文化祭が近づきつつある状況にある故かスカウト目的も含まれているシミュレーションの完成が急がれている、が特に発目は急ごうとはしておらずマイペースに開発をし続けている。彼女の場合は如何にプレッシャーを掛けたとしても精神変動を起こさずに作業スピードのみを上げられるという長所が上手く働いている。それらに協力する出久とマグナ。それらと同時に特空機の実戦配備へと向けた動きも流れている中、出久は自らの鍛錬に勤しむ時間を過ごしていた、のだが……
「あいたっ!?」
「集中力が途切れている、今は君のすべきことに集中する事。怪我でもしてこれからの成長を不意にする気かい」
「すっすいません……!!」
既にウルトラ・フォー・オールの出力上限は今まで通りに掴めてきている出久、ワン・フォー・オールと同じように扱えるようになってきているが同時に跳ね上がっている出力を上げてしまうと一気に感覚が狂いかねないのでゆっくりとレベルを上げながらのフルカウルをしながらの演舞を行っている。今の所、55%での訓練を行っているが如何にも出久は何かが気になるのか集中しきれていない。
「でも、これっ……凄い、きつくてっ……!!」
「それを軽減そして慣れる為の物だからきつくて当然だよ、ほらほらっ30分したら今度は私から光弾を飛ばすからそれを躱すのも追加するんだから今のうちに慣れなさい」
「そ、そんなぁっ!!?」
スパルタにも思えるがウルトラ・フォー・オールというウルトラマンの力の一部を完全に受け継いでしまっているのだからこの位しなければ鍛錬にならなくなっている。力の制御と判断力と集中力、様々な物を付ける為にはこのレベルが適切。流石にレオが受けたセブンまで行くつもりはないのでその辺りは弁えている。マグナは師としては優れている部類ではあるのである。
「ベリアルメダルの事か気がかりかい」
「っ……はい、あの話を聞くとやっぱり、気になっちゃって……!!!」
「私とて同じだよ、だが使う時が来れば使うだけ。マックス達のメダルと同じようにね」
如何にあのメダルがあのベリアルのメダルとは言え他のメダルと別格の扱いをする必要はない。メダルはメダルなのだから、不安定故に強力なメダルとしか適合しないという欠点があるだけの事。
「まあというか現状、適合するメダルがないから結局このメダル使えないんだけどね」
「駄目じゃないですか!!?」
実際のところは不安定なメダルを安定させられる強力なメダルがないというのが実情なのである。試しにマックス達のメダルと合わせてみようとしてが全く受け付けなかったのである。最強最速の
「だから今は自分の事に集中する事、でないと光弾を八つ裂き光輪に変えちゃうぞ♪」
「笑顔で言う台詞じゃありませんよねそれ!!?絶対にやめてくださいよ!!?」
「だったら集中しなさい、でないと全周囲から合計12個の八つ裂き光輪が襲いかかる事になるよ♪」
「いやだぁぁぁぁぁぁ!!!!」
その後、出久は見事な集中力で55%でのフルカウル制御に成功したので光弾→八つ裂き光輪への変更はなかった。その代わりにその集中力ならこれクリア出来るねっという判断故か、光弾の入射角や同時に迫る数などが増してしまった。そして判断力強化の為にどれが回避不可能で防御するのが正しいのかという課題が付け加えられ、出久は別の意味で地獄を見る事になった。
「マグナさん、お疲れ様です」
「オールマイトこそ、ヒーロー業務は宜しいので?」
「ええっナイトアイからもある程度自重した方が現行ヒーローの為だと言われてしまいましたので」
出久を部屋のベッドに寝かせた後、テストエリアを見渡せる高台にて一休みをしていたマグナの下へと空から降ってきたオールマイト。マッスルフォームを解除しながらトゥルーフォームへとなりながらマグナの隣へと座り込んだ。
『さあどっからでも掛かって来いっす!!』
『それじゃあ行くわよぉっ!!』
