『ふざけた存在を送り出してくれたものだ!!アーマードダークネスにベリアルだけじゃない、この力の圧力は……EXゼットンだと!!?一体何を考えてこれを差し向けてきた!!?』
思わず声を出さずにはいられなかった。それ程の存在の出現にマグナは取り乱していた、発目には早急に引かせながら降り立つ出久とハルキは声を荒げるマグナにかつてない程の緊張感を感じずにはいられなかった。
『し、師匠、アーマードダークネスってあの暗黒の鎧ですか!?』
『ああそうだ、エンペラ星人のみがその身に纏う事を許される暗黒の鎧。唯でさえ厄介な存在になんてメダルを組み合わせるんだ!!』
暗黒魔鎧装 アーマードダークネス。嘗て光の国へと侵攻を行い
憑依という形ではあるが、アーマードダークネスを完全に支配下に置いている。ベリアルが憑依する形でその力を我が物としたのがカイザーダークネス、それが出現した怪獣のベースとなっている―――がそこに加わっているのが更にふざけている。怪獣はEXゼットン……怪獣の力が高まった末に到達する一種の到達点、EX化によって変化した怪獣の強化体。それがカイザーダークネスに融合している事は尋常ではないやばさがにじみ出している。
『出久君、言っておくがアウローラの奴との決戦以上にやばいぞ。今回ばかりは私だけで戦った方が良いかもしれない……』
「僕の身を案じてくれるのは嬉しいですけどあり得ないですよそれ」
『俺も行きますよ師匠!!あんなやばそうな奴を放っておけるわけがないですからね!!』
「全力でついていきます!!」
ハッキリ言って今回の敵はラスボス級の敵、そんな存在が相手ゆえに持っているであろう性質を無視して出久を残そうとするが案の定断れてしまった。分かっていた事だがこういう時は酷く頑固。弟子もその相棒も引いてくれるつもりはないらしい、今回ばかりは洒落にならないのだが……それ以上に頼もしく感じられている。
『分かったよ、私も腹を括ろう。行くぞ!!』
「はいっ!!」
「押忍!!」
敵は強大、だが此方とて負けない程に強かなのだ。ならばやる事は一つだとゼットライザーを手にして光へとなるのみ。
「平和を守る、勇士の闘志!!」
「宇宙拳法、秘伝の神技!!」
―――デュァッ!! ヘアァッ!! ジャッ!!
―――ヘァッ!! デュワッ!! イヤァッ!!
「ピポポポポッ……ゼッォォォットォン……」
「ディォッ!!」
「シュァッ!!」
ゆっくりと振り向きながらも鎧が軋む音、電子音をもって振り向いたカイザーゼットンは出現したウルトラマンに対して戦闘態勢を取った。その手に持つ槍、ダークネストライデントを大地へと突き立てながらも来るならば来いと言わんばかりのそれを見つける。それへと迷う事も無く向かって行くマグナとゼット、それに反応したのか―――途端にその動きが機敏になっていく。
「ォォオッ!!ダァッ!!」
「シュォッ!!!ィィィタァァァ!!!」
「ゥォォォ……ットン!!」
突き立てていた槍を短く持ち直すと迫ってくる二人の戦士の拳を見事な防御を行って行く。その僅かなやりとりでその技量を察したのか素手では危険だと判断しラムダ・ソウルブレードを手にすると突きを防御しつつも回転しながらその懐へと飛び込みながらも攻撃を加えようとする―――が
「ッ!!シュォッ!!」
咄嗟に相手を蹴って交代する。そこには暗黒の炎を生み出し迎撃の準備を行っていたカイザーゼットンの姿があった、単純に強いだけではなくその力に相応しいだけの技量を持ち合わせているという考えは間違っていなかった。
「シュォォティァ!!」
「ゼットォォン……!!」
ゼットはその手に別次元の地球にて手に入れた武器、ゼットランスアローを握り込むとやや距離を取ったまま槍から弓矢のような刃先から光弾を発射する。それを受け付ける事も無く鎧の上で光弾があっさりと弾かれるが、それらを突き破るかのように槍を突き立てる。ゼットランスアローは光弾を影にするようにしながらもカイザーゼットンへと命中、するがその絶対的な強度を誇る鎧には傷一つついていない。逆にダークネストライデントの一撃で槍が天高く舞う。
「シェエアッ!!!」
が、武器が無くなってもゼットは迷う事も無く突進した。その一撃で僅かに身動ぎをしたところで全体重を乗せたチョップを加えつつも膝蹴りを加える、僅かな手ごたえを感じつつも身を翻すと飛び込んできたゼットが渾身の飛び蹴りをブチ当てた。漸くそれでダメージが通ったのかまともに怯んだ、それを見つつも落ちてきたゼットランスアローを手に取りつつ構えを取る。
「ゼッ……ゥォォオオオトォォン……!!」
直後だった。三つ又の槍の先に暗黒の炎が灯る、黒紫色をした不気味な炎を纏いながら煌くさまは酷く不穏な雰囲気を纏う。それを一気に振り抜くとそれは炎の斬撃と成りながらマグナとゼットへと襲い掛かってきた。
『ラムダ・ドライブ!!』
『ゼットランスファイヤー!!』
向かってきたそれに対して二人は必殺技を放つ、紅蓮の炎と光の刃が暗黒火炎の斬撃と激突し大爆発を引き起こす。が、それを行いながらも二人は感じていた。カイザーゼットンの異常なまでのパワーとその技量、暗黒火炎の超出力を。そして目の前でまるでベリアルのように高笑いをする姿に一種の恐ろしさを感じずにはいられなかった。
『こいつは、全力で行くしかねぇぞハルキ!!』
『押忍、あの姿で行きましょう!!』
『出久君、私達も出し惜しみは無しだ。全力で行くぞ!!』
『はいっ!!ウルトラ・フォー・オール、解放します!!』