「ギィイイイイオオオ!!!」
「ォォォォッ!!!ァァァァッ!!!!」
身軽な動きで迫りながらもドリルを突き刺そうとするそれを回避しながらも切り返されて迫るそれを肘を腕で抑える事で防御する。力勝負と一気に力が込められて行く―――がそれが頂点に達しようとする時に唐突にブリッツブロッツが右手を差し向けた。一瞬何をするのかと思ったが即座に空いた腕で差し向けられたそれを弾く。
『ッ!?マグナさん何かが手から飛び出してきてます!?』
『ええいっ十全にXサバーガの能力を扱い切っているなっ!!』
手から飛び出したのは生きる爆弾、小Xサバーガ。それはループを描きながら背後からマグナへと襲いかかろうとするのだが渾身の力でブリッツブロッツを回し逆にその身体に取りつかせていく。
「ギィイイイイイイイイイイイイイイイイ!!?」
『ハッハァッ!!自分のエネルギーを吸収されてそれを爆弾に利用される気分は如何だ!!』
振りまわされたブリッツブロッツへと付着した小Xサバーガ、それは元々組み込まれたプログラムに従うかのように組み付き吸収していく。そしてそれらは限界を超えるとそれらを起爆剤にして一気に爆発して相手にダメージを与える。何とも上手く出来た兵器だと言わざるを得ない。が爆炎から複数の影が飛び出した、それはマグナの周囲を囲む5体のブリッツブロッツ。
「「「「「ギィィッ!!!」」」」」
5体は全く同じ動きをしながらも翼を広げ、ドリルと光の剣をもって飛び掛かってくる。
「デュァッ……ォォァァァッ!!!」
マグナの周囲を残像を残すような超高速移動を繰り返しながらのヒットエンドアウェイ。徹底した高速戦闘、それはマグナの近接戦の強さを把握した故だろう。これならば攻撃を当てる事は容易ではない、これならばと。
『やるなっ……!!』
『だけど、唯速いだけ!!』
『そう、この程度で勝ったつもりならっ―――』
『『御笑い種だ!!』』
刹那、マグナの身体が輝きに包まれた直後に迫り来た1体の胸部へとスマッシュが炸裂する。それを受けると粒子へと変換されたが如く粉々になり消え去っていく。そこへ更に二体が背後から迫りドリルと刃を差し向けるが同時に裏拳が炸裂し分身が霧散する。
「ディァッ!!ォォォォォォッッ……ダァッ!!!」
頭部のラムダ・ソウルブレードが飛ぶ。青白い光を纏いながら一気に閃光となって駆け抜けていく刃は激しく交錯し突如として下がるような動きを織り込ませるようなとんでもない軌道を描きながらブリッツブロッツへと迫っていく。
「「ギィィッ!!」」
それに対して攻撃を仕掛ける、刃とドリルによって弾かれようとする寸前に突如として動きを変える。風に靡く草がそれを捕まえようとする手をするりと抜けるように、二つの攻撃を掻い潜りながらその胸へと突き刺さった。
「ギィッィイイイイイ!!!?」
胸に突き刺さった刃、それは抉るように回転しながら更に切り裂いていく。それによって胸の奥に隠されていた赤い結晶体に大きな傷がつき幾度にも爆発を起こしてしまっている。そしてそれらのダメージによって残っていた最後の分身が消え去ってしまう。そして戻ってきたブレードを握りながらマグナは一気に飛び掛かる。
『『LAMBDA SOUL SLASH!!!』』
「ディェアアアアアッッッ!!!」
斬撃のスマッシュが放たれる、翳された剣とドリルを粉砕するかのように切り裂く一撃。それを受けたブリッツブロッツは強化されている筈の自らの力を疑った。
「さあさあ行きますよフェンサー・ゴモたん!!」
『キシャアアアアアアアッッ!!!!』
大地を踏みしめる巨大な機械獣、それは高らかに雄たけびを上げながら眼前の敵へと進んでいった。向かう相手は無双鉄人、生半可な相手ではない事は確実。だがそれを言うのであればこのフェンサー・ゴモラとて並大抵のものではない事を見せ付けてやると発目は酷くやる気であった。
―――ォォォォォォッッ……。
唸り声のような駆動音を響かせながらもインペライザーは一歩を踏み出しながら此方へと迫ってきた。それに対して素早く反応したのはレギオノイド、即ちハルキとゼットであった。
『ハルキ、インペライザーは冗談抜きでパネェ相手だ。いざとなったら直ぐに変身して戦っちゃわないといけないですぜ!!』
「押忍!!でもそう簡単にはやられたりはしないですよゼットさん、だってこいつは―――PLUSの皆が作り上げた特空機コンビっすから!!行くっすよ発目ちゃん!!」
「アイアイサー!!!」
先鋒を切ったレギオノイド、ロボとは思えぬほどに軽やかな動きで走り出していく姿はMt.レディのように巨大化した人間を連想させる。一気に懐へと飛び込んでいくが刹那の出来事、インペライザーの右腕が巨大な刃へと変じた。
「ぃぃぃっ!!?」
『あっそうだインペライザーって腕を変形させられるんでしたぁ!』
「ちょっとゼットさん!!?うぉぉぉぉ何のぉおお!!!」
