緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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メテオール、危険性。

「はぁぁぁぁぁぁ……」

 

適当な場所に腰かけたマグナは深い深い溜息を吐いてしまった。視界の中ではPLUSの出し物である怪獣シミュレーションエリアにて発目の新発明が別の意味で大暴れしている。

 

「モフモフッ……気持ちいい……」

「おやおやこれは思った以上に好感触ですねぇ。怪獣に対してマイナスイメージがもたれすぎないようにイメージアップ目的に作ったんですけど、こりゃ本格的にマスコット検討をナイトアイに具申してみてもいいかもしれませんね」

「うんっ壊理ちゃんも大喜びみたいだしきっと受けると思うよね!!」

「ウォフ?」

 

自分の話ではあるがそこまで深く理解していないのかリムホロボロスは背中に乗せている少女の相手をし続けている。モフモフで触り心地の良い毛並みにうっとりとさせつつも揺らしすぎないように配慮するようにゆっくりと歩いている。ある程度の知能までもが確りと完備されている事を伺わせるそれは益々マグナの頭痛を強める材料となっていた。本気で頭を抱えている光の巨人を見て出久と爆豪も改めて事態の深刻さを認識する。

 

「もうどうしたらいいんだよ……あの子どんだけ私の予想を飛び越えてくれたら気が済むんだよ、何私を頭痛で苦しめて倒す気かい。だったらもう君の勝ちでいいからもう勘弁して……」

「やっぱりあれ、そんだけやべぇのか……」

「僕たちから見てもあれがとんでもない事がよく分かるもんね……」

 

一人の少女を乗せたまま駆け回るリムホロボロス、その更に奥ではA組の希望者らがキングオブモンスとの模擬戦に励んでいる。発目からすればどちらからも有力なデータが得られるからよしっ!!ということなのだろうがマグナからすればこれほどまでに頭が痛い事などはない。キングオブモンスの方は辛うじて容認が出来る、特殊なプラズマの作用によって衝撃や重さを感じられる、其方はまだ良いがリムホロボロスはもう完全にアウトである。あれはもう完全にメテオールの領域に踏み込んでしまっている。

 

「なんであそこまで行けるかなぁ……確かにさぁいろいろな要因が重なっているのはわかるよ、でもなんでそこまで行っちゃうのかなぁ……GUYSでも今までの積み重ねがあったっていうのにさ……」

「フランス語か」

「確か流星って意味だったかな……」

「ああうん、まあそうなんだけどこの場合はほかの世界の防衛隊が持っていた超絶科学技術の結晶のことを指すのさ……」

 

周囲には人がおらず、寧ろ発目のほうに視線が集中していることを確認しつつそっとマグナが力を使って極薄の防音バリアを展開したうえで話をする。この場合のメテオールとは地球外生物起源的超絶科学技術を意味するMuch Extrem Technology of Extraterrestrial ORiginの略称となり、防衛チームGUYSの切り札ともいえる超技術。

 

元々のマグナの宇宙(M78スペース)の地球においてはウルトラ兄弟たちが活躍した時代を総称して怪獣頻出期とされている。その時代においてウルトラマンを含む地球外のテクノロジーや文明を起源とする兵器や戦略を総称するのがメテオール。使用すれば驚異的な力を発現できるが技術的には不安要素も多く「メテオール規約」と言う条例でその使用は厳しく制限されている程。

 

「その中でもマケット怪獣と呼ばれるものがあってね……それは1分間ではあるが疑似的ではあるが怪獣を実体化させられるんだ、能力もそのままにね」

「そりゃすげぇが……使い処難しくねえか」

「確かに……強すぎると周囲を巻き込んで大惨事になるし」

 

そう、そこがマケット怪獣の欠点でもある。疑似的とはいえほぼ完璧に怪獣を再現してしまう為に強力すぎる怪獣を実体化(リアライズ)してしまうと周囲への被害がシャレにならない事になる上に敵に操られてしまうと手が付けられなくなってしまうことも考える。故にGUYSでは強すぎる怪獣は採用されず、セブンのカプセル怪獣としても知られていたミクラスとウインダムを採用する事で市民からの理解も得ていた―――それに何処かの誰かさんのせいで電脳空間とはいえマケットゼットンが大暴れした事もあったので慎重な運用が求められる。

 

「「……」」

「あの子マジで本当に考えてるのかなぁ……今は文明監視員じゃないけど私が現役だったらもう危険な存在として目を付ける事は確実だろうね……最悪の場合はもう、ね……」

 

マグナの口からそう語られて改めてやばさが身に染みて理解出来てしまったのか二人は顔を青くしながら思わず顔を見合わせた後に発目へと目を向けてしまった。嬉々として様々なデータが取れることに関して喜びの声を上げている姿はもう見慣れている筈なのに酷く異質に映ってしまった。そして同時に発目 明という存在は別の星の人間であるマグナから見ても異常である、それは敵性のある宇宙人が彼女を狙うかもしれないことを意味している。それに気づいた出久が喉を鳴らすのだが、マグナは顔をあげながら声を出す。

 

「と言いたいところだけどそんな心配はないだろうね。彼女は彼女なりに心から地球を守るために力を尽くしてくれている、やりすぎている事は否めないけど……逆に言えば確りと手綱を握ってさえ上げればどれだけこの地球の為になるかも聡明な君達なら解るだろう?」

「そりゃ……まあな」

「そうでしょうけど……」

 

発目の科学力の恩恵を受けている身としてはその技術力の異常性はわかる、だがその全てと言ってもいい殆どが地球の為に直結している。結局の所、彼女にも正義の価値観が存在しそれに沿って行動を起こしているということである。問題はどうやってその舵取りを行うかというだけ、それが一番難しいのかもしれないが行わないといけない事なのである。

 

「頭痛いけどそのあたりは私がじっくりと話してみるとしようか」

「いいのかよそんなんで、あのイカれ女が早々変わるとも思えねぇが」

「手厳しい意見だけど正しい意見だね、でも見てみなさい」

 

そういいながら指が示す先では壊理がリムホロボロスに乗ったまま膝に新たに小さな怪獣を乗せており酷く嬉しそうにしながらもそれを抱き締めている。その光景に発目は酷く満足げにしつつも少女の笑顔を作れてよかったという安堵と歓喜の笑みを作っていた。

 

因みに発目が新たに実体化させた怪獣は二次元怪獣 ガヴァドン。怪獣ではあるもののただ寝ているだけという全くもって無害な怪獣なうえに見た目は完全にゆるキャラのそれなのでマグナも何も言わない。

 

「なんだかんだで彼女もヒーローという訳さ」

「……納得出来たような、出来ねぇようなって感じだな」

「まあうん、つまり僕が何とか舵取りしろと?」

「うん。だって私がいなくなった後にそれができるのって君だけでしょ」

「ですよねぇ~……」

 

と出久は更なる苦労が重なることにため息をつきながらもそれを自然と受けいれてしまっていた。これもまた一人前のヒーローになる為の試練、とでも思っておくとしよう……そして出来る事ならば何時かそんな日が来ない事を祈りたいと思ってしまった。

 

「(マグナさんとの別れ日、僕は……ちゃんとお別れ出来るのかな。挨拶、出来ると良いんだけど……)」

「緑谷さんに爆豪さん、折角なので二人で一緒に怪獣と戦ってもらえませんかぁ~データ取りたいので~」

「……考える時間もなしか、如何するカッちゃん」

「あの女の指示には従いたくねぇが、怪獣とやりあうのは面白そうだからな。やってやる」

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