視線の先のテストエリアではハルキが操縦するレギオノイド・フェンサーとの模擬戦を行うMt.レディの姿がある。いよいよ本格的な投入へと向けての調整が始まったのかとオールマイトは50メートル級同士の激突におおっ!!と時々声を上げたりしながらも何処か少年のような瞳を向けている。
『やるわねっだけど私だって伊達にPLUSの一員じゃないのよ、こっから上げて行くわよ!!』
『ドンと来いっす!!』
『オンドリャアアアア!!!』
「乙女が出していいのか分からない声だけど凄い迫力だ!!だがハルキさんも凄い、本当に操縦しているのかと疑いたくなる程の動き!!」
オールマイトが驚くのも無理はない。走り込んでからの飛び回し蹴りを絶妙なタイミングと出力調整を行いながら後退する事でその威力を完全に殺した完璧な防御によって機体を守り、相手の隙を突く一撃を放っている。ストレイジでは彼以上の操縦士が居たらしいが、其方がどれだけ凄いのだろうか。そんなハルキの技術に目を丸くしているとテストエリアの一部の地面がサイレンと共に開け放たれ、そこから射出用のレールが飛び出していく。そしてその直後――――轟音と共に巨大な竜がリフトアップされた。
「おおっ!!あれが、あれこそがナイトアイが胸を張っていた純地球産の特空機!!」
レギオノイド・フェンサーとカラーリングは似通っており燻銀と青がメインになっているが、白も入っている為か何処かヒロイックな印象も受ける。が、改めてみると細部はかなり異なるしサイバーゴモラと比べても変更点も大きい。安定性を確保するためなのか足はよりマッシブで逞しく、第三の足にもなる尾も太くなっている。そして各部の装甲も厚くなっている上に顔も本家よりも厳ついが精悍な物になっている。それこそが対怪獣特殊空挺機甲1号機 フェンサー・ゴモラ。ゴモラはリフトアップされ、拘束が解除されると身体を震わせながら天へと叫びをあげた。
『さぁっ私も混ぜて頂きますよぉ!!他にパイロットがいないとあっちゃ私が動かすしかないでしょう、そして私が操縦する事でその後の調整もしやすいという事これこそ合理的ィ!』
『アンタにはもう専用のファイターあるのにその上で特空機のパイロットまでやる気なの?どんだけ欲張りなのよ』
『貪欲なのは良い事ですよ、さあ行きますよハルキさん。今のフェンサー・ゴモラでどこまでレギオノイドに通用するか試させて貰います!!』
『どっからでも掛かってきていいっすよ!!』
「キシャアアアアアアアアアアアッッッ!!!!」
その雄叫びと共にゴモラはゆっくりとだが確りと大地を踏みしめながら一歩を踏み出した。その光景に待機していた整備班は思わずおおっ!!という声を上げてしまった、たった一歩だが人類の技術レベルからすれば果てしなく大きな一歩。そしてその一歩を糧にするかのようにまた一歩、そして徐々に加速していきながら突進していくゴモラにレギオノイドは腰を落としながらもそれを受け止める。
『ちょっと私も混ぜなさいよぉ!!さっきのお返しぃ!!』
『二対一っすか!?上等、やってやります!!』
「は、発目少女ぇ……あのマグナさんあれは良いんでしょうか……」
「もう突っ込んだら負けかなって思い始めてます、あの子は一体どこを目指してるんでしょうね本当に」
出久の訓練。
全方位にマグナが念力でコントロールする光弾が全12個あり、それらがそれぞれバラバラの動きをしつつも様々な角度やスピードを付けて迫ってくるのでそれらを回避する事で判断力、集中力などを付ける訓練。
角度、スピードによっては複数の光弾が同時且つ回避不能のタイミングで迫るのでどれを回避して防御するかの判断も求められる。尚、当たると痛いらしい。
「や、八つ裂き光輪じゃなくて本当に良かった……」
「大丈夫。それでも死なないように調節はするから凄い痛いで済ませるよ」
「それはそれで嫌ですよ!!?」