「さあさあいよいよ設置ですよ頑張ってくださいね緑谷さん!!」
「まあいいけどさぁ……僕も僕でクラスの方に参加したかったなぁ……」
「愚痴らない愚痴らない」
文化祭への準備が本格的へとなってきた事も踏まえ、既に開発が終わりに近づきつつあるシミュレーションの設置のために久しぶりに雄英へとやってきた発目だが懐かしむつもりも無ければ何も感じていない平常運航のまま乗ってきたトレーラーから機材をお手製のパワードスケルトンを着込みながら運搬していく。そんな彼女を見つつ出久も出久で機材を担ぎながらも自分は自分でA組の出し物に参加したかったなぁと思わず愚痴をこぼしてしまい、それを星 光士としてのマグナに窘められてしまう。
「彼女の事を考えたら君がそちらに回る事なんて分かる事だろう?」
「そりゃまあ分かりますけど……はぁっせめてグルテン博士が来れたらなぁ……」
「ファントン星人は姿を変えられるタイプではないから騒ぎになるから駄目だね、というか博士も博士で彼女に甘い所があるから抑止力としては心許ない印象だね」
解析の為に預けていたエレキングメダルのデータを勝手に流用させてサイバーエレキングアーマーを作っていた事を今だに想い続けているのか、マグナの中でもグルテン博士の評価は微妙な所になっている。個人としては地球の為になっている訳だし評価すべきだという事は分かっているのだが元文明監視員としては見過ごせない事である事に変わりはない。下手したらグルテン博士に対する処罰すら視野に入れなければいけないような事なのだから。
「ほらほらっ御二人ともお早くぅ~」
「ほらっ我らがお嬢様がお呼びだ。きりきり働くとしよう」
「マッドサイエンティストなお嬢様ですか……いや狂ったマッドサイエンティストですね発目さんは」
そんな事を呟きつつも久しぶりの雄英へと入っていく出久、雄英でも文化祭に向けての準備が進められており出店の建築やら飾りつけなどが行われている。多くの人達が行き交う光景は雄英としては珍しくは無いが、それでも何故か準備をしている光景は見ているだけで心がざわつくと思いながら荷物を運搬しシミュレーションエリアとなるグラウンドへと到着する。
「よしそれじゃあ設置始めていきましょうか、空間投影型三次元プロジェクターをセットしてからテストをしつつそこから模擬ライフルを使ったテストに移行ですかね。センサー類などもやらないといけませんし、緑谷さんこのセンサーを今から言うポイントに打ち込んでもらえませんかね」
「分かった」
地響きが起こる程の重量の機材を下ろした出久はすぐさま受け取った棒状のセンサー類を担ぎ上げるとグラウンドを駆けまわってそれを打ち込んでいく。地面に刺さるとセンサーは独りでに起動して地面へとさらに深々と自らを打ち据えながらも展開して稼働状態へと移行する。
「よ~しよしセンサー稼働率は98%を維持っと……プロジェクターとリンクさせてっと……よしこれでOKっと。緑谷さんなんか怪獣のリクエストってあります?テストで何か投影させますので」
「リクエストって言われてもなぁ……僕が知ってる怪獣なんて高が知れてるし下手に未確認の怪獣だと如何やって知ったんだってならない?」
「大丈夫ですってレギオノイドを解析した際に出てきたってことにすれば言い訳立ちますから」
そういう物なのだろうかと僅かながらに不安になる出久、ならば違和感もないだろう以前戦った怪獣であるキングオブモンスをリクエストする事にした。あれもあれで分かりやすく怪獣というビジュアルをしているという理由。それの準備へと入っていると―――
「おっ緑谷じゃん!なんか久しぶりだな」
「ケロッお久しぶりね緑谷ちゃん」
「皆、うわっ本当になんか久しぶりな気がしてる」
「それだけ濃密な日々だったって事かね」
「光士さんちわっす」
そこへ準備作業が目を引いたのかA組の皆が近づいてきた、A組はダンスホール的なライブを行う事になっているらしくその練習や演出などの準備などで忙しくしているらしい。出来る事ならば出久にも参加して欲しかったそうだがその辺りの代理も上手く作る事が出来たらしいので一安心との事。
「おやおやぁっA組の皆随分と暢気だねぇ文化祭も近いって言うのに準備もせずにいるなんて本当に良い身分だよねぇ!!」
久しぶりの再会をしているとそこへB組の物間が自分達の出し物で使う道具を運搬しながら嫌味を言ってくる。B組はB組でオリジナルリティ溢れる大スペクタクルの劇をやるらしくちょうどそれに使う龍のハリボテを持っていた。君達にはこんなもの作れないし扱えないだろうねぇ!!と嫌味を絡めてくるのだが丁度その時―――
『グラアアアアアァァァァァッッッ!!!!!』
5メートルほどのサイズのキングオブモンスが姿を現した。突然すぎる怪獣の出現に流石の物間も思考が凍り付いたのか手にしていたハリボテを地面に落としながら僅かながらに顔を青くしてしまっている。サイズこそ人間より多少大きい程度だがそれでも怪獣の威圧感という物は全く損なわれていない、その投影の出来っぷりに発目は満足気に胸を張る。
「むふぅんこれは中々にハイクオリティになってますねぇ!!いやぁ撮影した甲斐がありますねぇ!!」
「お、おい緑谷これってあの時の大怪獣じゃねぇのか!?これ何に使うんだよ!?」
「PLUSの出し物に使うんだよ、怪獣シミュレーションって言ってね」
出久が説明している最中、マグナは発目から模擬ライフルを受け取ってそれを試射しセンサーの感度具合を確かめて行く。フルオールでも問題はないのか、場所によっては感度が弱くなる事があるのか、センサーに拾われない事がないように慎重にテストを重ねて行く。
「よしっそれじゃあ次あれと殴り合ってくれません?」
「いや、あれ殴れるのかい?あれって投影されているものなんだろう」
「投影されてますけど触れられますよ。実際は唯の
「……君、ブレイクスルーしてる自覚あるかい?」