そんな大切な事を何で忘れる!?という言葉をぐっと飲みこみながらハルキはマニュアル操作で各部の減圧や出力調整を咄嗟に行った。そして振るわれる
「ンググググッ……チェェエエエストォ!!!」
スライディングからの急制動、それ故か身体に急激なGが掛かりその負荷に耐えながらも地面を蹴って背後からのタックルを浴びせ掛けた。回避からの背撃に対応しきれないのかまともに喰らいながらも前のめりになりそうにながら堪える―――が
「ようこそいらっしゃいましたぁっでは―――サイバー・ショックインパクトォ!!」
『キシャアアアアア!!!』
ゴモラ最大の強み、それこそが角から発する超振動波。ゴモラを模し、サイバーゴモラのデータを使用する事で完成されているフェンサー・ゴモラにも当然その力は備わっている。角からだけではなく両腕の巨大な盾としても使用する爪からも振動波を放ち攻撃できるようになっている。振動波を纏った一撃がインペライザーの頭部へと炸裂する、強固な装甲を誇る筈のインペライザーだがゴモラのパワーと振動波の重ね合わせはそれを貫通する。
「ハッハァやっぱり博士にサイバーゴモラのデータを貰ったのは正解でしたねぇ!!」
殴り付けた頭部から火花が散る、それに狼狽えるかのようにするが直後に剣を振るってくるが盾にもなる爪にエネルギーを送ってシールドを展開してそれを受け止める。だがそれでも相当な衝撃が襲ってくる、とんでもないパワーだと思ったがパワーなら此方だって負けてはいない。それにこちらは一人ではない。
「ナイスっす!!うおおぉぉチェストォォォ!!!」
受け止めた所へハルキが迫る。そして腕部のブースターを吹かし一気に加速させた拳を剣へと叩きつけた。それによって弾かれる剣、その剣へと飛び付くように腕へと組み付くとレギオノイドの肘と膝で挟み込むかのようにしながらの打撃を加えた。剣の腹へと浴びせ掛けられた一撃、そしてそれを行ったのはあのベリアル軍の尖兵だった存在の一撃、インペライザーの剣を打ち砕くには十分過ぎる一撃だった。
「シャァッオラ!!」
『うおおおっインペライザーの剣を折ったぁ!?マジで!!?』
流石のゼットでも驚愕の光景だった。それだけこの地球の技術力が高まっているという事なのか、いやこれはレギオノイドという存在ゆえだろう。そこにグルテンからのサイバー怪獣技術が導入されている、だからこそ出来た事。
「よぉおし一気に決めますよぉ!!ハルキさん、傷付けますので後は頼みますよ!」
「押忍!!」
「行きますよぉ出力最大リミッター解除―――コード・PLUS ULTRA!!」
唸りを上げながら高まっていく出力、それと共にフェンサー・ゴモラから光が溢れ出していく。両腕からは溢れんばかりの閃光が迸っている、発目はその中で自らの個性と同調するスコープを覗き込みインペライザーへと狙いをつける。そして最大限に出力が高まった時、大地を尾で打ち鳴らすと同時にブースターが一斉に火を噴きその巨体がインペライザーへと飛び掛かった。
「いっけぇぇぇっっ!!!!」
最高最大の出力の一撃が突き刺さる、圧倒的なパワーによって強固な装甲へと突き立てられた一撃は全出力によって放たれる振動波によって装甲を破壊していきながら更に奥へと突き刺さっていく。
「まだまだぁっ!!貴方の力はまだまだこんな物じゃない筈ですよゴモラぁ!!さあっ行きますよ―――Plus Ultra!!!」
『キシャアアアアアアアアアァァァッッッッ!!!!』
発目の言葉に応えるようにゴモラは更に出力を上げて行く、限界値を越えて力はインペライザーを抑えつけながらも持ち上げると天高く殴り飛ばしてしまった。
「今だっ!!ビッグバンッバースト!!」
空高くへと打ち上げられてインペライザー、それを見たハルキは地面へと機体固定用のアンカーを打ち込んだ。全身の装甲が解放されていくとそこから無数のミサイルが一斉に飛び出して無数の尾を引きながら全方位からインペライザーへと襲い掛かっていく。本来ならばその強固な装甲には無意味、かもしれないがゴモラの一撃で装甲は罅割れている上に大きな亀裂も入っている。それならば十二分に機能する、全方位からのミサイルの嵐を受けたインペライザーは大爆発を起こし、消えていった。
「おっしゃああああああっ!!!特空機初戦闘大勝利ぃぃぃ!!!」
「シャアア!!」
『うぉぉぉっこれは、本当に凄いで御座いますよぉ……あのウルトロイドとは全然違う方向性なのにめちゃんこつぇぇ……!!』
特空機の勝利が決定づけられた時、直ぐ近くで戦闘を行っていたマグナとブリッツブロッツの戦いも終幕となっていた。インペライザーへとミサイルが叩きこまれたのとほぼ同時に、必殺の光線が撃ち込まれブリッツブロッツは全身から火花を散らしながら倒れこみ爆発し消えていった。危機にこそ晒されたがPLUSは見事にそれを退ける事が出来た、そして―――PLUSは怪獣災害に対して明確な要になる事が世界に示された日となった。
―――ふぅうん強いなぁ本当に強いなぁ……マグナ。じゃあそろそろ