にはあるんですよ」

 

PLUSにマグナが齎した情報は非常に幅広い。ウルトラ兄弟の活躍した時代だけではなく他の世界の事も記載して新しく渡している、一番重要ととして渡したのがガイアとコスモスの世界についての事。怪獣も同じ命である事を分かって欲しいと願って渡した資料は正しく種となって根付いているのだと分かって胸が熱くなる。

 

「いやぁにしてもこのモグルドンってドッ可愛いですねぇ……こんな感じの怪獣って他にはいないんですか?」

「それならこれなんて如何だろうか、リドリアスというのだが」

「おおっこれは愛くるしい顔がたまりませんね!!」

 

発目曰く、PLUS内にも生まれている怪獣も野生動物と同じ区分で保護なども検討するべきなのではないかという意見。それを良しとするか悪しとするかというは未だに決着は着いておらず基本的にナイトアイの判断を基にしてこれから考えていく方向性らしい。それ程までに怪獣という存在はこの地球にとって衝撃的。そう言った意味でもPLUSの活動は注目を集めている。

 

「ふぅっ……こんな感じで良いの発目さん」

「えっとちょっと待ってくださいね……おおっこれはいいデータが取れてますね、いやぁマグナさんからの映像提供だけでも十分と言えるんですけどやっぱり実際の動きをトレースしたデータとは実用性に差がありますからねぇ」

「その辺りは致し方ないと思うけどね」

 

データ収集が十二分な所まで出来たのでスーツを脱ぎながら水を飲む出久、出久の動きで得られたデータはかなり大きくこれを基にして怪獣にアレンジしていくとの事。

 

「難易度はeasy normal hard ultraっという感じで区分しましょうかね」

「四段階も作るんだ」

「ええ、ナイトアイからのオーダーなんですけどこのシミュレーションを使ってスカウトを行おうとも考えているらしいので」

「成程……合理的な判断だね」

 

正しく実際の隊員と同じような動きや活動を基にして作られるシミュレーション、その内容をプロに判断して貰って判断力や動きなどを審査してスカウトをするかを決める事にするという。その為にも様々なタイプの怪獣を用意して対応力なども確認したいとの事なのでマグナに協力して貰っている。

 

「PLUSの活動を知ってもらうを兼ねつつもスカウトを兼ねる。その為の物を開発するんだから並みのクォリティなんて私のプライドが許しませんよ全く……まあだからこそ私にその指示を飛ばしたんでしょうけどね!!」

「まあ確かにナイトアイならそうするだろうね」

「巻き添えは誘導式八つ裂き光輪の如く、逃げられずに喰らい続ける訳ですね解ります」

「アハッ♪」

 

反省する気0な発目に溜息しか出ない出久であった。

 

「さてと、それじゃあ次は私の番かな。私が動くだけでいいのかい?」

「はいっウルトラマンの動きを作る為に態々御本家にお力を貸していただく、いやぁこりゃ贅沢ですなぁ!!」

「ハハハッ確かにね、それじゃあ相手は私が映像を投影しよう。リクエストあるかな」

「ゼットンでオナシャス!!」

「サラッと凄いのを出すよね……いやまあいいけどさ」

 

配置に付きながらも自分の記憶の中にあるゼットンを立体映像として出力する、人間サイズであるが確りと殴ってくるし攻撃を防ぎもするという物。これなら良いデータが取れるだろう。残念なのはゼットンの方が映像としての役に立たない点だろうか。

 

「やれやれ……発目さんももう少しぐらい加減してくれてもいいのに……」

「いやそれだと折角協力して頂いてる緑谷さんに失礼かなぁと思いまして、折角此処までやって下さるのでしたら此方も全力で応じるのが礼儀かなと思いまして」

「僕の負担を優先して考えてください……」

「でもなんだかんだ言いつつも私の力になってくれる緑谷さんの事、私好きですよ」

「それはどうも有難う御座います」

 

肩を竦めながらも受け答える、普通の出久ならばそんな言葉を言われたら顔を真っ赤にしてしまうような筈だろうが相手が発目からだろうかそれが全く起こらない。そんな反応をする出久を見て発目も酷く楽しそうに笑みを作っている。色々と振り回されているのに彼女の事は信頼しているし、辛いことも多くあるが楽しいと思えることもある。故に手伝いなども続けているのだろう。

 

「怪獣らしいフォルムをした怪獣を基本としつつも中にはいろんな特徴を持つのを織り交ぜておきましょうか、以前見たバキシムとか」

「あれって超獣でしょ、混ぜちゃっていいの?」

「良いんですよ一般の人に怪獣と超獣の見分けなんて尽きませんって!」

「いやまあそうだろうけどさ……」

「いっその事大怪獣も混ぜちゃう?」

「流石にそれはやり過ぎですって!!」

 

苦労させられているのに、楽しい。辛いのに、楽しい。そんな日常が好きだと思える自分が居る事に漸く気付いたのか、出久は思わず笑った。

 

「如何したんですか緑谷さん突然、なんですか今更ながらに私の胸をもんでおけばよかったと思ったんですか?別に言ってくだされば緑谷さんならフリーパスですけど」

「いやだから僕をなんだと……単純になんか良いなぁって思えたんだ」

「彼女をかい?」

「ほほう?これは私に脈ありとみても宜しいですね!?」

「違いますそうじゃない!!」




―――後、少しで終わる、あと少しなのに……しょうがない、勿体ないけどこれを使うとするか……ねぇマグナ、君にも手伝って貰うからね。

……っしつこいな、あと少しなんだから我慢しろって。彼の間を邪魔するなんて本当に邪魔な奴だ……本当にそろそろ消すか。
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